タイトル

開講年度 開講学部等
2025 共通教育
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期後半 木5~6 講義  
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1001090011 社会学(医療人類学)[Sociology] 日本語 1
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
星野 晋[HOSHINO Shin]
担当教員[ローマ字表記]
星野 晋 [HOSHINO Shin]
特定科目区分 STEAM関連科目 対象学生 医(医学) 対象年次 1~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
「病気/健康」は生物学的機能不全である同時に社会・文化的出来事である。本授業では、文化人類学の一分野である医療人類学の視点と方法を用いて、病気とそのケア(医療を含む)の社会・文化的側面について理解を深める。さらには日本における高齢化や疾病構造の変化がもたらす医療環境の激変を念頭に、臨床や暮らしの現場で生じるさまざまな課題に対して、医療人類学的の立場からどのようなアプローチが可能かを考える。
授業の到達目標
社会学・社会心理学・文化人類学・民俗学について基本的知識を身につけ、現代社会の諸問題を発見・分析・考察する力を養う。
授業計画
【全体】
<第1週〜第2週>
文化人類学・医療人類学とはどのような学問か、その視点と方法はどのようなものかについて理解する
<第3週>
肉眼解剖実習のケースを通して医学的アプローチの文化的側面について理解する
<第4週〜第5週>
生活者にとっての「病気とケア」がどのようなものかを考察する
<第6週>
医療専門職と患者・利用者の関係について医療人類学的な視点から理解する
<第7週〜第8週>
日本で現在起こりつつある医療環境の変化について理解する
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 オリエンテーション・文化人類学と医療人類学 文化人類学と医療人類学の基本的な視点と方法について理解する ・医療人類学がどのような分野かについて自分で調べてくる(120分程度)
・授業コメントをMoodleに記入する(60分程度)
・医学教育モデルコアカリキュラムにおける人類学・社会学関連の項目をチェックしこれから何を学修すべきかを整理する(60分以上)
第2回 文化と医療 国際医療協力における文化摩擦を例に、医療人類学的アプローチの必要性について考える ・文化の概念および医療と文化の関係について自分なりに調べてくる(120分程度)
・講義内容について復習し、授業コメントをMoodleに記入する(120分程度)
第3回 ご遺体は最初の患者である① 解剖実習を通してどのような身体へのまなざし、医療専門職としての思考様式やアイデンティティが形成されるかについて理解する ・医学部での解剖実習の見学体験を思い起こし、その際の気づきを言葉化しておく(120分程度)
・講義内容について復習し、授業コメントをMoodleに記入する(120分程度)
第4回 ご遺体は最初の患者である② 医学教育を通してどのような身体へのまなざし、医療専門職としての思考様式やアイデンティティが形成されるかについて理解する ・前回の講義を踏まえて、医学的人体と日常的身体の相違について整理しておく(120分程度)
・講義内容について復習し、授業コメントをMoodleに記入する(120分程度)
第5回 サファリングとケア シャーマンによるケアと医療がなぜ共存しうるのかを比較検討しつつ、病む人を理解する上で不可欠なサファリング(苦)という分析概念を理解する。 ・前回出された宿題小レポートを作成し提出しておく(180分程度)
・講義内容について復習し、授業コメントをMoodleに記入する(120分程度)
第6回 病むことの語り 一般の生活者が病気とケアをどのようにとらえているかを「語り」に注目して理解する ・前回の講義を踏まえて、サファリングとケアについて自分なりの理解をまとめておく(120分程度)
・講義内容について復習し、授業コメントをMoodleに記入する(120分程度)
第7回 生活者中心のケアに向けて 生活者である患者と医療専門職との間で病むこととそのケアについて、どのような認識のずれがあるかを理解し、その溝をどのように埋めていく必要があるかを考える ・前回出された宿題小レポートを作成し提出しておく(180分程度)
・講義内容について復習し、授業コメントをMoodleに記入する(120分程度)
第8回 事例検討・総括 具体的臨床事例について検討する。最後に本講義の総括をする。 ・講義全体を振り返りコメントをMoodleに記入する(120分程度)
・最終課題レポートを作成する(180分程度)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: --% D: --%
成績評価法
毎回の授業コメント(5×8=40%)、宿題小レポート(10×2=20%)、最終レポート(30%)、授業態度・調整点(10%)。原則全回出席を求めるが、やむを得ない事情による欠席は2回まで認める。それ以上の欠席は欠格として単位を与えない。
教科書にかかわる情報
備考
教科書は用いない。資料等はMoodleにアップする。
参考書にかかわる情報
備考
・『苦悩することの希望:専門家のサファリングの人類学』 浮ケ谷幸代編 協同医書出版社, 2014.
・『病むことの文化:医療人類学のフロンティア』 波平恵美子 編 海鳴社, 1990.
・『ナラティブと医療』 江口重幸, 斎藤清二, 野村直樹 編 金剛出版, 2006.
・『医師・医学生のための人類学・社会学:臨床症例/事例で学ぶ』 錦織 宏、飯田淳子編 ナカニシヤ出版, 2021.
・『医師と人類学者との対話 -ともに地域医療について考える』渥美一弥/浮ヶ谷幸代/佐藤正章/星野 晋編 協同医書出版社, 2021.
・『ヘルマン医療人類学―文化・健康・病い』 セシル・G・ヘルマン,  辻内 琢也他訳, 金剛出版, 2018.
メッセージ
医学教育モデルコアカリキュラムに含まれる授業内容なので、共通教育ではあるけれど実質的に専門科目であると思って授業に臨んでください。
なお自分で考えることを重視する授業なので、コメント、宿題小レポート、最終レポートにおいて、生成AIは思考の補助にとどめ、コピペや全面依存はぜったいにしないでください。※生成AIチェッカーで確認します。
キーワード
文化 生活 相対化 エスノグラフィー サファリング ケア 国際保健、文化摩擦、解剖実習、シャーマニズム、地域医療、高齢化・人口減
持続可能な開発目標(SDGs)

  • すべての人に健康と福祉を
(保健)あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
関連科目
履修条件
連絡先
hoshino@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
授業後他随時。メール等でアポイントメントをとること。

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