開講年度
開講学部等
2025
共通教育
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期後半
木5~6
講義
4.0
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
1001120022
人間の発達と育成2(臨床心理学(映画から学ぶ))[Human Development and Training 2]
日本語
1
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
恒吉 徹三[TSUNEYOSHI Tetsuzoh]
ー
担当教員[ローマ字表記]
恒吉 徹三 [TSUNEYOSHI Tetsuzoh]
特定科目区分
STEAM関連科目
対象学生
人(096-)・理(数理・生物・化学)・工(機械)
対象年次
1~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
こころを理解し援助するための基礎学問である臨床心理学の領域の中から,関係論的なトピックス(特に対象喪失体験の理解)を中心に取り上げて、映画を題材として講義します。映画にはさまざまな人間関係が具体的に描かれています。もちろん多くはフィクションです。それでも私たちは映画をみているときには、ほんとうのことのように感じたり、こころを揺り動かされたりします。この私たちの体験が映画をみるうえで重要です。さらにいえば、私たち自身が体験し感じ取っている事実(心的事実・心的現実)が私たちの考える世界の一部を構成しているといっても過言ではありません。ただこの心的事実も現実と相互作用しながら形成されているものであり、単純に「主観的」と言い切れるものでもありません。何より、多くの専門用語が日常から離れすぎて、自分自身と深くかかわりがある事象を学んでいる実感ができなくなりがちです。
そこで、映画という身近な素材を活用し、臨床心理学について学びます。これにより、自分自身の理解や他者の理解のための学問であることを学びます。
授業の到達目標
現代のさまざまな分野における発達環境や人づくりの面から、人間の心理・発達や人材育成について理解し考察する力を養う。
授業計画
【全体】
臨床心理学のいくつかの領域、特に関係論的概念および対象喪失や映画を観ることで生じる感情体験の理解を中心に映画を活用して講義します。映画には人と人と関係が具体的に描かれています。人と人との関係の発達やその喪失体験並びに人と人との関わりを通して各自が感じる感情体験(感情を言葉にすること)について学びます。映画を観て,各自の体験を言葉にすることを通して自己理解を深めることも広い意味で本講義の目標です。
授業に際しては,グループを構成します。このグループ内で意見交換を行い,その後全体に共有します(一部の回で実施)。
また、臨床心理学の研究を体験的に理解するために,講義内で心理学の調査研究への協力をお願いする場合もあります。 これは、もちろん強制ではありませんので、個人の判断で参加、不参加は決定するものです。
授業形態:単独
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
臨床心理学とは?
講義に関するオリエンテーション等、臨床心理学の基本的観点
(講義への期待や理解度、関心を確認するために、講義内で感想を書いてもらいます)
*授業実施計画に沿って予習・復習をしてください(学修時間の目安位は合計4時間です)。具体的な点は講義で伝達します。
第2回
臨床心理学と映画
臨床心理学のなかから力動的アプローチによる対象者や状況理解の基本的な観点について講義します。さらに、この観点から映画をどのように理解することができるか講義します。
【授業内アンケート】(10点)
*授業実施計画に沿って予習・復習をしてください(学修時間の目安位は合計4時間です)。具体的な点は講義で伝達します。
第3回
映画を通して学ぶ(1)
ネット上に公開されている映画(公式、無料)を視聴します。
*鑑賞した映画について、グループで議論します。
*授業実施計画に沿って予習・復習をしてください(学修時間の目安位は合計4時間です)。具体的な点は講義で伝達します。
第4回
映画を通して学ぶ(2)
ネット上に公開されている映画(公式、無料)を視聴します。
*鑑賞した映画について、グループで議論します。
【授業内アンケート】(修学支援システム)実施(10点)
*授業実施計画に沿って予習・復習をしてください(学修時間の目安位は合計4時間です)。具体的な点は講義で伝達します。
第5回
対象喪失について
対象喪失についての臨床心理学の理論を紹介します。
*授業実施計画に沿って予習・復習をしてください(学修時間の目安位は合計4時間です)。具体的な点は講義で伝達します。
第6回
映画をもとに対象喪失について考える
対象喪失をテーマとした映画を題材に,対象喪失によるこころの変化という観点から、講義内で議論します。
【授業内アンケート】(修学支援システム)実施(10点)
*授業実施計画に沿って予習・復習をしてください(学修時間の目安位は合計4時間です)。具体的な点は講義で伝達します。
第7回
講義の振り返りと討論
講義でとりあげた作品について受講生で意見交換・討論し、講義全体についても振り返ります。現代的な意味でのかぞく、人生における対象喪失の意味について議論します。
*授業実施計画に沿って予習・復習をしてください(学修時間の目安位は合計4時間です)。具体的な点は講義で伝達します。
第8回
試験
試験
*授業実施計画に沿って予習・復習をしてください(学修時間の目安位は合計4時間です)。具体的な点は講義で伝達します。
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: 30% B: 10% C: --% D: --%
成績評価法
成績:期末試験:70%点満点),授業内レポート(授業外含む):30%。
なお,合計5回以上の出席をもって,期末試験の受験資格とします。私語など講義の進行の妨げとなるような行為が
あって3回の注意を行った場合も欠格条件とします。また,講義開始後の入室は,理由を問わず一切認めません。正当な理由がある場合には,次の講義のさいに
欠席届を提出してください。また,授業内レポート(30点)は,修学支援システムの【授業支援】のボタンを押すと出てくる【授業内アンケート】を用いて行います。
なお、「秀」の評価は受講者数の10%を目安とします。そのため、「優」に該当する対象者の中から選出する方法を取ります。なお、欠席が2回以上ある場合、「秀」の評価には該当しません。
教科書にかかわる情報
備考
テキストは用いません。必要な資料は、修学支援システムの【授業支援】のカテゴリーの中にある【講義資料】に配置しますので、各自でダウンロードしてください。また、これら講義では配布する資料は、WEB・SNSなどには一切掲載不可です。あくまで個人の講義資料としてのみ利用してください(著作権上)。
参考書にかかわる情報
参考書
書名
イラストでわかる映画の歴史 : いちばんやさしい映画教室
ISBN
9784845918058
著者名
アダム・オールサッチ・ボードマン著 ; 細谷由依子訳
出版社
フィルムアート社
出版年
2018
参考書
書名
性格類語辞典
ISBN
9784845916023
著者名
アンジェラ・アッカーマン, ベッカ・パグリッシ著 ; 滝本杏奈訳
出版社
フィルムアート社
出版年
2016
参考書
書名
映画史を学ぶクリティカル・ワーズ
ISBN
9784845913077
著者名
村山匡一郎編
出版社
フィルムアート社
出版年
2013
参考書
書名
日本映画史110年
ISBN
9784087207521
著者名
四方田犬彦著
出版社
集英社
出版年
2014
備考
各自で,対象喪失に関わる映画を探して,最低1本は鑑賞しておいてください。もちろん苦痛になる場合は鑑賞する必要はありません。対象喪失は様々な内容のものがあります。例えば,慣れ親しんだ土地から引っ越すこと,通っていた学校を卒業して大学に入学するという過程でもすでに生じているものでもあります。
メッセージ
初回に講義のオリエンテーションを行いますので、必ず出席してください。事前学習として,自分自身の他者との関係の特徴について考えながら出席してください。事後学習では,講義内容を復習して理解を深めてください。また,事前・事後学習の一貫として,日ごろから,臨床心理学的な視点で日常生活をとらえてみる時間を作ってください。映画には、みてすぐわかる作品、「あ~面白かった」で終わる作品もあれば、いくら考えても意味がわからない、「え、ここで終わるの?」という作品まで幅があります。観るだけですぐにわかる映画だけがいい映画ではありません。それに、有名タレントばかりが出ているな商業主義にのったメジャーな映画もあれば、もちろん実力のあるキャストで構成された映画まで幅広くあります。一方、インディペント系とよばれる映画は、メジャーではないキャストや監督により制作されていることもありますが(もちろん著名なキャストや監督のこともあります)、何より監督の主張が色濃く表現されている映画です。インディペンデント系の映画では、製作費をクラウドファンディングで集めることで、スポンサーの意見によってキャスティングや作品内容が左右されない工夫もなされています。各自の趣味の関わる世界のことなので、好き嫌いがありますが、さまざまな作品にはそれぞれの味わい深さがあります。シネコンだけでなく、旅行や帰省したおりに各地のミニシアターや『インディペンデント映画祭』『短編映画祭』などもためしにのぞいてください。はまると抜け出せなくなるほど魅力的な世界でもありす。
何より、幅広い映画にふれると、自分自身の視野が広がります。幅広く物事に関心をもってください。戦争を引き起こすのも人間ですが、平和を産み出すのも人間の営みです。広く幅をもって人や社会を理解するための一歩にこの講義がなることを期待しています。
キーワード
臨床心理学,映画,力動的アプローチ,関係論,対象喪失
持続可能な開発目標(SDGs)
(貧困)あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる。
(ジェンダー)ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う。
(平和)持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する。
関連科目
人間の発達と育成1(臨床心理学(対象喪失))
履修条件
連絡先
whiteowl
オフィスアワー
木曜5コマ:質問がある時には気軽にまずはメールで連絡をください。時間調整して質問時間を確保します。
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