開講年度
開講学部等
2025
共通教育
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期
金7~8
講義
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
1001180056
生物学Ⅰ(生物学Ⅰ)[Biology I]
日本語
2
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
澤田 知夫[SAWADA Tomoh]
ー
担当教員[ローマ字表記]
澤田 知夫 [SAWADA Tomoh], 中井 彰 [NAKAI Akira], 宮川 勇 [MIYAKAWA Isamu]
特定科目区分
対象学生
医(医学)
対象年次
1~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
「生命」や「生命現象」は、しばしば「神秘的」な存在と表現され、単なる物理現象・化学現象とは分けて考えられがちです。しかし、「現代の生物学」や「現代の生物医学」は、その「生命」や「生命現象」の持つ「物質的」あるいは「機械的」な側面を、物理・化学的原理を通して理解しようとしているのであり、そこに至る過程や理由について、過去の変遷をも振り返りつつ興味を抱き、理解を深める。
また、生物学が「人間をも自然や他の生物と同じ原理に支配される存在」と考えた時、「ヒト」と呼ばれる生物がどのように他の生物と共通点を持ち、またどのように掛け離れた存在であるかを考える。
授業の到達目標
自らの専門分野を学ぶために必要な基礎的知識・技能を習得する。
授業計画
【全体】
この講義は主に講義と毎回の小レポート作成によって構成されます。「高校生物学」の補習的講義ではなく、大学で専門的に「生命科学」を学ぶ上で必要となる「生物・生命科学の背景への包括的な理解」を目的とします。前期・生物学Ⅰでは「個体の内部構造と機能」を超えた領域を担当し、「生命科学の考え方・歴史への理解」「生命の起源・進化への理解」「生物の多様性と比較生物学」「生態学・生態系への理解」などを含みます。
また、講義では「最近の科学ニュース」や「近年の転換点となった発見」なども紹介し、世界の生命科学の動向にアンテナを向けておく面白さと意義を感じ取って欲しいと思います。
毎回レポートを書くことで「自分の中の気付き、アイデアや考えの明確化とその表現」の能力を養います。講義で話を聞くだけに終わらせず、講義メモや講義の際に抱いた自分の感想・意見を文字に起こすこと、それを自ら検討し確認することの積み上げによって、「自分の考えや意見を構築し表現する力」が成長していくと期待しています。
ヒトと「命」に科学的立場から向き合うようになるあなたに、ヒトが様々な生き物・生命に取り巻かれそれらとの協調によって存在し得ることを知って欲しい。科学における知識の積み重ねの重要性を学び、科学や医学を歴史的に捉える目、考える力の成長を期待します。
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
序:生命科学と医学
生命について考える。 医学教育の中での生命科学・生物学の位置付け。 大学生として科学的思考を学ぶ意義と心構え。
担当:中井 「対面」
予習として、医学科対象・共通教育「生物学Ⅰ」と「生物学Ⅱ」のカリキュラムとシラバス内容を確認する。
第2回
生物への理解はどのように進んで来たか
Ⅰ.「生物と生命」への哲学的興味
形態的な分類・識別と生命エネルギーなど概念的な解釈。「原始的、感性的」な生物観、生命観。 ※ 修学支援システムでの小レポート提出に関する説明
担当:澤田 「対面」
自分が抱く「生命観」「生物学的理解」を想起し、それがどのように作られたかを考えてみる。
提示された「テーマ」で「小レポート」を提出(修学支援システム)。(4時間)
第3回
生物への理解はどのように進んで来たか
Ⅱ.中世・近世の科学思想・技術の発展と生物学
技術進歩による知識拡大と生物・生命に対する科学的解明の挑戦
担当:澤田 「対面」
提示された「テーマ」で「小レポート」を提出(修学支援システム)。(4時間)
第4回
生物への理解はどのように進んで来たか
Ⅲ.物理学・化学の成果が医学・生物学にもたらしたもの
19世紀物理学・化学の進歩が生物学にもたらしたもの。生物・生命の物理化学的な記述。実験生物学の始まり。
担当:澤田 「対面」
提示された「テーマ」で「小レポート」を提出(修学支援システム)。(4時間)
第5回
生物への理解はどのように進んで来たか
Ⅳ.生物学の進展と医学
近・現代生物学の急速な発展。生命科学の進歩が医学・医療にもたらすもの。
担当:澤田 「対面」
提示された「テーマ」で「小レポート」を提出(修学支援システム)。(4時間)
第6回
生命の起源:有機的システムの複製・再現(増殖)とエネルギー獲得への挑戦
化学進化:有機物の合成とエネルギーの獲得。生命誕生の場。
担当:宮川 「対面」
提示された「テーマ」で「小レポート」を提出(修学支援システム)。(4時間)
第7回
細胞の誕生と地球環境の変遷
RNAからDNAへ。原核生物の誕生。シアノバクテリアによる光合成の発明。
担当:宮川 「対面」
提示された「テーマ」で「小レポート」を提出(修学支援システム)。(4時間)
第8回
真核細胞にみる生物進化の痕跡
細胞内共生による真核細胞の誕生。真核細胞の構造と機能。生物でみられる共生。
担当:宮川 「対面」
提示された「テーマ」で「小レポート」を提出(修学支援システム)。(4時間)
第9回
なぜミトコンドリアは真核細胞の細胞小器官となったか
ミトコンドリアの構造とATP合成。ミトコンドリアの自律性と分裂・増殖。ミトコンドリアDNAと遺伝。
担当:宮川 「対面」
提示された「テーマ」で「小レポート」を提出(修学支援システム)。(4時間)
第10回
生物への理解はどのように進んで来たか
Ⅴ.個体の行動・生態から個体群・種の理解へ
一個体を対象とする行動生態学から、個体群・種の概念へ。
担当:澤田 「対面」
提示された「テーマ」で「小レポート」を提出(修学支援システム)。(4時間)
第11回
生物への理解はどのように進んで来たか
Ⅵ.個体群と生物群集そして生態系へ
一定地域に棲息する同種の生物を「個体群」、地域内の生物全体を「生物群集」という概念で捉えて、その生態系における生物の役割を考える。
担当:澤田 「対面」
提示された「テーマ」で「小レポート」を提出(修学支援システム)。(4時間)
第12回
生きものとしての人類
Ⅰ.動物界におけるヒトの位置
動物界における哺乳類およびヒトの位置。生態系の一員としてヒトという生物が持つ「独自性」と「特異性」。
担当:澤田 「対面」
提示された「テーマ」で「小レポート」を提出(修学支援システム)。(4時間)
第13回
生きものとしての人類
Ⅱ.生物進化の中のヒト、その構造機能的特徴
ヒトの構造的・生理学的特徴と進化。比較発生学的側面から考える。
担当:澤田 「対面」
提示された「テーマ」で「小レポート」を提出(修学支援システム)。(4時間)
第14回
生きものとしての人類
Ⅲ.環境への適応とヒト
「生物としてのヒト」に見る環境への適応。
担当:澤田 「対面」
提示された「テーマ」で「小レポート」を提出(修学支援システム)。(4時間)
第15回
最終レポート作成
「医学者・医師にとって生命科学・生物学を学ぶ意義は何か」をテーマに教室でレポートを作成する。
担当:澤田 「対面」
「テーマ」に沿って最終レポート作成の準備作業(資料収集・整理など)を行う。(4時間)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: --% D: --%
成績評価法
レポート(各授業回ごと提出)40%、履修態度等(授業出席、レポート提出など)10%、学期末筆記テスト(教室での最終レポート作成)50%
教科書にかかわる情報
備考
参考書にかかわる情報
参考書
書名
新・大学生物学の教科書 第1巻 細胞生物学 (ブルーバックス)
ISBN
9784065137437
著者名
D・サダヴァ他著
出版社
出版年
2014
参考書
書名
大学生物学の教科書 第4巻 進化生物学 (ブルーバックス)
ISBN
9784062578752
著者名
D・サダヴァ他著
出版社
講談社
出版年
2014
参考書
書名
大学生物学の教科書 第5巻 生態学 (ブルーバックス)
ISBN
9784062578769
著者名
D・サダヴァ他著
出版社
講談社
出版年
2014
備考
講義時にプリントを配布することもあります。シラバスに挙げた参考書以外でも、課外学習として積極的に図書館、参考書やインターネットなどで書物・文献を検索するなどして興味を広げてください。その他、わからないことは質問をしてください。
メッセージ
機会を捉えて「生きものと出会い」、楽しみながら「いのち」への感性を育ててください。
基本的に、毎回の小レポートを提出していただきます。テーマは修学支援プログラムで提示し、提出していただきます。講義で得た自分なりの気づきや学び、考えたことを自分なりに表現して下さい。質問も結構です。第15回の「最終レポート」と「毎回のレポート」の積み重ねが最終評価の主な要素となります。
キーワード
生命、生物多様性、生物学の考え方、進化、種、個体群、生態系、人と自然、生き物としての人類
持続可能な開発目標(SDGs)
(保健)あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
(教育)すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
(陸上資源)陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する。
関連科目
生物学Ⅱ(医学部対象)
履修条件
生物学に関する一般的な知識(中学校・理科程度)を必要とする。
連絡先
教員への連絡・質問等は、基本的に修学支援システムにおけるメッセージ機能(またはシステムで割振られた教員アドレス)を使用のこと。
それ以外の場合は、必要に応じて講義の際に伝える。
オフィスアワー
教員は非常勤講師および医学部教員なので、原則的に講義終了後の時間を質問などに当てて欲しい。
他に、修学支援システムのメール機能やそれぞれの教員が必要に応じて指定する質問用メールアドレスを利用して質問・学習相談を行ってください。
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