タイトル

開講年度 開講学部等
2025 共通教育
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期集中 集中 講義 4.0
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1001220018 知財展開科目A2(技術経営と知的財産)[Intellectual Property Development SubjectA2] 日本語 2
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
陳内 秀樹[JINNAI Hideki]
担当教員[ローマ字表記]
陳内 秀樹 [JINNAI Hideki]
特定科目区分   対象学生 全学生 対象年次 0~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
 技術経営は,MOT:Management of Technologyと訳されます。簡単に言えば「競争力を生み出す源泉を見極め,競争力が持続するマネジメントを行う」ことであり、技術版MBAとも説明されます。
 この競争力の源泉とは,特許やブランド(商標に化体した信用),あるいはそれらを生み出すノウハウや経営方針等が当たります。こうした多様な競争力の源泉にとっての共通点は,それらが本質的には知的財産であるということです。すなわち,技術経営とは「知的財産を戦略的思考を以てマネジメントする」と言い換えることができるでしょう。
 MBAがケーススタディを中心とするように,本科目もケースを検討しグループで協議する学びを通じて戦略的思考を身に付けます。
 なお,経営すなわちマネジメントやリーダーシップの基本についても解説するとともに,アイデア発想やそのブラッシュアップの仕方についても学びます。
 また,戦略的な研究開発等のためには特許等の検索(先行技術調査)は極めて重要です。本科目においてはこの基本的スキルとして、(一財)工業所有権協力センターが行っている特許検索競技大会スチューデントコースに対応できるレベルの検索スキルの修得も目指します。
授業の到達目標
知的財産についての幅広い知識を習得し、知的財産がかかわる社会的問題について考察する力を養う。
授業計画
【全体】
開講日と教室は以下のとおり。時間はいずれも9:00~16:20
8/2,8/3,8/6:経済学部D棟 D101教室
8/7:経済学部B棟 B201教室

第1回 ガイダンス技術経営 概説
第2回 技術経営から知的財産を俯瞰する
第3回 商標検索とブランド
第4回 特許検索1(テキスト検索)
第5回 特許検索2(FI検索)
第6回 特許検索3(経過情報とパテントマップ)
第7回 中間まとめ1(検索演習)
第8回 検索実技試験
第9回 知財マネジメント事例から学ぶ
第10回 日本の法制度の全体像 ものづくり系のビジネスに係る知財法
第11回 「契約」とは コンテンツ系のビジネスに係る知財法
第12回 国際的な知的財産保護体制
第13回 知的財産を活かしたビジネスアイデアを創出する~知財を生かした戦略思考~
第14回 知的財産を活かした事業計画を作る~ビジネスモデルキャンバス(リーンキャンバス)~
第15回 総括と期末試験
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 ガイダンス
技術経営 概説
技術経営の一部である知財マネジメントを学ぶ前段として、技術経営の全体像を学ぶ。 予習として、特許庁のコンテンツ「とっきょ」にアクセスし、バックナンバーを読んで興味を持った事例をいくつか選んでおく(学修時間の目安2時間)。宿題として小レポートを記入し提出する。
https://www.jpo.go.jp/news/koho/kohoshi/index.html
第2回 技術経営から知的財産を俯瞰する 専門用語を整理するとともに、知的創造サイクル(創造・保護・活用)を、知財マネジメントの観点で俯瞰する。
 特許庁のコンテンツ「とっきょ」の興味を持った事例を1つ選び、その説明用資料をスライド数枚で制作する。
宿題として小レポートを記入し提出する。講義資料と参考書籍熟読
(学修時間の目安:2時間以上)
第3回 商標検索とブランド JPLATPATを使った商標検索のスキルと知識を身に付けます。 予習・復習としてMoodle上の過去問を解いて、理解を深める。宿題として小レポートを記入し提出する。講義資料と参考書籍熟読
(学修時間の目安:2時間以上)
第4回 特許検索1(テキスト・FI検索) JPLATPATを使った特許検索のスキルと知識を身に付けます。特に適切なキーワード設定のために。テクニカルタームと一般語,言語の上位下位の構造化,論理式の立て方を学びます。加えて、検索漏れのないFI検索の方法を学びます。 予習・復習としてMoodle上の過去問を解いて、理解を深める。宿題として小レポートを記入し提出、特許庁のコンテンツ「とっきょ」を元に作ったスライドのブラッシュアップ(翌日の発表に備える)講義資料と参考書籍熟読
(学修時間の目安:2時間以上)
第5回 特許検索2(パテントマップ) YUPASS(山口大学特許検索システム)を用い、パテントマップを作成し、知財情報の分析と考察を行う。 宿題として小レポートを記入し提出する。講義資料と参考書籍熟読
(学修時間の目安:2時間以上)
パテントマップ作成機能を強化したパテントマップを用います。
https://yupass.patentfield.com/
第6回 特許検索3 これまでの検索スキルとパテントマップによる分析の力量を演習において確認します。 予習としてMoodle上の過去問を解いて、理解を深める。宿題として小レポートを記入し提出する。講義資料と参考書籍熟読
(学修時間の目安:2時間以上)
第7回 知財マネジメント事例から学ぶ 各社の事例を知財マネジメントの視点で整理し共有します。(ソーイングアサヒ、サントリースピリッツ、ダイドウ、富士フィルム、なんぽうパン、日清食品、テクノグローバル、カシオ計算機、木下精密工業、バンダイなど) 宿題として、授業中に記入したワークシートの内容をブラッシュアップし提出する。小レポートを記入し提出する。講義資料と参考書籍熟読
(学修時間の目安:2時間以上)
第8回 日本の法制度の全体像 ものづくり系のビジネスに係る知財法 法制度の全体像を解説し、ものづくり系知財法が関わる具体的な裁判事例をテーマに、その背景、当事者行動、訴訟戦略、法解釈など広く検討しワークシートに整理します。 宿題として、授業中に記入したワークシートの内容をブラッシュアップし提出する。小レポートを記入し提出する。講義資料と参考書籍熟読
(学修時間の目安:2時間以上)
第9回 「契約」とは コンテンツ系のビジネスに係る知財法 ビジネスに必要である、契約について解説し、コンテンツ系知財法が関わる具体的な裁判事例をテーマに、その背景、当事者行動、訴訟戦略、法解釈など広く検討しワークシートに整理します。 宿題として、授業中に記入したワークシートの内容をブラッシュアップし提出する。小レポートを記入し提出する。講義資料と参考書籍熟読
(学修時間の目安:2時間以上)
第10回 標準化と知的財産(1) ルールメイキングの視点から技術と知財活用を俯瞰する。 宿題として、授業中に記入したワークシートの内容をブラッシュアップし提出する。小レポートを記入し提出する。講義資料と参考書籍熟読
(学修時間の目安:2時間以上)
第11回 標準化と知的財産(2)演習 オープンクローズ戦略、特許と標準化の組み合わせによるビジネス戦略 宿題として、授業中に記入したワークシートの内容をブラッシュアップし提出する。小レポートを記入し提出する。講義資料と参考書籍熟読
(学修時間の目安:2時間以上)
第12回 知的財産を活かしたビジネスアイデアを創出する~知財を生かした戦略思考~ 各自で、ビジネスに繋がるアイデアを知的財産権の視点で発想し整理します。
価値デザイン経営の視点でのアイデア創出
予習として、日常生活の中での不便なところや、ビジネスアイデアを考えておく。授業中に記入したワークシートの内容をブラッシュアップし提出する。宿題として小レポートを記入し提出する。講義資料と参考書籍熟読
(学修時間の目安:2時間以上)
参考資料「価値デザイン経営の普及に向けた基本指針」内閣府 知財本部
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kousou/kachi_design_wg/pdf/kihonsisin.pdf
第13回 知的財産を活かした事業計画を作る~ビジネスモデルキャンバス(リーンキャンバス)~ 本科目で得た知識を活かし,自分の発明や創作を,リーンキャンバスで社会実装を想定し整理します。 宿題として、授業中に記入したワークシートの内容をブラッシュアップし提出する。小レポートを記入し提出する。講義資料と参考書籍熟読
(学修時間の目安:2時間以上)
リーンキャンパスはYUアイデアコンテストの様式と共通です。URLは2024年度のもの。学修成果を活かしてぜひ応募ください。

https://kenkyu.yamaguchi-u.ac.jp/sangaku/?p=6275
第14回 アイデアとビジネスモデルの発表 前時にまとめた内容を発表する 宿題として、授業中に記入したワークシートの内容をブラッシュアップし提出する。小レポートを記入し提出する。講義資料と参考書籍熟読
(学修時間の目安:2時間以上)
第15回 総括 全体のまとめ、最終課題レポートを作成 宿題として、全体を振り返って小レポートを提出する。講義資料と参考書籍熟読
(学修時間の目安:4時間以上)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: 15% C: 15% D: 10%
成績評価法
授業内のレポート(小レポート)、課題の提出(ワークシート・宿題レポート)、プレゼン発表の相互評価、最終課題(レポート)で評価します。
授業内のレポート 35%、課題の提出 40%、相互評価 10%、最終課題15%
教科書にかかわる情報
備考
スライド資料を配付します。
参考書にかかわる情報
参考書 書名 事業戦略と知的財産マネジメント ISBN 9784827109696
著者名 特許庁 出版社 発明協会 出版年 2010
参考書 書名 ケースメソッド教授法入門 ISBN 9784766417876
著者名 高木晴夫監修 竹内伸一著 出版社 慶應義塾大学出版会(株) 出版年 2010
参考書 書名 戦略的技術マネジメント ISBN 9784535555105
著者名 George Tesar他 上西研監訳 出版社 日本評論社 出版年 2017
参考書 書名 教則標準化とビジネス ISBN 9784990393540
著者名 江藤学, 辻田美紗, 佐々木通孝著 出版社 山口ティー・エル・オー 出版年 2018
備考
メッセージ
キーワード
技術経営,知財マネジメント,アイデア発想,フレームワーク思考,ビジネスモデルキャンバス、知財情報、特許検索
持続可能な開発目標(SDGs)

  • 質の高い教育をみんなに
  • 働きがいも経済成長も
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • つくる責任つかう責任
(教育)すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
(経済成長と雇用)包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する。
(インフラ、産業化、イノベーション)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
(持続可能な生産と消費)持続可能な生産消費形態を確保する。
関連科目
共通教育科目「知的財産入門」
知財展開科目「技術経営と知的財産」「ものづくりと知的財産」「知財情報の分析と活用」「標準化と知的財産」シラバスを「知財展開科目」で検索ください。現在、「特許法」や「著作権法」といった法律系の科目の他、「ものづくりと知的財産」や「コンテンツ産業と知的財産」「農業と知的財産」のように、各学部の専門領域に関連づけた「知財展開科目」を17科目開講しています。知財教育は本学で学ぶ学生の強みですから、ぜひ積極的に展開科目を履修ください。

令和7年度 共通教育 『知財展開科目』開講日程を参照
https://kenkyu.yamaguchi-u.ac.jp/chizai/?page_id=10763
履修条件
連絡先
電話:0836-85-9973(直通)
メール:h-jinnai@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
基本的には常盤キャンパスにおります。
メールで連絡ください。

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