タイトル

開講年度 開講学部等
2025 共通教育
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期前半 水3~4 講義 2.0
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1002100006 経済と法2(観光経営と文化心理学)[Economics and Law 2] 日本語 1
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
武本 Timothy[TAKEMOTO Timothy]
担当教員[ローマ字表記]
武本 Timothy [TAKEMOTO Timothy]
特定科目区分 STEAM関連科目 対象学生 教(小(教育学)・幼児・情報・教科)・理(数理・地球)・経(1-180) 対象年次 1~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
近代経済学では、基本的に「人間は、常に冷静・合理的に判断して行動をする」とされています。しかしながら、この授業では、実際の人間が、合理的な判断によらず、ついついしてしまう行動があることや、他人の説得(マインドコントロール?)や環境に影響されて行動することがあることなどを事例をもとに紹介していきます。また、この延長線上の話として、人間の不思議な非合理的な行動の事例の1つとして、刺激と娯楽を求めて、いつもと違った場所に行くとされる観光行動についてみていきます。行先の選択はさまざまで、人は、光あふれる名所だけではなく、なんでそんなところ?と思うような暗くマイナーな場所に行くことも好みます。こうした観光行動は、人として一律ではなく、欧米人と日本人とではずいぶん異なっていることも合わせて考えていきます。

この講義では、授業中に他の学生と授業内容について話し合う時間を設けます。
担当者はイギリス人で、日本語の発音はネイティブスピーカーに及ばず、不愉快に感じられる学生もいますので、ご心配だりましたら、下記・過去の授業のビデオをご参照ください。
https://youtu.be/xo6gEdIQymo
授業の到達目標
経済や法律に関する基本的な知識を身につけ、現代社会の諸問題を自ら発見・分析・考察する力を養う。
授業計画
【全体】
近代経済学の基本的なコンセプトとなっている「合理的な選択をする人間像」を紹介した上で、次いでこうした人間像への批判を念頭においた、他者の説得や周辺環境によって影響される非合理的な選択をする人間の研究を紹介します。それを基に、そもそも「選択する」ことは楽しいことなのか、もしくは必要なことなのかについて考えます。さらに、「人間の合理的な選択というものは、実は事後的なこじ付けである」とみる見解や、無意識についての研究を具体例を交えて紹介していきます。最後の二回の授業では、欧米人にとって特に好まれていて、今、日本でも注目されている「ダークツーリズム」を例にみながら、欧米人と日本人の観光の好みの違いについて考察します。

項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 合理主義のわなと文化によるマインドコントロール 経済学部では日本語が合理的に行動しているということを前提にするが、脳科学・社会心理学・精神分析の理論では人間の行動は無意識的に決定されているという研究を紹介する スライド提供と授業のビデオを共有しそれらを参照しながらMoodleの選択式テストに答え、授業で取り上げられた文化現象を探す(約4時間)。 クラスメートと話し合っていただきます。
第2回 選択肢の重要性とホスピタリティー・おもてなしの文化 欧米の心理学・経済学部では、他人の影響を受けずに、あるいはそれを振り切って、自由に選択することが望ましいとされているが、自由な選択がそう楽しくはないということを示す研究を紹介する。
 どのようなときに選択しているか。どのくらい選択をしているのか。米国人が日本人の4倍選択することを好むといわれるのはなぜか? ホスピタリティーとおもてなしにおける選択の違いについて考えます。(Iyengar, 2011; Schwartz & Ward, 2004)
スライド提供と授業のビデオを共有しそれらを参照しながらMoodleの選択式テストに答え、授業で取り上げられた文化現象を探す(約4時間)。 クラスメートと話し合っていただきます。
第3回 頭の中の言語と文化 合理的に選択するのはどのようなことか?冒頭で見ましたように、行動の選択や実施命令のような制御機能ではありません。自分自身と話す(内言)にまつわる文化や理論を紹介します。 スライド提供と授業のビデオを共有しそれらを参照しながらMoodleの選択式テストに答え、授業で取り上げられた文化現象を探す(約4時間)。 クラスメートと話し合っていただきます。
第4回 社会的認知:欧米時の合理的思考と日本人の「全体的」(視覚的?)思考 Nisbettと増田の全体的・分析的思考の理論を紹介する。 スライド提供と授業のビデオを共有しそれらを参照しながらMoodleの選択式テストに答え、授業で取り上げられた文化現象を探す(約4時間)。 クラスメートと話し合っていただきます。
第5回 自己と思考の媒体 欧米人は言語的に考え、日本人は想像をより多く活用するという研究を紹介します。 スライド提供と授業のビデオを共有しそれらを参照しながらMoodleの選択式テストに答え、授業で取り上げられた文化現象を探す(約4時間)。 クラスメートと話し合っていただきます。
第6回 自己高揚と観光の明暗 名所・観光目的地は明るくて楽しいところでしょうか?自分の町にも以外と観光目的地になる箇所があるかも。 スライド提供と授業のビデオを共有しそれらを参照しながらMoodleの選択式テストに答え、授業で取り上げられた文化現象を探す(約4時間)。 クラスメートと話し合っていただきます。
第7回 観光の文化 これまでの諸理論が観光行動にどのように影響するかについて、観光の背景である宗教的な巡礼も考えながら論じます。 スライド提供と授業のビデオを共有しそれらを参照しながらMoodleの選択式テストに答え、授業で取り上げられた文化現象を探す(約4時間)。 クラスメートと話し合っていただきます。
第8回 試験 これまでの授業の内容についての選択式 それまでの授業のパワーポイントとビデオ復習し、Moodleにある模試を受験する(約4時間) クラスメートと話し合っていただきます。
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: 20% C: --% D: --%
成績評価法
授業内容についてのオンラインテストと模試20%
学期末試験80%
授業参加の発言カードや改善提案ボーナス点
教科書にかかわる情報
備考
オンラインで配布するスライドは一種の教科書ですが、出版された紙媒体の教科書はありません。
参考書にかかわる情報
参考書 書名 木を見る西洋人森を見る東洋人 : 思考の違いはいかにして生まれるか ISBN 9784478910184
著者名 リチャード・E・ニスベット著 ; 村本由紀子訳 出版社 ダイヤモンド社 出版年 2004
参考書 書名 個人主義と集団主義 : 2つのレンズを通して読み解く文化 ISBN 9784762822414
著者名 H. C. トリアンディス著 ; 神山貴弥, 藤原武弘編訳 出版社 北大路書房 出版年 2002
参考書 書名 「日本人らしさ」の発達社会心理学 : 自己・社会的比較・文化 ISBN 9784888489119
著者名 高田利武著 出版社 ナカニシヤ出版 出版年 2004
参考書 書名 文化行動の社会心理学 : 文化を生きる人間のこころと行動 ISBN 9784762824302
著者名 金児曉嗣, 結城雅樹編集 出版社 北大路書房 出版年 2005
参考書 書名 「集団主義」という錯覚 : 日本人論の思い違いとその由来 ISBN 9784788511156
著者名 高野陽太郎著 出版社 新曜社 出版年 2008
備考
参考書備考:参考書を購入する必要はありませんが、文化心理学をもっと詳しく勉強したい学生におすすめします。参考書の内容と武本の見解との食い違いがあります。
メッセージ
話し合いながら、文化心理が心理・行動・経済へどのような影響を与えるかを考えましょう。
キーワード
経済学・心理学・観光
持続可能な開発目標(SDGs)

  • すべての人に健康と福祉を
  • 質の高い教育をみんなに
  • ジェンダー平等を実現しよう
  • パートナーシップで目標を達成しよう
  • パートナーシップで目標を達成しよう
(保健)あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
(教育)すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
(ジェンダー)ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う。
(平和)持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する。
(実施手段)持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する。
関連科目
観光文化心理学・日本文化宗教論
履修条件
連絡先
http://nihonbunka.comのメールリンクからメールをしてください。090 9588 3270でもよいです。
オフィスアワー
http://nihonbunka.comで示されているカレンダーの予定と時間割の担当科目以外の時間・メールによる要約必要

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