タイトル

開講年度 開講学部等
2025 人文学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期 火5~8 演習 10.0
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1011312019 考古学実習(遺物調査)[Practical Archaeology (Artefact Survey)] 日本語 4
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
村田 裕一[MURATA Hirokazu]
担当教員[ローマ字表記]
村田 裕一 [MURATA Hirokazu]
特定科目区分   対象学生 人文学部正規生のみ 対象年次 3~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
 考古学の基礎的技術である考古資料の取り扱いについて指導する。考古学の研究対象は過去の時代のモノ(遺構・遺物)である。その際,実物を取り扱うことが基本ではあるが,研究の大部分の段階では,二次的に加工された資料を取り扱うことが多い。この二次資料の代表的なものは図面や写真である。この授業では,考古学的な資料の取り扱いのための基礎的技術に習熟することを目的とする。この技術とは,下の一般目標に示す1〜3の3項目であるが,2および3は表裏一体のものである。これらの技術はそれぞれ非常に高度な専門的技術であるため,その習得には受講生の多大な研鑽が必要とされるのは言うまでもない。考古学実習ではこれらの技術を習得するための初歩的な手ほどきを行うことで,考古遺物に対する理解を深める。
埋蔵文化財調査機関で調査研究に従事した経験のある教員が指導をおこなう。
授業の到達目標
1. 壊れやすく貴重な実物そのものを実際に取り扱うための技術を習得する。
2. 実物の資料化(実物から二次資料への変換)のための技術の初歩を習得する。
3. 二次資料(実測図・写真・拓本)に込められた情報を判読する技術を習得する。
4. 考古資料のデータ集積と分析の方法を習得する。
授業計画
【全体】
【考古遺物の資料化】
1. 遺物実測
 A. 石器
 B. 土器
2. 写真
【下記のことができるようになることを目指します】
1. 遺物取り扱いの留意点を状況に応じて具体的に指摘できる。
2. 遺物整理から報告書作成までの作業のアウトラインを説明できる。
3. 遺物の解説を書くことができる。
4. 遺物の実測図を作成することができる。
5. 遺物の写真を撮影することができる。
6. 遺物の拓本を採取することができる。
7. パソコンを使った画像処理・データ整理をすることができる。
8. 出版物の版下を作成することができる。
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 授業のはじめに ガイダンス
実習用具の解説と点検
事前学習:30分
復習および作業など課題対応:3時間半
第2回 写真 カメラの構造と写真の仕組み 事前学習:1時間
復習および作業など課題対応:4時間
第3回 石器実測(1) 石器(黒曜石剥片)実測の手順解説 事前学習:1時間
復習および作業など課題対応:7時間
第4回 石器実測(2) 描線のコントロール 事前学習:1時間
復習および作業など課題対応:9時間
第5回 石器実測(3) 測点を正確に計測する 事前学習:1時間
復習および作業など課題対応:9時間
第6回 石器実測(4) 剥離面の新旧関係を表現する 事前学習:1時間
復習および作業など課題対応:9時間
第7回 石器実測(5) 剥離面の特徴の違いを描き分ける 事前学習:1時間
復習および作業など課題対応:9時間
第8回 土器実測(1) 土器(須恵器坏完形品)実測の手順解説 事前学習:1時間
復習および作業など課題対応:9時間
第9回 土器実測(2) 測点を正確に計測する 事前学習:1時間
復習および作業など課題対応:9時間
第10回 土器実測(3) 断面を正確に計測する 事前学習:1時間
復習および作業など課題対応:9時間
第11回 土器実測(4) 器面調整を表現する 事前学習:1時間
復習および作業など課題対応:9時間
第12回 土器実測(5) 土器(須恵器坏完形品)復元実測の手順解説 事前学習:1時間
復習および作業など課題対応:9時間
第13回 土器実測(6) 復元実測の手法に慣れる 事前学習:1時間
復習および作業など課題対応:9時間
第14回 土器実測(7) 整合性のある図面を描く 事前学習:1時間
復習および作業など課題対応:9時間
第15回 総評 受講生が相互に成果物を批評することで、考古遺物と実測技術に対する理解を深める。 事前学習:1時間
復習および作業など課題対応:3時間
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: 10% B: 30% C: 60% D: --%
成績評価法
実測図 100%

技術の習得が重要になるので,これが一定水準に到達しない場合は単位が出ない。
遺物実測ができるようになるか,ならないか。
これによって,単位が出るか,出ないかが決定する。
教科書にかかわる情報
備考
この授業は実習ですので,実際に器具を使って考古資料の図化実習(遺物実測)をおこないます。実習に必要な製図用具(8000円ぐらい)は各自で購入してもらうことになります。
参考書にかかわる情報
参考書 書名 石器の実測をしよう! ISBN 9784903638058
著者名 小畑三千代著 ; 森隆重編 出版社 トライ 出版年 2008
参考書 書名 土器の実測をしよう! ISBN 9784639022916
著者名 小畑三千代著 ; 徳永和人編集責任 出版社 九州文化財研究所 出版年 2013
参考書 書名 考古学 : 理論・方法・実践 ISBN 4887217153
著者名 コリン・レンフルー, ポール・バーン著 ; 池田裕, 常木晃, 三宅裕監修・訳 ; 松本建速, 前田修訳 出版社 東洋書林 出版年 2007
備考
授業の中で紹介する。
メッセージ
 考古学に必要とされる基本的な技術の習得を目的として開講する授業科目である。目的達成のためには非常な修練が必要であり,率直に言って授業の時間内だけで完全に習得することは不可能である。そのため,時間外での受講生の積極的な取り組みが必要となる。宿題も頻繁に課され長時間を要することになる。
キーワード
考古学,石器,土器,発掘調査,資料調査,実習,実測
持続可能な開発目標(SDGs)

  • 質の高い教育をみんなに
(教育)すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
関連科目
考古学概論,考古学実習,考古学特殊講義,考古学演習
履修条件
連絡先
E-mail:h-murata*yamaguchi-u.ac.jp (*を@に変えてください)
オフィスアワー
水曜日7・8時限
確実を期すにはメールで事前に連絡してください。

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