タイトル

開講年度 開講学部等
2025 人文学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期 水3~4 講義  
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1012312008 日本史特殊講義(古代)[Topics in Japanese History (Ancient)] 日本語 2
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
黒羽 亮太[KUROHA Ryota]
担当教員[ローマ字表記]
黒羽 亮太 [KUROHA Ryota]
特定科目区分   対象学生   対象年次 2~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
【平安時代儀礼政務研究Ⅱ】
 24年度より数年間は、授業題目の通り、平安時代の儀礼・政務に関する研究について講義している。
 平安時代の政務の研究史を振り返るとき、その発展に大きく寄与した研究者の一人に土田直鎮(つちだなおしげ、1924-1993)を挙げることは、大方の同意を得られるものであろう。土田は古記録、とりわけ貴族たちの日記に基づき平安時代の政務を分析し、優雅な暮らしぶりばかりがイメージされがちであった平安貴族たちが、意外にも真面目に仕事に励んでいたことを明快に示したのであった。この際、土田が述べた「儀式は政治」であるとの見解は、その後の平安時代史研究の飛躍的進歩にも少なくない影響を与えたと思われる。
 この「儀式は政治」という見解は、しかしながら、これ自体が、当時の通説的見方に対するアンチテーゼ、一個の歴史観であることには、我々は十分注意せねばならない。土田が研究に取り組んだ時代、すなわち平安時代、とりわけ摂関・院政期の貴族社会に関わる諸研究が未だ十分に進展していなかった時代にあっては、「下部構造」の史料――例えば荘園に関わる――ばかりでなく、「儀式ばかりに執心する貴族」にも注意を向けることの重要性を主張する上で、有効な提言であっただろう。ところが、それから半世紀が経つ現在においても、土田の提言が引用され、さらには拡大解釈される場面をも目にすることがある。学問の発展という観点から見るとき、これはやや憂慮すべき事態でもあるように感じる。
 そこで本講義では、近年に至る研究の進展を踏まえた上で、「儀式は儀式」と割り切りつつ、これに関わる政務手続きを丁寧に追いながら、「政治」史への分析へとつなげていきたい。検討すべき事項は多岐にわたるため、次年度以降もこの目標の下に講義を進めていく。
 一連の講義を通して、着想、問題設定、文献史料の扱い方など、論文作成の全過程を示すことになろう。
授業の到達目標
講義内容を踏まえて、日本史の展開や日本古代史の特質を知る。史料を踏まえて、歴史事象を考察できる。歴史資料や文化遺産などに関心を持ち、自ら足を運んで、歴史をいまに伝える文化財に触れる。
授業計画
【全体】
 この授業は教員による最近の研究成果、未発表の研究成果も踏まえつつ講義を行う。授業は毎度用意するレジメをもとに進めていくが、レジメには史料を複数掲出する予定である。それらの史料については、受講生にも一緒に検討してもらう。そのため、受講には【日本古代史料の基本的な読解力】が必要となるので注意すること。
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 オリエンテーション 担当教員の自己紹介、授業内容(授業計画と概要、到達目標とテーマなど)と評価方法について説明

史料について
配布レジメの再確認と参考文献の閲読、各自のエクスカーション(目安4時間)
第2回 古代国家の形成過程(前半) 研究史の説明 配布レジメの再確認と参考文献の閲読、各自のエクスカーション(目安4時間)
第3回 古代国家の形成過程(後半) 研究内容の講義 配布レジメの再確認と参考文献の閲読、各自のエクスカーション(目安4時間)
第4回 平安時代の政務(前半) 研究内容の講義 配布レジメの再確認と参考文献の閲読、各自のエクスカーション(目安4時間)
第5回 平安時代の政務(後半) 研究内容の講義 配布レジメの再確認と参考文献の閲読、各自のエクスカーション(目安4時間)
第6回 平安時代ダメ人間の研究 研究内容の講義 配布レジメの再確認と参考文献の閲読、各自のエクスカーション(目安4時間)
第7回 平安時代の政務と文書 研究内容の講義 配布レジメの再確認と参考文献の閲読、各自のエクスカーション(目安4時間)
第8回 政務研究と朝廷文書 研究内容の講義 配布レジメの再確認と参考文献の閲読、各自のエクスカーション(目安4時間)
第9回 平安時代の儀礼・政務・文書と装幀 研究内容の講義 配布レジメの再確認と参考文献の閲読、各自のエクスカーション(目安4時間)
第10回 政務・文書から儀礼研究を再検討する(政務編) 研究内容の講義 配布レジメの再確認と参考文献の閲読、各自のエクスカーション(目安4時間)
第11回 政務・文書から儀礼研究を再検討する(文書編) 研究内容の講義 配布レジメの再確認と参考文献の閲読、レポート作成の準備(目安4時間)
第12回 政務・文書から儀礼研究を再検討する(儀礼編1) 研究内容の講義 配布レジメの再確認と参考文献の閲読、レポート作成の準備(目安4時間)
第13回 政務・文書から儀礼研究を再検討する(儀礼編2) 研究内容の講義 配布レジメの再確認と参考文献の閲読、レポート作成の準備(目安4時間)
第14回 政務・文書から儀礼研究を再検討する(今後の展望) 研究内容の講義 配布レジメの再確認と参考文献の閲読、レポート作成の準備(目安4時間)
第15回 まとめ 今学期の総括 配布レジメの再確認と参考文献の閲読、レポート作成の準備(目安4時間)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: --% D: --%
成績評価法
平常点(授業中、1人各1回以上は、指名の上史料を読んでもらいます)30%、期末試験70%
なお、1度も史料を読まなかった者、および欠席3回以上の者は、試験成績にかかわらず不可とする。
教科書にかかわる情報
備考
レジメを配布する。
参考書にかかわる情報
備考
講義時間中に紹介する。
メッセージ
以下の履修条件を踏まえて、受講を判断されたい。
この授業は先取り履修の対象科目ではあるが、難易度が低いわけではないので、2年生で受講しようとする者は、そのことをよく理解して出席すること。
キーワード
平安時代
儀礼・政務
持続可能な開発目標(SDGs)

関連科目
履修条件
以下の2つの条件を満たしていること
 ① 日本史概説(古代・中世)を履修済みであること
 ② 日本史入門(古代)もしくは変体漢文(基礎)のいずれか1つ以上を履修済みであること
連絡先
修学支援システム等で案内する。
オフィスアワー
教員が在室する任意の時間帯(多忙な時やオンラインによる授業・会議・研究発表等実施中は除く)

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