開講年度
開講学部等
2025
人文学部
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期集中
集中
講義
10.0
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
1012312013
考古学特殊講義(先史)[Topics in Archaeology (Prehistory)]
日本語
2
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
村田 裕一[MURATA Hirokazu]
ー
担当教員[ローマ字表記]
村田 裕一 [MURATA Hirokazu]
特定科目区分
対象学生
対象年次
2~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
考古学特殊講義(先史)
縄文時代から弥生時代への転換過程は、大陸からもたらされた文化要素を様々な形で受容することで成し遂げられる。講義では、特に石器に注目し、弥生社会の形成過程を概観する。具体的には、北部九州地域の石庖丁や石斧といった石製農工具を中心的なテーマとして取り扱い、日本列島内における大陸系磨製石器の成立とその生産・流通、といった問題について探求する。新来の要素の影響下に形成された弥生時代社会の一側面を石製農工具の生産と流通を題材に描き出す。
授業の到達目標
1. 考古学の基礎の一つであるところの実測図に盛り込まれた情報を正確に読みとることができる力を養う。
2. 遺物および遺構のデータの基礎的な操作方法,すなわち考古学の方法論の基礎について習得する。
3. 学術論文を批判的に読解する力を養う。
4. 石器と鉄器を軸に描き出した弥生時代社会について学ぶ。
【下記のことができるようになることを目指す】
1. 実測図に盛り込まれた情報を正確に読みとることができる。
2. 石器と鉄器を軸に描き出した弥生時代社会の事例を説明できる。
3. 学術論文を批判的に読解し問題点を抽出できる。
4. 遺物および遺構のデータの基礎的な操作方法,すなわち考古学の方法論を,自分の選んだ考古学的題材に適用できる。
5. 自分が関心を持つ考古資料をあげることができる。
授業計画
【全体】
【弥生時代の石器・鉄器】
考古学の研究に必要となる様々な技術を解説する。講義では,第1に遺物解釈のための基本的な事項の整理解説に重点を置く。受講生は,実際の考古資料を,報告書に掲載されている実測図によって実際に取り扱うことで,経験的に考古資料操作の方法を学ぶ。
<留意点>
授業運営では,講義と演習を取り混ぜた授業スタイルを採用し,受講生の理解のために,遺物実測図の並べ替えといった,作業を伴うような時間を多く設定する。また,授業時間内には受講生に頻繁に意見を求めるので,自分の考えをもって授業にのぞむように。考古学の基本知識を持っていることを前提として講義を進めるので,受講生は最低でも考古学概説または考古学入門の単位を取得するか,同等の知識を習得しておくこと。
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
講義のはじめに
ガイダンス
事前学習:30分
復習および作業など課題対応:3時間半
第2回
石製農工具を中心とした石器製作技術
弥生石器論解説
事前学習:30分
復習および作業など課題対応:3時間半
第3回
石製農工具を中心とした石器形態分類と機能
弥生石器論解説
事前学習:30分
復習および作業など課題対応:3時間半
第4回
石製農工具を中心とした石器使用石材
弥生石器論解説
事前学習:30分
復習および作業など課題対応:3時間半
第5回
北部九州地域における石製農工具研究史
弥生石器論解説
事前学習:30分
復習および作業など課題対応:3時間半
第6回
北部九州地域における石器製作遺跡の概要
弥生石器論解説
事前学習:30分
復習および作業など課題対応:3時間半
第7回
北部九州地域所在石器製作遺跡出土資料の検討(1)石器石材の整理
弥生石器論に基づく分析作業演習
事前学習:30分
復習および作業など課題対応:3時間半
第8回
北部九州地域所在石器製作遺跡出土資料の検討(2)製作工程の分別
弥生石器論に基づく分析作業演習
事前学習:30分
復習および作業など課題対応:3時間半
第9回
北部九州地域所在石器製作遺跡出土資料の検討(3)製作工程の構造分析
弥生石器論に基づく分析作業演習
事前学習:30分
復習および作業など課題対応:3時間半
第10回
北部九州地域所在石器製作遺跡出土資料の検討(4)素材剥片剥離段階の分析
弥生石器論に基づく分析作業演習
事前学習:30分
復習および作業など課題対応:3時間半
第11回
北部九州地域所在石器製作遺跡出土資料の検討(5)調整剥離段階の分析
弥生石器論に基づく分析作業演習
事前学習:30分
復習および作業など課題対応:3時間半
第12回
北部九州地域所在石器製作遺跡出土資料の検討(6)敲打段階の分析
弥生石器論に基づく分析作業演習
事前学習:30分
復習および作業など課題対応:3時間半
第13回
北部九州地域所在石器製作遺跡出土資料の検討(7)研磨段階の分析
弥生石器論に基づく分析作業演習
事前学習:30分
復習および作業など課題対応:3時間半
第14回
北部九州地域所在石器製作遺跡出土資料の検討(8)石器製作技術の抽出
弥生石器論に基づく分析作業演習
事前学習:30分
復習および作業など課題対応:3時間半
第15回
北部九州地域所在石器製作遺跡出土資料の検討(9)石器の分布と流通・まとめ
弥生石器論に基づく分析作業演習
事前学習:30分
復習および作業など課題対応:3時間半
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: 20% B: 20% C: 60% D: --%
成績評価法
小テスト・授業内レポート20%,宿題・授業外レポート60%,授業中の発表・資料操作の成果20%。
期末レポートが重要な成績評価項目となる。受講生各自が遺跡調査報告書などから抽出収集した考古資料に基づき,資料操作を行い,論旨を構築する。各自が対象とする資料を多量に蓄積しなくてはならないこと,規定字数が多いことにより,相当の努力が必要となる。
課題レポート(当該年度の課題は授業の中で指示する)
規定字数:8000字
図版A4版3枚以上
教科書にかかわる情報
備考
教科書は使用しない。講義プリントを配布する。
参考書にかかわる情報
参考書
書名
図録石器入門事典-先土器-・-縄文-
ISBN
4760106081
著者名
加藤晋平・鶴丸俊明・鈴木道之助
出版社
柏書房
出版年
1991
参考書
書名
倭人と鉄の考古学
ISBN
4250980359
著者名
村上恭通
出版社
青木書店
出版年
1998
参考書
書名
考古資料大観 第9巻 弥生・古墳時代 石器・石製品・骨角器
ISBN
4096997595
著者名
北条芳隆・禰宜田佳男監修
出版社
小学館
出版年
2002
参考書
書名
図解技術の考古学
ISBN
4641180857
著者名
潮見浩
出版社
有斐閣
出版年
1988
備考
ここにあげたものは,特に代表的なものである。講義の中で他にも多数の文献を紹介する。
メッセージ
石器や鉄器などの,個別の遺物について詳細に解説する場合や,あるいは統計学的手法の解説を行ったりする場合には,講義内容がやや難しくなることもあるかもしれません。解説のわかりにくいところ,あるいは意図のわかりにくいところなどは,講義時間の内外に関わらず質問してください。
キーワード
考古学,石器,鉄器,弥生時代,生産と流通
持続可能な開発目標(SDGs)
(教育)すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
関連科目
考古学概論,考古学実習,考古学特殊講義,考古学演習
履修条件
連絡先
E-mail:h-murata*yamaguchi-u.ac.jp (*を@に変えてください)
オフィスアワー
水曜日7・8時限
確実を期すにはメールで事前に連絡してください。
ページの先頭へ