タイトル

開講年度 開講学部等
2025 人文学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期 水1~2 講義  
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1012313003 民俗学・文化人類学概論[Outline of Folklore and Cultural Anthropology] 日本語 2
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
小林 宏至[KOBAYASHI Hiroshi]
担当教員[ローマ字表記]
小林 宏至 [KOBAYASHI Hiroshi]
特定科目区分   対象学生   対象年次  
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
本講義は、文化人類学という研究手法を用いて文化や社会を比較し、事例から理論、そして理論から事例という議論の往還を通して、文化および社会を考察するものである。文化人類学とは、未知の「他者」、あるいは全く新しい現象を発見したときの「驚き」、「喜び」に動機付けられた学問である。全く異なる「他者」を理解する技法、具体的には「他者」の有する観念と行動を「翻訳」する技法を学ぶものである。対象は端的に言うと、世界の多様な民族の諸活動とその文化的諸条件である。本講義の中心的な「ねらい」は、この「他者」を理解しようという文化人類学的視点に立って、社会・文化を比較し、自分自身の文化や慣習に基づいた思い込みや常識をいったん括弧に括って客観的に見つめ直す作業を実践することである。
授業の到達目標
文化人類学の基礎的な用語、基本概念を理解できるようにする。文化人類学的な思考様式、観点が理解できるようになる。異文化やさまざまな社会集団に関心をもてるようになる。
授業計画
【全体】
15回の授業の中で、文化、社会を比較分析することの意義、その可能性を探っていく。方法論としては、文化人類学的な研究方法に重点を置く。学説史や理論を議論するにとどまらず、わたしたちにとって言語、食べ物、家族、宗教、環境、身体、声、集団、政治とは何かを様々な社会、文化を比較することで考察していく。それぞれの項目は各回の講義の中で詳しく、具体的に説明する。
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 イントロダクション 文化人類学とはどのような学問か?比較社会文化論と文化人類学のイントロダクション。 授業で使用する「教科書」の指定した箇所を復習する。(学習時間の目安:授業事前準備に2時間、復習課題に2時間)
第2回 文化人類学の研究史とフィールドワーク 文化、社会を比較するうえで重要な視点と研究史、そしてフィールドワークと民族誌の意義について議論する。 授業で使用する「教科書」の指定した箇所を復習する。(学習時間の目安:授業事前準備に2時間、復習課題に2時間)
第3回 生業・生態  1 移動への構え――家を堅牢に作っちゃダメですか?
 2 “丁寧な暮らし”と過去になりたての未来
    ――食べ物は手づくりじゃなきゃダメでしたっけ?
 3 資源管理と集団魚毒漁――コモンズには社会の秩序がないとダメ
 4 人が決めてもダメでした――人間と家畜の関係性
 5 もめごとの処理――話し合わなきゃダメですか?
授業で使用する「教科書」の指定した箇所を復習する。(学習時間の目安:授業事前準備に2時間、復習課題に2時間)
第4回 食と習慣  1 混ぜないビビンバがダメな理由――韓国料理が大事にするもの
 2 ニューギニア島の食生活と歴史――サツマイモなしではダメなのです
 3 時間の感覚と生活習慣――0時に日付が変わらないとダメですか?
 4 働かないとダメですか?――業務内容:飲茶(アットホームな「職場」です)
 5 異なる医療文化の出会い――脈診は片腕だけじゃダメでした
授業で使用する「教科書」の指定した箇所を復習する。(学習時間の目安:授業事前準備に2時間、復習課題に2時間)
第5回 交換と経済  1 婚資を分割払いしてはダメですか?―― 一括払いは水くさい
 2 あなたのコメはどこから? わたしは実家から!
   ――自由にコメを送っちゃダメだった国ニッポンの現在
 3 資源開発と結婚ブーム――現金はダメだからまたブタで
 4 勝手に使っちゃダメですか?――モノの所有と使用
 5 シェアリングが支える豊かさ――そんなに持たなきゃダメですか
授業で使用する「教科書」の指定した箇所を復習する。(学習時間の目安:授業事前準備に2時間、復習課題に2時間)
第6回 コトバと世界観  1 洗濯物の下をくぐっちゃダメなわけ――バリ島における上下の秩序と世界観
 2 時間と人間関係――集合時間を決めてもダメでした
 3 コーラがオレンジ色ではダメですか?――言葉とカテゴリー
 4 用語に惑わされてはダメ!――琉球語の人称と数の話
 5 識字文化の諸相――本は読まないとダメですか
授業で使用する「教科書」の指定した箇所を復習する。(学習時間の目安:授業事前準備に2時間、復習課題に2時間)
第7回 家族・親族①  1 ミエンの親子観――血がつながってなければダメですか?
 2 核家族化――大家族ではダメですか?
 3 移動を生きる――家族って一緒に暮らさなきゃダメですか
 4 漢族の名前と世代――勝手に名前を変えたらダメですか?
 5 祖先は恋のオジャマ虫――気軽に好きな人と交わっちゃダメですよね?
 6 ふたつの絆――つながらないとダメですか?
授業で使用する「教科書」の指定した箇所を復習する。(学習時間の目安:授業事前準備に2時間、復習課題に2時間)
第8回 家族と親族②  父系出自社会、母系出自社会など誰をメンバーとみなすかによって全く異なった社会集団が構成される。社会集団とその理念モデルを考察する。
 現代医療の発達と家族・親族。代理母によって生まれた子供は誰の子供か?「家族である」ことから「家族になる」ことを考える。
授業で使用する「教科書」の指定した箇所を復習する。(学習時間の目安:授業事前準備に2時間、復習課題に2時間)
第9回 儀礼と分類 世界は目に見えない境界に満ちている。その境界をまたぐとき、しばしば儀礼が執り行われる。境界と儀礼の関係性を議論する。 授業で使用する「教科書」の指定した箇所を復習する。(学習時間の目安:授業事前準備に2時間、復習課題に2時間)
第10回 儀礼・宗教  1 ウシに生きられなくなった人々――代わりにレモンじゃダメですか?
 2 「問いの精霊」に憑かれた女
    ――主体性や自己がなくてはダメだと考えるのはダメかもしれない
 3 拾われなかった遺骨の行方――残骨灰を廃棄してもダメじゃない、だけど……
 4 宗教の定義をめぐる問題――信じてない神様を拝んじゃダメですか
授業で使用する「教科書」の指定した箇所を復習する。(学習時間の目安:授業事前準備に2時間、復習課題に2時間)
第11回 ジェンダー  1  儀礼の変化――女性が儀礼を執り行ってはダメですか?
 2 保健活動と性――人前で話題にしてはダメなこと
 3 ニューギニア高地社会の「男らしさ」――モテなくてはダメですか
 4  移民女性とジェンダー――「女は外、男は内」じゃダメですか?
授業で使用する「教科書」の指定した箇所を復習する。(学習時間の目安:授業事前準備に2時間、復習課題に2時間)
第12回 記憶と歴史  1  雪かきをめぐる、知恵と工夫とやっつけ仕事
   ――雪国のダメな感じのブリコラージュ
 2 祖先の歴史――コピペではダメですか?
 3 複数の歴史を生きてはダメですか?――祖先を選んで「未来」を創る
 4  記憶が歴史になるとき――活字で残さないとダメなんです
授業で使用する「教科書」の指定した箇所を復習する。(学習時間の目安:授業事前準備に2時間、復習課題に2時間)
第13回 メディア・表象  1 民族とエスニシティ――漁業をしない漁民はダメですか?
 2 メディアが文化を創ってはダメですか?
   ――その話、誰から聞いた? 何から聞いた?
 3 情報化社会を生き抜くヌエル人――閲覧者数=真実と考えるのはダメですか?
 4 高齢者とコミュニティ――高齢者が神前でエアロビをしてはダメですか?
授業で使用する「教科書」の指定した箇所を復習する。(学習時間の目安:授業事前準備に2時間、復習課題に2時間)
第14回 国民国家とガバナンス  1 “文化資源”とお国自慢
   ――大河ドラマと博物館は、タイアップしなきゃダメですか?
 2 茅葺の家ではダメですか――地域社会を形成していた年齢階梯集団
 3 国家の指示通りではダメだから
   ――イデオロギー国家における国営農場の運営戦略
 4 ダメなガソリンスタンド――違法だが不正ではない? 村社会のルール
 5 平和構築とノープロブレム――自分が世界の中心じゃやっぱりダメで
授業で使用する「教科書」の指定した箇所を復習する。(学習時間の目安:授業事前準備に2時間、復習課題に2時間)
第15回 まとめ(あるいは予備) 本授業のまとめ。映像作品を流す場合もある。 授業で使用する「教科書」の指定した箇所を復習する。(学習時間の目安:授業事前準備に2時間、復習課題に2時間)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: --% D: --%
成績評価法
授業内コメントペーパー 45%
学期末の筆記テスト 55%
教科書にかかわる情報
教科書 書名 ダメになる人類学 ISBN 9784779306297
著者名 吉野 晃(監修)岩野 邦康(編集)田所 聖志(編集)稲澤 努(編集)小林 宏至(編集) 出版社 北樹出版 出版年
備考
授業内で適宜説明・紹介する。
参考書にかかわる情報
備考
授業内で適宜説明・紹介する。
メッセージ
キーワード
社会人類学、文化人類学、民俗学、民族学、民族誌
持続可能な開発目標(SDGs)

  • ジェンダー平等を実現しよう
  • 人や国の不平等をなくそう
(ジェンダー)ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う。
(不平等)各国内及び各国間の不平等を是正する。
関連科目
アジア・アフリカ・オセアニア民族誌講読
履修条件
連絡先
kbys@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
月曜日の午後(東アジア研究科の授業との兼ね合いのため不定期)
最新の情報(オフィスアワーの有無)はインスタに投稿するため確認すること。

https://www.instagram.com/un_thropology_since2021/

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