タイトル

開講年度 開講学部等
2025 人文学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期 木5~6 講義 1.0
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1012315008 言語類型論[Language Typology] 日本語 2
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
乾 秀行[INUI Hideyuki]
担当教員[ローマ字表記]
乾 秀行 [INUI Hideyuki]
特定科目区分   対象学生   対象年次  
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
 言語類型論の入門書を読んでいく講義です。現在世界には約7,000言語が話されています。言語はそれぞれの民族がどのように世界を捉えているかを映す鏡です。自分の知らない言語の言語特徴の仕組みを理解することは、世界を知ることに繋がり、異文化理解の第一歩となります。その一方で、諸言語の多様な言語構造を観察していると、すべてが全く異なっているわけではなく、共通点も見えてきます。これが言語の普遍性です。多様な言語構造を観察することを前提に、帰納的に言語普遍を探求することで、初めて人間の言語の普遍性が見えてきます。一部のメジャーな言語から普遍文法を探るアプローチとは全く異質なお話をします。
 このように本講義では、言語類型論で扱われる言語特徴を概観することを通して言語の多様性を理解すると共に、もう一つの大きな柱である言語普遍とはいったい何かについて理解を深めていきます。同時に、言語学概論で学んだ専門用語を用いて授業内容をまとめることを通して、一般言語学的および言語類型論的観点で言語を分析する方法を身につけることになるでしょう。
 日本語や英語、初習外国語のような主要言語に現れる言語特徴が、世界言語全体からみた場合、一般的な特徴なのか、それとも特殊な特徴なのかを一緒に考えてみませんか。言語学、言語の多様性、言語の普遍性に興味のある人は受講してみてください。
授業の到達目標
言語類型論の基本的な用語に関する知識を身につけ、それによる研究内容を理解できる。世界言語全般の視点から言語現象を客観的に考察できる。世界諸言語に関して広く関心を持つことができる。
授業計画
【全体】
 授業は毎回テキストに沿って、解説を行います。学生は、その内容をまとめて授業外レポートとして提出していくことになります。
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 オリエンテーション 授業内容、授業の進め方、成績評価法の説明 授業内容を次回授業までにまとめる。
授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
第2回 基本的なカテゴリー1 語彙クラス 授業内容を次回授業までにまとめる。
授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
第3回 基本的なカテゴリー2 意味役割、文法関係 授業内容を次回授業までにまとめる。
授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
第4回 形態論的類型論1 形態素(拘束形態素と自由形態素、接頭辞と接尾辞ほか) 授業内容を次回授業までにまとめる。
授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
第5回 形態論的類型論2 形態素(派生形態論と屈折形態論、接辞の順序) 授業内容を次回授業までにまとめる。
授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
第6回 形態論的類型論3 形態論的タイプから見た言語(総合と融合) 授業内容を次回授業までにまとめる。
授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
第7回 形態論的類型論4 構成要素間の形態論的な結びつきの類型(支配と一致、主要部標示と依存部標示) 授業内容を次回授業までにまとめる。
授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
第8回 名詞句の関係的・意味的性質1 格と一致の体系(文法関係の標識:対格と能格) 授業内容を次回授業までにまとめる。
授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
第9回 名詞句の関係的・意味的性質2 格と一致の体系(自動詞分裂と能格分裂、名詞格標示と動詞人称標示) 授業内容を次回授業までにまとめる。
授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
第10回 名詞句の関係的・意味的性質3 有生性、定性、性 授業内容を次回授業までにまとめる。
授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
第11回 名詞句の関係的・意味的性質4 結合価とヴォイス 授業内容を次回授業までにまとめる。
授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
第12回 名詞句の関係的・意味的性質5 使役 授業内容を次回授業までにまとめる。
授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
第13回 動詞カテゴリー1 テンス 授業内容を次回授業までにまとめる。
授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
第14回 動詞カテゴリー2 アスペクト 授業内容を次回授業までにまとめる。
授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
第15回 動詞カテゴリー3 ムードと否定 授業内容を次回授業までにまとめる。
授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: 10% C: --% D: --%
成績評価法
授業内のレポート、学期末のレポートで評価します。
レポート 50%、学期末のレポート 50%
教科書にかかわる情報
教科書 書名 言語類型論入門 : 言語の普遍性と多様性 ISBN 4000227602
著者名 リンゼイ J.ウェイリー [著] ; 大堀壽夫, 古賀裕章, 山泉実訳 出版社 岩波書店 出版年 2006
備考
テキストはPDFで配布します。各自で必要に応じて印刷してください。講義ノートはブログで表示します。
参考書にかかわる情報
備考
授業中に適宜提示。
メッセージ
 毎回ノートパソコンを使います。
キーワード
語彙クラス、意味役割、文法関係、形態素、支配と一致、格標示と動詞人称標示、有生性、定性、性、結合価とヴォイス、使役、テンス、アスペクト、ムード、否定
持続可能な開発目標(SDGs)

  • 質の高い教育をみんなに
  • 人や国の不平等をなくそう
(教育)すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
(不平等)各国内及び各国間の不平等を是正する。
関連科目
言語学概論(音韻・形態・統語)、言語学概論(意味・類型・歴史)、言語と人間
履修条件
 この授業を理解するためは言語学及び言語類型論の基礎知識が前提となりますので、前期に開設する「言語学概論(意味・類型・歴史)」を先に受講してください。1年生は予備知識なしに取ると難しく感じると思いますので、2年生で取った方が無難でしょう。
連絡先
inui@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
月火水の午後であれば、比較的対応可能です。相談・質問がある場合は、事前にメールでアポを取ってください。

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