タイトル

開講年度 開講学部等
2026 人文学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期 水5~6 講義 10.0
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1012315014 言語学特殊講義(言語情報学)[Topics in Linguistics (Modelling Language)] 日本語 2
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
乾 秀行[INUI Hideyuki]
担当教員[ローマ字表記]
乾 秀行 [INUI Hideyuki]
特定科目区分   対象学生   対象年次 2~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
 言語変化に関して、Bybee (2015)のテキストを用いて、類推(analogy)変化、文法化(grammaticalization)、統語変化のメカニズムを取り扱います。
 言語変化のうち、音変化が体系全体に機械的・規則的に起こるのに対して、類推変化は他の生産的な形態法に引きずられて心理的要因によって起こるとされ、個別の語彙・形態単位で生じるとされています。皆さんが知っている例で言えば、日本語の一段動詞の「ら抜き言葉」が該当します。
 次に文法化とは、内容形態素が文法機能に特化されて機能形態素に変わっていくことです。たとえば動詞が連続すると、片方の動詞が接置詞(前置詞や後置詞)やアスペクト形態素に変化したりします。日本語の「について」「にとって」「において」などは動詞が後置詞に変わった例ですし、複合動詞に「食べ始める」「食べ終わる」の後項動詞の「始める」「終わる」は本来の動詞の意味ではなく、前項動詞のアスペクトとして機能しています。
 最後に統語変化は、ある特定の構文が文法的に再解釈を受けることで、新たな構文が生まれる場合です。たとえば本来自由な語順を持つインド・ヨーロッパ語において、文頭の位置に「主題」を置くことが西ヨーロッパの言語で統語的に固定化していく中で「主語」という文法カテゴリーが確立しました。
 本講義では、言語類型論的観点から諸言語の言語構造を考察し、類推の起こるしくみ、文法化の過程、語順変化のメカニズムについて、ヒトの言語がどのように変化していくか、そこにはどのような一般的傾向が見られるのかを一緒に考えていきます。言語は、著名な言語学者エドワード・サピアが言ったように、時と共に言語集団の意志とは関係なく一定の方向へと偏流(ドリフト)していきます。その指向性を探ることこそが言語研究の醍醐味です。
授業の到達目標
言語類型論の基本的な用語に関する知識を身につけ、それによる研究内容を理解できる。世界言語全般の視点から言語現象を客観的に考察できる。世界諸言語に関して広く関心を持つことができる。
授業計画
【全体】
 授業は毎回テキストに沿って、解説を行います。学生は、その内容をまとめて授業外レポートとして提出していくことになります。期末レポートはA4で5枚以上書きます。
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 オリエンテーションとテキスト配布 授業内容、授業の進め方、成績評価法の説明 授業内容を次回授業までにまとめる
(事前学習2時間及び事後学習2時間)
第2回 類推変化1 類推的水平化と生産性 授業内容を次回授業までにまとめる
(事前学習2時間及び事後学習2時間)
第3回 類推変化2 類推変化の傾向と有標性 授業内容を次回授業までにまとめる
(事前学習2時間及び事後学習2時間)
第4回 類推変化3 類推の拡張、補充法、再分析 授業内容を次回授業までにまとめる
(事前学習2時間及び事後学習2時間)
第5回 文法化1 導入・未来時制標識(意志、義務、移動) 授業内容を次回授業までにまとめる
(事前学習2時間及び事後学習2時間)
第6回 文法化2 変化のメカニズム(形態・統語変化) 授業内容を次回授業までにまとめる
(事前学習2時間及び事後学習2時間)
第7回 文法化3 変化のメカニズム(意味変化) 授業内容を次回授業までにまとめる
(事前学習2時間及び事後学習2時間)
第8回 文法化の経路1 (テンス・アスペクト) 授業内容を次回授業までにまとめる
(事前学習2時間及び事後学習2時間)
第9回 文法化の経路2 人称代名詞と人称接辞、定冠詞と不定冠詞 授業内容を次回授業までにまとめる
(事前学習2時間及び事後学習2時間)
第10回 文法化の経路3 接置詞と格標示 授業内容を次回授業までにまとめる
(事前学習2時間及び事後学習2時間)
第11回 統語変化1 主題と主語、連動詞構造と接置詞・格標示 授業内容を次回授業までにまとめる
(事前学習2時間及び事後学習2時間)
第12回 統語変化2 受動文と能格構文 授業内容を次回授業までにまとめる
(事前学習2時間及び事後学習2時間)
第13回 統語変化3 二重目的語構文と前置詞構文 授業内容を次回授業までにまとめる
(事前学習2時間及び事後学習2時間)
第14回 統語変化4 語順変化(OVとVO) 授業内容を次回授業までにまとめる
(事前学習2時間及び事後学習2時間)
第15回 統語変化5 印欧語におけるドリフト 授業内容を次回授業までにまとめる
(事前学習2時間及び事後学習2時間)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: 50% C: --% D: 50%
成績評価法
プレゼンテーション、学期末のレポートで評価します。
プレゼンテーション 50%、学期末のレポート 50%
教科書にかかわる情報
教科書 書名 言語はどのように変化するのか ISBN 9784758922722
著者名 Bybee,Joan 小川・柴崎監訳 出版社 開拓社 出版年 2019
備考
参考書にかかわる情報
備考
メッセージ
毎回ノートパソコンを使います。受講するには言語学の基礎知識が必要となりますので、分野入門「言語学概論(意味・類型・統語)」や「言語類型論」を受講している人を対象にします。
キーワード
言語変化、類推、文法化、ドリフト
持続可能な開発目標(SDGs)

  • 質の高い教育をみんなに
  • 人や国の不平等をなくそう
(教育)すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
(不平等)各国内及び各国間の不平等を是正する。
関連科目
言語学概論(意味・類型・歴史)、言語類型論、言語学演習(言語情報学)
履修条件
連絡先
inui@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
直接会って相談・質問がある場合は、まずはメールでアポを取ってください。

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