開講年度
開講学部等
2025
教育学部
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期前半
木3~4
講義
3.0
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
1021209004
教育現場における知的財産入門[Basic knowledge of intellectual property necessary in the field of education]
日本語
1
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
陳内 秀樹[JINNAI Hideki]
ー
担当教員[ローマ字表記]
陳内 秀樹 [JINNAI Hideki], 木村 真二
特定科目区分
対象学生
対象年次
2~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
現代は、生成AIに代表される技術革新、モノ以外の豊かさによる価値の創出、価値観の多様化による社会の複雑化、ビジネスモデルが競争力の源泉になる等々、社会や産業の構造が大きく変化しようとしている。このような状況における教育は、子どもたちが潜在的に持っている「発想する力」「共感や体験を伝えたり受容する力」「開かれた問いの答えを求める力」「価値創造の仕組みをデザインする力」を育むことが以前に増して重要になる。本科目では、『知財創造教育』として、子どもたちが知的財産を軸に新しい創造をする力および創造されたものを尊重する心を獲得する指導方法を考える。また、教育現場で必要となる著作権系の実務処理についても扱う。
授業の到達目標
初等中等教育現場で必要な知的財産権(主に著作権)に係る知識を理解し、校務や教材作成等校内諸業務において著作権法に即した実務を行うことができる。また、知的財産に関する指導方法について事例を通じて学び、児童・生徒の創造性を育み、尊重し、生かす授業の要点や構成を考えることができる。
授業計画
【全体】
※対面授業を基本とします。
※毎回ノートPCを持参ください。参考図書及び知財カルタの購入は必須ではありません。個人的に手元に置いておきたい人のみ買い求めください。
(※教育学部以外の学部からの受講も受入ます。その場合、通常の履修登録画面には表示されませんので所属学部の学務係と教育学部の学務係連絡し履修登録ください。)
導入部分で知的財産法の知識の確認を行ない、その後に前半部分で教育現場における著作権処理を扱う。著作権処理では、教育における権利制限だけでなく子どもの創作物に対する扱い方など、具体的な事例に基づいた演習を行う。後半部分は、知的財産全般について学習指導要領との関係を整理しつつ、各教科等の内容や目的に知財創造教育を紐付けた教材を検討する。
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
現代社会における知的財産と学校教育の関わり
知的財産に関する基礎的事項を確認すると共に、Society5.0を見据えた現代社会との関係を確認し、学校現場における知的財産の重要性を、教育と校務の観点で見つめ直す。
1年次履修した「知的財産入門」について復習して臨む(学修時間の目安1時間程度)。
復習として、小レポート及びワークシートを仕上げて提出すること(学修時間の目安4時間以上)。
第2回
著作権法と特許法から見る学校教育(1)
~知財に気づくアンテナを立てよう~
学校で起こりうる著作権及び特許権に関係する事例を想定し、地域社会や学校に潜在する知的財産を見いだす。
なお、著作権法35条の改正情報についても扱う。
宿題:小レポートに加え、授業内でこれまでの自身の学校生活体験を、著作権や特許権の視点で振り返り、創造・保護・活用の視点でケースを整理し次週提出する。(学修時間の目安4時間以上)
第3回
著作権法と特許法から見る学校教育(2)
~学校の知財を適切に扱おう~
学校で起こりうる著作権及び特許権に関係する事例を想定し、法的に公正で関係者にとって公平で適切な取扱について考える。
宿題:小レポートに加え、授業内で創造性を喚起するような教材になるようなアイデアを探しスライド1枚程度にまとめ次週提出する。(学修時間の目安4時間以上)
第4回
教育現場における著作権対応(1)
・著作権の基礎知識
・著作権学習の授業事例
著作権に関する基礎的な内容の理解と、教育活動において著作物を適正に利活用するための応用力を事例を通じて確認する。
宿題:小レポートに加え、教育著作権検定レベルの内容の問題を解き、理解を深める。(学修時間の目安4時間以上)
第5回
教育現場における著作権対応(2)
・演習1 児童・生徒の著作物をどう扱うか
・演習2 音楽著作物の権利処理
・事例にみる教育として著作権
著作権に関する基礎的な内容の理解と、教育活動において著作物を適正に利活用するための応用力を事例を通じて確認する。
宿題:小レポートに加え、教育著作権検定レベルの内容の問題を解き、理解を深める。(学修時間の目安4時間以上)
第6回
知財創造教育のあり方と指導方法(1)~事例に学ぼう~
小学校3年生の道徳で実施された著作権の授業の動画を参観し、指導のポイントを学ぶ。
宿題:小レポートに加え、本時に参観した授業のポイントをワークシートにまとめる(学修時間の目安4時間以上)。
第7回
知財創造教育のあり方と指導方法(2)
~教材・教具を作成してみよう~
児童生徒の創造性を喚起し、尖った才能を摘むことなく育むような、学びの場を醸成する教材や指導法のあり方を考え、その教材を作成する。
教材例として知財カルタを体験する。
宿題:小レポートに加え、知財カルタ(学修時間の目安4時間以上)。
知財カルタWEBアプリ(学内限定)
http://karuta.kenkyu.yamaguchi-u.ac.jp/
第8回
総括(演習とレポート)
知財カルタ大会(模擬)50分、最終課題レポート「私の目指す教育に、どのように知財創造教育を取り入れるか」30分、
振り返り、知識を定着させる(学修時間の目安4時間以上)。
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: 20% C: 10% D: --%
成績評価法
授業内のレポート(小レポート)、課題の提出(ワークシート・宿題レポート)、最終課題(レポート)で評価します。
授業内のレポート 40%、課題の提出 40%、最終課題 20%
教科書にかかわる情報
教科書
書名
「新しいモノ・コトを楽しく創る知財創造教育 未来を創る授業ガイド」
ISBN
著者名
小中高等学校において知財創造教育を実施できる人材の養成に必要なテキストに関する調査研究委員会
出版社
特許庁
出版年
備考
主な教材は、毎回の授業で配布するスライド資料です。
副教材として、「新しいモノ・コトを楽しく創る知財創造教育 未来を創る授業ガイド」を用います。
これは下記のHPからダウンロードできます。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tizaikyouiku/program/siryou25.pdf
膨大なので印刷は不要。参加者はタブレットやPC端末にダウンロードして持参してください。
参考書にかかわる情報
参考書
書名
かるたでわかる知的財産 : 知財で一句!
ISBN
9784991270505
著者名
山口大学大学研究推進機構知的財産センター,山口大学大学研究推進機構知的財産センター
出版社
山口ティー・エル・オー
出版年
2022
参考書
書名
たのしい著作権法2019
ISBN
9784990393557
著者名
山口大学制作 ; 小川明子著
出版社
山口ティー・エル・オー
出版年
2018
参考書
書名
たのしい著作権法(※2019年版の別冊 2020年の法改正対応)
ISBN
9784990393588
著者名
山口大学制作・著作 ; 小川明子 [著]
出版社
山口ティー・エル・オー
出版年
2021
参考書
書名
たのしい著作権法 : [ネコ] でもわかる
ISBN
9784990393595
著者名
山口大学,山口大学 制作・著作
出版社
山口ティー・エル・オー
出版年
2022
参考書
書名
アイデアのことを考える本 : 小学校高学年向け
ISBN
9784827113273
著者名
内藤, 善文,内藤善文 監修
出版社
知財創造教育教材作成委員会
出版年
2019
参考書
書名
アイデアのことを考える本 指導者向け「ティーチングノート」(ダウンロード版)
ISBN
著者名
監修 内藤善文
出版社
(一社)発明推進協会
出版年
備考
知財で一句!「かるたでわかる知的財産」の購入は以下のURLから
https://www.tlo.sangaku.yamaguchi-u.ac.jp/karuta/
メッセージ
Society5.0を見据え、新しい価値を生み出し(知的財産を創造し)、適切に保護しそれを活用できる人材の育成(知財創造教育)は、益々求められています。
このSociety5.0で活躍するに必要な力は、教育基本法で謳われている目指す資質・能力「人格の完成、幅広い知識と共有、審理を求める態度、個人の価値の尊重、創造性など」と共通するものです。すなわち、知財創造教育は最新(流行)でありつつ、不易の教育であると言えます。
また併せて、著作権についても、教育著作権検定に合格レベルの著作権知識の修得を目指します。
この知財創造教育という、これまで皆さんの体験してきた小中高校の学校生活では十分と言えなかった学習内容や考え方にぜひ触れて皆さんが目指す教育のあり方をもう一度考えてみる機会にしてほしいと思っています。
キーワード
Society5.0、日本国憲法、教育基本法、著作権法、特許法、知的財産教育、知財創造教育、体験型学習、創造性学習、総合的な探究の学習、キャリア教育
持続可能な開発目標(SDGs)
(教育)すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
(経済成長と雇用)包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する。
(インフラ、産業化、イノベーション)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
(持続可能な生産と消費)持続可能な生産消費形態を確保する。
関連科目
「知的財産入門」及び「知財展開科目」
シラバスを「知財展開科目」で検索ください。現在、「特許法」や「著作権法」といった法律系の科目の他、「ものづくりと知的財産」や「コンテンツ産業と知的財産」「農業と知的財産」のように、各学部の専門領域に関連づけた「知財展開科目」を17科目開講しています。これからの教育現場では、知財の知識は必須と言えるものです。知財教育は本学で学ぶ学生の強みですから、ぜひ積極的に展開科目を履修ください。
令和7年度 共通教育 『知財展開科目』開講日程を参照
https://kenkyu.yamaguchi-u.ac.jp/chizai/?page_id=10763
履修条件
教育学部学生に加え、他学部において教職を希望する学生の履修も引き受けています(学部学務係に問い合わせください)。
連絡先
電話:0836-85-9973(直通)
メール:h-jinnai@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
宇部の常盤キャンパス内にある知的財産センターで業務を行っています
業務の都合で吉田キャンパスに出かけることもあります
メールでご連絡いただくことが確実です。
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