タイトル

開講年度 開講学部等
2025 教育学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期 金7~8 その他 6.0
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1022101003 学校課題理解演習[Seminar on School Problem] 日本語 2
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
岡村 吉永[OKAMURA Yoshihisa]
担当教員[ローマ字表記]
岡村 吉永 [OKAMURA Yoshihisa], 宮木 秀雄 [MIYAKI Hideo], 田島 大輔 [TAJIMA Daisuke]
特定科目区分   対象学生   対象年次 3~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
いじめ,不登校,学力向上,教職員評価,学校と他機関との連携,学校の国際化――すでにいろいろな話をみなさんも普段から耳にし,目にしているように,現代の学校の周りにはさまざまな問題が存在しています。
 これらの言葉が新聞やテレビ,はたまたインターネットで出てこない日はほとんどありません。
「教育問題は誰もが語ることができる」。これが教育という分野の,他にはない特徴です。世の中では誰もが教育について一家言持っています。教育は,自分が子ども時代に学校に通った経験を持つ限り,自分が親である限り,自分が「学ぶ/教える」という行為を行っている限り,誰もがその経験を頼りに語ることができるからです。しかし,世の中にあふれている教育問題の議論は,「まちがい」「ゆがみ」も存在します。まちがいやゆがみを孕んだまま解決策や対処法が決められていくために,困った事態もまた生まれていきます。
現在の教育の衰退は,実はこうした「教育など誰にでもできる」「教師など誰にでもなれる」「教育学は現実と乖離した役に立たない学問で,教育学部は無力な教師集団を世に送り出している合理化の対象となるべき存在だ」という世の中にひそかに脈打つ社会通念それ自体が,今日の教育問題の大きな原因を生み出しているともいえます。
このような社会通念を打ち砕き,私たちが教師のプロ,教育のプロとして日々に立ち向かっていくためには,みなさんはこれまで学んできた,実際の子ども・地域と関わる中で,常に自己研鑚を行っていくことと同時に,「何が問題なのか?」「どうして問題が起こっているのか?」「背景にはどういったことがあるのか?」「どういう議論で対立しているのか?」――こうした,現状認識や原因・背景への目配り,複数ある解決方法の選び方など,プロとしての怜悧な視点で教育を捉えていく必要があります。教育とは,複雑な問題の集合体です。私たちに必要なのは,人とのかかわりの中で発生する問題に対して,あたたかなまなざしで当事者に関わると同時に,冷静に事態を見つめ,いつも問題に向き合ってもがきながらも,今できる自分のベストを出そうとする力(絶対的な処方箋を得て安心するのではない),それを実現するための「目」を養い続けていく,そうした態度です。そして,それこそが,私たちが日々教育に向き合うための心の処方箋に違いないのです。
授業の到達目標
学校をめぐる諸課題の構造を理解し、論理的に考察したり、合理的な解決方法を提言したりすることができる。この考察に際しては、他者との積極的な討論や意見表明を通して、多角的な視点から論理的な説明を行うことができる。
授業計画
【全体】
 本演習では,学生の関心に応じた学校ならびに教育の課題をとりあげ、その内容を深めていく授業を通して学校教員として必要な知識や考え方を身に付けることを目指す。
 授業は、前半で学校をめぐる諸課題について全般的な内容を述べた後、後半は「学校と子ども」「学校と教師」「学校と社会」等の観点から学生がチームとなって課題設置を行い、調べた内容などを述べ合う形式とする。毎回の授業では、主となるチームを決め、そのチームが取り上げた課題を全体で協議し考察をすすめる。
(各回で扱うテーマは、受講生の興味・関心、課題意識などによって順序や内容を変更する場合があるため、実際の授業はシラバスと変更される場合がある)
 なお、本授業は、各回とも上記2名の教員が担当する。
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 オリエンテーション 授業の目標と進め方、シラバスの説明、成績評価の方法 授業計画に沿って予習・復習(学修時間の目安4時間以上)
(具体的な内容については授業中に指示)
第2回 学校及び教員にまつわる課題場面
 危機管理
学校での事件事故など、危機管理に関する基礎的理解 次回の授業で提案するため、課題を明確化する(学修時間の目安4時間以上)
第3回 学校及び教員にまつわる課題場面
 教員や子どもを取り巻く課題
現代的な教育課題、教員の働き方、学力に関する考え方
授業計画に沿って予習・復習(学修時間の目安4時間以上)
(具体的な内容については授業中に指示)
第4回 現代の学校をめぐる諸課題(設定) 課題の洗い出しとテーマ設定 各学生班で、テーマを設定し、発表に必要な資料収集・準備をすること 目安6時間
第5回 現代の学校をめぐる諸課題の検討
(学校や地域に関する課題)
担当班のプレゼンテーションの後、グループならびに全体でのディスカッションを行う 授業で取り上げた課題に対する振り返りを行い、各自で可能な範囲の調査を行うこと 目安2時間
第6回 現代の学校をめぐる諸課題の検討
(社会や子供の貧困に関する課題)
担当班のプレゼンテーションの後、グループならびに全体でのディスカッションを行う 授業で取り上げた課題に対する振り返りを行い、各自で可能な範囲の調査を行うこと 目安2時間
第7回 現代の学校をめぐる諸課題の検討
(学校の多様化に関する課題)
担当班のプレゼンテーションの後、グループならびに全体でのディスカッションを行う 授業で取り上げた課題に対する振り返りを行い、各自で可能な範囲の調査を行うこと 目安2時間
第8回 現代の学校をめぐる諸課題の検討
(配慮や支援に関する課題)
担当班のプレゼンテーションの後、グループならびに全体でのディスカッションを行う 授業で取り上げた課題に対する振り返りを行い、各自で可能な範囲の調査を行うこと 目安2時間
第9回 中間振り返り 前半に行った課題を振り返る 総合的な振り返りと後半に向けた準備
 目安2時間
第10回 現代の学校をめぐる諸課題の検討
(不登校やいじめに関する課題)
担当班のプレゼンテーションの後、グループならびに全体でのディスカッションを行う 授業で取り上げた課題に対する振り返りを行い、各自で可能な範囲の調査を行うこと 目安2時間
第11回 現代の学校をめぐる諸課題の検討
(学校外の組織や機関との関わり)
担当班のプレゼンテーションの後、グループならびに全体でのディスカッションを行う 授業で取り上げた課題に対する振り返りを行い、各自で可能な範囲の調査を行うこと 目安2時間
第12回 現代の学校をめぐる諸課題の検討
(ICT、STEAM 教育)
担当班のプレゼンテーションの後、グループならびに全体でのディスカッションを行う 授業で取り上げた課題に対する振り返りを行い、各自で可能な範囲の調査を行うこと 目安2時間
第13回 現代の学校をめぐる諸課題の検討
(教員の働き方に関する課題)
担当班のプレゼンテーションの後、グループならびに全体でのディスカッションを行う 授業で取り上げた課題に対する振り返りを行い、各自で可能な範囲の調査を行うこと 目安2時間
第14回 KYT 子供対象に作られたKYTシートを用いて実地にKYTを体験し、良さや課題を考察する 教師対象のKYTについて、調査や考察を行うこと
第15回 まとめ 授業全体の振り返り 総合的な振り返りを行うこと
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: 10% B: 15% C: 15% D: 20%
成績評価法
毎回の課題に対する取り組みと最終レポートにより達成度を評価する。
授業態度・取り組み30%、授業内製作物20%、レポート50%
教科書にかかわる情報
備考
その都度指定します。
参考書にかかわる情報
備考
メッセージ
ぜひ、学校チューターなど、地域や学校、子どもと関わる活動での気づきを整理し、持ち寄ってください。
キーワード
学校課題、危機管理、地域連携
持続可能な開発目標(SDGs)

  • 貧困をなくそう
  • 質の高い教育をみんなに
  • ジェンダー平等を実現しよう
  • 人や国の不平等をなくそう
  • パートナーシップで目標を達成しよう
(貧困)あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる。
(教育)すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
(ジェンダー)ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う。
(不平等)各国内及び各国間の不平等を是正する。
(実施手段)持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する。
関連科目
履修条件
連絡先
okasun@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
水曜日10:30~11:30

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