タイトル

開講年度 開講学部等
2025 経済学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期 月5~6,木3~4    
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1031110019 金融経済論[Monetary Economics] 日本語 4
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
兵藤 隆[HIYOHDOH Takashi]
担当教員[ローマ字表記]
兵藤 隆 [HIYOHDOH Takashi]
特定科目区分   対象学生   対象年次  
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
この講義では、初めて金融論を学ぶ学生諸君を対象にして、現実の金融現象を理解するために必要な基礎的な学力を育成することを目標としています。よって、できるかぎり「なぜこの理論を学ばなければならないのか」、あるいは、「理論がどのように現実を説明しうるのか」がよくわかるような解説を心がけたいと考えています。
授業の到達目標
金融の知識は、経済活動を行う上で欠かせないものです。経済学部の学生としてふさわしい、つまり、新聞を読んで見出しから内容が類推できるレベルまで専門用語をしっかり理解することが望まれます。経済現象は、突発的に起きたように見えても、必ず原因があって、結果として現れたものです。原因から結果までの理論的な流れをどのくらいまで理解できているか、また、このような現象が起きれば、次にどのような結果がもたらされるかを推察できるようになることが望ましいです。問題提起と問題解決への道筋を自らの意見として述べられるよう、経済への関心が高まるようにしていきます。講義環境に配慮し、私語を慎み、積極的に質問・意見を述べてもらえることを期待します。近年、文章表現力が落ちている学生が目につくので、自らの意見をしっかりとした論述で表現できることが望まれます。なによりも「単位がとれればいいや」というなげやりな受講の仕方は、受講生にとっても教員にとっても非生産的な結果しか生み出しません。「どうせやるなら一生懸命やってやる」という気持ちでお互い切磋琢磨できれば幸いです。
授業計画
【全体】
理論的なフレームワークから、実際の経済問題への応用に向かって、講義の流れを進めていきます。中間テストを2回実施しますが、あくまでも中間地点の学習内容のチェックのためです。中間テストを通じて、その地点まで理解できたところと出来なかったところを自分でチェックしながら、理解不足なポイントについては、質問なり復習なりで補ってください。
なお、連絡事項は随時発生します。修学支援システムは常に確認してください。
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 ガイダンス これまでの金融経済論の受講者数、評価結果のデータなどを提示。評価方法や授業の目標、講義スケジュールについて解説する。 新聞記事をよく読み、理論と現実の接点を探る
専門用語をわからないままにせず、メモを取り理解するよう努めること(目安時間:1時間)
第2回 貨幣とはなにか 貨幣の歴史、貨幣となるための条件、貨幣の機能、貨幣価値の維持と信用について説明する。 新聞記事をよく読み、理論と現実の接点を探る
専門用語をわからないままにせず、メモを取り理解するよう努めること(目安時間:1時間)
第3回 貨幣とはなにか 金融の意味、金本位と管理通貨制度、貨幣統計量の定義、マネーストック統計の構成要素、マネーストックと物価の動き、バブル経済とマネーストックについて解説する。 新聞記事をよく読み、理論と現実の接点を探る
専門用語をわからないままにせず、メモを取り理解するよう努めること(目安時間:1時間)
第4回 貨幣とはなにか
金融とはなにか
電子マネーは貨幣か
金融の定義、間接金融と直接金融、金融を学ぶということの意味について説明する。
新聞記事をよく読み、理論と現実の接点を探る
専門用語をわからないままにせず、メモを取り理解するよう努めること(目安時間:1時間)
第5回 金融とはなにか 間接金融の機能、直接金融と証券会社、格付け機関について説明する。 新聞記事をよく読み、理論と現実の接点を探る
専門用語をわからないままにせず、メモを取り理解するよう努めること(目安時間:1時間)
第6回 金融とはなにか
資金循環
市場型間接金融、投資信託、シンジケートローン、セキュリタイゼーション
資金循環統計、フローとストック、部門別資金過不足の状況について説明する。
新聞記事をよく読み、理論と現実の接点を探る
専門用語をわからないままにせず、メモを取り理解するよう努めること(目安時間:1時間)
第7回 資金循環
金融機関の機能
資金循環フロー、資金循環ストック、資産運用と金融資産残高、金融機関の類型、ナローバンク、情報の経済学と金融システム、逆選択とモラルハザードについて説明する。 新聞記事をよく読み、理論と現実の接点を探る
専門用語をわからないままにせず、メモを取り理解するよう努めること(目安時間:1時間)
第8回 金融機関の機能 リレーションシップバンキング、トランザクションバンキング、メインバンク制度、事業制評価、信用とAIについて説明する。 新聞記事をよく読み、理論と現実の接点を探る
専門用語をわからないままにせず、メモを取り理解するよう努めること(目安時間:1時間)
第9回 金融機関の機能 金融規制、金融規制の自由化・緩和と強化、銀行と証券の利益相反
銀行システムと信用創造について説明する。
新聞記事をよく読み、理論と現実の接点を探る
専門用語をわからないままにせず、メモを取り理解するよう努めること(目安時間:1時間)
第10回 金融機関の機能 信用創造とはなにか、信用創造メカニズム、マネタリーベースとはなにか、マネタリーベースとマネタリーコントロールについて説明する。 新聞記事をよく読み、理論と現実の接点を探る
専門用語をわからないままにせず、メモを取り理解するよう努めること(目安時間:1時間)
第11回 金融機関の機能 通貨乗数とマネタリーコントロール、現金預金比率の上昇と通貨乗数の変化、不良債権とはなにか、不良債権処理の方法、不良債権比率の変化について説明する。 新聞記事をよく読み、理論と現実の接点を探る
専門用語をわからないままにせず、メモを取り理解するよう努めること(目安時間:1時間)
第12回 金融機関の機能 プルーデンス政策、事前的措置、自己資本比率規制について説明する。 新聞記事をよく読み、理論と現実の接点を探る
専門用語をわからないままにせず、メモを取り理解するよう努めること(目安時間:1時間)
第13回 金融機関の機能 バーゼル3、事後措置と預金保険制度、承継銀行の事例、中小企業金融と信用保証制度について説明する。 新聞記事をよく読み、理論と現実の接点を探る
専門用語をわからないままにせず、メモを取り理解するよう努めること(目安時間:1時間)
第14回 金融機関の機能 保険会社の類型と問題点について説明する。 新聞記事をよく読み、理論と現実の接点を探る
専門用語をわからないままにせず、メモを取り理解するよう努めること(目安時間:1時間)
第15回 レビュー1 前半の総まとめとして、理解度をチェックする。 理解が足りなかったことを確認、復習する(目安時間:4時間)
第16回 中間テスト1 前半の復習のため、中間テストを実施、用語説明や論述問題を解いて、専門用語の見落としがないか、論述の作法や意見の構築はできるかを再確認する。 解きっぱなしにならないように、テスト後の解説をよく聞いて不正解だった部分を確認、後半に備えること(目安時間:1時間)
第17回 中央銀行と金融政策 中央銀行の機能、世界の中央銀行、新旧日本銀行法の比較、日本銀行の組織、金融政策の二段階アプローチ、金融政策の手段
について説明する。
新聞記事をよく読み、理論と現実の接点を探る
専門用語をわからないままにせず、メモを取り理解するよう努めること(目安時間:1時間)
第18回 中央銀行と金融政策 公定歩合操作、準備率操作、公開市場操作について説明する。 新聞記事をよく読み、理論と現実の接点を探る
専門用語をわからないままにせず、メモを取り理解するよう努めること(目安時間:1時間)
第19回 中央銀行と金融政策 我が国の戦後史(経済的な視点から)、伝統的な金融政策と非伝統的金融政策、マネーか金利か、金融政策の手段と波及経路について説明する。
新聞記事をよく読み、理論と現実の接点を探る
専門用語をわからないままにせず、メモを取り理解するよう努めること(目安時間:1時間)
第20回 中央銀行と金融政策 非伝統的金融政策、ゼロ金利政策とサブプライムローン、量的緩和とは、フォワード・ガイダンス、黒田総裁の就任と量的・質的緩和政策、インフレターゲッティング 新聞記事をよく読み、理論と現実の接点を探る
専門用語をわからないままにせず、メモを取り理解するよう努めること(目安時間:1時間)
第21回 中央銀行と金融政策 量的・質的金融緩和、イールドカーブコントロール(YCC)、マイナス金利政策とは、出口戦略について説明する。 新聞記事をよく読み、理論と現実の接点を探る
専門用語をわからないままにせず、メモを取り理解するよう努めること(目安時間:1時間)
第22回 中央銀行と金融政策 裁量かルールか、テイラールールとマッカラムルール、中央銀行デジタル通貨とリブラの戦略について説明する。
新聞記事をよく読み、理論と現実の接点を探る
専門用語をわからないままにせず、メモを取り理解するよう努めること(目安時間:1時間)
第23回 債券と金利 金融市場の構造、短期金融市場、長期資本市場、コール、手形市場、オープン市場、債券市場について説明する。 新聞記事をよく読み、理論と現実の接点を探る
専門用語をわからないままにせず、メモを取り理解するよう努めること(目安時間:1時間)
第24回 債券と金利 株式の種類、利子率とはなにか、単利と複利、現在価値と将来価値、イールドカーブ、長期と短期で金利が違うのはなぜか、利子の期間構造について説明する。 新聞記事をよく読み、理論と現実の接点を探る
専門用語をわからないままにせず、メモを取り理解するよう努めること(目安時間:1時間)
第25回 債券と金利
株式市場
利子の期間構造流、動性選好説、市場分断説、純粋期待理論仮説
株とはなにか、東インド会社と交易、株主=企業オーナー、経営と所有の分離、会社は誰のものかについて説明する。
新聞記事をよく読み、理論と現実の接点を探る
専門用語をわからないままにせず、メモを取り理解するよう努めること(目安時間:1時間)
第26回 株式市場 株式市場、東証と市場改革、株価指数とはなにか、ダウ平均株価、日経平均株価、TOPIX、株価と景気動向、今後の株式市場のあり方について説明する。 新聞記事をよく読み、理論と現実の接点を探る
専門用語をわからないままにせず、メモを取り理解するよう努めること(目安時間:1時間)
第27回 個人金融資産と金融リテラシー 我が国の貯蓄率の低下とコロナ給付金、個人金融資産に関する世論調査の結果、我が国の個人金融資産と米国の個人金融資産
について説明する。
新聞記事をよく読み、理論と現実の接点を探る
専門用語をわからないままにせず、メモを取り理解するよう努めること(目安時間:1時間)
第28回 個人金融資産と金融リテラシー金融資産選択理論と新しい金融理論 金融リテラシーの必要性と成人年齢の引き下げ、英国の金融教育、米国の金融教育、我が国の金融教育と国際比較、個人金融資産選択理論、平均分散アプローチ、CAPM(資本資産価格決定モデル)、APT(裁定価格決定理論)、デリバティブ(金融派生商品)、先物、オプション、スワップ、最先端の金融工学について説明する。
新聞記事をよく読み、理論と現実の接点を探る
専門用語をわからないままにせず、メモを取り理解するよう努めること(目安時間:1時間)
第29回 レビュー2 前半の総まとめとして、理解度をチェックする。 理解が足りなかったことを確認、復習する(目安時間:4時間)
第30回 中間テスト2 後半の復習のため、中間テストを実施、用語説明や論述問題を解いて、専門用語の見落としがないか、論述の作法や意見の構築はできるかを再確認する。 解きっぱなしにならないように、テスト後の解説をよく聞いて不正解だった部分を確認、期末テストに備えること(目安時間:1時間)
第31回 期末テスト 理解度をチェックし、成績評価をするための期末テストを実施する。 体調管理に気をつけ、当日欠席等がないようにすること。また、理解が浅かったと思われる部分をチェックし理解を深めること(目安時間:1時間)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: --% D: --%
成績評価法
中間テスト2回(各15%ずつ)
最終レポート1回(70%)
教科書にかかわる情報
教科書 書名 指定しません ISBN
著者名 出版社 出版年
備考
講義資料は修学支援システムを通じて「授業支援」→「授業リンク」においてURL(Uniform Resource Locator)をオンライン掲示します。
参考書にかかわる情報
参考書 書名 指定しません ISBN
著者名 出版社 出版年
備考
講義中にその都度紹介します
メッセージ
出欠確認も修学支援システムを利用して「授業支援」→「授業内アンケート」にて実施します。
感染症拡大など非常事態が生じ、変更がある場合には早期に修学支援システムを通じて通知するので見落としがないようにしてください。
キーワード
金融、貨幣、中央銀行、金融政策、銀行、マイナス金利、株式市場、金融工学、金融資産
持続可能な開発目標(SDGs)

  • 貧困をなくそう
  • 質の高い教育をみんなに
  • 働きがいも経済成長も
  • 人や国の不平等をなくそう
  • つくる責任つかう責任
  • パートナーシップで目標を達成しよう
  • パートナーシップで目標を達成しよう
(貧困)あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる。
(教育)すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
(経済成長と雇用)包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する。
(不平等)各国内及び各国間の不平等を是正する。
(持続可能な生産と消費)持続可能な生産消費形態を確保する。
(平和)持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する。
(実施手段)持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する。
関連科目
マクロ経済学、ミクロ経済学、金融システム論、国際金融論
履修条件
連絡先
thyodo@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
平日 11:50~12:50

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