開講年度
開講学部等
2025
経済学部
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期
火5~6
3.0
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
1032110004
政治経済学Ⅰ[Political Economics Ⅰ]
日本語
2
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
前原 ひとみ[MAEHARA Hitomi]
ー
担当教員[ローマ字表記]
前原 ひとみ [MAEHARA Hitomi]
特定科目区分
対象学生
対象年次
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
本講義は、資本主義経済についての基礎的な知識を身につけ、現代資本主義の現状とその課題を理解することを目的とする。
「政治経済学Ⅰ」では、資本主義は商品の集まりから成り立つため、商品の性質から学び、その関わりとして貨幣や資本について学ぶ。そして、賃金とはどのように生じているものなのか、剰余価値はどのように生み出されるかといった資本主義を理解する上での基本的な諸概念について学ぶ。特に、経済学を学ぶ手法の一つとして歴史的な視点から資本主義経済を捉え、歴史を振り返ることから現代資本主義の現状とその課題を把握していく。
本講義の進め方としては、授業計画に沿って、講義プリントや板書、パワーポイント、映像資料などを使用しながら講義を行う。
授業の到達目標
資本主義経済を理解するための基礎知識を理解し、身につける。講義で取り上げた事例やその他の事例について思考を巡らせ、判断を行う。日頃から新聞やニュースを見て、社会の動向について意識を向ける。これまでの資本主義経済を理解し批判的に捉え、これからの経済システムについて向き合う態度を養う。資本主義経済について、自分の言葉で表現・説明する技能を身につける。
授業計画
【全体】
本講義では、経済を学ぶ上での土台として、経済学を学ぶ意義や、経済学の対象と方法を学ぶ。
その後、商品、貨幣、資本、賃金の順で講義を進めていく。
商品については、商品の二重性、労働の二重性、商品の価値形態、を理解する。
貨幣については、その機能として価値尺度、流通手段、蓄蔵貨幣、支払手段、世界貨幣を理解する。
資本については、資本主義的生産のしくみや剰余価値の生産への流れを理解する。
剰余価値については、剰余価値の生産方法の種類や、特別剰余価値について理解する。
賃金については、労働力の価値として賃金を捉え、賃金の形態やその性質について理解する。
利潤については、部門内競争・部門間競争について把握し、利潤率について理解する。
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
・オリエンテーション(本講義のテーマ及び概要、到達目標、授業方針、成績評価基準の確認)/序論(1)経済学を学ぶ意義
オリエンテーションを行い、授業の概要や目標などを把握する。講義としては、経済とは何かを理解し、経済生活が社会生活の土台をなしていることを理解する。その上で、経済学を学ぶ意義を理解する。
配布した講義資料や参考書を参照し準備学習2時間と復習2時間を行うこと。
第2回
序論(2)経済学の対象と方法
人間の基礎的な営みである労働と生産について社会の発展諸段階を把握し、経済学の対象を理解する。資本主義経済を理解する土台として、様々な経済学の歩みや相違点について学び、経済学全体の手法を理解する。
配布した講義資料や参考書を参照し準備学習2時間と復習2時間を行うこと。
第3回
商品(1)商品とは何か―商品の二重性・労働の二重性―
資本制社会の富として労働生産物、すなわち商品を把握し、商品の二重性とさらには労働の二重性を理解する。
配布した講義資料や参考書を参照し準備学習2時間と復習2時間を行うこと。
第4回
商品(2)商品の価値形態
商品の価値の表現として貨幣が生み出されることを商品の価値形態を通して理解する。また貨幣が金に固定化されるまでの歴史と価格の成立について理解する。
配布した講義資料や参考書を参照し準備学習2時間と復習2時間を行うこと。
第5回
貨幣(1)貨幣の機能
貨幣の機能として価値尺度、流通手段、蓄蔵貨幣、支払手段、世界貨幣それぞれについて理解する。
配布した講義資料や参考書を参照し準備学習2時間と復習2時間を行うこと。
第6回
資本(1)資本主義的生産のしくみ
貨幣が資本として機能する流れと、資本の運動について把握し、資本主義的生産のしくみとその特質を理解する。
配布した講義資料や参考書を参照し準備学習2時間と復習2時間を行うこと。
第7回
資本(2)剰余価値の生産
資本主義的生産において、価値の増殖分である剰余価値の生産方法を理解する。剰余価値生産に投入される資本の機能を把握し、賃金について理解する。
配布した講義資料や参考書を参照し準備学習2時間と復習2時間を行うこと。
第8回
剰余価値の増大(1)絶対的剰余価値の生産
剰余価値の増大方法である絶対的剰余価値の生産として、労働時間の延長を理解する。また、その関連で工場法・労働基準法を把握する。
配布した講義資料や参考書を参照し準備学習2時間と復習2時間を行うこと。
第9回
剰余価値の増大(2)相対的剰余価値の生産
剰余価値の増大方法である相対的剰余価値の生産として、労働強度の増大や労働力価値の引き下げについて理解する。
配布した講義資料や参考書を参照し準備学習2時間と復習2時間を行うこと。
第10回
剰余価値の増大(3)特別剰余価値の生産
競争と技術革新によって個別資本が特別剰余価値を生産する過程について理解する。その関連として、量産型生産システムやIT化について把握し、環境への影響を理解する。
配布した講義資料や参考書を参照し準備学習2時間と復習2時間を行うこと。
第11回
賃金(1)労働力の価値と賃金
労働力の再生産費としての賃金について把握し、労働力の価値と賃金の関係を理解する。
配布した講義資料や参考書を参照し準備学習2時間と復習2時間を行うこと。
第12回
賃金(2)時間賃金・出来高賃金
賃金の形態として、時間賃金・出来高賃金について理解する。その際、最低賃金と最低生計費との関連で理解し、賃金格差を把握する。
配布した講義資料や参考書を参照し準備学習2時間と復習2時間を行うこと。
第13回
資本蓄積(1)資本の有機的構成・相対的過剰人口
資本の運動の結果として生じる資本の有機的構成、相対的過剰人口を把握する。非正規雇用労働者や外国人技能実習生の増加などを理解する。
配布した講義資料や参考書を参照し準備学習2時間と復習2時間を行うこと。
第14回
利潤(1)部門間競争と部門内競争
利潤について、部門間競争、部門内競争の観点から理解する。
配布した講義資料や参考書を参照し準備学習2時間と復習2時間を行うこと。
第15回
利潤(2)「利潤率の傾向的低下法則」
「利潤率の傾向的低下法則」について、現代資本主義との関連で把握する。
配布した講義資料や参考書を参照し準備学習2時間と復習2時間を行うこと。
第16回
定期試験
試験は、第1講から第15講の内容について実施する。
第1講から第15講の講義内容について整理・復習し、試験準備をすること。
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: 10% B: 20% C: --% D: --%
成績評価法
出席30%、期末試験70%で総合的に評価します。
教科書にかかわる情報
備考
テキストは使用せず、レジュメを配布します。
参考書にかかわる情報
参考書
書名
経済原論〔簡約版〕
ISBN
9784641162952
著者名
富塚良三
出版社
有斐閣
出版年
参考書
書名
戦後70年の日本資本主義
ISBN
9784406060318
著者名
渡辺治 [ほか] 著
出版社
新日本出版社
出版年
2016
参考書
書名
独占資本主義の理論
ISBN
4641063362
著者名
北原勇著
出版社
有斐閣
出版年
1977
備考
その他、参考文献については適宜授業内で紹介する。
メッセージ
・授業の進め方、出席や成績など講義に関する詳細や注意事項は初回の授業で説明するため、
受講の意思がある場合、また受講するか否かを検討している場合には、原則として第1回目の授業に出席すること。
・講義への積極的な参加及び講義進行に対する協力的な姿勢を望む。
・「授業計画」は、受講生の理解促進のために、順序の入れ替え、内容を変更することがある。
・履修者が多数の場合、レジュメを事前にMoodleから配布することがあります。
キーワード
資本主義経済、現代資本主義、商品、貨幣、資本、賃金、剰余価値、資本家、労働者、ワーキングプア、格差、貧困、低賃金、実質賃金、最低賃金
持続可能な開発目標(SDGs)
(貧困)あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる。
(飢餓)飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。
(教育)すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
(ジェンダー)ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う。
(経済成長と雇用)包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する。
(不平等)各国内及び各国間の不平等を是正する。
(平和)持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する。
関連科目
政治経済学Ⅱ、経済学の歴史
履修条件
連絡先
h_maehara@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
面談希望者は上記メール宛に事前に申し込んでください。その際に日時を相談して決定します。
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