タイトル

開講年度 開講学部等
2025 理学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期 木9~10 講義  
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1041000016 地学概論[General Earth Sciences] 日本語 2
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
田中 和広[TANAKA Kazuhiro]
担当教員[ローマ字表記]
田中 和広 [TANAKA Kazuhiro], 太田 岳洋 [OHTA Takehiro]
特定科目区分   対象学生 物情2年生以上、化学科2年生以上 対象年次 2~4
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
人類の住む惑星地球に関して、内部の構造や構成物質について学習するとともに、地球表面で発生する地震、火山活動、隆起などの地殻変動や環境変化についてその一般的特徴や発現メカニズムについて学習する。さらに地球誕生後の46億年間における地球の歴史について広く学び地球に対する理解を深める(物理情報DP1-1;化学DP1-1)、(物理情報CP1-2;化学CP1-1)。
また、地球上で発生する様々な災害と地球科学的知見との関係について学ぶとともに、人類が地球環境に及ぼる影響と持続可能な地球に向けた課題と対策について考察する(物理情報DP1-1;化学DP1-1)
なお、本科目は電力事業のシンクタンクでの実務経験のある担当教員が、上記の内容についてエネルギー分野での経験に基づいた講義を行う。
授業の到達目標
知識・理解の観点では、地球の成り立ち、構成する物質についての知識を身につけるとともに、地表付近で発生する地震や火山活動などの発生メカニズムを理解する。思考・知識の観点からでは、地球で発生する地質現象の時間、空間的変動を理解するとともに、地球全体を一つのサイクルとしてとらえることができる思考力を身につける。関心・意欲の観点では、身の回りの地学に関する情報に興味を持ち持続可能な社会の実現のために地学が果たす役割について関心を持つとともに、課題の解決のための方策について意欲的に取り組むことができる。態度の観点では、積極的に地球や地球環境に関する情報に触れる態度を身に着け、持続可能な社会の実現に向けてそれぞれの専門分野の中で何ができるかを考える。技能・表現の観点では、地学について学んだことを、他者にわかりやすく説明できるようになる。
授業計画
【全体】
 宇宙の生成、地球の構造や地球を構成する物質について学んだのちに、地球表層で発生する様々な地質変動や地表で発生する自然災害などについて学ぶ
 その後、地球の歩んできた歴史を時間的、空間的に理解するとともに、我が国や山口県における過去から現在までの地史や災害などについて概観する
最後に人類と地学のかかわりについて学ぶことにより、地学が社会ためにどのように役立っているについて学ぶ
 毎回、講義の後半30分でSDGsと地球科学との関係について、トピック的に紹介し、地学が持続可能な社会の構築のために重要な学問であることを理解する
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 宇宙と地球
地球科学とSDGs(1)
SDGsの背景と考え方
惑星地球を含む太陽系の形成、地球の形や重力、地磁気などについて学ぶ
SGDsの実現のために地学の果たす役割を理解する
教科書P18までを予習(2時間)
復習2時間以上
事前にMoodleにより、講義資料を配布し、予習、復習に活用する
隕石などを回覧し理解を深める
第2回 地球の構造
地球科学とSGDs(2)
:我が国の自然環境の特徴と社会課題
大陸、海洋の地形と地球の内部構造、地殻、マントル、プレート、アイソスタシーについて理解する
我が国の自然環境の特徴と人間生活との関係について理解する
教科書P19~P44を予習(2時間)
復習2時間以上
事前にMoodleにより、講義資料を配布し、予習、復習に活用する
地殻やマントル物質を回覧し理解を深める
第3回 地球の物質(1)
地球科学とSDGs(3)
:地球の温暖化について(1)
化学組成、鉱物、岩石の成因と分類について理解する
地球の温暖化問題の現状について考える
教科書P45~P67を予習(2時間)
復習2時間以上
事前にMoodleにより、講義資料を配布し、予習、復習に活用する
代表的な鉱物を回覧し理解を深める
第4回 地球の物質(2)
地球科学とSDGs(4)
:地球温暖化について(2)
地球を構成する火成岩、堆積岩、変成岩について学ぶ
地質時代の気候変化とその原因について考える
教科書P69~P80を予習(2時間)
復習2時間以上
事前にMoodleにより、講義資料を配布し、予習、復習に活用する
代表的な岩石を回覧し理解を深める
第5回 大陸移動説からプレートテクトニクス
地球科学とSDGs(5)
:ダム建設の功罪
地殻変動に関する地向斜、大陸移動説、プレートテクトニクスのパラダイムシフトを学ぶ
我が国におけるダム建設の背景と課題について考える
教科書P81~P95を予習(2時間)
復習2時間以上
事前にMoodleにより、講義資料を配布し、予習、復習に活用する
第6回 火山の発生とプレートテクトニクス
地球科学とSDGs(6)
:防災と地球科学
火山の発生メカニズムと分布の特徴
自然災害の予測とハザードマップについて学ぶ
教科書P95~P105を予習
復習2時間以上
事前にMoodleにより、講義資料を配布し、予習、復習に活用する
第7回 地震の発生と活断層、プレートテクトニクス
地球科学とSDGs(7)
:ジオパークを考える
地震と活断層やプレート運動との関係を学ぶ
ジオパークとジオパークの果たす役割について学ぶ
教科書P105~P112を予習(2時間)
住んでいる地域のハザードマップを調べレポートにまとめる(2時間以上)
事前にMoodleにより、講義資料を配布し、予習、復習に活用する
第8回 断層、褶曲、隆起について学ぶ
地球科学とSDGs(8)
:原子力行政と地学(2)
断層、褶曲、隆起について学ぶ
原子力発電所の安全性はどのように確保されるか?
教科書P113~P133を予習(2時間)
復習2時間以上
事前にMoodleにより、講義資料を配布し、予習、復習に活用する
第9回 地表付近での環境変化
地球科学とSDGs(9)
:原子力行政と地学(2)
地すべり、風化、変質、浸食などの地表付近の地質現象と災害について学ぶ
放射性廃棄物の処分の問題について考える
授業中に指示した学習について4時間程度以上
事前にMoodleにより、講義資料を配布し、予習、復習に活用する
風化物質(マサ土)などを回覧し理解を深める
第10回 地球の歴史
地球科学とSDGs(10)
:水循環
岩石の年代測定、層序区分、地球史を学ぶ
水の循環について蒸発、降水、涵養、流出といった視点から考える
教科書P134~P157を予習(2時間)
復習2時間以上
事前にMoodleにより、講義資料を配布し、予習、復習に活用する
主要な化石を回覧し理解を深める
第11回 日本列島の歴史
地球科学とSDGs(11)
:炭素循環
日本列島の歴史について学ぶ
温暖化の原因である二酸化炭素などの炭素循環について学ぶ
教科書P158~P174を予習(2時間)
復習2時間以上
事前にMoodleにより、講義資料を配布し、予習、復習に活用する
日本の代表的岩石や化石を回覧し理解を深める
第12回 山口県の地質と地質構造(1)
地球科学とSDGs(12)
:安全・安心な社会に向けて
山口県の地史、地質分布、地質構造
災害と社会との関係を安全・安心の視点から考える
授業中に指示した学習について4時間程度以上 事前にMoodleにより、講義資料を配布し、予習、復習に活用する
山口県の代表的岩石や化石を回覧し理解を深める
第13回 山口県の地質と地質構造(2)
地球科学とSDGs(13)
:地球環境の将来予測と地学
山口県の温泉、地すべり、活断層、火山などについて学ぶ
地球環境の将来予測の考え方について学ぶ
予習2時間以上
自分の住んでいる地域の地形や地質の特徴を調べレポートにまとめる(2時間)
事前にMoodleにより、講義資料を配布し、予習、復習に活用する
第14回 明治以降の社会活動と地球科学(14):
人新世という地質時代(1)
明治以降の日本における経済発展と地球科学の果たしてきた役割
人新世という地質時代と人類の活動による影響について考える
授業中に指示した学習について4時間程度以上 事前にMoodleにより、講義資料を配布し、予習、復習に活用する
日本の主要な資源である石炭や石油を回覧し理解を深める
第15回 期末試験

期末試験 講義の復習について4時間程度
第16回 期末試験の振り返り
実学としての地球科学
試験問題の解説
地質技術者の果たす役割について考える
期末試験の復習 解答例を示し、試験の振り返りを行う
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: --% D: --%
成績評価法
レポート、学期末の筆記テストで評価します
レポート 20%、 学期末の期末テスト 80%
教科書にかかわる情報
教科書 書名 基礎地球科学(第三版) ISBN 9784254160741
著者名 西村祐二郎編 出版社 朝倉書店 出版年 2019
備考
参考書にかかわる情報
参考書 書名 SDGs(持続可能な開発目標) ISBN 9784121026040
著者名 蟹江憲史 出版社 中公新書 出版年 2020
参考書 書名 山口県の岩石図鑑 ISBN 4804081984
著者名 西村祐二郎編 出版社 第1学習社 出版年 1991
備考
メッセージ
地球のことを知って、地球を好きになって、人間も惑星地球の一員である事を自覚し、持続可能な社会を築くために、講義で得た知識を、自身の生活や社会のために生かしてください
キーワード
太陽系、地球、重力、地磁気、大陸、海洋、地殻、マントル、堆積岩、火成岩、変成岩、プレートテクトニクス、地殻変動、地球の歴史、日本列島の形成、山口県の地質、地質技術者、SDGs、温暖化、人新世、実務家教員
持続可能な開発目標(SDGs)

  • 安全な水とトイレをみんなに
  • エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 働きがいも経済成長も
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 住み続けられるまちづくりを
  • 気候変動に具体的な対策を
  • 海の豊かさを守ろう
  • Life on land
(水・衛生)すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。
(エネルギー)すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する。
(経済成長と雇用)包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する。
(インフラ、産業化、イノベーション)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
(持続可能な都市)包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する。
(気候変動)気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる。
(海洋資源)持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。
(陸上資源)陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する。
関連科目
履修条件
連絡先
田中和広
ka-tanak@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
特に設定しませんが、疑問や質問などがあれば、以下のメールでお受けします
ka-tanak@yamaguchi-u.ac.jp

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