開講年度
開講学部等
2025
理学部
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期集中
集中
2.0
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
1041200022
特殊講義Ⅰ(物理学:低温生成技術と絶対零度近傍で出現する量子現象)
日本語
1
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
河江 達也
ー
担当教員[ローマ字表記]
河江 達也, 藤原 哲也 [FUJIWARA Tetsuya]
特定科目区分
対象学生
対象年次
2~4
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
低温になると熱的ド・ブロイ波長が長くなるため様々な量子現象が出現する。その最も有名な例が超伝導や超流動などの量子多体現象である。このような状態では、ほぼ全粒子の波動関数の位相が揃うために、電気抵抗ゼロや粘性ゼロといった現象が観測される。このような極低温域で出現する量子現象の研究は、基礎科学的には量子力学に起因する諸現象の実験的検証や原理的理解に役立つ。また工学的には、超伝導磁石はリニアモーターカーやMRI装置などに組み込まれ広く応用され、超伝導電子のトンネル効果(ジョセフソン効果)を利用した素子は超精密測定や量子ビットとして応用されている。
本講義では、まず超伝導をはじめとした量子現象を観測する際に利用されるヘリウム冷凍機や希釈冷凍機などの極低温生成技術について概説する。そしてその温度域で出現する代表的な物理現象について解説するという順序で授業を進めて行く。
授業の到達目標
知識・理解の観点: 低温生成技術と低温で出現する量子現象について基礎的な知識を身に着ける。
思考・判断の観点: 基礎物理学に基づいた直感的・定性的理解で低温環境における量子現象を解釈できるようになる。
関心・意欲の観点: 絶対零度近傍という通常の感覚では想像できないような状態も基礎物理学の知見を用いることで説明が可能である、ということを知ることでに物理学に関心を持つ。
態度の観点:授業に出席する。
技能・表現の観点:講義で学んだ内容をレポートの形で説明できるようになる。
授業計画
【全体】
まず第1回目の講義で熱的ド・ブロイ波長について説明し、低温と量子力学の関係を示した上で低温生成の意義について解説する。
2回目の授業でヘリウムの液化技術を説明した上で、その液化により発見された超伝導現象について解説する。
3回目、4回目の授業は液体ヘリウム4とその同位体であるヘリウム3の物性について説明し、それを用いた冷却技術について述べる。
5回目、6回目の授業では液体ヘリウム3ーヘリウム4混合液の物性と、その混合液を用いた希釈冷凍技術について説明し、その技術を用いれば約0.01ケルビンの温度が連続的に生成可能であることを述べる。また、そのような極低温で行われている量子現象の研究について紹介する。
7回目、8回目はより低温を生成する技術と、そのような超低温域で行われている研究について紹介する。
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
イントロダクション
熱的ド・ブロイ波長と低温生成の意義
復習2~4時間
第2回
ヘリウムの液化
ヘリウムの液化と超伝導現象
復習2~4時間
第3回
液体ヘリウム4
液体ヘリウム4の物性と超流動現象
復習2~4時間
第4回
液体ヘリウム3
液体ヘリウム3の物性とフェルミ液体
復習2~4時間
第5回
液体ヘリウム3-ヘリウム4混合液
液体ヘリウム3-ヘリウム4混合液の物性と希釈冷凍技術
復習2~4時間
第6回
極低温の物理現象
重い電子物質の示す物理現象
復習2~4時間
第7回
超低温の物理現象
核断熱消磁を利用した冷却技術と超流動ヘリウム3
復習2~4時間
第8回
レーザーを利用した冷却技術
レーザー冷却、蒸発冷却と希ガスのボース・アインシュタイン凝縮
復習2~4時間
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: 5% B: 5% C: 5% D: 5%
成績評価法
レポート100%
出席は欠格判定に使用する
教科書にかかわる情報
備考
電子ファイルで資料を配布する。
参考書にかかわる情報
備考
メッセージ
キーワード
極低温、液体ヘリウム、超伝導現象、超流動現象、フェルミ液体、希釈冷凍機、重い電子系、強相関電子系、ボース・アインシュタイン凝縮
持続可能な開発目標(SDGs)
(教育)すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
関連科目
力学Ⅰ・Ⅱ、電磁気学Ⅰ・Ⅱ、量子力学Ⅰ・Ⅱ、統計力学Ⅰ・Ⅱ、熱力学、物性物理学Ⅰ・Ⅱ
履修条件
連絡先
世話人教員(理学部 物理・情報科学科、藤原哲也)
理学部本館2階228号室
オフィスアワー
随時可能ですが、不在にすることが多いため事前にメールでアポイントメントを取ってください。
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