タイトル

開講年度 開講学部等
2025 理学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期 火5~8,金5~8 実験・実習  
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1041300004 有機化学実験[Experiments of Organic Chemistry] 日本語 4
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
村藤 俊宏[MURAFUJI Toshihiro]
担当教員[ローマ字表記]
村藤 俊宏 [MURAFUJI Toshihiro], 藤井 寛之 [FUJII Hiroyuki], 上條 真 [KAMIJO Shin]
特定科目区分   対象学生   対象年次 2~4
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
Aldol縮合やDiels-Alder反応など、講義でも詳しく学ぶ基本的でかつ重要な反応を自らの手で実践して、基本的操作を身に付け、有機化学を体験的に理解する。また、多段階合成反応による医薬品類似体の合成や化学発光などを通して、有機合成の楽しさや面白さ、難しさなどを知る。
本講義を通じて有機化学の基礎知識を体系的に身に付けたのち、専門的な知識を身に付ける(DP1-2-(b)、CP1)。自然科学における様々な知見を根拠・理由とともに説明するためのプレゼンテーション能力や文章作成を行える日本語能力を身に付ける(DP2-1)。自然現象を定量的に捉え、定量的解析を行い、解析結果の可視化・説明を行える数量的スキル(DP2-2)。化学データを管理・処理・分析し、その中に隠れている関係性を見つけるための方法論を身に付ける(DP2-3)。論理的思考力(DP2-4)、問題解決力(DP2-5)、観察力(DP2-6)を身に付ける。 化学の学修を通し、広く社会で活躍するための自己を管理しチームワークで仕事を進める能力を身に付ける(DP-3)。化学・データサイエンスの基礎知識を具体的な課題に適用し、定量性を伴ってその課題を解決する学習経験を通して、課題解決のための創造的思考力を身に付ける(DP-4)。
授業の到達目標
有機合成実験を通して、有機化学実験を行う際の基本的態度を理解し、常圧および減圧蒸留、再結晶、昇華などの基本的操作や技術を身に付ける。さらに、スペクトルの解析法やレポートの書き方などについても学ぶ。自然科学における様々な知見を根拠・理由とともに説明するためのプレゼンテーション能力や文章作成を行える日本語能力を身に付ける(DP2-1)。有機化学を通じて自然現象を定量的に捉え、定量的解析を行い、解析結果の可視化・説明を行える数量的スキルを身に付ける(DP2-2)。化学データを管理・処理・分析し、その中に隠れている関係性を見つけるための方法論を身に付ける(DP2-3)。さらに、有機化学の先端研究がどのように行われ、どのように展開されていくのかを、論理的に思考(DP2-4)した上で理解し、興味が持てるようになるとともに、問題解決能力(DP2-5)、観察力(DP2-6)も身に付ける。 化学の学修を通し、広く社会で活躍するための自己を管理しチームワークで仕事を進める能力を身に付ける(DP-3)。化学・データサイエンスの基礎知識を具体的な課題に適用し、定量性を伴ってその課題を解決する学習経験を通して、課題解決のための創造的思考力を身に付ける(DP-4)。

知識・理解の観点 実験の操作、内容を理解すること。
これらを踏まえて、有機化学の定量的な考え方を身に付ける(DP2-2)。
思考・判断の観点 化学データを管理・処理・分析し、その中に隠れている関係性を見つけるための方法論を身に付ける(DP2-3)。実験の際の反応変化等に対して的確な判断を下すことを通じて論理的思考を身に付ける(DP2-4)。化学・データサイエンスの基礎知識を具体的な課題に適用し、定量性を伴ってその課題を解決する学習経験を通して、課題解決のための創造的思考力を身に付ける(DP-4)。
関心・意欲の観点 実験に興味を持ち、反応について自ら考え、どのような機構で有機反応が起こるかについて興味を抱き、いかなる反応もどのような機構で進行するのか、問題解決能力を身に付ける(DP2-5)。
態度の観点 熱意をもって実験に取り組むこと。観察力(DP2-6)を身に付ける。
技能・表現の観点 器具の操作が的確であり、安全に行えること。
その他の観点 高く評価してもらえるレポートが作成できること。自然科学における様々な知見を根拠・理由とともに説明するためのプレゼンテーション能力や文章作成を行える日本語能力を身に付ける(DP2-1)。化学の学修を通し、広く社会で活躍するための自己を管理しチームワークで仕事を進める能力を身に付ける(DP-3)。
授業計画
【全体】
第1回目の授業は、オリエンテーション・安全教育を行います。
第2回目から
1.Diels-Alder反応
2.βーBinaphtholの合成
3.アスピリンの合成
4.Multistep Synthesisによる医薬品類似体の合成
5.化学発光
6.Friedel-Crafts反応
7.Wittig-Horner反応
8.アルドール縮合
などの実験を順次行います。
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 オリエンテーション・安全教育 実験の注意事項をフィーザー/ウィリアムソン 有機化学実験原書8版の必要箇所を引用して解説する(印刷したものを配る)。また、試薬の基本的性質について解説する。 予習(1時間以上)・復習(1時間以上)
第2回 Diels-Alder反応・βーBinaphtholの合成・アスピリンの合成(1) 第1部実験内容の説明
器具の点検
予習(1時間以上)・復習(データ整理やレポート作成を含め3時間以上)
第3回 Diels-Alder反応・βーBinaphtholの合成・アスピリンの合成(2) Diels-Alder反応
(シクロペンタジエンと無水マレイン酸の反応)
予習(1時間以上)・復習(データ整理やレポート作成を含め3時間以上
第4回 Diels-Alder反応・βーBinaphtholの合成・アスピリンの合成(3) Diels-Alder反応生成物の融点測定
βーBinaphthol合成開始
(βーナフトールと塩化鉄(III)の反応)
予習(1時間以上)・復習(データ整理やレポート作成を含め3時間以上
第5回 Diels-Alder反応・βーBinaphtholの合成・アスピリンの合成(4) βーBinaphthol合成(続き)
TLCチェックの意味と方法
予習(1時間以上)・復習(データ整理やレポート作成を含め3時間以上
第6回 Diels-Alder反応・βーBinaphtholの合成・アスピリンの合成(5) βーBinaphthol合成(続き)
アスピリンの合成
(触媒:酢酸ナトリウム、ピリジン)
予習(1時間以上)・復習(データ整理やレポート作成を含め3時間以上
第7回 Diels-Alder反応・βーBinaphtholの合成・アスピリンの合成(6) βーBinaphthol合成(続き)
アスピリンの合成
(触媒:三フッ化ホウ素、硫酸)
予習(1時間以上)・復習(データ整理やレポート作成を含め3時間以上
第8回 Diels-Alder反応・βーBinaphtholの合成・アスピリンの合成(7) βーBinaphthol合成(反応停止・再結晶)
アスピリンの合成(再結晶)
予習(1時間以上)・復習(データ整理やレポート作成を含め3時間以上
第9回 Diels-Alder反応・βーBinaphtholの合成・アスピリンの合成(8) βーBinaphthol合成(生成物の単離)
アスピリンの合成(生成物の単離)
予習(1時間以上)・復習(データ整理やレポート作成を含め3時間以上
第10回 Diels-Alder反応・βーBinaphtholの合成・アスピリンの合成(9) βーBinaphthol合成(融点測定)
アスピリンの合成(融点測定)
予習(1時間以上)・復習(データ整理やレポート作成を含め3時間以上
第11回 Multistep Synthesisによる医薬品類似体の合成(1) 第1変換反応の仕込み 実習書を読み、本セクションで行う実験の全体像を把握する
第1変換反応の詳細を予習
レポート作成のため、実験を復習し、観測したこと/実験結果/データをまとめる
(学修時間の目安:4時間以上)
「Multistep Synthesisによる医薬品類似体の合成」の実習書や補足教材はmoodleにて配布する予定
第12回 Multistep Synthesisによる医薬品類似体の合成(2) 第1変換反応の後処理 第1変換反応の詳細を予習
レポート作成のため、実験を復習し、観測したこと/実験結果/データをまとめる
(学修時間の目安:4時間以上)
第13回 Multistep Synthesisによる医薬品類似体の合成(3) 第1変換反応により得られた生成物の融点測定と同定 第1変換反応の詳細を予習
レポート作成のため、実験を復習し、観測したこと/実験結果/データをまとめる
(学修時間の目安:4時間以上)
第14回 Multistep Synthesisによる医薬品類似体の合成(4) 第2変換反応 第2変換反応の詳細を予習
レポート作成のため、実験を復習し、観測したこと/実験結果/データをまとめる
(学修時間の目安:4時間以上)
第15回 Multistep Synthesisによる医薬品類似体の合成(5) 第3変換反応 第3変換反応の詳細を予習
レポート作成のため、実験を復習し、観測したこと/実験結果/データをまとめる
(学修時間の目安:4時間以上)
第16回 Multistep Synthesisによる医薬品類似体の合成(6) 第4変換反応の仕込み 第4変換反応の詳細を予習
レポート作成のため、実験を復習し、観測したこと/実験結果/データをまとめる
(学修時間の目安:4時間以上)
第17回 Multistep Synthesisによる医薬品類似体の合成(7) 第4変換反応:アミド結合の形成 第4変換反応の詳細を予習
レポート作成のため、実験を復習し、観測したこと/実験結果/データをまとめる
(学修時間の目安:4時間以上)
第18回 Multistep Synthesisによる医薬品類似体の合成(8) 第4変換反応の後処理 第4変換反応の詳細を予習
レポート作成のため、実験を復習し、観測したこと/実験結果/データをまとめる
(学修時間の目安:4時間以上)
第19回 Multistep Synthesisによる医薬品類似体の合成(9) 第4変換反応により得られた生成物の融点測定と同定 第4変換反応の詳細を予習
レポート作成のため、実験を復習し、観測したこと/実験結果/データをまとめる
(学修時間の目安:4時間以上)
第20回 アルドール縮合(1) ベンズアルデヒドとアセトンを用いて、Claisen-Schmidt反応を行い、粗生成物を単離する。 予習(1時間以上)・復習(1時間以上)
第21回 アルドール縮合(2) Claisen-Schmidt反応の粗生成物の収率を求める。また、粗生成物の一部を使って再結晶を行う。 予習(1時間以上)・復習(1時間以上)
第22回 アルドール縮合(3) 再結晶後の純粋な生成物を単離する。また、1H-NMRスペクトルによる生成物の同定を行う。粗結晶の融点と、再結晶で得た純粋な結晶の融点を、随時測定する。 予習(1時間以上)・復習(1時間以上)
第23回 Friedel-Crafts反応(1) ベンゼンと塩化tert-ブチル(または塩化ベンゼンスルホニル)を用いて、Friedel-Crafts反応を行い、粗生成物を単離する。 予習(1時間以上)・復習(1時間以上)
第24回 Friedel-Crafts反応(2) 粗生成物の収率を求める。また、粗生成物の一部を使って再結晶を行う。1H-NMRスペクトルによる生成物の同定、粗結晶の融点と再結晶で得た純粋な結晶の融点を、随時測定する。 予習(1時間以上)・復習(1時間以上)
第25回 Wittig-Horner反応(1) 9-アントラニルアルデヒドとホスホニウム塩を用いて、Wittig反応を行い、粗生成物を単離する。 予習(1時間以上)・復習(1時間以上)
第26回 Wittig-Horner反応(2) 粗生成物の収率を求める。また、粗生成物の一部を使って再結晶を行う。1H-NMRスペクトルによる生成物の同定、粗結晶の融点と再結晶で得た純粋な結晶の融点を、随時測定する。 予習(1時間以上)・復習(1時間以上)
第27回 化学発光 様々な芳香族有機化合物(発光材料)を用いて、化学発光による蛍光を観測する。 予習(1時間以上)・復習(1時間以上)
第28回 Grignard反応 Grignard反応の演示実験を行い、反応がどのように進行するのか、反応機構を解説する。 予習(1時間以上)・復習(1時間以上)
第29回 廃液処理・後片付け・総括 ガラス器具の整理・実験の総括 復習とレポート課題(2時間以上)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: --% D: --%
成績評価法
実験の実施状況およびレポートにより総合評価する。
実験の実施状況(20%)、レポート(80%)
教科書にかかわる情報
備考
実験の手引きを配布する
参考書にかかわる情報
備考
特になし
メッセージ
スペクトル演習を行う予定です(ジョーンズ有機化学の第9章)。
キーワード
有機化学、実験
持続可能な開発目標(SDGs)

関連科目
有機化学I〜IV、有機反応解析、天然物有機化学、高分子化学
履修条件
連絡先
村藤 総合研究棟6階、601号室(東)
藤井 理学部439室
上條 5733、総合研究棟208
オフィスアワー
随時

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