開講年度
開講学部等
2025
理学部
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期
月9~10
2.0
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
1041300012
計算化学
日本語
2
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
谷 誠治[TANI Seiji]
ー
担当教員[ローマ字表記]
谷 誠治 [TANI Seiji]
特定科目区分
対象学生
対象年次
3~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
1年次から3年次前期には、専門科目として物理化学、有機化学、無機化学、分析化学を配置し、まずは化学の基幹4分野の基盤知識を体系的に身に付けさせ、その後、4分野のうち1つ以上の分野についての専門的な知識を身に付けさせる(DP1-2(b))。
この講義では、量子化学及び演習を基礎とし、シュレーディンガー方程式の分子への適用を扱う。二原子分子や多原子分子の分子軌道と化学結合について説明する。さらにに、量子化学計算プログラムGaussian 16Wと可視化ソフトウェアGaussViewを用いて、実際に電子エネルギーの計算や分子軌道の可視化等を通して、計算化学分野における論理的思考力及び問題解決力を養う(DP2-2、DP2-3)。
授業の到達目標
1.分子の波動関数と深い関係にある分子の対称性を理解する。
2.原子価結合法と分子軌道法の特徴を理解し,波動関数の物理・化学的な意味をつかむ。
3.原子軌道の線形結合によって形成される分子軌道と化学結合との関係について理解を深める。
4.ヒュッケル近似によりパイ電子系の波動関数と軌道エネルギーを求め、分子の対称性と関連づけて分子の光吸収について理解する。
授業計画
【全体】
1.ガイダンス:量子化学と数学
2.分子の対称性:点群
3.群論(1):群、既約表現
4.群論(2):直積
5.水素分子イオン:波動関数とエネルギー
6.水素分子(1):原子価結合法
7.水素分子(2):分子軌道法
8.多電子系の波動関数
9.分子軌道法の改良
10.等核二原子分子:軌道間相互作用の原理
11.異核二原子分子:電気陰性度,双極子モーメント
12.多原子分子:混成軌道
13.量子化学計算:Hartree-FockのSCF法
14.π電子系(1):ヒュッケル法
15.π電子系(2):ヒュッケル法
16.定期試験
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
ガイダンス
量子化学と数学(行列、逆行列、行列式)
Moodle上の資料を読んで予習(1時間以上)し、行列、逆行列、行列式の復習(3時間以上)すること。
第2回
分子の対称性
対称要素と対称操作、分子の対称による分類(点群)
Moodle上の資料・教科書を読んで予習(1時間以上)し、資料・教科書・参考書などを参照しながら課題/問題を解き、復習(3時間以上)すること。
第3回
群論(1):群、既約表現
群の定義、表現の簡約
Moodle上の資料・教科書を読んで予習(1時間以上)し、資料・教科書・参考書などを参照しながら課題/問題を解き、復習(3時間以上)すること。
第4回
群論(2):直積
既約表現の応用
Moodle上の資料・教科書を読んで予習(1時間以上)し、資料・教科書・参考書などを参照しながら課題/問題を解き、復習(3時間以上)すること。
第5回
水素分子イオン
水素分子イオンの波動関数とエネルギーの計算
Moodle上の資料・教科書を読んで予習(1時間以上)し、資料・教科書・参考書などを参照しながら課題/問題を解き、復習(3時間以上)すること。
第6回
水素分子(1):原子価結合法
原子価結合法による波動関数の取り扱いとエネルギーの計算
Moodle上の資料・教科書を読んで予習(1時間以上)し、資料・教科書・参考書などを参照しながら課題/問題を解き、復習(3時間以上)すること。
第7回
水素分子(2):分子軌道法
分子軌道法による波動関数の取り扱いとエネルギーの計算
Moodle上の資料・教科書を読んで予習(1時間以上)し、資料・教科書・参考書などを参照しながら課題/問題を解き、復習(3時間以上)すること。
第8回
多電子系の波動関数
スピン軌道関数、Slaterの行列式
Moodle上の資料・教科書を読んで予習(1時間以上)し、資料・教科書・参考書などを参照しながら課題/問題を解き、復習(3時間以上)すること。
第9回
分子軌道法の改良
配置間相互作用、Brillouinの定理
Moodle上の資料・教科書を読んで予習(1時間以上)し、資料・教科書・参考書などを参照しながら課題/問題を解き、復習(3時間以上)すること。
第10回
等核二原子分子
軌道間相互作用の基本原理
Moodle上の資料・教科書を読んで予習(1時間以上)し、資料・教科書・参考書などを参照しながら課題/問題を解き、復習(3時間以上)すること。
第11回
異核二原子分子
電気陰性度,電気双極子モーメント
Moodle上の資料・教科書を読んで予習(1時間以上)し、資料・教科書・参考書などを参照しながら課題/問題を解き、復習(3時間以上)すること。
第12回
多原子分子
混成軌道
Moodle上の資料・教科書を読んで予習(1時間以上)し、資料・教科書・参考書などを参照しながら課題/問題を解き、復習(3時間以上)すること。
第13回
量子化学計算:Hartree-FockのSCF法
Gaussianを用いた二原子分子の計算
Moodle上の資料・教科書を読んで予習(1時間以上)し、資料・教科書・参考書などを参照しながら課題/問題を解き、復習(3時間以上)すること。
第14回
π電子系(1):ヒュッケル法
近似計算理論、非局在化エネルギー、電子密度、結合次数
Moodle上の資料・教科書を読んで予習(1時間以上)し、資料・教科書・参考書などを参照しながら課題/問題を解き、復習(3時間以上)すること。
第15回
π電子系(2):ヒュッケル法
電子遷移の選択則
Moodle上の資料・教科書を読んで予習(1時間以上)し、資料・教科書・参考書などを参照しながら課題/問題を解き、復習(3時間以上)すること。
第16回
まとめ
期末試験
講義全体の内容を見返すこと。資料・教科書・参考書などを参照しながら期末試験問題を再度解き、復習すること。(4時間以上)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: 20% D: --%
成績評価法
レポート 50%、学期末の筆記テスト 50%
教科書にかかわる情報
教科書
書名
量子化学(上)
ISBN
9784785330736
著者名
原田義也
出版社
裳華房
出版年
2007
教科書
書名
物理化学(上)第10版
ISBN
9784807909087
著者名
P.W.Atkins著 ; 千原秀昭, 中村亘男訳
出版社
東京化学同人
出版年
2017
備考
参考書にかかわる情報
参考書
書名
群論と分子
ISBN
4759801510
著者名
大岩正芳
出版社
化学同人
出版年
1969
参考書
書名
初等量子化学 第2版 : その計算と理論
ISBN
9784759801767
著者名
大岩正芳
出版社
化学同人
出版年
1988
備考
Moodleに資料をアップロードするので、各自ダウンロード・活用してください.
メッセージ
分子の対称性を取扱う群論の基礎知識および分子軌道法などの量子化学の基本的な考え方を身につけて欲しい。
自分で分子軌道計算ができるようになって欲しい。
キーワード
対称性,点群,既約表現,原子価結合法,分子軌道法,水素分子,スピン関数,多原子分子,ヒュッケル法,電子密度,結合次数
持続可能な開発目標(SDGs)
(教育)すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
(インフラ、産業化、イノベーション)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
関連科目
量子化学及び演習
履修条件
連絡先
E-mail: stani at yamaguchi-u.ac.jp(' at 'には'@'を入れてください)
理学部1号館433号室
オフィスアワー
随時:講義や会議などがない限りいつでもOKです。事前にメールで連絡してください。
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