タイトル

開講年度 開講学部等
2025 理学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期集中 集中 講義  
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1041300013 天然物有機化学[Organic Chemistry of Natural Products] 日本語 2
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
阿部 肇
担当教員[ローマ字表記]
阿部 肇, 村藤 俊宏 [MURAFUJI Toshihiro]
特定科目区分   対象学生   対象年次 2~4
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
有機化合物には、非共有結合によって高次構造を作るものがあります。さらに、その高次構造によって機能を持つものがあります。その代表例が、天然に存在する生体化合物です。そして、医薬品化合物や毒物は、そのような生体化合物の生命機能に作用するものです。非共有結合には水素結合や疎水性相互作用などがあり、主に、化合物が持つ構造や官能基によってもたらされます。本講義では、生体化合物や医薬品化合物を題材として、有機化合物の非共有結合、生体分子の高次構造とその機能、医薬品化合物の創製と作用について、いくつかの例を挙げながら、概説していきます。これらの事項を学ぶことにより、化学の基幹4分野の1つである有機化学の基盤知識を体系的に身に付けます(CP3、DP1-2-(b))。この授業を通して、化学の基幹4分野である物理化学、有機化学、無機化学、分析化学を体系的に理解します(DP1-2-(a))。自然現象について、定量的データに基づいた数理モデル化や解析を行い、解析結果の可視化、説明を行える数量的スキルを身に付けます(DP2-2)。自然現象が生じる理由についての仮説提起を行い、その妥当性を理由とともに説明する論理的思考力を身に付けます(DP2-4)。自然科学の課題に対し、その課題を解決するための問題点を発見し、必要な情報を自ら収集・分析・整理することで、問題解決力を身に付けます(DP2-5)。
授業の到達目標
化学の基幹4分野である物理化学、有機化学、無機化学、分析化学を体系的に理解する(DP1-2-(a))。生体化合物や医薬品化合物などの有機化合物について、専門的知識を身につける(DP1-2-(b))。構造式をもとにそれらの非共有結合、高次構造、機能や作用について理解できる。自然現象について、定量的データに基づいた数理モデル化や解析を行い、解析結果の可視化、説明を行える数量的スキルを身に付ける(DP2-2)。自然現象が生じる理由についての仮説提起を行い、その妥当性を理由とともに説明する論理的思考力を身に付ける(DP2-4)。自然科学の課題に対し、その課題を解決するための問題点を発見し、必要な情報を自ら収集・分析・整理することで、問題解決力を身に付ける(DP2-5)。

知識・理解の観点 化学の基幹4分野である物理化学、有機化学、無機化学、分析化学を体系的に理解する(DP1-2-(a))。生体化合物や医薬品化合物などの有機化合物について、専門的知識を身につける(DP1-2-(b))。いろいろな非共有結合について、理解でき、説明できる。有機化合物の非共有結合によってもたらされる高次構造や作用、機能について、理解でき、説明できる。
思考・判断の観点 生体化合物や医薬品化合物の構造式と、それらの性質や機能を関連付けて考え、論理的思考力を身につけることができる(DP2-4)。自然科学の課題に対し、その課題を解決するための問題点を発見し、必要な情報を自ら収集・分析・整理することで、問題解決力を身に付ける(DP2-5)。
関心・意欲の観点 化学、特に有機化学の立場から、天然物化学や医薬品化学へ関心を持てる。
態度の観点 生命の機能は、有機化学をもとに理解できる部分が多いことを実感でき、自然現象が生じる理由とその妥当性を説明できる(DP2-4)。
技能・表現の観点 天然化合物や医薬品化合物の構造式から、生体内における基本的な性質やふるまいを予想できる。また、構造と性質との相関について、定量的データに基づいた解析結果に基づいて説明できるDP2-2)。
その他の観点 理学部の化学の立場や知識から、医薬品化学へ貢献できることについて実感できる。
授業計画
【全体】
1 非共有結合(水素結合、疎水性相互作用など)の概説
2 生体分子の高次構造と機能
3 医薬品の発見と創製の歴史
4 医薬品の創製、研究開発の流れ
5 ファーマコフォア、バイオアイソスター
6 キラリティー
7 プロドラッグ
8 抗がん剤
9 抗ウイルス薬
10 抗菌薬、抗生物質
11 末梢神経系に作用する医薬品
12 中枢神経系に作用する医薬品
13 抗炎症薬、NSAIDs、抗アレルギー薬
14 代謝系に作用する医薬品
15 循環器に作用する医薬品
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 1 非共有結合(水素結合、疎水性相互作用など)の概説 有機化合物や天然物化合物は、水素結合や疎水性相互作用など、非共有結合を使って集合し、高次構造を作ることがある。この回ではそれらの非共有結合について概説する。 授業中に指示した学習(学習時間の目安:2時間以上)
第2回 2 天然高分子の高次構造と機能 天然高分子は非共有結合によって高次構造を作り、生命の維持に必要な機能を示す。この回では核酸、タンパク質、脂質が作る二次構造、高次構造について概説する。 授業中に指示した学習(学習時間の目安:2時間以上)
第3回 3 医薬品の発見と創製の歴史 医薬品化合物は、生体が持つ天然高分子のはたらきに作用する。医薬品化合物は、天然物化合物であったり、天然物化合物から派生したものであったり、全くの人工物であったりする。この回では医薬品が発見され、作られてきた歴史について概説する。 授業中に指示した学習(学習時間の目安:2時間以上)
第4回 4 医薬品の創製、研究開発の流れ 医薬品化合物が、元となるシード化合物から市販までに至るには、長い時間と努力、そして幸運が必要である。この回では医薬品の研究開発の流れについて概説する。 授業中に指示した学習(学習時間の目安:2時間以上)
第5回 5 ファーマコフォア、バイオアイソスター 医薬品化合物の分子構造には、独特の考え方がある。この回ではファーマコフォア、バイオアイソスターという医薬品設計の考え方について概説する。 授業中に指示した学習(学習時間の目安:2時間以上)
第6回 6 キラリティー 医薬品化合物には、キラリティーを持つものが数多い。この回では医薬品化合物のキラリティーについて、作用や副作用、取り扱いについて概説する。 授業中に指示した学習(学習時間の目安:2時間以上)
第7回 7 プロドラッグ 医薬品化合物には、化学修飾によって作用を調節することがあり、そのように調節された医薬品をプロドラッグと呼ぶ。この回ではプロドラッグの例と、代謝による活性体の発生について紹介する。 授業中に指示した学習(学習時間の目安:2時間以上)
第8回 8 抗がん剤 この回からは、代表的な医薬品を、構造式を元に紹介する。ここでは抗がん剤を解説する。 授業中に指示した学習(学習時間の目安:2時間以上)
第9回 9 抗ウイルス薬 抗ウイルス薬を構造式を元に解説する。新型コロナウイルスの治療薬のうち、ウイルスの核酸に作用するものも紹介する。 授業中に指示した学習(学習時間の目安:2時間以上)
第10回 10 抗菌薬、抗生物質 ペニシリンを始祖とするβラクタム系抗生物質など、抗菌薬、抗生物質を構造式を元に解説する。 授業中に指示した学習(学習時間の目安:2時間以上)
第11回 11 末梢神経系に作用する医薬品 アドレナリンを始めとするカテコールアミン系など、末梢神経系に作用する医薬品を構造式を元に解説する。 授業中に指示した学習(学習時間の目安:2時間以上)
第12回 12 中枢神経系に作用する医薬品 モルヒネなどのオピオイド、ベンゾジアゼピン系の向精神薬など、中枢神経系に作用する医薬品を構造式を元に解説する。 授業中に指示した学習(学習時間の目安:2時間以上)
第13回 13 抗炎症薬、NSAIDs、抗アレルギー薬 アセチルサリチル酸(アスピリン)から始まる抗炎症薬、抗ヒスタミン薬などの抗アレルギー薬を構造式を元に解説する。 授業中に指示した学習(学習時間の目安:2時間以上)
第14回 14 代謝系に作用する医薬品 生活習慣病は患者の数が多く、市場は大きい。高脂血症、糖尿病、痛風、骨粗鬆症など、代謝系に関連する医薬品を構造式を元に解説する。 授業中に指示した学習(学習時間の目安:2時間以上)
第15回 15 循環器に作用する医薬品 生活習慣病のひとつでもある高血圧症治療薬、心不全の治療薬など、循環器に作用する医薬品を構造式を元に解説する。 授業中に指示した学習(学習時間の目安:2時間以上)
第16回 16 全体のまとめ 薬品化学と有機化学との関連について、総括する。 授業中に指示した学習(学習時間の目安:2時間以上)
レポート作成指示
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: --% D: --%
成績評価法
授業内レポート(100%)で評価します。
教科書にかかわる情報
備考
作成した資料を配付します。
参考書にかかわる情報
参考書 書名 第2版 化学構造と薬理作用 ISBN 9784567462419
著者名 柴崎正勝ら監修 出版社 廣川書店 出版年
備考
メッセージ
理学部の有機化学の立場から見て興味深い部分について講義します。
キーワード
有機化学
持続可能な開発目標(SDGs)

  • すべての人に健康と福祉を
  • つくる責任つかう責任
(保健)あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
(持続可能な生産と消費)持続可能な生産消費形態を確保する。
関連科目
有機化学I、有機化学 II、 有機化学III、有機反応解析、有機化学実験
履修条件
連絡先
世話教員(化学科 村藤俊宏)murafuji@"yamaguchi-u.ac.jp" (" " を取る)
総合研究棟6階601(東)
オフィスアワー
随時

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