開講年度
開講学部等
2025
理学部
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期
月7~8
講義
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
1041300015
特殊講義(化学:生化学入門)
日本語
2
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
宮川 勇[MIYAKAWA Isamu]
ー
担当教員[ローマ字表記]
宮川 勇 [MIYAKAWA Isamu], 村藤 俊宏 [MURAFUJI Toshihiro]
特定科目区分
対象学生
対象年次
2~4
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
生物の体はタンパク質、脂質、糖、核酸など様々な分子から構成される。それらの生体分子の働きが絡み合うことで、複雑な細胞内構造を形成する。細胞内では物質の分解と合成の化学反応が進行し、化学反応を通して生きるために必要なエネルギーを得ることができる。さらに、生物は遺伝情報を発現することで自己を形成するとともに、遺伝情報を正確に複製し子孫に伝達する。これらの複雑な生命現象のしくみを化学的な視点から解明しようとする学問が生化学である。本講義では、化学4分野の基盤的知識に基づいて、生化学の基礎的内容を学ぶことで、生命現象に対する理解を深める。
授業の到達目標
地球上に住む生物は極めて多様性に富んでいるが、細胞が生きるしくみを分子レベルで見ると、遺伝のしくみ、タンパク質を合成するしくみ、細胞の構造、物質代謝の経路、エネルギーを生み出す代謝経路などに驚くほど共通性がある。本講義を通して、生命の基本原理を理解し、医療、食品、環境など私たちの身近にある事柄と関連づけながら、生命現象を化学4分野の基盤知識に基づいて化学の視点から分子レベルで論理的に理解し説明できることを目標とする。また、生命現象を数量的に扱うことができ、環境問題など様々な課題に関心を持ち、解決する力を身につけてほしい。
知識・理解の観点 化学基盤4分野を体系的に理解し、私たちの身近でみられる生命現象に関係する事象について、化学的な視点で説明できる。
思考・判断の観点 有機化学と生化学の知識を基盤として、現在の生物が獲得した細胞の構造、エネルギー代謝や物質代謝のしくみを、生物進化の視点からも考察できる。
関心・意欲の観点 生体分子について数量的な観点からも分析でき、新たな気付きと関心を持って積極的に自ら調べることができる。
態度の観点 身近な生命現象に対する素朴な疑問を持ち続け、それらの問題を解決できる。
技能・表現の観点 生命現象を論理的に考察でき、自分の理解した事柄を文章で的確に表現することができる。
その他の観点 専門とする分野に生化学の知識を生かすことができる。
授業計画
【全体】
まず、細胞の構造を理解し、その後に細胞を構成する主要な成分である糖質、脂質、タンパク質、核酸などの生体分子の構造と機能を学習する。次に細胞がエネルギーを獲得するための最も重要な細胞内小器官であるミトコンドリアの構造と機能について学び、細胞がATPを生産する原理を理解する。また、物質代謝経路として糖質や脂質及び核酸の分解と合成経路を理解する。最後に、DNAの複製、転写、翻訳の過程を学び、遺伝のしくみ及び細胞がどのようにして遺伝情報を発現するかについて理解する。
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
イントロダクション
講義の目標と進め方、シラバス及び成績評価の方法の説明
予習として、カリキュラム及びシラバスの内容を確認すること。
第2回
細胞の構造
真核生物と原核生物の細胞構造、真核生物の細胞小器官の構造と機能
教科書の予習及び授業中に指示した学習(学習時間の目安:2時間以上)
第3回
生体分子の構造と機能1
糖質(単糖、二糖、多糖類)の構造、脂質の構造と種類
教科書や配布資料等を用いて準備学習2時間と復習2時間を行う。
第4回
生体分子の構造と機能2
アミノ酸の種類、ヌクレオチド、DNA及びクロマチンの構造、ビタミンの種類と働き
教科書や配布資料等を用いて準備学習2時間と復習2時間を行う。
第5回
タンパク質の構造と機能1
タンパク質の高次構造の形成、酵素としてのタンパク質の働き
教科書や配布資料等を用いて準備学習2時間と復習2時間を行う。
第6回
タンパク質の構造と機能2
生体内の様々なタンパク質の構造と働き
教科書や配布資料等を用いて準備学習2時間と復習2時間を行う。
第7回
エネルギー代謝1
ミトコンドリアの構造及び電子伝達系によるATP生成のしくみ
教科書や配布資料等を用いて準備学習2時間と復習2時間を行う。
第8回
エネルギー代謝2及び中間まとめ
ミトコンドリアの構造及び電子伝達系によるATP生成のしくみ、理解度確認試験
教科書や配布資料等を用いて準備学習2時間と復習2時間を行う。
第9回
物質代謝1
解糖系とクエン酸回路による物質代謝
教科書や配布資料等を用いて準備学習2時間と復習2時間を行う。
第10回
物質代謝2
脂質の運搬と貯蔵、ベータ酸化による脂肪酸の分解、脂肪酸の合成
教科書や配布資料等を用いて準備学習2時間と復習2時間を行う。
第11回
物質代謝3
アミノ酸と核酸の合成と分解経路
教科書や配布資料等を用いて準備学習2時間と復習2時間を行う。
第12回
核酸の生化学1
セントラルドグマとコドン、DNA複製のしくみ
教科書や配布資料等を用いて準備学習2時間と復習2時間を行う。
第13回
核酸の生化学2
DNAの転写のしくみ
教科書や配布資料等を用いて準備学習2時間と復習2時間を行う。
第14回
核酸の生化学3
翻訳によるタンパク質合成のしくみ
教科書や配布資料等を用いて準備学習2時間と復習2時間を行う。
第15回
核酸の生化学4
DNA組換え技術
教科書や配布資料等を用いて準備学習2時間と復習2時間を行う。
第16回
期末試験
論述式筆記試験(持ち込み不可)
教科書や配布資料等を用いて準備学習2時間と復習2時間を行う。
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: --% D: --%
成績評価法
小テスト、中間筆記テスト、期末筆記テストで評価します。
小テスト20%、中間筆記テスト40%、期末筆記テスト40%
教科書にかかわる情報
教科書
書名
これだけ!生化学 第2版
ISBN
9784798064109
著者名
生化学若い研究者の会
出版社
秀和システム
出版年
2021
備考
必要に応じて、補足資料プリントを配布する。
参考書にかかわる情報
参考書
書名
基礎の生化学 第3版
ISBN
9784807920075
著者名
猪飼 篤
出版社
東京化学同人
出版年
2021
参考書
書名
ストライヤー基礎生化学 第4版
ISBN
9784807920105
著者名
Tymoczko, J. L. 他
出版社
東京化学同人
出版年
2021
備考
上記2冊の参考書はより深く授業内容を理解するために役立つ。
メッセージ
身の回りの食品、医薬、環境と生化学の関連に関心を持っていただきたくことを希望します。
キーワード
生体高分子、物質代謝、エネルギー代謝、遺伝情報の発現
持続可能な開発目標(SDGs)
(保健)あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
(教育)すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
関連科目
生物化学、分子生物学
履修条件
連絡先
e-mail: miyakawa@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
毎週月曜日12:00-13:00, 総合研究棟村藤研究室(世話教員:村藤俊宏教授)
ページの先頭へ