タイトル

開講年度 開講学部等
2025 理学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期前半 金7~8 講義 2.0
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1041400019 バイオ数理技術 日本語 1
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
松野 浩嗣[MATSUNO Hiroshi]
担当教員[ローマ字表記]
松野 浩嗣 [MATSUNO Hiroshi], 浅井 義之 [ASAI Yoshiyuki], 早野 崇英 [HAYANO Takahide], 原田 由美子 [HARADA Yumiko], 間普 真吾 [MABU Shingo], 高坂 智之 [KOHSAKA Tomoyuki], 堀 学 [HORI Manabu]
特定科目区分   対象学生   対象年次 3~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
生物学ではその研究の途上や結果において、遺伝子やタンパク質などを始めとするデータが蓄積され、その量は膨大なものとなっている。このデータを生物学的に整理したり、それを新たな発見につなげることは手作業だけでは不可能であり、コンピュータの利用が不可欠となっている。この講義では、生物学で活用されているデータ処理方法の考え方、すなわちアルゴリズムについて主なものを選んで解説する。
授業の到達目標
生物学研究のデータ処理におけるコンピュータの利用法を理解し、その原理となっているアルゴリズムについて知る。これによって、生物学に情報科学が貢献していることを認識する。
授業計画
【全体】
生物学研究で実践されている系統樹作成、アラインメント、モチーフ検索、画像解析手法のアルゴリズムについて解説する。最先端の生物学研究にも触れる。最後に「バイオ数理技術」に続く「バイオデータ処理演習」の内容を紹介する。
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 生物イントロダクションとアルゴリズムの解説
【担当:堀学・松野 浩嗣】
この講義では、生物学で活用されているコンピュータ処理の方法を学ぶ。分子生物学では塩基配列、アミノ酸配列などのデータベース検索が日常的に行われる。情報科学的に言うと、文字列のパターン照合である。この回では、生物学と情報科学の融合分野であるバイオインフォマティクスの目的を理解する。そのあとに、コンピュータで問題を解くための手順であるアルゴリズムについて解説する。 特になし
第2回 系統樹1~最節約法・最尤法・非加重平均結合法~
【担当:堀学・松野 浩嗣】
生物の進化の過程を表現するのに系統樹が使われる。分類の基となるのは、DNA情報、つまりA, T, C, Gの4文字である。DNA情報は進化の過程で少しずつ変化する。その変化をトーナメントのように図的に表現したものが系統樹である。系統樹を作る方法はいくつかあり、そのアルゴリズムについて2回に分けて解説する。
この1回目の講義では、系統樹について簡単に説明したのちに、最節約法、最尤法、及び非加重平均結合法について解説する。
・講義スライドに予め目を通しておくこと。
・授業中に指示するレポートを提出すること。
第3回 系統樹2~Fitch Margoliash法と近隣結合法~
【担当:堀学・松野 浩嗣】
系統樹作成アルゴリズムのうち、Fitch Margoliash法と近隣結合法について学ぶ。これらは前回の非加重平均結合法と同様、距離行列に基づく方法である。特に、近隣結合法は実際の生物学研究の系統樹解析でよく使われている。 ・講義スライドに予め目を通しておくこと。
・授業中に指示するレポートを提出すること。
第4回 アラインメント~動的計画法~
【担当:堀学・松野 浩嗣】
2つの生物間で、遺伝子配列やアミノ酸配列を比較することは分子 生物学研究の基本である。この講義では、それを行うためのアラインメントのアルゴリズムである「動的計画法」について解説する。 ・講義スライドに予め目を通しておくこと。
・授業中に指示するレポートを提出すること。
第5回 画像解析手法
【担当:間普真吾、高坂智之】
・画像解析のAI技術について簡単に説明したのちに、海の浜辺におけるアサリの所在や、山中の川におけるアユの所在などをその状況写真からAIで判定した実践例について紹介する。
・微生物内の物質の凝集度をその顕微鏡画像からAI技術によって自動的に検出する試みについて紹介する。
・講義スライドに予め目を通しておくこと。
・授業中に指示するレポートを提出すること。
第6回 モチーフ検索~ 隠れマルコフモデル~
【担当:堀学・松野 浩嗣】
モチーフとは、細胞について、ある機能に関与する領域に高い頻度で存在する塩基やアミノ酸の配列パターンである。つまり、ある生 物の塩基配列やアミノ酸配列に、この特定のモチーフがあれば、それに関与する機能があると推定できる。この講義では、モチーフ検索の代表的なアルゴリズムである隠れマルコフモデルによる方法を学ぶ。
・講義スライドに予め目を通しておくこと。
・授業中に指示するレポートを提出すること。
第7回 先端トピック
【担当:浅井 義之、早野 崇英】
第6回までに学習したアルゴリズムなどについて、実際の論文などを例に、最先端の医学・生物学研究への応用について紹介する。
また、近年のシステムバイオロジーの基礎とトピックスを紹介する。
・授業中に指示するレポートを提出すること。
第8回 質疑応答とバイオデータ処理演習内容説明
【担当:堀学・松野浩嗣 及び バイオデータ処理演習担当教員】
バイオ数理技術の講義内容全体に渡る総合的な質問を基本とするが、個別の授業についての質問も受け付ける。また、次期クオーターで開講する「バイオデータ処理演習」について、目的や概要等を担当教員が説明し、バイオ数理技術の講義との橋渡しとする。 ・授業中に指示する「バイオ数理技術」の講義内容について、「バイオデータ処理演習」開始までに復習をしておくこと。
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: 20% D: --%
成績評価法
小テスト・授業内レポート、宿題・授業外レポート、授業態度・授業への参加度で評価します。

小テスト・授業内レポート 15%、宿題・授業外レポート 70%、授業態度・授業への参加度 15%
教科書にかかわる情報
備考
松野:講義用スライドをマイシラバスに掲載する。
参考書にかかわる情報
備考
メッセージ
キーワード
持続可能な開発目標(SDGs)

  • 飢餓をゼロに
(飢餓)飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。
関連科目
バイオデータ処理演習
履修条件
連絡先
松野浩嗣:hmatsuno@yamaguchi-u.ac.jp

原田由美子:yharada@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
松野:訪問可能日時を連絡するので、メールを上記連絡先に送ること。

原田:月~金、随時

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