タイトル

開講年度 開講学部等
2025 理学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期 水1~2 講義  
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1041600004 地球科学入門Ⅱ[Introduction to Earth Sciences Ⅱ] 日本語 2
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
坂口 有人[SAKAGUCHI Arito]
担当教員[ローマ字表記]
坂口 有人 [SAKAGUCHI Arito], 太田 岳洋 [OHTA Takehiro], 川村 喜一郎 [KAWAMURA Kiichiroh]
特定科目区分   対象学生   対象年次 1~4
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
この講義では、地史学、応用地質学全般の基礎を学ぶ。特に、大気、海洋、環境、化石、堆積作用について基本的フレームワークを網羅的に学びます。また、いくつか具体的な事例を深く掘り下げることで、地球科学の考え方や研究のグローバルからローカルまでの課題とその解決方法を学びます。

ニューステージの新地学図表を教科書として用います.一冊持っておくととても便利な本だと思いますので、必ず購入しておいてください.

この科目は,海洋および陸上の地質調査の実務経験のある技術士(応用理学部門)を有する教員および高等学校教諭(理科)を有する教員が、地球科学に関する基礎知識から応用までを講義する。
授業の到達目標
地球科学では,地球的視点から多面的に、様々な現象の相互作用を,層位地史学および応用地質学を中心として、幅広い分野から網羅的に理解できるようにする。そこでは、数十億年から数秒まで幅広いタイムスケールを扱うなど、地球科学独特の思考方法をできるようにする。このような地球科学と地域社会との接点について理解し、適切な調査、分析、解析技術を用いて、地域社会のさまざまな課題を解決するため能力を習得する。また、地球科学におけるキャリアデザインにも触れ,地球科学界を知ることで,将来のキャリアについて自覚を促す。さらに、この講義は、地球的視点に実施され、グローバルな地球科学的な課題に対しては、International Union of Geological SciencesのTask Group on Submarine Geohazard(授業担当教員が代表となっている世界的な地質学的研究グループ)の、ローカルな課題に対しては海底地質リスク評価研究会(日本企業連合体による研究会)の全面協力で実施される。

なお、本科目は、地球圏システム科学科での必修科目となっており、カリキュラムマップにも表される理学部のディプロマポリシーのDP1-2(A)、DP1-2(B)、DP2-6AおよびE(学習教育目標のA-2、E)に対応している。

知識・理解の観点 諸地質現象の基礎を網羅的に理解し説明できる(DP1-2(A),DP2-6(A)(学習・教育到達目標のA))。地球惑星における大気と海洋システムを理解し、わが国の地質環境の中でどのように適用されているかについて説明できる(DP1-2(B))。
思考・判断の観点 相互に関連した複数の地質現象からそれらの形成順序や成り立ちを指摘し、考察することができる(DP1-2(A)(B),DP2-6(A)((学習・教育到達目標のA))。
関心・意欲の観点 地球科学に対する幅広い関心を持ち、自ら学習することができる(DP1-2(A)(B))。
態度の観点 ノートを取り,授業に参加し、主体的に教員・学生と協調できる(DP1-2(A)(B),DP2-6E(学習・教育到達目標のE))。
技能・表現の観点 日本語で地球科学の諸現象について説明し、適切に表現できる(DP1-2(A)(B),DP2-6E(学習・教育到達目標のE))。
授業計画
【全体】
授業は,基本的な地球科学の地史学の基礎を前半で解説し、それらが具体的に社会とのつながりの中でどのように展開し,防災や環境問題などにどのように適用されるかについて多くの事例を参考にしながら講義する。
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 ガイダンス
地球科学としての地形学
授業内容等の説明
生活に役立つ地球科学
地球科学現象の答えとしての地形
簡単な小テストがあります.
配布資料に基づく予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第2回 地表の変化(風化) 地表の形(地形)の形成要因としての風化
風化現象のメカニズム
授業内小テストがあります.
配布資料に基づく予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第3回 地表の変化(浸食と堆積) 地表の形(地形)の形成要因としての浸食
侵食から運搬へ
堆積作用による地形の形成
授業内小テストがあります.
配布資料に基づく予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第4回 現在の気候変動、気象状況と斜面災害 温暖化
最近の降雨状況の変化
斜面災害時の気象条件
災害発生時の雨量と地質
授業内小テストがあります.
配布資料に基づく予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第5回 人間活動と地球環境 人間活動の影響による大気の変化
人間活動の影響による水環境の変化
人間活動の影響による地盤環境の変化
授業内小テストがあります.
配布資料に基づく予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第6回 地球の物理と松山基範と上田誠也 重力異常
地球磁場
地殻熱流量
授業内小テストがあります.
配布資料に基づく予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第7回 地震と活断層と小藤文次郎 断層とは何か
活断層はなぜ危険か
活断層の見つけ方、調査方法
身近な活断層
授業内小テストがあります.
配布資料に基づく予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第8回 自然災害と地質情報の役割 災害情報のあり方,地質学専門家の役割を学ぶ 授業内小テストあります
予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第9回 どんな環境を選ぶのか(1) 化学肥料と食料増産と人口増加
富栄養化が何をもたらしたか
排水対策と瀬戸内海の貧栄養化
磯焼け対策と炭素固定
授業内小テストあります
予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第10回 どんな環境を選ぶのか(2) 塩酸の温泉と毒水対策
田沢湖改造とクニマス
宍道湖・中海淡水化計画
地域の苦悩
授業内小テストあります
予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第11回 地質学入門 みなさんで国立科学博物館のバーチャルミュージアムを探検しましょう。そこには地質学のエッセンスがちりばめられています。 予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)。VRおうちでかはくを見ておくと、より理解が深まると思います。 必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第12回 地史学入門 ハリーポッターのふるさとのイギリス、スコットランドのエジンバラで繰り広げられた地質学誕生の経緯について解説します。 予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)。参考書の「地質学者アーサー・ホームズ伝」を読んでおくとより理解が深まります。 必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第13回 海底地盤変動学入門 世界の沿岸開発と地質学の課題を解説し、新しい学問としての海底地盤変動学や海底地質リスク学を理解しよう。海底地すべりによる津波、混濁流による電源ケーブル、光ケーブルの切断、海底下ガスの爆発、海底活断層など、海洋開発にはさまざまなリスクが存在している。これを如何にクリアしていくかについてみんなで考えたい。これは洋上風力発電事業や原子力発電事業を主要エネルギーとして考える上で重要な日本の課題である。 予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上).参考書「洋上風力開発のための海底地質リスクの評価」を読んでおくと、より理解が深まります。 必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第14回 地質学のロジカルシンキング 地球科学をはじめとした自然科学、すなわちサイエンスとオカルトとの違いやより良い仮説の条件を解説します。 予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)。参考書「科学的思考のレッスン」を読んでおくと、より理解が深まります。 必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第15回 理学で使うレトリックを会得しよう レトリックなどをわかりやすく解説する。 予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)。参考書「レトリックと詭弁 ─禁断の議論術講座」を読んでおくと、より理解が深まります。 必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: --% D: --%
成績評価法
成績は、授業内の小テスト●%、レポート●%、期末テスト●%で評価する。主に知識・理解、思考・判断力を中心として、それ以外に関心・意欲、態度、技能・表現力などを評価する。
全体の1/3以上の欠席は「欠格」となる。
教科書にかかわる情報
教科書 書名 二訂版 ニューステージ地学図表 ISBN 9784834340150
著者名 浜島書店編集部編著 出版社 浜島書店 出版年 2020
備考
講義は上記の教科書に沿って行います.必ず購入しておいてください.
参考書にかかわる情報
参考書 書名 もういちど読む数研の高校地学 ISBN 9784410139598
著者名 数研出版編集部 出版社 数研出版 出版年 2014
参考書 書名 地質学者アーサー・ホームズ伝 : 地球の年齢を決めた男 ISBN 4772250808
著者名 チェリー・ルイス著 ; 高柳洋吉訳 出版社 古今書院 出版年 2003
参考書 書名 「科学的思考」のレッスン : 学校で教えてくれないサイエンス ISBN 9784140883655
著者名 戸田山和久著 出版社 NHK出版 出版年 2011
参考書 書名 洋上風力開発のための海底地質リスクの評価 ISBN 02855356
著者名 川村喜一郎 出版社 基礎工 出版年 2023
参考書 書名 レトリックと詭弁 ─禁断の議論術講座 ISBN 9784480427083
著者名 香西 秀信 出版社 筑摩書房 出版年 2010
備考
参考書は,持っていると理解が深まりますが,必ずしも買う必要はありません.関連する参考図書は図書館には数多くありますし、インターネットでダウンロードできるものにも良い読み物があります。
メッセージ
高校で地学を勉強していなくても大丈夫です.ゆっくり学びましょう.地学は,生物や化学,物理と深く関わっています.主に生物と関わると,地史学や海洋地質学です.昔の生き物だけでなくて現在の生き物も取り扱います.主に化学と関わると岩石学や変成岩岩石学,結晶学や資源地質学です.地球を構成するすべての物質の化学的な特徴を調べます.主に物理と関わると構造地質学や堆積学,応用地質学です.地球について物理学的な知識を使って調べます.4年間で,自分の興味関心のある分野を見つけるための手助けをします.いろいろと聞きにきてください.
キーワード
地球科学、大気、海洋、環境、プレートテクトニクス、国際地質科学連合
持続可能な開発目標(SDGs)

  • 貧困をなくそう
  • 安全な水とトイレをみんなに
  • エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 住み続けられるまちづくりを
  • つくる責任つかう責任
  • 気候変動に具体的な対策を
  • 海の豊かさを守ろう
  • Life on land
(貧困)あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる。
(水・衛生)すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。
(エネルギー)すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する。
(インフラ、産業化、イノベーション)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
(持続可能な都市)包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する。
(持続可能な生産と消費)持続可能な生産消費形態を確保する。
(気候変動)気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる。
(海洋資源)持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。
(陸上資源)陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する。
関連科目
地球科学入門I、地学概論
履修条件
連絡先
太田岳洋 理学部34号室 takohta[at]yamaguchi-u.ac.jp
川村喜一郎 理学部446号室 kiichiro[at]yamaguchi-u.ac.jp
坂口有人 理学部340号室 arito[at]yamaguchi-u.ac.jp
[at]の部分を@に書き換えてメールしてください。もしくは就学支援システムのメッセージで連絡してください。
オフィスアワー
基本的に8:30-17:30は研究室にいます。

ただし出張や学内会議がある場合があるので、訪問の際にはあらかじめ訪問日時を連絡先にメールかメッセージをください。不都合な場合もあるので、こちらから返信しますので、それに従ってください。

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