タイトル

開講年度 開講学部等
2025 理学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期 火3~4 講義  
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1041600010 地球変動学Ⅰ[Global Tectonics Ⅰ] 日本語 2
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
坂口 有人[SAKAGUCHI Arito]
担当教員[ローマ字表記]
坂口 有人 [SAKAGUCHI Arito]
特定科目区分   対象学生   対象年次 2~4
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
地球表層で観察される多様な岩石変形現象は,ミクロからマクロまで様々なスケールに及ぶ.本授業ではこれらの岩石変形の特徴を正しく記述し理解するとともに,その形成メカニズムに迫る.さらに,現在起きている地震やプレート運動など,岩石の変形を引き起こす背景(テクトニクス)について解説する.これらのことを通じて,構造地質に関する知識,野外での記述能力とメカニズムの解明に関する技術の習得を目指す(DP2-6C(学習教育目標のC),DP2-6D3(学習教育目標のD)).これらは,自然科学の基礎的な学力と応用能力に関係する.
授業の到達目標
(1)ミクロ〜マクロに至る様々な岩石の変形現象を適切に記述・解析し,理解する.(DP1-2(A),DP2-6D3(学習教育目標のD3))
(2)地表で観察される地質構造の形成プロセスと応力場の関係を理解する.(DP1-2(B),DP2-6D3(学習教育目標のD3))
(3)断層と断層岩の種類および形成場,断層運動との関係を理解する.(DP1-2(A), DP2-6C(学習教育目標のC))
(4)表層で起きている造構プロセスに関する様々なモデルを理解する. (DP1-2(B),DP2-6D3(学習教育目標のD3))

<知識・理解の観点>
1. 構造地質学の対象範囲・用いる手法と関連分野を説明できる.(DP1-2(A))
2. 地球変動現象およびその形成プロセスが説明できる.(DP1-2(B))
3. 地質構造の形成をテクトニクスの視点から説明できる.(DP2-6-D3(学習教育目標のD3))
<思考・判断の観点>
1. 地球の変動現象を地球物理学的な視点から捉えることができる.(DP2-6-C(学習教育目標のC))
2. 地質構造を3次元的に復元することができる.(DP1-2(B))
3. テクトニクスの視点で地質構造を解釈することができる.(DP2-6-D3(学習教育目標のD3))
<関心・意欲の観点>
1. 地質構造やテクトニクスについて関心を広げ,運動学や力学などに興味を持つことができる.(DP2-6C,DP2-6D3(学習教育目標のCとD3))
2. フィールドで観察した地質構造に関心を持つことができる.(DP1-2(A))
<態度の観点>
1. 授業内容を正確に理解し,自ら考えた上で,解りやすくまとめられたノートを作ることができる.
2. 授業内容と教科書・参考書に書かれている内容を照らし合わせ,物事を多面的・総合的に観る力を持つことができる.
<技能・表現の観点>
1. 様々なスケールの地質構造を適切に記載できる.(DP1-2(B))
2. 方位の計測やその統計的な解析法を使うことができる。(DP1-2(B))
授業計画
【全体】
天然の地層や岩石でみられる変形や破壊の構造の観察ポイント、記載方法、形成メカニズム、そしてその背後にある岩石力学の基礎を理解する。
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 構造地質学の基礎 授業の目標と進め方,講義概要,成績評価の方法の説明。母岩、非変形、延性、脆性破壊、大構造/中構造/微小構造、微小構造/ユニット/ゾーン/テレーン、切断関係(前後関係) crosscut relationship、接触関係/整合、不整合、非整合、接触関係/貫入、岩脈、シル、モードI,II,III、断裂、接触関係/断層の定義、上盤と下盤、接触関係/節理、裂か、羽毛状構造、脈を学ぶ。 今週のノートの復習(清書)と配布物のまとめをしましょう.また,次週のために教科書の予習をしましょう.(目安時間:4時間以上) 必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第2回 露頭で見られる変形組織 葉状構造、スレート劈開、軸面劈開、破断劈開、ペンシル構造、変成度/変形度と泥質岩の割れ方、ちりめんじわ褶曲、片理、片麻状構造、伸長線構造、鉱物線構造、ブーディン・ピンチアンドスウェルを学ぶ。 今週のノートの復習(清書)と配布物のまとめをしましょう.また,次週のために教科書の予習をしましょう.(目安時間:4時間以上) 必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第3回 断層の記載(1) リニアメント、断層系、セグメント、震源断層、地震断層、活断層、正断層と逆断層と横ずれ断層、地溝(グラーベン),半地溝(ハーフグラーベン)、リフト帯、地塁(ホルスト)、リストリック断層を学ぶ 今週のノートの復習(清書)と配布物のまとめをしましょう.また,次週のために教科書の予習をしましょう.(目安時間:4時間以上) 必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第4回 断層の記載(2) 右横ずれ断層、左横ずれ断層、屈曲、ジョグ、プレッシャーリッジ、レンチ褶曲、プルアパート、トランスフォーム断層、デコルマ、ナップ、クリッペ、フェンスター、衝上断層の形態、フォールドアンドスラストベルト、雁行断層(右雁行、左雁行、ミ型、杉型)、共役断層を学ぶ 今週のノートの復習(清書)と配布物のまとめをしましょう.また,次週のために教科書の予習をしましょう.(目安時間:4時間以上) 必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第5回 断層の記載(3) 断層岩、断層角礫、断層ガウジ、カタクレーサイト、脆性断層岩組織と複合面組織と剪断センス、地震の化石、シュードタキライト、マイロナイト、ポーフィロクラスト、S-Cマイロナイト、鏡肌、条線、スリッケンラインを学ぶ。 今週のノートの復習(清書)と配布物のまとめをしましょう.また,次週のために教科書の予習をしましょう.(目安時間:4時間以上) 必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第6回 褶曲の記載(1) 同斜構造、単斜(撓曲とうきょく)構造、横曲げ(ベンディング)、座屈(バックリング)褶曲、ヒンジ(冠と底)、ヒンジ線(冠線、底線)、翼、脚、褶曲軸、褶曲軸面、褶曲波長、振幅、背斜、向斜、シンフォーム状背斜、アンチフォーム状向斜、断層折れ曲がり褶曲・断層伝播褶曲、翼間角度、層内褶曲、根なし褶曲、カルミネーション、デプレッション、ドーム、ベーズン、鞘状褶曲を学ぶ。 今週のノートの復習(清書)と配布物のまとめをしましょう.また,次週のために教科書の予習をしましょう.(目安時間:4時間以上) 必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第7回 褶曲の記載(2) キンク褶曲、キンクバンド、キンク軸、キンク面、正キンクバンド、逆キンクバンド、右ずれ、左ずれ、キンクバンド、単一タイプのキンクバンド、共役キンクバンドを学ぶ。変形構造や断層とテクトニックセッティングをまとめる。 今週のノートの復習(清書)と配布物のまとめをしましょう.また,次週のために教科書の予習をしましょう.(目安時間:4時間以上) 必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第8回 中間まとめ 専門用語や概念の理解度の確認を行う。 今週のノートの復習(清書)と配布物のまとめをしましょう.また,次週のために教科書の予習をしましょう.(目安時間:4時間以上) 必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第9回 各項目のテクトニックセッティング ここまでの学修内容を総合的まとめ、テクトニックセッティングとの対応を明らかにする。 今週のノートの復習(清書)と配布物のまとめをしましょう.また,次週のために教科書の予習をしましょう.(目安時間:4時間以上) 必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第10回 岩石力学の基礎 外力、応力、パスカル、垂直応力と剪断応力、歪、弾性歪の特徴、塑性歪の特徴、地質学の限界、ポアソン比と圧力を学ぶ。 今週のノートの復習(清書)と配布物のまとめをしましょう.また,次週のために教科書の予習をしましょう.(目安時間:4時間以上) 必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第11回 破壊の基礎 破壊とは、原子の結合、なぜ弱いのか、フラクタル分布、最弱面が規定、破壊前後の変化、表面エネルギーとは、応力集中、ダイレータンシー、スケールと強度を学ぶ 今週のノートの復習(清書)と配布物のまとめをしましょう.また,次週のために教科書の予習をしましょう.(目安時間:4時間以上) 必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第12回 モールの応力円の考え方 主応力とは、主応力の使い方、クーロンの実験、粘土と岩石の違い、モールの応力円、モール円とクーロンの破壊基準、なぜ引っ張りに弱いのか、を学ぶ。 今週のノートの復習(清書)と配布物のまとめをしましょう.また,次週のために教科書の予習をしましょう.(目安時間:4時間以上) 必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第13回 モールの応力円の応用 三軸圧縮試験、封圧と破壊パターン、斜めに割れる理由、縦に割れる理由、樽型に割れる理由、間隙水圧とは、間隙水圧の効果を学ぶ。 今週のノートの復習(清書)と配布物のまとめをしましょう.また,次週のために教科書の予習をしましょう.(目安時間:4時間以上) 必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第14回 期末試験 期末試験 これまでのノートの復習(清書)をしましょう(目安時間:4時間以上) 必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第15回 まとめ、試験の振り返り まとめ、試験の振り返り 今週のノートの復習(清書)と配布物のまとめをしましょう.また,次週のために教科書の予習をしましょう.(目安時間:4時間以上) 必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: --% D: --%
成績評価法
中間テスト40%、期末テスト40%、ノート点20%で評価する。出席が2/3以上でなければ欠格となる。
教科書にかかわる情報
教科書 書名 構造地質学 ISBN 9784254162370
著者名 狩野謙一・村田明広 出版社 朝倉書店 出版年 1998
備考
参考書にかかわる情報
参考書 書名 構造地質学(フィールドジオロジー第6巻) ISBN 9784320046863
著者名 天野一男・狩野謙一 出版社 共立出版 出版年 2009
参考書 書名 付加体地質学(フィールドジオロジー第5巻) ISBN 4320046854
著者名 小川勇二郎・久田健一郎 出版社 共立出版 出版年 2005
参考書 書名 変成・変形作用(フィールドジオロジー第7巻) ISBN 4320046870
著者名 中島隆ほか 出版社 共立出版 出版年 2004
備考
メッセージ
自筆のノート・ワークシートを必ず作成すること.これらは「授業態度・授業への参加度」として評価を行う.
キーワード
地殻変動、テクトニクス、構造発達史、変形、地質構造解析、日本列島
持続可能な開発目標(SDGs)

  • 住み続けられるまちづくりを
(持続可能な都市)包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する。
関連科目
地球変動学II,自然災害科学
履修条件
連絡先
坂口有人 理学部340号室 内線5764 arito@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
随時受け付けていますが、事前にアポを取ってください

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