タイトル

開講年度 開講学部等
2025 理学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期 火1~2 講義 10.0
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1041600013 地史学[Historical Geology] 日本語 2
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
川村 喜一郎[KAWAMURA Kiichiroh]
担当教員[ローマ字表記]
川村 喜一郎 [KAWAMURA Kiichiroh], 辻 智大 [TSUJI Tomohiro]
特定科目区分   対象学生   対象年次 3~4
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
・この講義では、全地球史を解説し、そこから今後の地球科学の研究テーマについて考察し、みずからそれを考え、説明できることを目指す。そのために、前半、後半にわけて、それぞれの教員が担当する。
・前半では、地球全体の歴史の流れを学生自らプレゼンによって説明する。また、地球史を通じて起こるプレートテクトニクス・堆積作用・火成作用・沈み込み作用・生物作用・大気海洋循環・宇宙との相互作用などがどのように関連して、地球が進化してきたのかを解説する。その中で日本列島あるいは山口県の置かれた地質的状況・意義について解説する。
・後半では、講義形式で、古地磁気や古海洋に関するの地球史の知識について詳しく解説するとともに、学生全員とその成立について考える。それに基づいて、地史学全般について説明できるようになることを目指す。

準備学修に必要な学修時間の目安:1週間で4時間以上(参考図書の予習2時間以上,前回の授業の復習2時間以上)。

なお、履修者が規定の教室の定員を超える場合、必修でない学生には履修を断ることもある。

この科目は,海洋および陸上の地質調査の実務経験のある技術士(応用理学部門)を有する教員が担当しており、その経験に基づいた社会ニーズに即した講義を展開する。
授業の到達目標
前半:地史学は歴史学の側面と科学の側面を持つ。歴史を暗記するのではなく、どのような仕組みと因果関係で地球が進化してきたのかを理解できるようになること。グローバルな視点で見たときに、自分たちの住む日本列島や山口県はどのような地質的意義を持つのかを考察できるようになることを目指す。他者からの質問・コメントや、それに回答することで、新たな気づきが得られることを目指す。この授業が、各人の地球観を培うことに僅かにでもつながれば幸いである。
・後半では、講義形式で、古地磁気や古海洋に関するの地球史の知識について詳しく解説するとともに、学生全員とその成立について考える。それに基づいて、地史学全般について説明できるようになることを目指す。

なお本科目は、地球圏システム科学科での必修科目となっており、カリキュラムマップにも表される理学部のディプロマポリシーのDP1-2(A)、DP1-2(B)、DP2-6D-3、地球圏システム科学科の地域環境科学コースの学習教育目標のD-3に対応している。
授業計画
【全体】
この講義では、全地球史を解説し、そこから今後の地球科学の研究テーマについて考察し、みずからそれを考え、説明できることを目指す。そのために、前半、後半にわけて、それぞれの教員が担当する。
前半:第1週が始まる前に、地史学に関する発表テーマ一覧を履修者に渡しますので、希望するテーマを選んでください。決定したテーマに関して、授業中にプレゼンしてもらいます。テーマは大きく分けて「地球の歴史」、「沈み込み作用」、「火成作用」、「日本列島の地質」、「山口の地質」です。聴講者は発表者に質問・コメントし、発表者はそれに対して回答します。授業終わりにコメントシートを回収し、翌週発表者に渡します。

後半:この講義で目指すものは、科学提案書を読み解くことにから、全地球史を理解することにあります。全地球史を理解するために、世界中では、1970年代から海洋・陸上で科学掘削が実施されてきました。それによって、プレートテクトニクスの証拠や、ミランコビッチサイクルの証拠、恐竜絶滅の隕石衝突の証拠などのさまざまな全地球史のを解明するための地質学的な証拠が得られてきました。それらの証拠は、単なる思いつきだけで得られるわけではなく、入念に考えられた提案書によって得られたのです。その得られるまでの軌跡をこの講義を通じて紐解きながら、世界での最先端の地史学の科学的課題を全員で考えます。
前半では、なぜ科学掘削に焦点を当てるのか?それは、このような科学掘削には、多大な労力とお金とがかかるため、科学的意義がある場所を何年もかけて選ぶからに他なりません。科学掘削が実行された提案書は、あまたの提案書の中から勝ち残った選りすぐりの地球科学の第一級の研究テーマです。全地球史を学ぶ上で、みなさんが読むべき優れた最先端の教材となっています。そして、私はこの提案を選定する組織である国際海洋掘削計画・科学評価パネルで8年間選定作業に従事しており、その良さを誰よりもわかっています。
そこで講義課題になります。みなさんには、さまざまな科学掘削提案の内、1編を読み、「なぜ、そこで掘削する必要があるのか(目的)、必要な測定・分析はなにか(方法)、それによってなにが明らかになるのか(結果)、どのように社会や科学に貢献するのか(議論)」、について発表会で発表・質疑応答してもらいます。そして、それに基づいてレポートを作成してもらいます。気の合う学生同士2−3名程度で組んでグループとして1編を読んでも良いですし、1名でやっても良いです。読むにあたって、さまざまなウェブサイトを多用しても結構です。それによる点数の差はありません。
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 ガイダンス 事前に発表テーマを渡し、選んでもらう。ガイダンスでは決定した発表テーマ・順番を知らせ、授業概要、目的、進め方、プレゼン作成について説明する。 プレゼンに向けた勉強、準備、コメントに対する回答・修正、レポート作成、関連する分野の勉強など(1週間で4時間以上の授業外学習を目安とする) ガイダンス資料をMoodleにアップロードする
第2回 地史学の発表(山口の地質) 1人10~15分程度。1回につき4~5人発表する。聴講者は発表者に質問し、コメントシートを渡す。 プレゼンに向けた勉強、準備、コメントに対する回答・修正、レポート作成、関連する分野の勉強など(1週間で4時間以上の授業外学習を目安とする) 学習のテラスにてTAからの助言,コメントを受ける
第3回 地史学の発表(沈み込み作用) 1人10~15分程度。1回につき4~5人発表する。聴講者は発表者に質問し、コメントシートを渡す。 プレゼンに向けた勉強、準備、コメントに対する回答・修正、レポート作成、関連する分野の勉強など(1週間で4時間以上の授業外学習を目安とする) 学習のテラスにてTAからの助言,コメントを受ける
第4回 地史学の発表(火成作用) 1人10~15分程度。1回につき4~5人発表する。聴講者は発表者に質問し、コメントシートを渡す。 プレゼンに向けた勉強、準備、コメントに対する回答・修正、レポート作成、関連する分野の勉強など(1週間で4時間以上の授業外学習を目安とする) 学習のテラスにてTAからの助言,コメントを受ける
第5回 地史学の発表(日本列島の形成) 1人10~15分程度。1回につき4~5人発表する。聴講者は発表者に質問し、コメントシートを渡す。 プレゼンに向けた勉強、準備、コメントに対する回答・修正、レポート作成、関連する分野の勉強など(1週間で4時間以上の授業外学習を目安とする) 学習のテラスにてTAからの助言,コメントを受ける
第6回 地史学の発表(日本列島の形成) 1人10~15分程度。1回につき4~5人発表する。聴講者は発表者に質問し、コメントシートを渡す。 プレゼンに向けた勉強、準備、コメントに対する回答・修正、レポート作成、関連する分野の勉強など(1週間で4時間以上の授業外学習を目安とする) 学習のテラスにてTAからの助言,コメントを受ける
第7回 地史学の発表(地球の歴史) 1人10~15分程度。1回につき4~5人発表する。聴講者は発表者に質問し、コメントシートを渡す。 プレゼンに向けた勉強、準備、コメントに対する回答・修正、レポート作成、関連する分野の勉強など(1週間で4時間以上の授業外学習を目安とする) 学習のテラスにてTAからの助言,コメントを受ける
第8回 地史学の発表(地球の歴史) 1人10~15分程度。1回につき4~5人発表する。聴講者は発表者に質問し、コメントシートを渡す。 プレゼンに向けた勉強、準備、コメントに対する回答・修正、レポート作成、関連する分野の勉強など(1週間で4時間以上の授業外学習を目安とする) 学習のテラスにてTAからの助言,コメントを受ける
第9回 後半のガイダンスと講義 この講義の進め方について解説する 4時間以上の授業外学習を目安とする
第10回 古海洋学1 古海洋学に関するレッドフィールド比などの基礎知識の解説 前回と今回の復習(4時間以上の授業外学習を目安とする)
第11回 古海洋学2 古海洋学に関する太陽活動との相互作用などの基礎知識の解説 前回と今回の復習(4時間以上の授業外学習を目安とする)
第12回 古海洋学3 古海洋学に関するハインリッヒイベントなどの基礎知識の解説 前回と今回の復習(4時間以上の授業外学習を目安とする)
第13回 古地磁気学と続成過程 古地磁気学と続成過程に関する基礎知識の解説 前回と今回の復習(4時間以上の授業外学習を目安とする)
第14回 世界の造山運動 世界の造山運動について解説する。 前回と今回の復習(4時間以上の授業外学習を目安とする)
第15回 まとめ 今までの講義内容について解説する、また、日本における地質と土木の関係性について解説する。 前回と今回の復習(4時間以上の授業外学習を目安とする)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: 10% B: 20% C: 20% D: 50%
成績評価法
前半プレゼンテーション30%,レポート60%,授業への参加度10%
後半レポート100%
前半と後半を平均します。
教科書にかかわる情報
備考
電子テキストを用いるので、ダウンロードしておくこと
参考書にかかわる情報
参考書 書名 山口県地質図 ISBN
著者名 西村 出版社 山口地学会 出版年 2012
参考書 書名 日本地方地質誌  ISBN
著者名 日本地質学会 出版社 朝倉書店 出版年
参考書 書名 ニューステージ図表地学 ISBN 9784834340150
著者名 出版社 浜島出版 出版年
備考
前半は授業開始までに参考書を紹介します。
後半は電子テキストを用いるので、ダウンロードしておくこと。
メッセージ

キーワード
プレートテクトニクス、衝突帯、付加体、火山活動、ホットスポット、洪水玄武岩、隕石衝突、生命誕生・絶滅、古環境、山口の地質、日本列島、堆積作用、変成作用、火成作用、大気海洋循環、地球型惑星
持続可能な開発目標(SDGs)

  • 海の豊かさを守ろう
(海洋資源)持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。
関連科目
地球変動学II、地球科学実験IIA、地球データサイエンス技術演習、野外実習、野外巡検、先端地球科学、地球科学演習、特別研究
履修条件
連絡先
川村喜一郎 理学部446号室 川村喜一郎 kiichiro[at]yamaguchi-u.ac.jp
辻 智大  理学部342号室 t-tsuji[at]yamaguchi-u.ac.jp
[at]の部分を@に書き換えてメールしてください。もしくは就学支援システムのメッセージで連絡してください。
オフィスアワー
基本的に8:30-17:30は研究室にいます。

ただし出張や学内会議がある場合があるので、訪問の際にはあらかじめ訪問日時を連絡先にメールかメッセージをください。不都合な場合もあるので、こちらから返信しますので、それに従ってください。

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