タイトル

開講年度 開講学部等
2025 理学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期 月3~4 講義 9.0
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1041600020 地球資源学Ⅱ[Earth Resources Ⅱ] 日本語 2
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
太田 岳洋[OHTA Takehiro]
担当教員[ローマ字表記]
太田 岳洋 [OHTA Takehiro], 齊藤 諒介 [SAITOH Ryosuke]
特定科目区分   対象学生   対象年次 3~4
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
地殻中の水について、地下水の観点から解説する。まず、資源としての地下水の意義を概説し、地下水の分布位置と存在形態について説明する(DP1-2-a,b,DP2-6-D4)。次に水理学の基礎を解説し、地下水流動の基本を説明する(DP1-2-a,b,DP2-6-D4)。そして、資源として地下水を評価する際に重要な地下水水質について、地下水化学の基礎を説明したうえで、水-岩石反応などの水質形成メカニズムの事例とその評価方法を説明する(DP2-6-D4,D5)。最後に、地下水流動や水-岩石反応による粘土鉱物の生成が関わる地熱現象について、熱学的基礎、地熱系の分布、探査方法やモデル化について説明し、地熱資源の活用について解説する(DP2-6-D4,D5)。また、エネルギー資源の形成メカニズムと地球環境変動の関係性について解説する(DP2-6-D4,D5)。
なお、本科目の一部はトンネル建設時の地下水流動や地下水水質汚染に関する諸問題の対応に携わった経験のある実務家教員が、その経験に基づいた講義を行う。
授業の到達目標
水理学的な知識に基づいて地下水の流動について理解し、地形・地質と地下水分布の関係を考察する(DP1-2-a,b,DP2-6-D4)。地下水水質の形成メカニズムを理解し、それに基づいて地下水水質変化を考察する(DP2-6-D4,D5)。地熱系の分布と探査について理解し、地熱資源の利用を考察する(DP2-6-D4,D5)。エネルギー資源の形成メカニズム、炭素循環と地球環境変動を理解し、考察する(DP2-6-D4,D5)。なお、この講義では学習教育目標の(D-4)「地球物質の循環や地球資源の有効活用に関する知識と技術の修得」と、(D-5)「社会資本の創生,防災対策,環境保全に関する知識と技術の修得」を目標とする。

知識・理解の観点
 1.地下水流動、地下水水質形成について説明できる(DP1-2-a,b,DP2-6-D4)。
 2.地熱系の分布、地熱利用の方法について説明できる(DP2-6-D4,D5)。
 3.エネルギー資源形成プロセスについて説明できる(DP2-6-D4,D5)。
 4.炭素循環、地球環境変動、エネルギー資源形成の関係性について説明できる(DP2-6-D4,D5)。
思考・判断の観点
 1.地下水や地球化学の観点から、地盤環境に関する問題点を指摘できる(DP2-6-D4,D5)。
 2.地熱利用の観点から、エネルギー問題を指摘できる(DP2-6-D4,D5)。
 3.古環境、有機地球化学の観点から資源問題を指摘できる(DP2-6-D4,D5)。
関心・意欲の観点
 1.地下水と地熱系の関わりについて関心を持ち、それぞれの持続的な開発と利用に関する問題解決への意欲を高める(DP1-2-a,b,DP2-6-D4)。
 2.地球環境変動とエネルギー資源の関連性について関心を持ち、資源環境問題への意欲を高める(DP2-6-D4,D5)。
態度の観点
 1.科学技術、特に地球科学の社会における役割を理解し、地質技術者として社会への貢献のあり方を考えることができる(DP2-6-D4,D5)。
 2.地下水資源、地熱資源の諸問題に対して、調査・分析結果その他の各種の情報を総合的に判断して、持続可能な利活用策を導き出すデザイン能力を身につける(DP2-6-D4,D5)。
 3.現代社会が直面する資源・環境問題について積極的な関心を持てるようにする(DP2-6-D4,D5)。
技能・表現の観点
 1.基礎知識に基づいて現状の問題を把握したうえで、解決策を見出し、説明できる能力を得る(DP1-2-a,b,DP2-6-D4,D5)。
授業計画
【全体】
地下水の資源としての側面と、その分布域について説明し、この地下水に関して水理学的、化学的な基礎事項について学ぶ。これらについては、実際の地下水に関わる諸問題を事例として解説する。
地熱資源については、実際の事例に基づいて地熱系の概念、モデル化と探査法について学び、地熱利用について理解する。
炭素循環の中で、どのように環境変動、生物相変動、資源形成がリンクしているかについて学ぶ。
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 ガイダンス
石油根源岩と地球表層環境
石油根源岩
地球表層環境
炭素循環
簡単な小テストを行う
授業中に指示した学習について予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
担当教員の指示に従うこと
第2回 有機物の熟成過程1 地圏中における有機物の熟成過程1 前週の内容に関するテストを行う
授業中に指示した学習について予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
担当教員の指示に従うこと
第3回 有機物の熟成過程2
地圏中における有機物の熟成過程2 前週の内容に関するテストを行う
配布資料を参考に予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
担当教員の指示に従うこと
第4回 分子化石 エネルギー資源中に存在する様々な分子化石(バイオマーカー) 前週の内容に関するテストを行う
配布資料を参考に予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
担当教員の指示に従うこと
第5回 分子化石と地球環境変動
分子化石を活用した地球環境変動復元 前週の内容に関するテストを行う
配布資料を参考に予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
担当教員の指示に従うこと
第6回 ガイダンス
資源としての地下水
水の循環と水資源
世界の水問題
日本の水資源の実態
環境問題としての地下水

配布資料を参考に予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上) 担当教員の指示に従うこと
第7回 地下水の分布

地下水と地下水面
地下水の涵養
帯水層
地下水面の位置と形
前週の内容に関するテストを行う
配布資料を参考に予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
担当教員の指示に従うこと
学習用の資料,予習復習用講義ビデオをMoodleに掲載する
第8回 地下水と地形 地下水に対する地形学的視点
低地の地下水
台地や段丘面の地下水
扇状地の地下水
火山山麓の地下水
丘陵地の地下水
山地の地下水
前週の内容に関するテストを行う
配布資料を参考に予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
担当教員の指示に従うこと
学習用の資料,予習復習用講義ビデオをMoodleに掲載する
第9回 地下水の水理学 力学的エネルギーとポテンシャル
動水勾配
ダルシー則
帯水層の性質を表すパラメータ
前週の内容に関するテストを行う
配布資料を参考に予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
担当教員の指示に従うこと
学習用の資料,予習復習用講義ビデオをMoodleに掲載する
第10回 地下水流動 平面的な地下水流動
鉛直方向の地下水流動
地下水流動における地質の影響
前週の内容に関するテストを行う
配布資料を参考に予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
担当教員の指示に従うこと
学習用の資料,予習復習用講義ビデオをMoodleに掲載する
第11回 地下水の化学
化学反応と平衡
自由エネルギーと平衡
簡単な小テストを行う
授業中に指示した学習について予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
担当教員の指示に従うこと
学習用の資料,予習復習用講義ビデオをMoodleに掲載する
第12回 地下水水質
地下水水質形成のメカニズム
水質の表現方法
名水百選の水質
前週の内容に関するテストを行う
授業中に指示した学習について予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
担当教員の指示に従うこと
学習用の資料,予習復習用講義ビデオをMoodleに掲載する
第13回 地球の熱と熱水系 熱の流れと熱伝導
地殻熱流量
地熱系・熱水系
前週の内容に関するテストを行う
授業中に指示した学習について予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
担当教員の指示に従うこと
学習用の資料,予習復習用講義ビデオをMoodleに掲載する
第14回 地熱の探査とモデル化
地熱エネルギーの利用
熱の測定と地熱の探査
地熱系のモデル化
地熱発電
地熱の直接利用
地中熱利用・ヒートポンプ
前週の内容に関するテストを行う
授業中に指示した学習について予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
担当教員の指示に従うこと
学習用の資料,予習復習用講義ビデオをMoodleに掲載する
第15回 試験
地下水、地熱、炭素エネルギー資源各分野について試験を行う
これまでの授業内容全般について(学修時間の目安:4時間以上) 担当教員の指示に従うこと
第16回 試験の解説 第15週に実施した試験について解説を行う これまでの授業内容全般について(学修時間の目安:4時間以上) 担当教員の指示に従うこと
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: 90% D: --%
成績評価法
定期試験、小テストで評価する。
定期試験 60%、小テスト 40%
教科書にかかわる情報
備考
授業に用いる資料は修学支援システムを通じて配布する。
参考書にかかわる情報
参考書 書名 地下水水質の基礎 : 名水から地下水汚染まで ISBN 4844606379
著者名 日本地下水学会編 出版社 理工図書 出版年 2000
参考書 書名 Principles of hydrogeology ISBN 1566705002
著者名 by Paul F. Hudak 出版社 Lewis Publishers 出版年 2000
参考書 書名 地熱工学入門 ISBN 9784130628389
著者名 江原幸雄, 野田徹郎著 出版社 東京大学出版会 出版年 2014
参考書 書名 地球表層環境の進化 先カンブリア時代から近未来まで ISBN 9784130627207
著者名 川幡穂高 出版社 東京大学出版 出版年 2011
参考書 書名 石油の成因 : 起源・移動・集積 ISBN 9784320046320
著者名 田口一雄著 出版社 共立出版 出版年 1998
参考書 書名 有機地球化学 ISBN 9784563049041
著者名 石渡良志, 山本正伸共編 出版社 培風館 出版年 2004
備考
メッセージ
キーワード
地下水資源、地下水流動、地下水水質、水-岩石反応、実務家教員、炭素循環
持続可能な開発目標(SDGs)

  • 安全な水とトイレをみんなに
  • エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 住み続けられるまちづくりを
  • つくる責任つかう責任
  • Life on land
(水・衛生)すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。
(エネルギー)すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する。
(インフラ、産業化、イノベーション)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
(持続可能な都市)包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する。
(持続可能な生産と消費)持続可能な生産消費形態を確保する。
(陸上資源)陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する。
関連科目
地球資源学I,土木地質学
履修条件
連絡先
太田 takohta@yamaguchi-u.ac.jp
齊藤 saitor@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
太田:平日13:00~17:00。事前にメールでアポイントメントを取ってからの訪問が望ましい。
齊藤:随時。事前にメールでアポイントメントを取ってからの訪問が望ましい。

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