開講年度
開講学部等
2025
理学部
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期
火1~2,金1~2
講義
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
1042100008
微分積分学Ⅲ[Calculus Ⅲ]
日本語
4
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
幡谷 泰史[HATAYA Yasushi]
ー
担当教員[ローマ字表記]
幡谷 泰史 [HATAYA Yasushi]
特定科目区分
対象学生
対象年次
2~4
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
・1年生の微積分の授業で紹介された計算法について、それらの計算法が何を考え、何を計算しているか理解すること
(ここで,線型代数や集合と位相で学んだ概念や手法をフルに援用する)
・直観的に見知り親しんでいる概念と、他人と共有できる論理式を用いた定義とに相互に翻訳できること
・証明を読み・証明を書く経験をすること
を授業の目的とする。無駄なく迅速に計算することが目的ではなく、そこへ至るプロセスを体験することが大切である。
また、自分の考えを他人に伝えるためには、どのように書けばよいかを訓練する必要がある。
扱う内容は、実数値多変数関数の連続性、微分可能性、一様性、全単射性、増減、積分可能性などである。
数理科学科の専門必修科目の解析系最後の講義である。直感的な取り扱いから抽象的・論理的な取り扱いへと移行する。同じ記号を用いた数式でも、高校までの数学とは表す概念が異なることに注意が必要である。
授業の到達目標
(1)実数値多変数関数の連続性、微分可能性、積分可能性の定義や基本性質の理論を理解し、それらに基づいた応用を行うことができる。
(2)課題を自力で理解したうえで取り組むことができる。
(3)実数値多変数関数の連続性、微分可能性、積分可能性の定義や基本性質の理論を理解し、それらに基づいた応用を行うことができる。
授業計画
【全体】
理学部第14番講義室で、対面式講義を予定しています。
1章多変数関数と偏微分、Taylorの定理
1.1 記法,近傍,集合
1.2 連続関数と開・閉集合
1.3 領域,極限
1.4 連続性
1.5 偏微分と微分
1.6 合成関数
1.7 方向微分,平均値の定理
1.8 Taylor の公式
2章 陰関数定理・極値
2.1 極限の順序交換
2.2 逆写像,陰関数
2.3 極値,条件付き極値
2.4 条件付き極値問題, Lagrange の未定乗数
3章多変数関数の積分
3.1 閉直方体上の上 / 下積分
3.2 面積,一般領域上の積分
3.3 零集合
3.4 累次積分, Fubini の定理
4章変数変換・広義重積分
4.1 変数変換
4.2 広義重積分
4.3 定符号関数の広義重積分
4.4 広義重積分のレシピ
4.5 曲面積
4章まとめと期末試験は、31回目に実施する予定です。
Moodleコース
https://mdcs5.cc.yamaguchi-u.ac.jp/moodle/course/view.php?id=68465
にドリルや配布資料などを置く予定です.
また、予告なく授業内小テストを行う予定です。
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
履修上の説明、成績、参考書の紹介。記法、近傍、開集合
履修上の注意、成績、参考書の紹介,
記法,近傍,開集合
授業中に指示した学習内容(学習時間の目安:4時間以上)を行う.
第2回
領域、極限
像,逆像,連結,弧状連結,領域、多変数関数の極限,Cauchyの判定条件,逐次極限
授業中に指示した学習内容(学習時間の目安:4時間以上)を行う.
第3回
連続、一様連続
連続、一様連続
授業中に指示した学習内容(学習時間の目安:4時間以上)を行う.Moodleコースに小テストあり
次回、抜き打ち小テスト(?)
第4回
偏微分、微分
偏微分,線形写像としての微分,Jacobi行列
Moodleコース上の小テストに取り組む(学習時間の目安:4時間以上).
第5回
線形写像、微分と連続性
微分可能性と連続性
Moodleコース上の小テストに取り組む(学習時間の目安:4時間以上).
第6回
合成関数の微分
行列のノルム,Schwarzの不等式,合成関数(連鎖律)
授業中に指示した学習内容(学習時間の目安:4時間以上)を行う.
次回、抜き打ち小テスト(?)
第7回
方向微分、平均値、Taylorの定理
方向微分、多変数の平均値の定理,多変数のTaylorの定理
Moodleコース上の小テストに取り組む(学習時間の目安:4時間以上).
第8回
Heineの一様連続性定理、連続関数の完備性
関数列(2章) Heineの一様連続性定理
Moodleコース上の小テストに取り組む(学習時間の目安:4時間以上).
第9回
微積分と極限の順序交換
連続関数の完備性、極限と積分の順序交換、極限と微分の順序交換、
授業中に指示した学習内容(学習時間の目安:4時間以上)を行う.
第10回
1章のまとめ
1章のまとめ
1章の内容のまとめ
予習の目安時間:理解できるまで粘り強く取り組んでおいてください。(学習時間の目安:4時間以上)
第11回
積分の順序交換
微分と積分の順序交換
授業中に指示した学習内容(学習時間の目安:4時間以上)を行う.
第12回
逆関数定理
グラフ,陰関数,逆関数定理
Moodleコース上の小テストに取り組む(学習時間の目安:4時間以上).
次回、抜き打ち小テスト(?)
第13回
陰関数定理1
陰関数定理、線型写像の例、葉線の例
授業中に指示した学習内容(学習時間の目安:4時間以上)を行う.
第14回
陰関数定理2
陰関数定理の証明
Moodleコース上の小テストに取り組む(学習時間の目安:4時間以上).
次回、抜き打ち小テスト(?)
第15回
極値、鞍点、Hesse行列
極値,極値を取るための必要条件,鞍点、Hesse行列,定値行列,行列の定値性,対称行列の定値性と固有値
授業中に指示した学習内容(学習時間の目安:4時間以上)を行う.
第16回
極値、Hesse行列、定値行列
多変数関数の極値とHesse行列の定値性
Moodleコース上の小テストに取り組む(学習時間の目安:4時間以上).
第17回
極値・条件付き極値
Lagrangeの乗数法
Moodleコース上の小テストに取り組む(学習時間の目安:4時間以上).
次回、抜き打ち小テスト(?)
第18回
Jordan測度、上下限和
Jordan速度,閉直方体の分割,細分,Riemann和,積分可能性,上下限和,上下限の性質
授業中に指示した学習内容(学習時間の目安:4時間以上)を行う.
第19回
閉直方体上の積分、可測集合
n次元閉直方体上の上下積分,閉直方体の上下限和の収束,閉直方体上の連続関数の積分可能性,特性関数,Jordan可測集合,Jordan可測でない集合の例
授業中に指示した学習内容(学習時間の目安:4時間以上)を行う.
第20回
2章まとめ
2章まとめ
章の内容のまとめ
予習の目安時間:理解できるまで粘り強く取り組んでおいてください。(学習時間の目安:4時間以上)を行う.
第21回
Jordan/Lebesgue零集合
Jordan/Lebesgue零集合,可測集合の境界の特徴付け
授業中に指示した学習内容(学習時間の目安:4時間以上)を行う.
第22回
零集合
可測集合の和・内点・閉包,和集合上の積分,零集合上の有界関数の積分,Fubiniの定理,連続関数の累次積分
Moodleコース上の小テストに取り組む(学習時間の目安:4時間以上).
第23回
累次積分、Fubiniの定理
累次積分、縦線型集合におけるFuibiniの定理
Moodleコース上の小テストに取り組む(学習時間の目安:4時間以上).
第24回
積分の変数変換
1変数関数の変数変換の例,多変数関数の変数変換,
授業中に指示した学習内容(学習時間の目安:4時間以上)を行う.
第25回
変数変換, Gauss積分
Gauss積分,1変数関数の広義積分の3つの例,コンパクト近似列,非有界なJordan可測集合
Moodleコース上の小テストに取り組む(学習時間の目安:4時間以上).(ちょっと多め)
第26回
3章まとめ
3章まとめ章末試験
予習の目安時間:理解できるまで粘り強く取り組んでおいてください。
(学習時間の目安:4時間以上)を行う.
第27回
広義重積分1
定符号関数の広義重積分の定義,定符号関数の広義可積分性は近似列に依らない,符号付き関数の広義重積分
Moodleコース上の小テストに取り組む(学習時間の目安:4時間以上).
第28回
広義重積分2
非有界関数の広義重積分,非有界領域での広義重積分,1点の周りで非有界関数の広義重積分可能性
Moodleコース上の小テストに取り組む(学習時間の目安:4時間以上).
第29回
広義重積分3
非有界関数の広義重積分,非有界領域での広義重積分,1点の周りで非有界関数の広義重積分可能性
Moodleコース上の小テストに取り組む(学習時間の目安:4時間以上).
第30回
曲面積
曲面積、Schwarzの提灯とダイヤカットコーヒー缶
授業中に指示した学習内容(学習時間の目安:4時間以上)を行う.
第31回
4章章末試験
4章章末試験
4章の内容のまとめ
予習の目安時間:理解できるまで粘り強く取り組んでおいてください。(学習時間の目安:4時間以上)を行う.
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: --% D: --%
成績評価法
小テスト、E-Learning、章末筆記テストで評価します。
小テスト 10%、E-learning 10%、章末筆記テスト 80%
教科書にかかわる情報
備考
教科書は指定しませんが、成書を1冊手元において勉強に臨むとよいと思います。講義ノートはMoodleコースに掲載する予定です。
多変数の微分積分分野を手短に紹介することを目的に、非常に限られた条件の下で理論を記述する書も多ので、書やweb情報を参考にする場合、どのような仮定の下で理論が記述されているか、それは自分が必要な知識であるか、ご自分でよく注意してください。
参考書にかかわる情報
参考書
書名
基礎数学3 解析入門II
ISBN
4130620061
著者名
杉浦 光夫
出版社
東京大学出版会
出版年
1985
参考書
書名
微分積分学II 多変数の微分積分
ISBN
9784320017146
著者名
宮島静雄著
出版社
共立出版
出版年
2003
参考書
書名
軽装版 解析入門〈1〉、〈2〉
ISBN
400005192X
著者名
小平邦彦
出版社
岩波書店
出版年
2003
参考書
書名
解析入門 中
ISBN
9784000298759
著者名
松坂 和夫
出版社
岩波書店
出版年
2018
参考書
書名
微分積分学
ISBN
9784781901084
著者名
笠原晧司著
出版社
サイエンス社
出版年
1974
備考
参考書1、3は正統なテキストであるが難しいです。分からないことがあれば当たってみるとよいと思います.2、4,5は行間も少なく丁寧に記載してあり、またこの講義と似た方針でまとめてあります。
メッセージ
評価方法など詳細は、初回講義時に説明します。
具体的な計算を演習問題で解き確かめることと、定義や定理などにまとめられた理論的な考え方を理解することとは、容易には結びつかないかもしれません。定期テストでは理論的な考え方の理解と,具体的な計算ができるかどうかを問います。
キーワード
微分 積分 多変数関数
持続可能な開発目標(SDGs)
関連科目
線型代数学基礎Ⅰ、Ⅱ
線型代数学Ⅰ、Ⅱ
微分積分学Ⅰ、Ⅱ
集合と位相Ⅰ、Ⅱ
履修条件
連絡先
幡谷(理学部南棟142号室)
email: hataya@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
特に時間を定めませんが、研究室在室中は質問等に対応します。コンタクトが取れない時は、学習相談室を利用してください。
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