タイトル

開講年度 開講学部等
2025 理学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期集中 集中    
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1042100046 特殊講義Ⅱ(数理科学:可換代数を応用したトポロジーの不変量) 日本語 2
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
野坂 武史
担当教員[ローマ字表記]
野坂 武史, 脇條 奈生子 [WAKIJO Naoko]
特定科目区分   対象学生   対象年次 3~4
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
トポロジーや結び目理論では、トポロジカルな不変量を構成する際に、代数の技術を援用する事が多い。本講義ではまずトポロジーと可換環論の基礎として組みひも群とシジジ問題とグレブナー基底の基本事項を学習する。その後これらを用い結び目の不変量を構成し、具体的に計算していく。その中で、組みひも的集合やカンドル理論の題材を取り上げ、組みひも群の有用性と応用例を紹介する。
組みひも群による研究の中から「結び目」「アレクサンダー多項式」「グレブナー基底」等のテーマに絞り、関連するトピックスを取り上げながら、トポロジーの基本事項を学修していく。
授業の到達目標
(1)組みひも群の定義と概念について説明できる。
(2)定義や条件を正しく評価し、論理が展開できる。
(3)身の回りにある結び目(電気コードなど)について、その形状をトポロジー的な観点から考えることができる。
(4)自ら考え、論理に基づき計算が行える。
(5)組みひも群や加群の余核を考察する事で、結び目の不変量を構成することができる。
(6)グレブナー基底の計算プログラムを作成することができる。
授業計画
【全体】
本講義は大まかに3部構成で行う。始めに、3次元トポロジーや結び目理論の概説を行い、研究目標や課題を述べる。多くのアプローチがある中、本講義では組みひも群に着目し、群と群表示の定義から始め、組みひも群の重要性と応用例を解説する。組みひも群と結び目理論を結ぶAlexander-Markov定理について、言及する。
講義の中間部では、組みひも群の作用やカンドル理論について学習する。そして彩色(カラリング)の概念を導入し、それが不変量となる事をAlexander-Markov定理により導く。そして非退化な組みひも的集合がほぼカンドル理論に帰着できる定理を紹介する。また線形的なカンドルも考え、その彩色が古典的なアレクサンダー多項式と関連することを述べる。
講義の最終部ではグレブナー基底を用い、結び目不変量を構成する。準備として、グレブナー基底の動機と定義と基本的性質から解説し、ヒルベルトのシジジ問題からの活用法を紹介する。実際、コンピュータプログラムなどを用いた計算例を紹介する。最後に本講義のまとめと、後の展望と課題を述べる。なお話題によっては他の参考書を使用する(講義内で適宜紹介を行う)。
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 組みひもと結び目理論の概説 結び目不変量の理論や動機の大枠を学ぶ。 授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
第2回 Reidemeister移動と結び目 3次元的な結び目を、2次元的な図式や組みひもから研究する方法を学ぶ。 授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
第3回 組みひも群と、Alxander-Markovの定理 組みひも群と結び目理論を結ぶAlexander-Markov定理を学ぶ。 授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
第4回 群の作用と、組みひも的集合とカンドル 群の作用を復習し、組みひも群による作用を絵図から視覚的に理解する。 授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
第5回 組みひも的集合の彩色 組みひも群による彩色の定義をのべ、Alexander-Markov同値に不変な条件を考察する。 授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
第6回 単因子論と余核とイデアル(1) 古典的ないしホモロジカルな結び目理論で必要な代数の基礎を学ぶ。 授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
第7回 単因子論と余核とイデアル(2) 単因子論とイデアルの関係を学ぶ。 授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
第8回 アレクサンダー加群と多項式 可換的な組みひも集合から、古典的なアレクサンダー加群が導入されることを学ぶ。 授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
第9回 多変数多項式の割り算 一変数多項式の割り算を復習し、多変数の場合での難点や問題点を述べる。 授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
第10回 グレブナー基底(1) グレブナー基底の定義に必要な用語を学ぶ。 授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
第11回 グレブナー基底(2) グレブナー基底の定義を学ぶ。 授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
第12回 グレブナー基底(3) グレブナー基底の基本的性質を学ぶ。 授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
第13回 シジジ問題 グレブナー基底の応用として、ヒルベルトのシジジ問題を紹介する。 授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
第14回 グレブナー基底による結び目不変量 グレブナー基底を用いて結び目の位相的不変量を定義する。 授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
第15回 まとめ 本講義のまとめと、後の展望と課題を述べる。 授業計画に沿って、準備学習2時間と復習2時間を行う。
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: --% D: --%
成績評価法
レポート 100%
教科書にかかわる情報
教科書 書名 Knots and links ISBN 9780821834367
著者名 Dale Rolfsen 出版社 Amer Mathematical Society 出版年 2004
教科書 書名 Quandles and Topological Pairs: Symmetry, Knots, and Cohomology ISBN 9789811067921
著者名 Takefumi Nosaka 出版社 Springer brief 出版年 2017
教科書 書名 グレブナー基底 ISBN 9784254115581
著者名 日比孝之 出版社 朝倉書店 出版年 2003
備考
いまあげた教科書は購入必須ではない。
参考書にかかわる情報
備考
メッセージ
キーワード
位相幾何学、トポロジー、3次元多様体、結び目理論、組みひも、カンドル理論、アレクサンダー多項式、グレブナー基底
持続可能な開発目標(SDGs)

  • 質の高い教育をみんなに
(教育)すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
関連科目
履修条件
連絡先
脇條 奈生子(数理科学科:世話人)
wakijo[at]yamaguchi-u.ac.jp
※[at]の部分を@に書き換えてメールしてください。
オフィスアワー
講義時に連絡します。

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