タイトル

開講年度 開講学部等
2025 理学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期 火3~4 講義  
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1042300006 物理化学Ⅱ[Physical ChemistryⅡ] 日本語 2
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
本多 謙介[HONDA Kensuke]
担当教員[ローマ字表記]
本多 謙介 [HONDA Kensuke]
特定科目区分   対象学生   対象年次 2~4
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
DP概要:化学科では、化学一般に関する基礎の学習および物理化学、有機化学、無機化学、
分析化学のうち何かの発展的な学修を通じて学士力を身につけることを目標とします。
DP1-2(a). DP1-2(b). DP2-2. DP2-4. DP2-5 の項目を身に着けることを目標とします。
本講義では、化学の基本概念を分子統計熱力学の観点からアプローチを学習し、
化学の基幹4分野のうち物理化学を体系的に理解し、自然現象を定量的に解析
できるようにします。
授業の到達目標
本講では、DP1-2(a):化学の基幹4分野である物理化学、有機化学、無機化学、分析化学を体系的に理解することを目標とします。
さらに、DP1-2(b):化学の基幹4分野のうち1つ以上の分野については、専門的な知識も身に付けています。
また、DP2-(2):数量的スキル:自然現象を定量的に捉え、数理モデル化や定量的解析を行い、解析結果の可視化、説明を行える数量的スキルを身に着けることを目標とします。
さらに、DP2-(4):論理的思考力:自然現象が生じる理由についての仮設提起を行い、その妥当性を理由とともに説明することができるようになることを目指します。
DP2-(5):問題解決力:自然科学の課題に対し、その課題を解決するための問題点を発見し、必要な情報を自ら収集・分析・整理することで、問題解決をおこなうことができるようになることを目指す。
化学の物理的手法を用いた体系化を理解できるようになることを目標とし、量子統計熱力学および反応速度理論である遷移状態理論の習得を目指す.

知識・理解の観点
DP1-2(a):化学の基幹4分野である物理化学、有機化学、無機化学、分析化学を体系的に理解することを目標とします。
さらに、DP1-2(b):化学の基幹4分野のうち1つ以上の分野については、専門的な知識も身に付けています。
化学の取り扱う現象を,物理化学的手法で、正しく理解することができるようになること.
思考・判断の観点
DP2-2:数量的スキル:自然現象を定量的に捉え、数理モデル化や定量的解析を行い、解析結果の可視化、説明を行える数量的スキルを身に着けることを目標とします。
さらに、DP2-4:論理的思考力:自然現象が生じる理由についての仮設提起を行い、その妥当性を理由とともに説明することができるようになることを目指します。
DP2-5:問題解決力:自然科学の課題に対し、その課題を解決するための問題点を発見し、必要な情報を自ら収集・分析・整理することで、問題解決をおこなうことができるようになることを目指す。
章末の演習問題を独力で解けるようになること.
関心・意欲の観点
DP1-2(b):化学の基幹4分野のうち1つ以上の分野については、専門的な知識も身に付けようとする意欲を身に着けることを目標とします。
態度の観点
DP1-2(a):化学の基幹4分野である物理化学、有機化学、無機化学、分析化学を体系的に理解しようとする態度を身に付けます。
技能・表現の観点 正しい化学用語を用いて,演習問題に解答できるようになること.
授業計画
【全体】
1. 分子構造と分光学 (アトキンス 13-14章)
 1.1 二原子分子の振動準位
 1.2 二原子分子の回転準位
 1.3 多原子分子の振動・回転準位
 1.4 電子遷移
2. 分子統計熱力学 (〃 16-17章)
 2.1 分子状態の分布 ボルツマン分布
 2.2 分子・カノニカル分配関数
 2.3 内部エネルギーとエントロピー 熱力学変数の分配関数による表記
 2.4 化学平衡定数
3. 化学反応動力学(〃 24章)
 3.1 遷移状態理論
 3.2 衝突理論
各章におおよそ2〜3回分の時間をかけて進めます.
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 0.ガイダンス ガイダンス ・教科書を読んで予習(学修時間の目安:2時間)をすること。
第2回 1. 分子の光吸収と光放出
1.0 分子運動の量子化
1.1 ランベルト-ベール則
1.2 波長領域と分子運動
1.3 遷移の線幅
1.4 ラマン散乱

・教科書を読んで予習(学修時間の目安:2時間)をすること。
・演習問題を解くことにより復習すること。(学修時間の目安:3時間以上)
第3回 2. 二原子分子の振動
2.1 調和振動子近似
2.2 赤外振動遷移


・教科書を読んで予習(学修時間の目安:2時間)をすること。
・演習問題を解くことにより復習すること。(学修時間の目安:3時間以上)
第4回 3. 二原子分子の回転
3.1 剛体回転子近似
3.2 純回転遷移
3.3 回転ラマン散乱
3.4 振動-回転スペクトル
・教科書を読んで予習(学修時間の目安:2時間)をすること。
・演習問題を解くことにより復習すること。(学修時間の目安:3時間以上)
第5回 4. 多原子分子の振動と回転
4.1 多原子分子の振動
4.2 多原子分子の回転

・教科書を読んで予習(学修時間の目安:2時間)をすること。
・演習問題を解くことにより復習すること。(学修時間の目安:3時間以上)
第6回 4. 多原子分子の振動と回転 4.3 振動回転スペクトル
・教科書を読んで予習(学修時間の目安:2時間)をすること。
・演習問題を解くことにより復習すること。(学修時間の目安:3時間以上)
第7回 5. 電子遷移
5.1 原 子
5.2 直線分子
5.3 非直線分子
・教科書を読んで予習(学修時間の目安:2時間)をすること。
・演習問題を解くことにより復習すること。(学修時間の目安:3時間以上)
第8回 中間まとめ 中間まとめ ・教科書を読んで復習すること。(学修時間の目安:3時間以上)
・教科書を読んで予習(学修時間の目安:2時間)をすること。
第9回 6.熱平衡状態 6.1 配置と重み
6.2 統計力学的裏付
6.3 ボルツマン分布


・教科書を読んで予習(学修時間の目安:2時間)をすること。
・演習問題を解くことにより復習すること。(学修時間の目安:3時間以上)
第10回 7.化学平衡と分配関数 7.1 化学平衡
7.2 振動分配関数
7.3 回転分配関数
7.4 並進分配関数
・教科書を読んで予習(学修時間の目安:2時間)をすること。
・演習問題を解くことにより復習すること。(学修時間の目安:3時間以上)
第11回 8.熱力学関数と分配関数 8.1 簡単な系の熱力学関数
8.2 カノニカル分配関数
8.3 内部エネルギー
8.4 エントロピー
8.5 他の熱力学関数
・教科書を読んで予習(学修時間の目安:2時間)をすること。
・演習問題を解くことにより復習すること。(学修時間の目安:3時間以上)
第12回 9.平衡定数と分配関数 9.1 平衡定数と分配関数の関係
9.2 解離平衡
・教科書を読んで予習(学修時間の目安:2時間)をすること。
・演習問題を解くことにより復習すること。(学修時間の目安:3時間以上)
第13回 10.化学反応論と遷移状態理論
10.1 化学反応の種類
10.2 化学反応のポテンシャルエネルギー面
10.3 遷移状態理論への準備
10.4 遷移状態理論
10.5 反応座標が活性錯合体の振動座標と一致する場合
10.6 反応自由度が粒子の並進運動である場合
10.7 内部構造のない粒子の衝突
・教科書を読んで予習(学修時間の目安:2時間)をすること。
・演習問題を解くことにより復習すること。(学修時間の目安:3時間以上)
第14回 10.化学反応論と遷移状態理論 10.8 衝突理論と遷移状態理論との関係
10.9 遷移状態理論の熱力学的定式化
10.10 反応速度算出
10.11 遷移状態理論の検証
・教科書を読んで予習(学修時間の目安:2時間題を解くことにより復習すること。(学修時間の目安:3時間以上)
第15回 期末まとめ 期末まとめ ・教科書を読んで復習すること。(学修時間の目安:3時間以上)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: --% D: --%
成績評価法
講義後課題、学期末の筆記テストで評価します。
講義後課題 50%、学期末の筆記テスト 50%
教科書にかかわる情報
教科書 書名 アトキンス物理化学(下)第10版 ISBN 9784807909094
著者名 P. W. Atkins 出版社 東京化学同人 出版年 2017
備考
参考書にかかわる情報
備考
(1) "The Spectra and Structures of Simple Free Radicals: An Introduction to Molecular Spectroscopy,"G. Herzberg, Cornell Univ. Press (1971); Dover (1988)
(2)  [(1) の邦訳] 「分子スペクトル入門:フリーラジカルのスペクトルと構造」G. ヘルツベルグ著 / 奥田典夫訳, 培風館 (1975)
(3) "Molecular Thermodynamics: An Introduction to Statistical Mechamics for Chemists,“ J. H. Knox, John Wiley & Sons (1971)
(4) [(3) の邦訳] 「分子統計熱力学入門」J. H. Knox 著 / 中川一郎他訳, 東京化学同人 (1974)
メッセージ
講義内容を理解するためには、予習・復習を行う必要があります。特に教科書の章末問題を解くことによって、物理化学の基本原理の理解に努めてください。
キーワード
物理化学,統計熱力学,遷移状態理論
持続可能な開発目標(SDGs)

関連科目
履修条件
連絡先
本多謙介/E-mail;khonda@yamaguchi-u.ac.jp/研究室総合研究棟 601-1 号室
オフィスアワー
本多 総合研究棟601ー1 水曜日 17:00以降

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