開講年度
開講学部等
2025
理学部
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期
金1~2
講義
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
1042400011
生物物理学[Biophysics]
日本語
2
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
岩楯 好昭[IWADATE Yoshiaki]
ー
担当教員[ローマ字表記]
岩楯 好昭 [IWADATE Yoshiaki]
特定科目区分
対象学生
対象年次
2~4
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
生命現象は、細胞や組織、生物個体、生物集団の中で起きる物理現象や化学反応です。例えば、筋肉の収縮という生命現象は、ATPの加水分解の化学エネルギーを使ってミオシンフィラメントがアクチンフィラメントを力学的にたぐり寄せることで起きます。「生物物理学」とは生命現象を生命という場で起こる物理現象としてとらえ、生命の根源を理解しようとする学問です。生物物理学の研究の現場では、日々、様々な革新的な方法が生み出されています。その一つは見えないものを「見る」技術です。
本講義では、生物物理学が対象とする多岐にわたる生命現象のうち細胞運動や分子運動に焦点を絞り、難しい数式には触れずに、光学顕微鏡を用いた見る技術の開発と、それによってもたらされた多くの知見について解説します。
授業の到達目標
生命現象が物理現象や化学反応であることを認識し、その原理を物理的な観点から理解することを目標とする。また同時に、細胞や分子レベルでの生物物理学の研究手法について理解することを目標とする。
授業計画
【全体】
講義は「生物物理学」とはどのような学問分野であるか理解することから始め、生命現象の生物物理学的な手法に基づく研究トピックを題材に解説する。物理現象としての生命現象を視覚的、直感的に理解できるようになることを目指す。
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
概説
生物物理学で講義する内容の概説
復習
(学修時間の目安:4時間以上)
第2回
生物物理学とは
生物物理学という学問領域がどのような領域か解説する。
復習
(学修時間の目安:4時間以上)
第3回
細胞とは
細胞を物理的な見地から解説する。
復習
(学修時間の目安:4時間以上)
第4回
細胞の中の分子
細胞の中の細胞運動に関わる分子について解説する。
復習
(学修時間の目安:4時間以上)
第5回
細胞運動概説
アメーバ運動・繊毛運動・軸索輸送・原形質流動など細胞運動の仕組みについて概説する。
復習
(学修時間の目安:4時間以上)
第6回
モータータンパク質とは
ミオシン、キネシン、ダイニンといったモータータンパク質の振る舞いについて解説する。
復習
(学修時間の目安:4時間以上)
第7回
アメーバ運動とモータータンパク質
アメーバ運動をしている細胞の中のモータータンパク質の振る舞いについて解説する。
復習
(学修時間の目安:4時間以上)
第8回
細胞の力
細胞がアメーバ運動するために基質に及ぼす力を解説する。
復習
(学修時間の目安:4時間以上)
第9回
繊毛運動とモータータンパク質
繊毛運動をしている細胞の中のモータータンパク質の振る舞いについて解説する。
復習
(学修時間の目安:4時間以上)
第10回
生物個体の左右非対称性の源
繊毛のノード流が左右非対称性を生み出すことを発見した生物物理学研究の概説
復習
(学修時間の目安:4時間以上)
第11回
細胞の触覚
細胞が接着している基質の硬さや形状を感知する仕組みを解説する。
復習
(学修時間の目安:4時間以上)
第12回
3次元のアメーバ運動
3次元生体組織環境中のアメーバ運動の解説と、平面上を運動している細胞の3D解析。
復習
(学修時間の目安:4時間以上)
第13回
細胞の集団運動
生体組織の中では、細胞は集団で運動することも多い。細胞の集団運動を解説する。
復習
(学修時間の目安:4時間以上)
第14回
見る生物物理学のこれから
卒業研究で触れられるかもしれない生物物理学研究の最先端技術について解説する。
復習
(学修時間の目安:4時間以上)
第15回
見る生物物理学のこれから2
卒業研究で触れられるかもしれない生物物理学研究の最先端技術について解説する。
復習
(学修時間の目安:4時間以上)
第16回
期末試験
論述式筆記試験
復習
(学修時間の目安:4時間以上)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: --% D: --%
成績評価法
小テスト、授業内のレポート、学期末の筆記テストで評価します。
小テスト 20%、レポート 20%、学期末の筆記テスト 60%
教科書にかかわる情報
備考
特定の教科書はありません。
生物物理学会の邦文誌「生物物理」(
https://www.biophys.jp/pub/pub01.html
)が参考になります。
参考書にかかわる情報
備考
メッセージ
本講義に物理学の知識は不要です。
相対性理論の数式には興味がなくても、相対性理論によってもたらされる「時間は絶対的なものではなく、あなたの中で過ぎる時間と私の中で過ぎる時間は違う」という知見には誰しも興味を持つでしょう。本講義には難しい数式には出てきません。担当者が普段研究室で行っていることも含め、本来見えないはずの分子運動や細胞機能が可視化された映像を中心に、細胞・分子レベルの生物物理学の基礎から最先端の研究までを紹介します。
「生物物理学(研究)」に難しい数式は不要です。見て直感的にわかりたいという欲求が必要です。
キーワード
生物物理、細胞運動、分子モーター、アクチン、ミオシン、アメーバ、顕微鏡
持続可能な開発目標(SDGs)
(保健)あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
(気候変動)気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる。
(海洋資源)持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。
(陸上資源)陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する。
関連科目
細胞解析学
履修条件
連絡先
岩楯:修学支援システムのメッセージで連絡してください。
理学部3号館113室
オフィスアワー
随時。
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