開講年度
開講学部等
2025
理学部
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期
月3~4
講義
3.0
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
1042400015
定量生物学[Quantitative Biology]
日本語
2
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
原 裕貴[HARA Yuki]
ー
担当教員[ローマ字表記]
原 裕貴 [HARA Yuki]
特定科目区分
対象学生
生物学科学生対象
対象年次
2~4
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
生物学分野において、生命現象を定量的に理解する機会が増えてきている。本講義では、主に細胞レベルの現象に焦点をあて、定量法の紹介や定量の意義や役割に関して、研究の実例を示しながら解説する。
授業の到達目標
細胞に関連する様々なトピックに対して、「数」や「量」、「形」、「力」の観点から理解・考察する能力を養成する。また、それらパラメーターを定量する手法についても理解する。学習した知識を応用し、未知の問題に関して考える能力を養う。
授業計画
【全体】
定量生物学が扱う問題を順を追って解説する。実際の未解決問題に対して、定量的側面から考え、議論を行うことで、定量法やその意義を一緒に考える。講義内容に関連した課題に対するレポートを毎回作成し、作成したレポート内容に関して、次回の講義で学生間で議論を行う。
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
イントロダクション:定量生物学とは?
定量生物学がどのようなことを対象とするのかを概説する。また生物、特に細胞を構成する「数」について考える。
復習(240分)
第2回
細胞の構成要素のサイズと数
機能的な細胞を構成するために、どのような構成材料が必要なのか?構成要素の種類やその数量の面から考える。
予習(120分)・復習(120分)
第3回
個体サイズとスケーリング
生物が示す大きさ(サイズ)の多様性と規則性について考える。
予習(120分)・復習(120分)
第4回
細胞のサイズスケーリング
ひとつの細胞が示す大きさ(サイズ)の多様性と規則性について考える。
予習(120分)・復習(120分)
第5回
細胞増殖・細胞周期の定量生物学
細胞が増殖する仕組みと細胞周期の進行の制御する仕組みについて、定量的観点から再考する。
予習(120分)・復習(120分)
第6回
細胞骨格・分子モーターの定量生物学
細胞の構成に必須な細胞骨格(特に微小管)と細胞骨格と関連し働く分子モーターの構造とその働きを定量的に再考し、形成される細胞内構造の動きを考える。
予習(120分)・復習(120分)
第7回
細胞分裂の定量生物学 (1)
細胞分裂を適切に行うための装置とその駆動原理を考える。
予習(120分)・復習(120分)
第8回
細胞分裂の定量生物学 (2)
細胞内のオルガネラ、特にDNAを内包する核に着目し、その構造と機能を再考する。
予習(120分)・復習(120分)
第9回
オルガネラ構造の定量生物学
様々なオルガネラの構造・形態について学習し、その構造の意義としくみを再考する。
予習(120分)・復習(120分)
第10回
オルガネラのサイズ・形態の制御(1)
細胞内のオルガネラが示す大きさ(サイズ)の多様性と規則性について学習し、細胞がオルガネラのサイズをどのように制御するかについても考える。
予習(120分)・復習(120分)
第11回
オルガネラへの応力とオルガネラの配置
機能的な細胞を構成するために、オルガネラを適切な場所に配置しなければならないか?また、その仕組みは何か?を考える。
予習(120分)・復習(120分)
第12回
オルガネラのサイズ・形態の制御(2)
オルガネラの形態には多様性が存在し、細胞はそれらを適切な機能を発揮するように制御している。オルガネラ形態の多様性が生じる仕組みを考える。
予習(120分)・復習(120分)
第13回
細胞内物質の動態の定量生物学
細胞やオルガネラ内の分子の振る舞いを定量的に考える。
予習(120分)・復習(120分)
第14回
クロマチン構造の定量生物学(1)
核内のクロマチン構造について学習し、核内部のクロマチン構造を制御する仕組みと意義について考える。
予習(120分)・復習(120分)
第15回
クロマチン構造の定量生物学(2)と合成生物学
クロマチン構造について学習し、凝縮時の染色体構造について考える。また合成生物学の手法を照会する。
予習(120分)・復習(120分)
第16回
講義の振り返りとまとめ
当該領域の未解決問題に関して、それを解決するための手法と解決方策を考察する。
これまでの復習および予備日
復習(240分)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: 10% B: 10% C: --% D: 10%
成績評価法
講義への参加姿勢 (評価割合 10%) とレポート(評価割合 90%)を総合的に評価する。
教科書にかかわる情報
備考
適宜資料を配布する。
参考書にかかわる情報
参考書
書名
細胞建築学入門
ISBN
9784777520954
著者名
木村暁著
出版社
工学社
出版年
2019
参考書
書名
定量生物学 : 生命現象を定量的に理解するために
ISBN
9784759817300
著者名
小林徹也編
出版社
化学同人
出版年
2018
参考書
書名
Cell biology by the numbers
ISBN
9780815345374
著者名
Ron Milo, Rob Phillips ; illustrated by Nigel Orme
出版社
Garland Science
出版年
2016
参考書
書名
Physical biology of the cell
ISBN
9780815344506
著者名
Rob Phillips ... [et al.] ; illustrated by Nigel Orme
出版社
Garland Science
出版年
2013
備考
メッセージ
毎回のレポート作成と、講義内で学生間で議論をします。
学生間での議論の意欲がある(得意でなくてもOK)学生や、これまでに学んだ知識を活かして当該分野の未解決問題について一緒に考えてくれる学生の履修を強く希望します。
講義内容や課題に関しての議論や交流は、Slackのワークスペースを通して行います。
基本対面で行い、必要に応じて講義の録画の配信、オンライン受講の準備を整えます。
履修希望者の所属は気にしませんので、他学科・他学部でも遠慮なく履修してください。
キーワード
細胞、オルガネラ、細胞骨格、生物物理、数学、スケーリング、細胞内配置、形状
持続可能な開発目標(SDGs)
関連科目
細胞生物学、生物物理学、発生細胞生物学、分子生物学
履修条件
連絡先
原 裕貴
yukihara@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
随時。
特に、月曜16時-17時半は、講義関連の対応を行う時間としています。
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