タイトル

開講年度 開講学部等
2025 理学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期 金1~2 講義  
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1042520001 量子化学及び演習Ⅰ[Quantum Chemistry and Practice I] 日本語 2
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
鈴木 康孝[SUZUKI Yasutaka]
担当教員[ローマ字表記]
鈴木 康孝 [SUZUKI Yasutaka]
特定科目区分   対象学生 生物・化学科化学コース学生対象 対象年次 2~4
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
量子力学の基本(DP1-2(a))から始め,シュレーディンガーの波動方程式について解説する.簡単な力学系についてシュレーディンガーの波動方程式を適用してそれらの系のエネルギーや波動関数を求める方法について説明する.この講義を通して、 自然現象について、定量的データに基づいた数理モデル化や解析を行い、解析結果の可視化、説明を行える数量的スキル(DP2-2)、自然現象が生じる理由についての仮説提起を行い、その妥当性を理由とともに説明するスキル(DP2-4)、自然科学の課題に対し、その課題を解決するための問題点を発見し、必要な情報を自ら収集・分析・整理することで、問題解決できるスキル (DP2-5)を身につけることを目指す.量子論の仮定と演算子について説明し,演算子の交換関係,角運動量に対する演算子法を紹介する.また,水素原子の系に対してシュレーディンガーの波動方程式の解を求める.それぞれの項目についての学習の後に演習問題の解を説明する.(CP1)
授業の到達目標
シュレーディンガーの波動方程式を理解し,簡単な力学系についての系のエネルギーや波動関数を求めることができるようにする.水素原子の系に対してシュレーディンガーの波動方程式の解を求める.それぞれの項目についての学習の後に演習問題を解いて理解を深める.(DP1-2(a) ). この講義を通して、 数量的スキル、論理的思考力、問題解決能力を身につけることを目指す(DP2-2)(DP2-4)(DP2-5)

知識・理解の観点 シュレーディンガーの波動方程式を理解し,簡単な力学系についての系のエネルギーや波動関数を求めることができるようにする.
思考・判断の観点 量子論的な世界ではシュレーディンガーの波動方程式によってのみ正しい解が得られるという考え方を身に付ける.
関心・意欲の観点 量子論的な考え方に関心を持つ.
態度の観点 シュレーディンガーの波動方程式を自分自身の手で解いて練習問題専用ノートに記述し,エネルギーや波動関数を求める過程を自ら体験する.
技能・表現の観点 量子論的な方法論を身に付ける.
その他の観点 身の回りの現象を量子化学に基づいて説明できるようにする.
授業計画
【全体】
1.エネルギーの不連続
2.物質波
3.古典的な波動
4.波動方程式の複素解
5.シュレーディンガーの方程式
6.1次元の箱の中の粒子
7.中間演習
8.3次元の箱の中の粒子
9.調和振動子
10.量子論の仮定と演算子
11.演算子の交換関係
12.角運動量の演算子と固有値
13.水素類似原子
14.粒子の同等性
15.演習
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 エネルギーの不連続 前期量子論のエネルギーの不連続について学ぶ。 練習問題1。授業の該当部分を教科書で予習復習する。(学習の目安:4時間以上)
第2回 物質波 de Broglieの物質波の概念について学ぶ。 練習問題2。授業の該当部分を教科書で予習復習する。(学習の目安:4時間以上)
第3回 古典的な波動 古典的な波動に対する微分方程式とその解について学習する。 練習問題3。授業の該当部分を教科書で予習復習する。(学習の目安:4時間以上)
第4回 波動方程式の複素解 波動方程式の解が複素解となることを学ぶ。 練習問題4。授業の該当部分を教科書で予習復習する。(学習の目安:4時間以上)
第5回 シュレーディンガーの方程式 古典的な波動方程式からシュレーディンガー方程式を導く方法について学習する。 練習問題5。授業の該当部分を教科書で予習復習する。(学習の目安:4時間以上)
第6回 1次元の箱の中の粒子 1次元の箱の中で並進運動している粒子に対するシュレーディンガー方程式とその解を学ぶ。 練習問題6。授業の該当部分を教科書で予習復習する。(学習の目安:4時間以上)
第7回 中間まとめ これまでの授業内容の振り返り、授業内演習を行う。 該当部分を教科書で予習復習する。(学習の目安:4時間以上)
第8回 3次元の箱の中の粒子 3次元の箱の中で並進運動している粒子に対するシュレーディンガー方程式とその解を学ぶ。 練習問題7。授業の該当部分を教科書で予習復習する。(学習の目安:4時間以上)
第9回 調和振動子 調和振動子に対するシュレーディンガー方程式とその解を学習する。 練習問題8。授業の該当部分を教科書で予習復習する。(学習の目安:4時間以上)
第10回 量子論の仮定と演算子
量子論における仮定と演算子の性質について学ぶ。 練習問題9。授業の該当部分を教科書で予習復習する。(学習の目安:4時間以上)
第11回 演算子の交換関係
演算子の交換関係を学び,Heisenbergの不確定性原理を学習する。
練習問題10。授業の該当部分を教科書で予習復習する。(学習の目安:4時間以上)
第12回 角運動量の演算子と固有値
角運動量演算子の作用と固有値について学ぶ。
練習問題11。授業の該当部分を教科書で予習復習する。(学習の目安:4時間以上)
第13回 水素類似原子 水素類似原子の波動関数とエネルギーについて学習する。 練習問題12。授業の該当部分を教科書で予習復習する。(学習の目安:4時間以上)
第14回 粒子の同等性 多電子系の波動関数の記述方法、パウリの排他則について学習する。 練習問題13。授業の該当部分を教科書で予習復習する。(学習の目安:4時間以上)
第15回 総合演習 演習問題の疑問点を解決する。 これまでの授業内容について教科書で予習復習する。(学習の目安:4時間以上)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: --% D: --%
成績評価法
レポート 20%、学期末の筆記テスト 80%
教科書にかかわる情報
教科書 書名 量子化学(上) ISBN 9784785330736
著者名 原田義也 出版社 裳華房 出版年 2007
備考
参考書にかかわる情報
参考書 書名 初等量子化学 第2版 : その計算と理論 ISBN 9784759801767
著者名 大岩正芳 出版社 化学同人 出版年 1988
参考書 書名 化学者のための数学十講 ISBN 4759800085
著者名 大岩正芳 出版社 化学同人 出版年 1979
参考書 書名 アトキンス物理化学(上) ISBN 9784807909087
著者名 P.W.Atkins著 ; 千原秀昭, 中村亘男訳 出版社 東京化学同人 出版年
参考書 書名 アトキンス物理化学(下) ISBN 9784807909094
著者名 P.W.Atkins著 ; 千原秀昭, 中村亘男訳 出版社 東京化学同人 出版年
備考
メッセージ
この分野は自分で数式を導いたり,いろいろな本を読んで物理的イメージを作り上げるしか理解を深める方法がない.練習問題を解くことを通して量子化学の考え方を身につけて欲しい.
キーワード
量子化学,波動方程式,波動関数,水素原子
持続可能な開発目標(SDGs)

  • 貧困をなくそう
  • 飢餓をゼロに
  • 質の高い教育をみんなに
  • ジェンダー平等を実現しよう
  • 安全な水とトイレをみんなに
  • エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 働きがいも経済成長も
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • つくる責任つかう責任
(貧困)あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる。
(飢餓)飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。
(教育)すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
(ジェンダー)ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う。
(水・衛生)すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。
(エネルギー)すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する。
(経済成長と雇用)包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する。
(インフラ、産業化、イノベーション)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
(持続可能な生産と消費)持続可能な生産消費形態を確保する。
関連科目
量子化学及び演習Ⅱ
履修条件
連絡先
理学部本館435号室
オフィスアワー
随時(講義や会議などがない限りいつでもOKです)

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