タイトル

開講年度 開講学部等
2025 理学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期 金5~8 実験・実習 10.0
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1042600004 地球科学実験ⅡA[Practice in Earth Sciences ⅡA] 日本語 2
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
坂口 有人[SAKAGUCHI Arito]
担当教員[ローマ字表記]
坂口 有人 [SAKAGUCHI Arito], 岩谷 北斗 [IWATANI Hokuto], 大和田 正明 [OWADA Masaaki], 川村 喜一郎 [KAWAMURA Kiichiroh]
特定科目区分   対象学生   対象年次 2~4
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
実際に野外に出て,地形図の読み方,岩石の観察・同定,岩石間の相互関係の認定,地質構造の観察と測定の仕方,ルートマップ作成,露頭スケッチ等々,の野外調査に関わる各種の方法を修得する.また現地で得られたデータと採取した試料を使って,データ処理方法および解析方法とそれらを記述するスキルを学ぶ.そのことにより地質現象の立体的,時系列的な総合解釈と評価法を評価できるようにする(DP2-6-D2).修得した技能を実社会に活かすキャリアについて考える. なお,巡検の日程に関しては,地球科学教室掲示板に適宜掲載する.
研究所で実務経験のある教員が、地質調査の技能に関する実習を指導する。また、地質調査やボーリング調査などの実務経験のある技術士(応用理学部門)を有する教員が担当しており、その経験に基づいたより実践的な実験を展開する。
授業の到達目標
野外において実際の地質現象を観察し(DP2-1,DP2-2),必要な情報を適切に表現・記録する(DP2-3).地質学の基本的な考え方(DP1-2(A))と解析方法を学習し(DP2-6D-2(学習・教育到達目標のD-2)),応用する力を身に付け(DP1-2(B)),論理的思考に基づいて課題解決する(DP2-4,DP2-5).これにより3年次の野外実習に先だって,野外調査に必要な基本的事項を学習する.実習では自己管理や集団における行動など責任をもって取り組み(DP2-6H(学習・教育到達目標のH),DP3),課題を解決し社会貢献していくための思考力を身に付ける(DP2-6I(学習・教育到達目標のI),DP4).


<知識・理解の観点>
岩石や地層を野外で同定でき,異なる岩石・地層の相互の関連を把握しながら適切な観察・記録の方法を習得する.また,ある地域の地質を客観的に記述する手法(たとえば,岩相分布図,柱状図,断面図)を具体的なケースにおいて修得している.また、地形と地質・地質構造との関係について理解する(DP1-2(A),DP1-2(B),DP2-1,DP2-2).

<思考・判断の観点>
野外調査から得られる諸データに基いて,岩石や地層の新旧関係,相互の関連,成因,発達過程を考察することができる(DP2-3,DP2-4,DP2-5,DP2-6D-2(学習・教育到達目標のD-2)).

<関心・意欲の観点>
野外で観察される様々な地質現象について深い関心をもって,観察できる(DP2-3,DP2-4,DP2-5,DP2-6D-2(学習・教育到達目標のD-2)).

<態度の観点>
自発的に文献を調査し、関連する情報を得ようとする意欲を持っている。野外での様々な制約下で,協力しながら計画的に作業を進めることが出来る(DP2-6H(学習・教育到達目標のH),DP2-6I(学習・教育到達目標のI),DP3,DP4).

<技能・表現の観点>
地形図が正確に読めるとともに,地質・地質構造と関連する情報を抽出することができる。現地の状況に応じて露頭スケッチ,ルートマップなどを作成して,必要な地質情報を適切に表現・記録できる(DP2-3,DP2-4,DP2-5,DP2-6-D2).

<その他の観点>
講義の課題に積極的に取り組むことができる(DP4).
授業計画
【全体】
実際に野外で観察される様々な地質現象について理解し,解釈できるようになるための実習です。野外実習①と②(2日)を行い,それぞれで異なる課題が与えられます。
また、この実験は、野外実習に向けての最終実習でもあるので、地質図作成のための以下の項目を重要視しています。

野外実習①では、1)斜交葉理と級化構造のスケッチによる上下判定の理解(これにより、野外において褶曲を認識することができる)、2)上方細粒化などの堆積環境の理解(これにより、「地層」の概念を理解できる)、3)柱状図やマップスケールでの岩相記載をするための地層の「モデル化」の理解(これにより、複雑な地層から、本質を見失わなわずに、地質図や断面図、柱状図を描くことができる)を目標としています。また、初回のガイダンスでは、学内において、三角測量による走向傾斜の測定誤差、偏角補正の再確認、測定誤差の補正方法とその利用の仕方について学びます。

野外実習②では,美祢において2つのルートでルートマップを作成し,そこから自分たちのデータを元に地質図,断面図,柱状図を作成します。野外において、微地形判読、地形図による現在地の確認、岩石の肉眼鑑定、岩相の記載、地層面の認定、走向傾斜の測定、変形構造の記載、を自らの判断に基づいて実施します。
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 全体ガイダンス 野外実習のための安全教育,野外実習の手順・内容,露頭スケッチのポイントなど シラバスをよく読んでおくこと
予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
担当教員からの指示に従うこと
第2回 野外実習①ボーリングコア観察 ボーリングコア観察を通じて、堆積構造についての記載方法を学習する 予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上) 担当教員からの指示に従うこと
第3回 野外実習①ボーリングコア観察 ボーリングコア観察を通じて、堆積構造についての記載方法を学習する 予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上) 担当教員からの指示に従うこと
第4回 野外実習①ルートマップ作成 野外におけるデータ収集(雨天の場合は、博物館になることもある) 予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上) 担当教員からの指示に従うこと
第5回 野外実習①データ解析 作成したルートマップを解析し、地質断面図や柱状図を作成する学習をする。(雨天の場合は、博物館になることもある) 予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上) 担当教員からの指示に従うこと
第6回 野外実習②のガイダンスと事前学習 事前学習・文献調査 山口県のフィールドガイドブックをよく読んでおくこと
予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
担当教員からの指示に従うこと
第7回 野外実習② 美祢地域においてルートマップ作成 予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上) 担当教員からの指示に従うこと
第8回 野外実習② 美祢地域においてルートマップ作成 予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上) 担当教員からの指示に従うこと
第9回 野外実習② 美祢地域において地質図作成調査 予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上) 担当教員からの指示に従うこと
第10回 野外実習② 美祢地域において地質図作成調査 予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上) 担当教員からの指示に従うこと
第11回 野外実習②に関する課題 柱状図,地質図の作成 予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上) 担当教員からの指示に従うこと
第12回 野外実習②に関する課題 柱状図,地質図の作成 予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上) 担当教員からの指示に従うこと
第13回 野外実習②に関する課題 断面図の作成 予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上) 担当教員からの指示に従うこと
第14回 野外実習②に関する課題 ステレオネットの作成 予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上) 担当教員からの指示に従うこと
第15回 全体まとめ レポートの返却と解説 予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上) 担当教員からの指示に従うこと
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: 10% B: 10% C: 80% D: --%
成績評価法
授業内レポート50%、授業外レポート50%で評価します。野外での実習はすべて出席する必要があります。出席が2/3以上なければ欠格になります。
教科書にかかわる情報
教科書 書名 山口県のフィールドガイドブック 第2版 ISBN
著者名 山口大学理学部地球圏システム科学科 出版社 出版年 2010
備考
オンラインテキストを用います。動画配信ポータルサイトから「地球科学実験IIA(地史学実習)」をダウンロードしておいてください。
参考書にかかわる情報
備考
その都度,巡検・実験に関わるプリントを配布する。そのほか,当該地域の地形図,山口県地質図,関係論文などを参照すると効果的である。
メッセージ
3年次に開講される『野外実習』のためのトレーニングです。室内で学習した知識や技術を野外で実際に適用してみましょう。
キーワード
地形図判読、岩石・鉱物同定、スケッチ、ルートマップ、地質図、柱状図、断面図、地質記載、断層、露頭、クリノメータ、地層対比
持続可能な開発目標(SDGs)

  • エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 住み続けられるまちづくりを
  • つくる責任つかう責任
  • 気候変動に具体的な対策を
  • 海の豊かさを守ろう
  • Life on land
  • パートナーシップで目標を達成しよう
(エネルギー)すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する。
(持続可能な都市)包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する。
(持続可能な生産と消費)持続可能な生産消費形態を確保する。
(気候変動)気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる。
(海洋資源)持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。
(陸上資源)陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する。
(平和)持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する。
関連科目
地球科学実験IA、IB、ⅡB、地球データサイエンス技術演習、野外実習
履修条件
連絡先
岩谷北斗(hokuto_i[at]yamaguchi-u.ac.jp)
大和田正明(owada[at]sci.yamaguchi-u.ac.jp)
川村喜一郎(kiichiro[at]yamaguchi-u.ac.jp)
坂口有人(arito[at]yamaguchi-u.ac.jp)
[at]の部分を@に書き換えてメールしてください。もしくは就学支援システムのメッセージで連絡してください。
オフィスアワー
基本的に8:30-17:30は研究室にいます。

ただし出張や学内会議がある場合があるので、訪問の際にはあらかじめ訪問日時を連絡先にメールかメッセージをください。不都合な場合もあるので、こちらから返信しますので、それに従ってください。

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