開講年度
開講学部等
2025
理学部
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期
木5~6
講義
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
1042600009
自然災害科学[Natural Disaster Science]
日本語
2
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
坂口 有人[SAKAGUCHI Arito]
ー
担当教員[ローマ字表記]
坂口 有人 [SAKAGUCHI Arito]
特定科目区分
対象学生
対象年次
3~4
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
例えば,地震は外力による地殻への載荷の弾性反発作用であるし,地すべりは岩盤の摩擦すべり現象である.地震,津波,火山噴火,地すべりなど地質に起因する自然災害の背景にある原理(DP2-6D-3(学習・教育到達目標のD-3))と基礎知識を理解する.そのうえで現場での応用例を学習し,社会における地球科学の役割を考える(DP2-6D-5(学習・教育到達目標のD-5),DP2-6I(学習・教育到達目標のI)).
研究所で実務経験のある教員が、自然災害に関する基礎知識から応用までを講義する(DP1-2(A),DP1-2(B))。
授業の到達目標
自然災害における現象の背景にある原理を理解し,社会からの要求と問題解決をデザインする思考をふまえ(DP2-6E(学習・教育到達目標のE)),防災対策に活かせるよう応用力を身につける.そしてその社会的効果について考えることができるようになる(DP2-6B(学習・教育到達目標のB)).
<知識・理解の観点>
自然災害の基本原理を理解し、それに基づいた専門用語の定義を正しく説明できるようになる。実際の現場で,物理法則の特徴を理解し,正しく説明できる(DP1-2(A),DP1-2(B),DP2-6D-3(学習・教育到達目標のD-3))
<思考・判断の観点>
用語の定義を正しく覚え、それに基づいて地質現象の物理を自ら思考できる(DP1-2(B),DP2-6D-3(学習・教育到達目標のD-3))。
<関心・意欲の観点>
災害の背景にある原理や法則に興味を示し、科学的に考え、社会的課題について考える姿勢がみられる(DP2-6D-5(学習・教育到達目標のD-5),DP2-6-I(学習・教育到達目標のI))。
<態度の観点>
授業に出席しノートを作成している。中間テスト、期末テストの内容を復習している。
<技能・表現の観点>
中間テストや期末テストで,内容を正確に記述できる.自分の考えを論理的に説明できる.
<その他の観点>
必ずノートを作成すること.
授業計画
【全体】
専門用語の説明とともに、考え方の基本を学ぶ。そのうえで実際に応用する上での問題点についてケーススタディを通じて学ぶ。
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
岩石力学の基礎
外力、応力、パスカル、垂直応力と剪断応力、歪、弾性歪の特徴、塑性歪の特徴、地質学の限界、ポアソン比と圧力、を学ぶ。
予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第2回
破壊の基礎
破壊とは、原子の結合、なぜ弱いのか、フラクタル分布、最弱面が規定、破壊前後の変化、表面エネルギーとは、応力集中、スケールと強度、を学ぶ。
予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第3回
モールの応力円の基礎
主応力とは、主応力の使い方、クーロンの実験、粘土と岩石の違い、モールの応力円、モール円とクーロンの破壊基準、なぜ引っ張りに弱いのか、を学ぶ。
予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第4回
モールの応力円の応用
三軸圧縮試験、封圧と破壊パターン、斜めに割れる理由、縦に割れる理由、樽型に割れる理由、間隙水圧とは、間隙水圧の効果、を学ぶ。
予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第5回
摩擦の基礎
理科の摩擦、アスペリティとは、垂直応力依存性、摩擦係数とは、速度弱化と時間依存性、速度と遅度、速度弱化と歪弱化、臨界すべり距離、を学ぶ。
予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第6回
摩擦すべりと地震エネルギー
バネ・スライダーモデル、臨界すべり距離とアスペリティ、ダイレクト効果、固着すべり、スティフネスとは、安定すべり、Dcの効果、固着すべりの条件、地震のエネルギー、を学ぶ。
予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第7回
岩石力学の基礎項目
岩石力学の全体像を俯瞰して理解する。理解度確認試験を行う。
予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第8回
ここまでのまとめ
ここまでの内容まとめて振り返る。
予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第9回
地震学の基礎
地震計、震源の求め方、マグニチュード、ダブルカップルモデル、発震機構、偶力(モーメント)、剛性率(剪断弾性率)、モーメントマグニチュード(Mw)、グーテンベルグ・リヒター則、b値、応力降下量、スケール則、を学ぶ。
予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第10回
レオロジーの基礎
固体とは、流体と臨界点、流体の動的な剪断応力、粘性係数(ポアズ)(粘性率、粘性度)、ダルシー則、透水係数、ニュートン流体、速度強化、非ニュートン流体、ビンガム流体(塑性流体)、疑塑性流体、ダイラタント流体、レイノルズ数と組織、界面の不安定性、を学ぶ。
予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第11回
岩石の摩擦
岩石の摩擦係数、断層岩と変形メカニズム、脆性-延性転移、地殻の強度断面、沈み込み帯の地震発生深度、高速剪断試験、剪断速度と摩擦、断層岩とシュードタキライト、潤滑作用、融解潤滑、熱圧化現象、有効応力、を学ぶ。
予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第12回
地震と断層(1)
核形成、震源の破壊過程、地震学のアスペリティ、三陸沖地震のアスペリティ、地すべりの核形成、速度強化と地震性破壊、オーバーシュート、断層発熱の検出 溶融、断層発熱の検出 ビトリナイト、断層発熱の検出 ロギング、チェルンプ断層と相互作用、相互作用とカオスと予知、を学ぶ
予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第13回
地震と断層(2)
地すべりの速度強化、断層の再来周期、タイムプレディクタブルモール円、スリッププレディクタブルの意味、ブロックスライダーの相互作用、アナログ実験と実際の災害現場、を学ぶ。
予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第14回
期末テスト
理解度確認試験を行う
予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
第15回
総括
全体を振り返り、自然災害と、その背景にある自然の法則を見直す。
予習・復習 (学修時間の目安:4時間以上)
必要に応じて学習用資料はMoodleに掲載する.
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: --% D: --%
成績評価法
中間テスト40%、期末テスト40%、ノート20%で評価する。出席が2/3以上でなければ欠格となる。
教科書にかかわる情報
備考
参考書にかかわる情報
参考書
書名
地震と断層の力学 第二版
ISBN
9784772241106
著者名
C. H. ショルツ 著、柳谷 俊 訳、中谷 正生 訳
出版社
古今書院
出版年
2010
備考
構造地質学を志す学生は上記図書を利用してほしい。
メッセージ
自筆のノートを必ず作成すること.ノートは中間テスト、期末テスト時にチェックを行い,「授業態度・授業への参加度」として評価を行う.
キーワード
岩石力学,地震,断層,地すべり
持続可能な開発目標(SDGs)
(持続可能な都市)包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する。
(持続可能な生産と消費)持続可能な生産消費形態を確保する。
(気候変動)気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる。
(海洋資源)持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。
(陸上資源)陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する。
関連科目
地球変動学I
履修条件
連絡先
坂口有人:理340号室 arito@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
随時(事前にアポを取ってください)
arito@yamaguchi-u.ac.jp
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