開講年度
開講学部等
2025
医学部
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期
水1~2
講義
1.5
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
1051510013
免疫学[Immunology]
日本語
1
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
野島 順三[NOJIMA Junzoh]
ー
担当教員[ローマ字表記]
野島 順三 [NOJIMA Junzoh], 金重 里沙
特定科目区分
対象学生
対象年次
2~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
免疫学は、医学の各分野に幅広く関わっており、免疫のエッセンスを学ぶことは、医学・医療の道を目指す全ての学生にとって大切である。本講義では、大学病院で22年間、臨床免疫および臨床血液の実務経験のある教員が、細胞レベルおよび分子レベルからみた免疫など様々な角度から免疫系のしくみを概説し、感染防御・アレルギー・自己免疫疾患・癌の制御と発生・輸血・臓器移植等に免疫系がどのように関連しているのか解説する。さらに、医療領域における免疫学的検査法の臨床的意義を講義する。
授業の到達目標
1)免疫系のしくみ(自然免疫と適応免疫、体液性免疫と細胞性免疫)を説明できる。
2)免疫に関わる細胞群の種類と役割を説明できる。
3)サイトカインネットワークを介した免疫システムの促進及び制御機構を理解している。
4)免疫がもたらす有害な生体反応(アレルギー・移植拒絶・自己免疫・免疫不全等)を解説できる。
5)輸血の概要と輸血・移植検査の実際を理解している。
授業計画
【全体】
前半は、自然免疫と適応免疫および体液性免疫と細胞性免疫の違いや、免疫担当細胞の種類と役割、サイトカインネットワークなどを中心に、免疫系全体のしくみを概説しする。
後半は、免疫機構の異常による病態(アレルギー・自己免疫疾患・免疫不全など)を解説し、各種免疫学的検査法の臨床的意義を講義する。さらに、輸血・移植関連の免疫学的検査法について概説する。
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
免疫学の概念と領域
免疫系全体のしくみを概説し、生体に望ましい免疫と望ましくない免疫について講義する。
免疫とは
免疫の領域
免疫を担当する細胞
自然免疫と獲得免疫
液性免疫と細胞性免疫
講義資料をダウンロード及び印刷し、予準備学習1時間を行う。
第2回
免疫系に関わる細胞群(1)
免疫担当細胞群(1)
免疫系に関わる細胞の種類と役割
免疫担当細胞の分化・成熟
中枢リンパ組織と末梢リンパ組織
主要組織適合遺伝子複合体(MHC)
講義資料をダウンロード及び印刷し、予準備学習1時間を行う。
第3回
免疫系に関わる細胞群(2)
免疫担当細胞群(2)
ナイーブ細胞・メモリー細胞・エフェクター細胞
キラー細胞によるウイルス感染細胞や腫瘍の認識
T細胞の種類とT細胞受容体
B細胞と免疫グロブリン
抗原提示細胞・樹状細胞
顆粒球(好中球・好酸球・好塩基球)の役割
講義資料をダウンロード及び印刷し、予準備学習1時間を行う。
第4回
体液性免疫と細胞性免疫
自然免疫と獲得免疫の違いと連携
体液性免疫と細胞性免疫の違いと連携
抗体・補体の作用
自然免疫系および獲得免疫系の受容体
体液性免疫の仕組み
細胞性免疫の仕組み
能動免疫と受動免疫
講義資料をダウンロード及び印刷し、予準備学習1時間を行う。
第5回
自然免疫の構成因子
自然免疫の構成因子
自然免疫のシステム
補体の活性化経路と3大作用
炎症の段階と炎症の兆候を示す項目
細網内皮系の細胞群
講義資料をダウンロード及び印刷し、予準備学習1時間を行う。
第6回
適応免疫のしくみ(1)
適応免疫の仕組み(1)
パターン認識と特異的認識
細胞レベルおよび分子レベルからみた免疫系
免疫グロブリンスーパーファミリー
T細胞受容体(TCR)と共刺激性
免疫グロブリンの基本構造と種類
免疫グロブリン遺伝子の再編
講義資料をダウンロード及び印刷し、予準備学習1時間を行う。
第7回
適応免疫のしくみ(2)
適応免疫の仕組み(2)
ヘルパーT細胞の分類:Th1細胞・Th2細胞・Th17細胞・制御性T細胞
Th1細胞による細胞性免疫の増強
NK細胞・細胞傷害性T細胞によるウイルス感性細胞の破壊
アポトーシスとネクローシス
マクロファージの貪食・殺菌能を活性化
Th2細胞による体液性免疫の増強
一次応答および二次応答による抗体産生
免疫の寛容と制御性T細胞
講義資料をダウンロード及び印刷し、予準備学習1時間を行う。
第8回
サイトカインネットワーク
サイトカインネットワーク
サイトカインとは
免疫担当細胞の情報伝達システム
サイトカインに共通の特徴
各種サイトカインの作用・主な産生細胞
Th1細胞・Th2細胞のバランス制御
講義資料をダウンロード及び印刷し、予準備学習1時間を行う。
第9回
有害な免疫の概論(1)
有害な免疫(1)
アレルギー・アナフィラキシーショック
過敏症(アレルギー)の分類と発症機序
ツベルクリン反応
制御性T細胞と自己免疫疾患
アレルギー反応と自己免疫疾患
免疫不全症
後天性免疫不全症候群(AIDS)の病態
HIV感染後の経過
講義資料をダウンロード及び印刷し、予準備学習1時間を行う。
第10回
有害な免疫の概論(2)
有害な免疫(2)
自己免疫疾患の種類と発症機序
代表的な自己抗体と自己免疫疾患
自己免疫性溶血性貧血(AIHA)
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
慢性甲状腺炎(橋本病)
グッドパスチャー症候群
抗核抗体と膠原病
全身性エリテマトーデス(SLE)
抗リン脂質抗体症候群
関節リウマチ(RA)
全身性強皮症(強皮症)
多発性筋炎(PM)・皮膚筋炎(DM)
混合性結合組織病
シェーグレン症候群
グレーブス病(バセドウ病)
重症筋無力症
講義資料をダウンロード及び印刷し、予準備学習1時間を行う。
第11回
課題授業:免疫機構の概要
自然免疫・適応免疫および細胞性免疫・体液性免疫機構の違いを捉える。
これまでの講義資料、教科書および参考書を参照し
免疫機構の概要を図を作成して説明する。
(学修時間の目安:4時間以上)
第12回
有益な免疫の概論(1)
VI 獲得免疫における抗体の産生機構と役割
1 B細胞はリンパ濾胞で抗原と出合う
2 B細胞の細胞内シグナル伝達系
3 B細胞とT細胞の相互作用
1)濾胞の外での活性化
2)胚中心での反応
3)抗体の親和性の増加
4 T細胞非依存性抗原に対する抗体産生
5 抗体の機能
1)微生物の感染力と毒素の中和
2)オプソニン化と貧食
3)抗体依存性細胞傷害
4)補体系の活性化
6 粘膜免疫
講義資料をダウンロード及び印刷し、予準備学習1時間を行う。
第13回
臓器移植・造血幹細胞輸血とHLAタイピング
腫瘍免疫と最新免疫療法
臓器移植・造血幹細胞移植と免疫
臓器移植の流れ
適応免疫による移植片拒絶反応
移植臓器拒絶反応(HVG)と移植片対宿主病(GVHD)
造血幹細胞移植・臍帯血移植
腫瘍免疫と腫瘍マーカー
腫瘍に対する免疫の概論
免疫監視機構と腫瘍の発生
腫瘍マーカー検査
講義資料をダウンロード及び印刷し、予準備学習1時間を行う。
第14回
輸血の概要と輸血検査の実際
血液型と輸血検査の実際
輸血及び移植の概要
主な輸血製剤の適正使用
ABO式血液型・Rh式血液型の実際
Rh式血液型のタイピング検査
輸血時の血清学的検査の実施
輸血による副作用および合併症
輸血後GVHD(移植片対宿主病)
講義資料をダウンロード及び印刷し、予準備学習1時間を行う。
第15回
免疫学総括
免疫の異常による代表的な疾患を中心に総括する。
講義資料をダウンロード及び印刷し、予準備学習1時間を行う。
第16回
免疫学期末試験
定期試験を実施する
講義資料及び参考書を熟読・理解し、定期試験に備える。
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: 5% B: 10% C: --% D: --%
成績評価法
小テスト、授業内のレポート、学期末の筆記テストで評価します。
小テスト 25%、レポート 5%、学期末の筆記テスト 70%
教科書にかかわる情報
備考
各講義毎にスライド資料をシラバスにアップするので教科書と併せて活用してください。
参考書にかかわる情報
備考
必要な参考書があれば授業中に指示する。
メッセージ
講義に使用するスライドをシラバスの資料にアップしているので、主体的且つ積極的に予習・復習してください。
キーワード
自然免疫、適応免疫、体液性免疫、細胞性免疫、アレルギー、自己免疫疾患、免疫不全、輸血、移植
実務教員
持続可能な開発目標(SDGs)
(保健)あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
関連科目
免疫検査学、免疫学実習
履修条件
生物に関する知識を必要とする。
連絡先
保健学科研究棟407号室 TEL:0836-22-2824
オフィスアワー
nojima-j@yamaguchi-u.ac.jpにメールして確認ください。
ページの先頭へ