タイトル

開講年度 開講学部等
2025 医学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期 木3~4 講義  
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1051730016 血液検査学[Laboratory Hematology] 日本語 1
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
野島 順三[NOJIMA Junzoh]
担当教員[ローマ字表記]
野島 順三 [NOJIMA Junzoh], 湯尻 俊昭 [YUJIRI Toshiaki], 山本 美佐 [YAMAMOTO Misa]
特定科目区分   対象学生   対象年次 3~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
血液検査学は、分子生物学や免疫検査学と深く関わっており、疾患の病因・病態の解明には欠かせない学問である。近年、造血器腫瘍の疾患分類が、形態学的(FAB分類)なものから遺伝子異常に基づく新たな分類法(WHO分類)にシフトし、診断や治療が目覚しく向上している。また、血栓・止血学の発展により死因の上位を占める虚血性心疾患や脳血管障害の発症機序も急速に解明されている。本講義では、大学病院で長年に渡って血液専門医としての実務経験のある教員と血液検査の実務経験のある教員が、基本的な血液細胞の分化系譜や機能、および凝固・線溶系の機構を解説し、それらの異常がどのような疾患を引き起こすのか、検査学的視点と臨床病態学的視点の双方から教授する。

授業の到達目標
1)血液細胞の分化系譜、形態学的特徴、機能を説明できる。
2)各種貧血の成因および検査学的分類を理解している。
3)造血器腫瘍の病因および検査学的分類(FAB分類・WHO分類)を説明できる。
4)血小板・凝固・線溶系のバランスと血管内恒常性維持の機構を説明できる。
5)止血機構の異常による各種疾患の病因と検査学的分類を説明できる。
授業計画
【全体】
血液学総論にて血液の成分と機能、血液細胞の産生と崩壊について概説した後、赤血球系・白血球系・止血機能系と3つのカテゴリーに分類して解説する。赤血球系では、赤血球の構造と機能について解説し、各種貧血の病因と検査学的診断について講義する。白血球系については、正常白血球の分化系譜・種類・形態学的特長・機能(役割)について解説した後、造血器腫瘍を中心に病因・分類(FAB分類・WHO分類等)・検査学的診断について講義する。止血機能系については、血小板・凝固・線溶機構のバランスによる血管内恒常性の維持について解説した後、血小板系の異常と関連疾患・凝固・線溶機構の異常と関連疾患・血栓性素因と関連疾患について、最近のトピックスをまじえて講義する。
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 検査法総論:血液の成分・機能・産生と崩壊 血液成分と役割について概説し、血液細胞の産生と崩壊について解説する。(第1-2章) 配布した講義資料、教科書、参考書を参照し、予準備学習1時間を行う。
第2回 血球計数に関する検査:用手法(Hb、Ht、RBC、WBC、Plt計測) 末梢血液検査*採血法、用手法(Hb、Ht、RBC、WBC、Plt計測)(第5&14章) 配布した講義資料、教科書、参考書を参照し、予準備学習1時間を行う。
第3回 血球計数に関する検査:用手法続き、自動血球検査法、網赤血球数、好酸球数 末梢血液検査*自動血球検査法、網赤血球数、好酸球数)(第5&14章) 配布した講義資料、教科書、参考書を参照し、予準備学習1時間を行う。
第4回 自動血球検査法、染色体検査、溶血性貧血に関する検査、赤沈 赤血球系の特殊検査:溶血に関する検査(第10章、赤血球沈降速度(第11章)、染色体・遺伝子検査、赤血球系検査結果の評価(第14章) 配布した講義資料、教科書、参考書を参照し、予準備学習1時間を行う。
第5回 赤血球系疾患の検査結果の評価・解釈 貧血、赤血球自体の異常,赤血球以外の異常、赤血球増加症等
(第14章)
配布した講義資料、教科書、参考書を参照し、予準備学習1時間を行う。
第6回 特殊染色(ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、エステラーゼ、PAS)と骨髄標本の作製方法 白血球形態・血液塗抹標本作成、普通染色、特殊染色、血液細胞形態の観察(第6章) 配布した講義資料、教科書、参考書を参照し、予準備学習1時間を行う。
第7回 骨髄検査(穿刺方法、細胞数計測、普通染色標本の観察方法) 骨髄検査(穿刺方法、細胞数計測、普通染色標本の観察方法)、特殊血液形態学検査(特殊染色) 配布した講義資料、教科書、参考書を参照し、予準備学習1時間を行う。
第8回 血液塗抹標本の観察(末梢血、骨髄)、白血球系疾患の検査結果・解釈(1) 白血球形態および機能異常(第2章)
白血球系疾患の検査結果の評価と解釈(第15章)

配布した講義資料、教科書、参考書を参照し、予準備学習1時間を行う。
第9回 血液塗抹標本の観察(末梢血、骨髄)、白血球系疾患の検査結果・解釈(2) 白血球形態および機能異常(第2章)
白血球系疾患の検査結果の評価と解釈(第15章)
配布した講義資料、教科書、参考書を参照し、予準備学習1時間を行う。
第10回 血液塗抹標本の観察(末梢血、骨髄)
造血器腫瘍の検査結果・解釈
白血球形態および機能異常(第2章)、造血器腫瘍(第3章)
造血器腫瘍の検査結果の評価と解釈(第16章)
配布した講義資料、教科書、参考書を参照し、予準備学習1時間を行う。
第11回 細胞表面マーカー検査と関連疾患 細胞表面マーカー検査と関連疾患 配布した講義資料、教科書、参考書を参照し、予準備学習1時間を行う。
第12回 血小板系検査と関連疾患 血小板系検査(血小板粘着能、出血時間、血餅退縮、血小板粘着能、血小板凝集能、血小板第3因子能)と関連疾患 配布した講義資料、教科書、参考書を参照し、予準備学習1時間を行う。
第13回 凝固・線溶系検査と関連疾患(1) 凝固系検査(全血時間、プロトロンビン時間、PT、APTT、トロンビン時間、凝固因子活性の定量)と関連疾患。 配布した講義資料、教科書、参考書を参照し、予準備学習1時間を行う。
第14回 凝固・線溶系検査と関連疾患(2) 凝固抑制物質検査(循環抗凝血素、ATIII、プロテインC)と関連疾患
線溶系検査(プラスミノーゲン、プラスミン、FDP、Dダイマー)、血管系検査(毛細血管抵抗試験、トロンボモジュリン)
配布した講義資料、教科書、参考書を参照し、予準備学習1時間を行う。
第15回 分子マーカー検査とDIC
出血性疾患と血栓性疾患
分子マーカー検査とDIC
出血性疾患と血栓性疾患
配布した講義資料、教科書、参考書を参照し、予準備学習1時間を行う。
第16回 血液検査学期末英試験 定期試験を実施する 教科書及び講義資料を熟読・理解し、定期試験に備える。
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: --% D: --%
成績評価法
小テスト、授業内のレポート、学期末の筆記テストで評価します。
小テスト 25%、レポート 5%、学期末の筆記テスト 70%
教科書にかかわる情報
教科書 書名 標準臨床検査学 血液検査学 ISBN 9784260015097
著者名 矢富裕・通山薫 出版社 医学書院 出版年 2012
教科書 書名 ビジュアル 臨床血液形態学 ISBN 9784524228041
著者名 平野正美 出版社 南江堂 出版年 2021
備考
各講義毎にスライド資料をシラバスにアップするので教科書と併せて活用してください。
参考書にかかわる情報
参考書 書名 病気が見える5 血液 ISBN 9784896329223
著者名 土屋達行 監修 出版社 MEDIC MEDIA 出版年 2023
備考
必要な参考書があれば授業中に指示する。
メッセージ
講義に使用するスライドをシラバスの資料にアップしているので、主体的且つ積極的に予習・復習してください。
キーワード
血液成分、血球計数、自動血球検査法、染色体検査、特殊染色、骨髄検査、血液塗抹標本、造血器腫瘍、細胞表面マーカー、血小板、凝固・線溶、分子マーカー、実務家教員
持続可能な開発目標(SDGs)

  • すべての人に健康と福祉を
(保健)あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
関連科目
血液学、血液学実習、免疫学、病態生化学
履修条件
血液学に関する知識を必要とする。
連絡先
保健学科研究棟407号室 TEL:22-2824
オフィスアワー
nojima-j@yamaguchi-u.ac.jp メールにて予定を確認後、部屋にいらしてください。

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