開講年度
開講学部等
2025
医学部
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期
金3~4
講義
5.5
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
1052550006
在宅看護実践論
日本語
2
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
永田 千鶴[NAGATA Chizuru]
ー
担当教員[ローマ字表記]
永田 千鶴 [NAGATA Chizuru], 森崎 直子, 竪山 悦子 [TATEYAMA Etsuko], 住田 靖子 [SUMIDA Yasuko]
特定科目区分
対象学生
対象年次
3~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
在宅看護実践論は、卒業認定に関わる「看護学専攻別専門科目」であり、4年次の在宅看護学実習を履修するに当たり獲得すべき知識・技術を演習を軸に教授する。2年次在宅看護学では、あらゆる年代のあらゆる疾病や障害、背景をもつ人々に対し、在宅移行期から、療養者および家族の健康レベル、QOLの維持・向上を目指し、在宅療養を極力長く継続できるように行う看護の基礎を学んだ。在宅看護実践論では、在宅看護の特性を理解した上で、訪問看護の場面を設定したシミュレーション演習により、必要な看護技術をリアルに学ぶ。また、看護過程の展開能力、特にアセスメント能力を培い、地域包括ケアシステムの中で、急速に進歩する医療に対応した在宅看護の在り方を見通す。
訪問看護ステーションの管理者としての実務経験を有する科目責任者、訪問看護ステーション、小児および老年看護領域のでの臨床経験をもつ研究者が担当し、在宅看護実践能力をリアルに教育・指導する。
授業の到達目標
「在宅看護学」やこれまでで学んだ看護知識・技術を統合し、多様な看護技術を演習を通して実践し、44年次の在宅看護学実習を見据えた展開をする。
1.在宅看護に対する社会的要請、在宅看護の意義、在宅看護を促進するための方略を検討できる。
2.在宅看護にかかわる保健医療福祉システムを理解し、多職種チーム医療の在り方を考察できる。
3.在宅看護の現状と課題を理解し、看護のあり方や役割を具体的に述べ、看護過程を展開できる。
4.看護実践演習を通して、訪問看護の実体験をし、知識・技術を習得した上でアセスメント能力を養い、課題を明らかにできる。
5.卒業時には「在宅看護学」「在宅看護実践論」「在宅看護学実習」そのほかのすべての科目を統合し、国内外の在宅看護の現状と課題を理解し、在宅看護の在り方を考察できる。
授業計画
【全体】
在宅看護の特性を理解した上で、訪問看護の場面を設定したシミュレーション演習により、必要な看護技術をリアルに学ぶ。また、看護過程の展開能力、特にアセスメント能力を培い、地域包括ケアシステムの中で、急速に進歩する医療に対応した在宅看護の在り方を見通す。
原則対面で実施するが、ディスカッションをする場合、オンラインでの実施も検討するため、今後変更が生じた場合、講義中あるいは本システムにより通知する。オンラインでの実施に備え、アプリケーションの更新を適宜確認してください。
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
1.在宅看護における実践技術・在宅医療と在宅看護
医療依存度の高い医療・看護の現状から課題を理解する。また、医療依存度が高い在宅療養者への在宅看護に必要な知識・技術を理解する。多職種連携の必要性と具体的な連携方法を学ぶ。
在宅医療に関しての復習や国内外の比較などの情報を調べることにより、日本や山口県の在宅医療の現状と課題を広く理解すること。
事前・事後学習の目安はそれぞれ2時間である。
第2回
2.在宅療養にかかわる保健福祉制度
主に老人保健法から高齢者医療確保法、社会福祉士及び介護福祉士法、高齢者および障害者虐待防止法、障害者総合支援法に関して学び、看護と介護の協働の在り方を学ぶ。介護保険制度を中心に学び、居宅介護支援事業所や地域包括支援センタ-の機能を知り、連携の図り方を学ぶ。
在宅医療・在宅看護にかかわる新しい法律を1つ調べてくる。
制度・政策は年々改正され、複雑になってきている。療養者・家族にとってはより理解が難しいため、専門職としてどう説明できるのか、整理し、まとめること。
事前・事後学習の目安はそれぞれ2時間である。
第3回
3.医療依存度の高い療養者への在宅看護実践技術①
医療依存度の高い在宅療養者に必要な在宅看護実践技術について理解する:在宅経管栄養法を受けている療養者の看護について学ぶ。
医療機関での経管栄養法と在宅経管栄養法の違いと、在宅経管栄養法における看護師の役割を整理し、説明できる。
事前・事後学習の目安はそれぞれ1時間である。
医療機関と在宅での酸素療法や人工呼吸療法の違い、在宅酸素療法や、在宅人工呼吸療法における看護師の役割を整理し、説明できる。
事前事後学習の目安はそれぞれ1時間である。
第4回
4.医療依存度の高い療養者への在宅看護実践技術②
医療依存度の高い在宅療養者に必要な在宅看護実践技術について理解する:在宅酸素療法や人工呼吸療法、在宅人工透析療法を受けている療養者の看護について学ぶ。
医療機関と在宅での酸素療法や人工呼吸療法の違い、在宅酸素療法や、在宅人工呼吸療法および在宅人工透析療法における看護師の役割を整理し、説明できる。
事前事後学習の目安はそれぞれ1時間である。透析療法の種別を予習してくる。
血液透析と腹膜透析の違い、看護のあり方を説明できる。
第5回
5.在宅看護実践演習①(コミュニケーション)
在宅看護学に必要な看護技術:在宅療養者の状態観察,口腔ケア,清潔・排泄ケア(おむつ交換),アネロイド血圧計を使った血圧測定,吸引・ストーマ管理など医療的ケアについて、実際の訪問看護を想定し、一連の流れを組み立て展開する。ロールプレイ演習。
事前に提示した事例に対する訪問看護の展開がイメージできるように予習してくる。
演習で学んだことをワークシートにまとめ、期限までに提出する。事前・事後学習の目安はそれぞれ3時間である。
第6回
6.在宅看護実践演習②(起居動作)
在宅看護学に必要な看護技術:起居動作、床上動作に関する演習を行う。
提示した動画を参照し、片麻痺の障害がある療養者の床からの立ち上がり方法を複数習得しておく。
療養者への適切な指示内容を文章にして整理しておく。
演習で学んだことをワークシートにまとめ、期限までに提出する
事前・事後学習の目安はそれぞれ3時間である。
第7回
7.宅看護実践演習③(シミュレーター演習)
在宅看護学に必要な看護技術:在宅療養者の状態観察,口腔ケア,清潔・排泄ケア(おむつ交換),アネロイド血圧計を使った血圧測定,吸引・ストーマ管理など医療的ケア。
事前に提示した事例に対する訪問看護の展開がイメージできるように予習してくる。
演習で学んだことをワークシートにまとめ、期限までに提出する。復習・予習により在宅看護の在り方を整理し、まとめること。
事前・事後学習の目安はそれぞれ3時間である。
第8回
8.宅看護実践演習④(シミュレーター演習)
在宅看護学に必要な看護技術:在宅療養者の状態観察,口腔ケア,清潔・排泄ケア(おむつ交換),アネロイド血圧計を使った血圧測定,吸引・ストーマ管理など医療的ケア。
事前に提示した事例に対する訪問看護の展開がイメージできるように予習してくる。
演習で学んだことをワークシートにまとめ、期限までに提出する。復習・予習により在宅看護の在り方を整理し、まとめること。
事前・事後学習の目安はそれぞれ3時間である。
第9回
9.障害者の在宅看護
これまでの学びを踏まえて、特定疾患や精神障害者の在宅看護を考える。事例を通して、若い世代や医療機器の管理が必要な障害者の在宅看護支援を学ぶ。
精神保健福祉法や障害者総合支援法の復習をしておいてください。
また、在宅での医療機器の取り扱いについて資料をさがし動画などで学習しておいてください。
事前・事後学習の目安はそれぞれ2時間である。
第10回
10.ICFの理念を活かしたケアマネジメント
ICFの理念を活かしたケアマネジメントの実際を知り、看護過程との違いを理解する。
保健・医療・福祉専門職が協働し、どのようにケアプランを展開していくのか、社会資源をどのように活用していくのか、整理し、まとめることができる。
事前・事後学習の目安はそれぞれ2時間である。
第11回
11在宅療養者の看護過程①-アセスメント、看護診断、総括目標と短期目標
事例の全体像を把握し、看護診断・総括目標、短期目標を立てる。
ICFの理念を意識したアセスメントができるように、復習・予習をすること。
提示された事例について、必要な情報は何か、その根拠を考え、レポートにまとめる。
看護診断の書籍を持ってくること。
事後学習の目安は4時間である。
第12回
12.在宅療養者の看護過程②-看護計画の立案
事例の短期目標を立て、具体策を検討する。看護計画の立案・実施・評価方法を学ぶ。
看護過程の演習ファイルを仕上げ、期限までに提出する。
看護診断の書籍を持ってくること。
事後学習の目安は4時間である。
第13回
13.医療的ケア児の退院支援
医療的ケア児の退院支援の実際を学ぶ。
医療依存度の高い小児の在宅看護に必要な看護の視点を理解し、退院時に支援すべき看護及び看護師の役割を学ぶ。
小児の在宅看護についてイメージし、小児看護学の講義を復習しておくこと。
事前・事後学習の目安はそれぞれ1時間である。
第14回
14.在宅療養者における倫理的課題と責務
在宅看護の場面において発生しやすい倫理的課題やその解決策を学ぶ。在宅療養者・家族の不合理な自己決定や療養者と家族の意向にズレがある場合、ケアサービスを拒否する場合の対応の在り方を検討する。倫理的課題をディスカッションにより明確にする。
訪問看護師としての倫理的課題の解決方法を検討し、レポートにまとめ、提出する
難しい事例について、倫理的課題を明確にし、看護師としての解決方法を検討し、レポートを提出する
事前学習の目安は1時間、事後学習の目安は3時間である。
第15回
15.総括:演習、看護過程の総括、在宅看護学実習オリエンテーション
在宅看護学の学習内容全般を振り返る。
看護過程を総括し、理解を深める。
在宅看護学実習の概要と記録の方法を理解する。
立案した看護過程を参照しながら授業に臨む。
配布した実習記録に関する資料は、在宅看護学実習に持参すること。
事前・事後学習の目安はそれぞれ2時間である。
第16回
16.定期試験
これまでの講義内容から出題
これまでの講義内容全体を振り返り、試験に臨む。
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: 20% B: --% C: 30% D: 5%
成績評価法
3運の2以上の出席者が評価対象です。
授業内レポートおよび演習ワークシート20%、看護過程20%、学期末の筆記テスト60%で評価します。
ルーブリック等の評価基準
ファイル名
備考
ルーブリック等の評価基準
2025在宅看護実践論ルーブリック.pdf
(注)ルーブリックとは、評価水準である「尺度」と、尺度を満たした場合の「特徴の記述」で構成される評価指標のことを言います。
教科書にかかわる情報
教科書
書名
地域・在宅看護論Ⅱ支援論 : 暮らしの場における多様な支援を考える
ISBN
9784524231287
著者名
石垣和子 [ほか] 編
出版社
南江堂
出版年
2024
教科書
書名
地域・在宅看護論②在宅療養を支える技術
ISBN
9784840484725
著者名
石田千絵ほか編
出版社
メディカ出版
出版年
2025
備考
参考書にかかわる情報
参考書
書名
ゴードン博士のよくわかる機能的健康パターン
ISBN
4796521240
著者名
マージョリー・ゴードン
出版社
照林社
出版年
2004
参考書
書名
グループホームにおける認知症高齢者ケアと質の探究
ISBN
9784623053605
著者名
永田千鶴
出版社
ミネルヴァ書房
出版年
2009
参考書
書名
地域・在宅看護論① 地域療養を支えるケア
ISBN
9784840484718
著者名
臺 有佳、ほか編
出版社
メディカ出版
出版年
2025
参考書
書名
国民衛生の動向 2024/2025
ISBN
04526104
著者名
出版社
一般社団法人 厚生労働統計協会
出版年
2024
参考書
書名
地域・在宅看護論Ⅱ 支援論
ISBN
9784524231287
著者名
石垣和子ほか編
出版社
南江堂
出版年
2024
備考
資料(動画を含む)は修学支援システム、あるいはmoodle上にアップします。
評価物の提出は修学支援システム上を予定しています。
moodle上での確認テストの実施を検討しています。
遠隔講義を行う場合があります。zoomを更新しておいてください。
メッセージ
在宅看護は、看護者としての判断力、行動力が求められ、責任感も重いのですが、施設看護にはない達成感が得られることをぜひ実感して欲しいと思います。在宅看護を深く理解するには、自分自身の生活体験を豊かにすることが大切です。看護者である前に、よき生活者となりましょう。よき生活者として、皆さんにお願いがあります。外部講師の方の協力を得ております。本務でお忙しい中、来てくださる講師の方々に、ぜひ気持ちの良い挨拶を心がけてください。また、在宅看護に関心を持ったり、質問などがある場合にはいつでも声をかけてください。
キーワード
在宅看護、自立支援、連携協働体制、ICF、QOL、シミュレーション、医療的ケア児支援、実務家教員
持続可能な開発目標(SDGs)
(保健)あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
関連科目
成人看護学,老年看護学,小児看護学,精神看護学,公衆衛生看護学概論,公衆衛生看護活動論,保健福祉行政論、在宅看護学をはじめ全ての科目と関連があります。
履修条件
連絡先
永田千鶴 22-2830、nagata[at]@yamaguchi-u.ac.jp
*[at]の部分を@に書き換えてメールしてください。
・修学支援システムのメッセージで連絡してください。
オフィスアワー
木曜日13:30〜14:30
アポイントメントをとってください。
ページの先頭へ