タイトル

開講年度 開講学部等
2025 医学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期 集中 実験・実習 3.0
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1052730023 技能習得度到達度評価 日本語 1
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
野島 順三[NOJIMA Junzoh]
担当教員[ローマ字表記]
野島 順三 [NOJIMA Junzoh]
特定科目区分   対象学生   対象年次 3~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
臨床検査技師を取り巻く環境は大きな転換期を迎え、臨床検査技師等に関する法律及び臨床検査技師学校養成所指定規則の一部を改正する省令が交付された。特にチーム医療推進による臨床検査技師の業務範囲の拡大や検査機器システムの高度化など臨床検査の現状を踏まえ、厚生労働省の臨床検査技師学校養成所カリキュラム等改善検討会において教育目標とカリキュラムが見直された。その中で、臨地実習は7単位から12単位に引き上げられ、高度専門化・多様化する保健・医療のニーズに対応するため、学生は臨床現場における実践を通じて、救急医療や病棟診療を学び、さらには施設内における感染制御チームや糖尿病療養指導チームなどの役割と実施内容を理解することが必須化された。この臨地実習の課程において、学生は学内の講義や実習・演習で学んだ知識と技能をもとに、実際の臨床検査の現場で経験豊富な臨床検査技師の指導・助言等を受けながら具体的かつ個別的に臨床検査業務及びチーム医療の理解を深めることを目的とする。今回の法改正により、臨床検査技師教育においても、医学科OSCEに準じる技能修得到達度評価の実施が義務化された。
客観的臨床能力試験(Objective Structured Clinical Examination: OSCE)は、臨地実習に参加する学生に必要とされる知識・技術・態度の取得到達度を同一の評価基準下で適正に評価する試験であり、この試験に合格することが臨地実習に進むための一つの条件として定められている。臨床検査版OSCEでは、臨地実習において学生に「必ず実施させる行為」を必須の項目に設定し、それに「実施させることが望ましい行為」と「接遇・マナー等態度」を加えて総合的に評価する。
授業の到達目標
臨地実習に参加する学生に必要とされる以下の項目について、知識・技術等を習得する。
1)身だしなみ・手指衛生および接遇
2)心電図検査
3)スパイロメトリー
4)一般検査(尿試験紙検査および尿沈渣標本作成)
5)末梢血血球数算定
6)血液塗抹標本作成と鏡検
7)Gram染色および分離培養
8)血液型判定検査
授業計画
【全体】
標準12誘導心電図検査:患者へ標準12誘導心電図検査の説明を行うことができ、心電図検査を実施できるとともに、心電図波形とアーチファクトの判別ができる。
スパイロメトリー:患者へVCおよびFVC検査の説明を行うことができ、VC及びFVCの測定手技が正しく実践できるとともに、波形の妥当性を正しく評価できる。
血球計数検査:血球計算盤を用いて目視法で、赤血球数、白血球数、血小板数の計数ができる。
血液塗抹標本作成と鏡検 :末梢血液塗抹標本の作製、普通染色、MGまたはWG染色が実施でき、正常末梢血標本での白血球6分画分類・同定が正しく実践できる。
尿定性試験紙法:試験紙を用いて、尿定性試験が正しく実践できる。
ABO 血液型検査:試験管法(スライド法)によるオモテ検査とウラ検査を正しく実施できるとともに結果を正しく判定できる。
RhD 血液型検査 :試験管法で正しく実施でき、結果を正しく判定できるとともに、D 陰性確認試験の必要性、手順、結果を正しく説明できる。
Gram染色:Gram陽性球菌(ブドウ球菌)、Gram陰性桿菌(大腸菌)を塗抹標本として作成し、染め分けができるとともに、Gram染色標本からGram陽性/陰性、球菌/桿菌の判別ができる。
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 標準12誘導心電図検査 ①自己紹介および患者確認(フルネームと生年月日を名乗らせる)を行うことができる。
②患者へ標準12誘導心電図検査の説明を行うことができる。
③電極の選択と装着ができる。
④標準12誘導心電図検査を実施できる。
⑤心電図波形とアーチファクトの判別ができる。
予準備学習2時間を行う。
第2回 スパイロメトリー ①自己紹介および患者確認(フルネームと生年月日を名乗らせる)を行うことができる。
②患者へVCおよびFVC検査の説明を行うことができる。
③フィルター・マウスピース・ノーズクリップの装着が正しくできる。
④VCの測定手技と声かけが正しく最大限の努力を強いている。
⑤FVCの測定手技と声かけが正しく最大限の努力を強いている。
⑥波形の妥当性を正しく評価できる。
予準備学習2時間を行う。
第3回 血球計数検査 血球計算盤を用いて目視法で、赤血球数、白血球数、血小板数の計数ができる。
① 安全な検査のための身づくろい、着衣・靴、机上・証明・空調等を整えることができる。
② 検査前後に十分な衛生的手洗いを行うことができる。                                               ③ 必要な器具、試薬を列挙、準備できる。                                                                             ④ 血球計算盤上でカバーガラスを用いてニュートンリングを作成できる。
⑤ 計数目的血球にあった希釈液と希釈倍数に基づき、血球希釈液が作成できる。
⑥ 血球計算盤に適量の血球希釈液を注入できる。
⑦ 血球計算盤の血球計数用目盛りを顕微鏡で鏡検できる。位置と焦点を設定できる。
⑧ 計数目的血球にあった計数区画の位置と数を指定できる。
⑨ 計算盤の線上の細胞を正しく計数できる。
⑩ 計数した血球数から検体中の血球数/μLを算定できる。
予準備学習2時間を行う。
第4回 Gram染色 ①Gram陽性球菌(ブドウ球菌)、Gram陰性桿菌(大腸菌)を塗抹標本として作成し、染め分けができる。
②顕微鏡を適切に扱い、油浸(1,000倍)で観察できる。
③Gram染色標本からGram陽性/陰性、球菌/桿菌の判別ができる。
予準備学習2時間を行う。
第5回 血液塗抹標本作成と鏡検    (・末梢血液塗抹標本の作製   ・普通染色:MGまたはWG染色  ・正常末梢血標本での白血球6分画分類・同定) ① 安全な検査のための身づくろい、着衣・靴、机上・証明・空調などを整えることができる。
② 検査前後に十分な衛生的手洗いを行うことができる。                                              ③ 必要な器具、試薬を列挙、準備できる。                                                    ④ 引きガラス法により、染色・鏡検に適した末梢血液塗抹標本が作成できる。
⑤ 載せガラス法により、末梢血液塗抹標本の普通染色*ができる。
⑥ 正常末梢血塗抹普通染色標本で下記の白血球6分画#を分類・同定ができる。                                                                 *“普通染色”とは、国際血液検査標準化委員会(International Committee for Standardization in Hematology:ICSH)が、血液塗抹標本の染色法として推奨している「メイ・グリュンワルド・ギムザ染色」または「ライト・ギムザ染色」をさすこととする。
#"白血球6分画" とは、1.好中球(杆状核球)、2.好中球(分葉核球)、3.好酸球、4.好塩基球、5.リンパ球、6.単球をさすこととする。   
予準備学習2時間を行う。
第6回 尿定性試験紙法 ① 試験紙取扱い:反応部分に指を触れずに必要枚数取り出し直ちに密栓できる。
② 外観観察と攪拌:尿の外観観察を行い、尿を充分に攪拌できる。
③ 浸漬:試験紙の全項目を尿に浸し、すぐに引き上げることができる。
④ 過剰尿の除去:試験紙に付着した過剰な尿を適切な方法で除去できる。
⑤ 反応時間:項目ごとの反応時間を厳守できる。
⑥ 判定環境:判定に適した明るさを説明できる。
⑦ 判定方法:試験紙と色調表を水平にして判定できる。
⑧ 結果の報告:結果を正しく報告できる。
予準備学習2時間を行う。
第7回 ABO 血液型検査
RhD 血液型検査
① オモテ検査に適した試料を調製できる。
② 試験管法(スライド法)によるオモテ検査を正しく実施できる。 
③ 試験管法によるウラ検査を正しく実施できる。
④ オモテ検査、ウラ検査の結果を正しく判定できる。
※ ②のスライド法については必須項目とするが、実技試験・口頭試問・紙媒体による試験(確認)のいずれでも可とする。
 また、ABO 血液型検査実施時には、輸血検査における基本的事項であるスポイトの使用、凝集の見方・判定、赤血球浮遊液の調整、試薬・赤血球等の添加・混和の手順も評価する。
① RhD 血液型検査に適した試料を調製できる。
② 試験管法で正しく実施できる。
③ 試験管法(直後判定)の結果を正しく判定できる。
④ D 陰性確認試験の必要性および手順を正しく説明できる。
⑤ D 陰性確認試験の結果を正しく説明できる。
※ ④、⑤については必須項目とするが、実技試験・口頭試問・紙媒体による試験(確認)のいずれでも可とする。
 また、RhD 血液型検査実施時には、輸血検査における基本的事項であるスポイトの使用、凝集の見方・判定、赤血球浮遊液の調整、試薬・赤血球等の添加・混和の手順も評価する。
予準備学習2時間を行う。
第8回 身だしなみ
手指衛生
①しわや汚れのない白衣、適切な髪色・髪型および爪、華美な化粧(女性)等が無く、清潔で清楚な身だしなみができる。
②グローブやガウンの着脱ができる。
③手指衛生、感染対策ができる。
予準備学習2時間を行う。
第9回 技能習得度到達度評価試験 技能習得度到達度評価試験 技能習得度到達度評価試験に備えて学習する
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: 10% B: 10% C: 10% D: --%
成績評価法
技能習得度到達度試験 100%
教科書にかかわる情報
備考
必要な教科書及び資料等があれば指示する
参考書にかかわる情報
備考
臨床検査に関する全ての教科書
メッセージ
臨地実習前技能評価実施要項を参照し、主体的且つ積極的に予習・復習してください。
キーワード
臨床検査
持続可能な開発目標(SDGs)

  • すべての人に健康と福祉を
  • 質の高い教育をみんなに
(保健)あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
(教育)すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
関連科目
臨床検査医学
履修条件
臨床検査に関する知識を必要とする。
連絡先
保健学科研究棟407号室 TEL:0836-22-2824
オフィスアワー

nojima-j@yamaguchi-u.ac.jpにメールして確認ください。

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