開講年度
開講学部等
2025
工学部
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期
木1~4
実験・実習
10.0
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
1061120330
機械基礎製図I[Basic Training on Mechanical Drawing I]
日本語
1
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
古賀 毅[KOGA Tsuyoshi]
ー
担当教員[ローマ字表記]
古賀 毅 [KOGA Tsuyoshi], 國次 公司 [KUNITSUGU Kohji], 藏重 勝友 [KURASHIGE Katsutomo]
特定科目区分
対象学生
対象年次
2~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
機械製図法を,講義および演習を通じて学びます.国際規格に準拠するためには,図面をどのような規則で書けばよいのか,設計機能や要件を満たすためには,どのように公差や表面性状の指示を図面上で表現すれば良いのか,という機械製図にとって重要な項目を,ボルトナットや歯車などの各種機械要素の図面を実際に作図しながら基礎から体得し,最終的にはギヤポンプという複雑な機械の作図に挑戦します.
なお本講義は,大手自動車メーカーにおける設計の実務経験を有する教員が,新車開発における機械部品やレイアウトの製図経験を活かして行います.
授業の到達目標
国際規格(JIS)にもとづく機械製図の規則を正しく理解し,公差や表面性状などといった設計意図を正しく図面化し,図面から意味を正しく読み取って伝える能力が身につく.
平面性状や幾何公差,歯車におけるモジュールといった設計上で重要な情報を,製図法に則って正しく計算し,考え,間違いを見つけ修正し,表現することができるようになる.また,3次元の立体形状を,製作加工を考えた2次元へ分解して図面化し,過不足を判断できるようになる.
自動車や自転車,掃除機などに代表される身の回りの機械に関心を持ち,機械工学として学ぶ専門知識が製図によって身近な製品となることを理解することで,より一層機械工学に対する関心・意欲を深めることができる.
情報が不十分な図面や,見にくい図面,誤解される恐れがある図面などが,どのような影響や結果をもたらすかを学び理解することで,正しい情報を見やすく分かりやすく図面化しようという態度が身につく.
授業計画
【全体】
初めに,国際規格(JIS)に準拠した機械製図法を,座学講義によって理解します.次に演習として,学んだ製図法を用いて自分で作図することで,実践できるように訓練します.製図法は,立体を平面化する際の規則や,設計機能の表現方法,公差や表面性状の指示方法など沢山あり,時間がかかりますが,ひとつひとつ学んでいけば大丈夫です.脱落しないように,しっかり出席して演習に取り組んでください.
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
オリエンテーション、JIS機械製図法の解説(用語,線等))
JISにもとづく製図法の基本的な用語,使われる線の種類や意味,について座学で学び,製図演習により作図する.
JIS製図法の予習と復習.未完成の課題の作図と提出
(学修時間の目安:準備学習2時間,復習2時間以上)
第2回
第三角投影法
3次元物体を2次元として表現する第三角投影法について座学で学び,製図演習により作図する.
第三角投影法の予習と復習.未完成の課題の作図と提出
(学修時間の目安:準備学習2時間,復習2時間以上)
第3回
投影図,断面図,省略法,慣用図法
物体の内部を断面として表現したり,対象なものを省略表記したりする方法について座学で学び,製図演習により作図する.
投影図,断面図,省略法,慣用図法の予習と復習.未完成の課題の作図と提出
(学修時間の目安:準備学習2時間,復習2時間以上)
第4回
投影図,断面図,省略、慣用図法の続き
前週の続きを行う。
投影図、断面図,省略、慣用図法の予習と復習.未完成の課題の作図と提出
(学修時間の目安:準備学習2時間,復習2時間以上)
第5回
寸法記入法
形状を表すために必要な寸法をどのように記入すれば良いのか?について,座学で学び,製図演習により作図する.
寸法記入法の予習と復習.未完成の課題の作図と提出
(学修時間の目安:準備学習2時間,復習2時間以上)
第6回
サイズ公差と幾何公差
寸法に許容される公差はどのように表現すれば良いのか?幾何学的な位置関係は?について,座学で学び,製図演習により作図する.
寸法公差、普通公差、幾何公差の予習と復習.未完成の課題の作図と提出
(学修時間の目安:準備学習2時間,復習2時間以上)
第7回
表面性状記号と材料記号他
物体表面の粗さといった表面性状はどのように表現すればよいのか?について座学で学び,製図演習により作図する.
表面性状記号と材料記号他の予習と復習.未完成の課題の作図と提出
(学修時間の目安:準備学習2時間,復習2時間以上)
第8回
表面性状記号と材料記号他 2
前週の図面を完成させる.
表面性状記号と材料記号他の予習と復習.未完成の課題の作図と提出
(学修時間の目安:準備学習2時間,復習2時間以上)
第9回
機械部品①ねじ
六角ボルト・ナットとねじ穴はどのように表現すれば良いのか?について座学で学び,製図演習により作図する.
機械部品①ねじの予習と復習.未完成の課題の作図と提出
(学修時間の目安:準備学習2時間,復習2時間以上)
第10回
溶接記号と材料表記
溶接によって接合される際の継手や溶接方法,物体の材料の表現方法について講義で学び,演習にて体得する.
溶接記号と材料表記の予習と復習.未完成の課題の作図と提出
(学修時間の目安:準備学習2時間,復習2時間以上)
第11回
機械部品②歯車、軸受他
歯車や軸受けはどのように表現するのか,について講義で学び,演習にて体得する.
機械部品②歯車、軸受他の予習と復習.未完成の課題の作図と提出
(学修時間の目安:準備学習2時間,復習2時間以上)
第12回
機械部品③ギヤポンプ
ギヤポンプを題材に複数の部品から構成される機械の図面化方法について講義で学び,演習にて体得する.
機械部品③ギヤポンプの予習と復習.未完成の課題の作図と提出
(学修時間の目安:準備学習2時間,復習2時間以上)
第13回
機械部品③ギヤポンプのアッセンブリー図面
ギヤポンプはどのように機能するのか,公差は機能から考えてどのように設計し表現するのか,について講義で学び,演習にて体得する.
機械部品③ギヤポンプ2の予習と復習.未完成の課題の作図と提出
(学修時間の目安:準備学習2時間,復習2時間以上)
第14回
教科書の標準図面から学び,高度な応用演習
巻末図面にあるプーリやギアシステムなどの標準図面について,応用作図演習を行う.
応用演習の予習と復習.未完成の課題の作図と提出
(学修時間の目安:準備学習2時間,復習2時間以上)
第15回
期末試験
ここまでに学んだ製図法について問う。
しっかり復習し高得点を取ることを期待します.
(学修時間の目安:8時間以上)
第16回
総括
これまでの講義および試験の総括
詳細は授業内で指示します.
(学修時間の目安:8時間以上)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: 20% B: 30% C: 50% D: --%
成績評価法
提出図面の完成度と定期試験で評価する。出席は欠格条件とする。
4回以上の根拠なき欠席、および必須課題の図面が1枚でも未提出であれば不合格とする。
定期試験(中間・期末試験): 100%
出席: 欠格条件
小テスト・授業内レポート: 欠格条件
宿題・授業外レポート: 欠格条件
授業態度・授業への参加度: 欠格条件
受講者の発表(プレゼン): 欠格条件
演習: 欠格条件
ルーブリック等の評価基準
ファイル名
備考
ルーブリック等の評価基準
ルーブリック評価基準-機械基礎製図I.pdf
(注)ルーブリックとは、評価水準である「尺度」と、尺度を満たした場合の「特徴の記述」で構成される評価指標のことを言います。
教科書にかかわる情報
教科書
書名
JISにもとづく標準製図法
ISBN
9784274224164
著者名
大西清著
出版社
オーム社
出版年
2019
備考
「JISにもとづく標準製図法」は,規格に沿う図面を書く上で要点がわかる良書です.JIS規格の内容は広範であり,業務で実際に作図する際には規格本体を参照する必要がありますが,そのためのよい手引きになりますので,しっかりとこの1冊を会得しましょう.
参考書にかかわる情報
参考書
書名
JISにもとづく機械製作図集
ISBN
4274069915
著者名
大西清著
出版社
オーム社
出版年
2014
備考
この参考書は特に購入の必要はありませんが,工学部図書館には数冊準備していますので,応用を学びたい人はぜひ参照してください.
メッセージ
国際規格にもとづいて製図された図面は,形状だけでなく精度や設計機能を伝える一種の「ことば」としても機能します.製図規則は,ことばにおける文法に該当する大事な内容ですので,正しい使い方を学び身につけましょう.
キーワード
機械製図法,標準製図法,JIS, 国際規格,寸法公差,幾何公差,表面性状,機械部品図面,実務家教員
持続可能な開発目標(SDGs)
(貧困)あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる。
(飢餓)飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。
(水・衛生)すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。
(エネルギー)すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する。
(持続可能な都市)包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する。
(持続可能な生産と消費)持続可能な生産消費形態を確保する。
関連科目
機械基礎製図Ⅱ,機械設計論
履修条件
連絡先
電子メール 古賀:koga アット yamaguchi-u.ac.jp,国次:kkou アット yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
オフィスアワー(古賀) 毎週水曜日 15:00-17:00
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