タイトル

開講年度 開講学部等
2025 工学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期 月3~4 講義 1.0
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1061130180 流体工学II[Fluids Engineering II] 日本語 2
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
蒋 飛[SHO Hi]
担当教員[ローマ字表記]
蒋 飛 [SHO Hi]
特定科目区分   対象学生 生体・ロボット 対象年次 3~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
流体工学Ⅱにおいては、流体現象の解析に対して数理解析的な能力の取得に重点を置いていいます。
解析に基づく運動方程式を学び、その近似解を得ることで流れを理解する方法を学習します。
目標とするテーマは流体から働く力であり、物体に働く抗力と揚力、その要因となる境界層の基本を学びます。
授業の到達目標
この授業では、ベクトル解析の微積分を流体力学に応用し、加速度、変形、回転の理解や、完全流体の運動方程式の特徴を把握すること、さらに流れの表現方法(流線、流跡線、流脈線)や流れ関数の利用を学び、厳密解・数値解・境界層近似解への理解を深めることを目指します。また、運動方程式の解を導く過程で条件設定や微分方程式の簡略化手法を習得し、課題に対して独自の考えや手法を取り入れながら積極的に取り組む姿勢を養います。最後に、対象とする流れに適切な条件を設定し、微分方程式を簡略化し解を導く実践的な技能を身につけることが求められます。
授業計画
【全体】
抗力や揚力は流体工学において最も重要な力であることを把握し、それを左右するのは境界層であることを理解する。
境界層の予測と制御を行う最善のツールは微分方程式であり、流体の運動を微分方程式に基づいて表現する方法を習得する。
流体の運動方程式は非線形であり、流れに適当な条件を設定することで解析解を導く手法を理解し、修得する。
最終的には境界層方程式と相似性の考えにより、摩擦抵抗を予測する解の導出を行う。
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 物体に働く流体力と流れの状態 円柱周りの流れを取り上げ、抗力および揚力の表現とレイノルズ数による変化を確認する。円柱周りの流れによる抗力が流れの状態に依存すること、大きな影響を及ぼす流れのはく離が境界層によることを理解する。
授業内課題を解いて次回の講義までに提出(学修時間の目安:4時間以上)
第2回 連続体としての流体とベクトル解析の基礎 連続体としての流体について、速度および圧力をベクトル量およびスカラー量として定義し、ベクトル解析の基本を用いて演算することを理解する。
第3回 オイラーの観測方法と質量保存則 オイラーの観測方法による運動の記述において、物質微分を理解し、質量保存則に適用することで連続の式が得られることを学ぶ。
第4回 流体運動量の式(運動量保存則) 一般化した流体の運動量の方程式(運動量保存則)を理解する。
第5回 粘性流体に働く応力及びナビエ‒ストークス方程式の導出 粘性流体に働く応力及びナビエ‒ストークス方程式の導出について解説する。
第6回 粘性流体の厳密解 ハーゲンポアズイユ流、クエット流など、平行流近似により厳密解が得られることを学び、厳密解に基づき摩擦抵抗係数などの基本量を算出できることを理解する。
第7回 相似則及びオイラーの運動方程式(完全流体) 流体の相似則について理解する。体積力と面積力という2種類の外力を理解し、運動量保存則としてのオイラーの運動方程式を理解する。
第8回 前半のまとめ(中間試験) 物体の作用する流体力、運動の表現、物質微分、連続の式、運動方程式とベルヌーイの定理について、ここまでの学習成果を確認する。 不正解であった問いについて、原因を確認し、今後の学習に役立てる。
第9回 完全流体及びポテンシャル流れ 完全流体及びポテンシャル流れの違いについて解説する。無回転流れの表現方法を理解する。 授業内課題を解いて次回の講義までに提出(学修時間の目安:4時間以上)
第10回 流線の数学表現及びポテンシャル関数と流れ関数 流線の数学表現及びポテンシャル関数と流れ関数について解説する。流れ関数と流量の関係を理解する。
第11回 乱流の取り扱い及びレイノルズ方程式の導出 乱流の取り扱い及びレイノルズ方程式の導出について解説する。レイノルズ平均を理解する。
第12回 境界層近似 境界層が流体抵抗に重要な意味を成すこと、オーダー解析に基づく境界層近似(薄層近似)と境界層方程式の意義を理解する。
第13回 境界層の基本的性質 運動量厚さ、排除厚さ、壁面せん断応力など、境界層の基本量が速度分布と密接に関係することを理解する。
第14回 カルマンの運動量積分方程式 カルマンの運動量積分方程式の導出を理解し、相似な流れにおいては運動量厚さや摩擦抵抗の理論解が得られることを学ぶ。
第15回 期末試験 ナビエ・ストークスの方程式の厳密解と境界層近似による解析解について、期末試験により理解度を確認する。
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: 10% D: --%
成績評価法
レポート、中間・期末の筆記テストで評価します。
レポート 20%、中間・期末の筆記テスト 80%
教科書にかかわる情報
教科書 書名 工科系流体力学 ISBN 9784320080362
著者名 中村育雄・大坂英雄 出版社 共立出版 出版年 1985
備考
参考書にかかわる情報
備考
メッセージ
数学を多く使用します。課題をこなすことで、修得してください。
最後まで学習を継続することが最も重要です。
キーワード
物体に作用する流体力、抗力と揚力、偏微分方程式、粘性流体、ナビエ・ストークスの式、厳密解、クエット流れ、境界層
持続可能な開発目標(SDGs)

  • エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 働きがいも経済成長も
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • つくる責任つかう責任
(エネルギー)すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する。
(経済成長と雇用)包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する。
(インフラ、産業化、イノベーション)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
(持続可能な生産と消費)持続可能な生産消費形態を確保する。
関連科目
工業数理、流体工学I、航空原動機
履修条件
連絡先
0836-85-9148
fjiang@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
お昼休み 12:00-13:00

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