タイトル

開講年度 開講学部等
2025 工学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期 月3~4 講義 1.5
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1061330780 高分子化学Ⅱ[Polymer ChemistryⅡ] 日本語 2
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
堤 宏守[TSUTSUMI Hiromori]
担当教員[ローマ字表記]
堤 宏守 [TSUTSUMI Hiromori]
特定科目区分   対象学生   対象年次 3~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
(1)高分子化合物を材料という観点から捉える場合に必要となる基礎的な知識を得られる講義
(2)高分子材料の特色に関する基礎的な知識を得られる講義
(3)最新の高分子材料に関する基礎的な知識(原理、機能等)を得られる講義
授業の到達目標
(1)高分子化合物の特色を説明できる。分子量に分布があること,特徴的な熱的性質(ガラス転移点,融点,熱可塑性・熱硬化性など)に関すること等について説明できる。
(2)高分子化合物の固体構造(結晶性高分子、非晶性高分子等について理解でき,その存在割合の決定方法について述べることができる。
(3)ゴム弾性の内容(エントロピー弾性・エンタルピー弾性)を説明できる。
(4)高分子化合物の粘弾性について簡単なモデルを使って理解,説明ができる。
(5)新しい機能を持つ高分子材料について、その原理、調製方法、応用分野について,いくつか例示できる。
高分子化合物の物性評価に用いる分析方法について、調べたい項目と用いる分析方法の判断ができる。また、なぜ、その分析方法で良いかを考え、説明できる。
現在使用されている高分子材料に対する関心を広く持つとともに、高分子材料の抱える問題点も意識できる。講義に出席し、質問などをする。
授業計画
【全体】
(1)高分子化学Ⅰの復習から始め、主に高分子化合物の化学構造に関連する話題及び高分子材料の固体構造について講述する。
(2)後半は、先端科学分野における高分子材料の役割などを中心に講述する。
(3)講義時間内に演習等を実施し、それを出欠確認にも用いる。
(4)演習などを宿題として課すこともある。
(5)Moodleを使って、講義の概要を動画で見て事前学習することを課します。(動画20分程度+事前演習20分程度をしていることを前提に講義を行う。)
(6)講義実施の詳細は、Moodle上に掲載予定です。それをよく読んで受講してください。
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 高分子化学の復習及び高分子化合物の固体構造 高分子材料の多様性やビニル化合物が重合してできるポリマーの構造を理解する。さらに高分子化合物の固体構造の概要を学ぶ。
【Key Words】高分子化合物の定義,汎用高分子化合物の構造,合成高分子化合物の調製方法,高分子の単結晶,伸びきり結晶,球晶,非晶質(アモルファス)
 高分子化学Ⅰの復習をしっかりして来て下さい。
Moodle上の小テストを確実に受験すること。(事前学習ビデオ視聴、小テスト受験、提出レポート作成で計4時間)
第2回 高分子化合物の分子量 高分子化合物における分子量の考え方、分子量分布、について学ぶ。
【Key Words】数平均分子量、重量平均分子量、分子量分布、分散度
演習を宿題とすることもある。Moodle上の小テストを確実に受験すること。(事前学習ビデオ視聴、小テスト受験、提出レポート作成で計4時間)
第3回 高分子化合物の分子量測定方法 高分子化合物の分子量測定の方法について、その原理、得られる値の特徴、限界などについて学ぶ。
【Key Words】粘度、サイズ排除クロマトグラフィー、MALDI-TOFMASS
演習を宿題とすることもある。
Moodle上の小テストを確実に受験すること。(事前学習ビデオ視聴、小テスト受験、提出レポート作成で計4時間)
第4回 高分子化合物の熱分析 高分子化合物の熱的な性質を知るための測定方法(熱分析)について学ぶ。熱分析は、様々な材料の熱的な特性を知るために広く用いられており、その原理、データの見方、データから分かることなどを中心に学ぶ。
【Key Words】結晶化度の考え方と測定方法,熱分析,示差走査熱量測定,示差熱分析
演習を宿題とすることもある。
Moodle上の小テストを確実に受験すること。(事前学習ビデオ視聴、小テスト受験、提出レポート作成で計4時間)
第5回 高分子材料の固体構造(特にガラス転移について学ぶ) 高分子化合物の非晶質部分のガラス転移について、基礎的な理解を深めると共に、ガラス転移点の決定方法やガラス転移点と高分子材料が利用される場面の適合性を学ぶ。
【Key Words】ガラス転移点、DSC、比容
演習を宿題とすることもある。
Moodle上の小テストを確実に受験すること。(事前学習ビデオ視聴、小テスト受験、提出レポート作成で計4時間)
第6回 高分子材料の力学的特性(応力-ひずみ曲線から分かること) 一般的な材料に変形を加えた際の特性について学ぶ。特に応力-ひずみ曲線の見方、そこから分かることを学ぶ。
【キーワード】応力,ひずみ,応力-ひずみ曲線
演習を宿題とすることもある。
Moodle上の小テストを確実に受験すること。(事前学習ビデオ視聴、小テスト受験、提出レポート作成で計4時間)
第7回 高分子材料の粘弾性について(その1) モデルによる粘弾性の理解を中心に学ぶ。
【Key Words】スプリングとダッシュポット,Maxwell模型,Voigt模型,応力緩和,クリープ
演習を宿題とすることもある。
Moodle上の小テストを確実に受験すること。(事前学習ビデオ視聴、小テスト受験、提出レポート作成で計4時間)
第8回 高分子材料の粘弾性について(その2) 動的粘弾性について学ぶ。
【Key Words】動的粘弾性,複素弾性率,貯蔵弾性率,損失弾性率
演習を宿題とすることもある。
Moodle上の小テストを確実に受験すること。(事前学習ビデオ視聴、小テスト受験、提出レポート作成で計4時間)
第9回 実際の高分子材料の力学的変形 前回までに学んだ高分子材料の力学的変形が実際の材料では、どのように現れるかについて学ぶ。また、力学的変形の測定方法についても学ぶ。
【Key Words】応力-ひずみ曲線、引張試験機
演習を宿題とすることもある。
Moodle上の小テストを確実に受験すること。(事前学習ビデオ視聴、小テスト受験、提出レポート作成で計4時間)
第10回 ゴム材料について 日常生活において幅広く利用されているゴムも高分子材料の1つです。このゴムの持つ性質について学ぶ。
【Key Words】エントロピー弾性,エンタルピー弾性,免震ゴム
演習を宿題とすることもある。
Moodle上の小テストを確実に受験すること。(事前学習ビデオ視聴、小テスト受験、提出レポート作成で計4時間)
第11回 高分子ゲル 高分子ゲルの種類、特徴、応用について学ぶ。特に超吸水性樹脂の原理や応用について学ぶ。
【Key Words】高分子ゲル、化学ゲル、物理ゲル、ゲルの応用
演習を宿題とすることもある。
Moodle上の小テストを確実に受験すること。(事前学習ビデオ視聴、小テスト受験、提出レポート作成で計4時間)
第12回 高分子材料の成形加工 高分子材料を加工する方法について学ぶ。特に工業的に高分子材料を成形加工する方法を学ぶ。
【Key Words】圧縮成形、トランスファ成形、ブロー成形、押出成形、射出成形
演習を宿題とすることもある。
Moodle上の小テストを確実に受験すること。(事前学習ビデオ視聴、小テスト受験、提出レポート作成で計4時間)
第13回 導電性高分子材料 電気を運ぶ高分子材料としての導電性高分子化合物の原理と応用例について学ぶ。
【Key Words】ポリアセチレン,ポリアニリン、ドープ、自己ドープ型高分子材料
演習を宿題とすることもある。
Moodle上の小テストを確実に受験すること。(事前学習ビデオ視聴、小テスト受験、提出レポート作成で計4時間)
第14回 高分子材料と環境問題 高分子材料が抱える環境問題とその解決に向けた取り組みについて学ぶ。
【Key Words】ライフサイクルアセスメント、生分解性高分子材料、マイクロプラスチック
演習を宿題とすることもある。
Moodle上の小テストを確実に受験すること。(事前学習ビデオ視聴、小テスト受験、提出レポート作成で計4時間)
第15回 ポリマー電解質の原理とその応用 高分子材料の応用例として、ポリマー電解質について解説する。ポリマー電解質がなぜ必要なのか、どのような高分子化合物がポリマー電解質に適しているか、に特に注目して学ぶ。また、これらの材料の応用についても学ぶ。
【Key Words】ポリマー電解質、二次電池、ガラス転移点
演習を宿題とすることもある。
Moodle上の小テストを確実に受験すること。(事前学習ビデオ視聴、小テスト受験、提出レポート作成で計4時間)
第16回 定期試験 講義内容につい筆記試験を行う。
※各種感染症の拡大状況によっては、オンライン試験やレポートなどで最終試験とする場合もある。
これまでの学習内容を復習して試験に臨むこと。
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: 15% D: --%
成績評価法
Moodleに設定している小テスト(出席確認を兼ねる)5%、各時間のレポート(宿題)20%、学期末の筆記試験 75%にて評価する。なお、欠席(小テストが未受験)が4回以上の場合は、欠格条件とする。
※詳細は、Moodleに掲載されている講義の受講方法などの資料を参照のこと。
教科書にかかわる情報
教科書 書名 高分子化学 ISBN 9784785332273
著者名 西敏夫 [ほか] 著 出版社 裳華房 出版年 2016
備考
教科書は、高分子化学Ⅰと同じ教科書を使います。(高分子化学Ⅰで履修しなかった部分を主に講義します。)
なお、講義時間内に使用するパワーポイントの内容は、修学支援システムからダウンロードして、各自印刷して、講義の際に持参すること。修学支援システムの使い方については、マニュアルがあるので熟読しておくこと。
参考書については、以下の通り。
参考書にかかわる情報
参考書 書名 基本高分子化学 ISBN 9784782706749
著者名 柴田充弘著 出版社 三共出版 出版年 2012
参考書 書名 高分子の化学 ISBN 9784782705445
著者名 北野博巳, 功刀滋編著 ; 宮本真敏 [ほか] 共著 出版社 三共出版 出版年 2008
参考書 書名 基礎高分子科学 ISBN 4807906356
著者名 高分子学会 出版社 東京化学同人 出版年 2006
備考
メッセージ
「高分子化学Ⅰ(必修科目)」をしっかり理解しておいてください。ある程度,復習も行いますが,基本的には,「高分子化学Ⅰ」の内容を理解していると考え,講義を進めます。
成績不良による追加の試験は実施しないので、毎回の講義に真摯に取り組むと共に、試験に際しても十分に勉強すること。
キーワード
高分子 機能高分子 高分子材料 高分子物性 高分子材料の基礎物性 高分子材料の粘弾性 高分子の結晶構造、非晶構造
持続可能な開発目標(SDGs)

  • 質の高い教育をみんなに
  • エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
(教育)すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
(エネルギー)すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する。
(インフラ、産業化、イノベーション)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
関連科目
高分子化学Ⅰ、有機化学、物理化学の関連する部分など
履修条件
高分子化学Ⅰで学んだ内容を十分に理解していることを前提とする。
連絡先
修学支援システムあるいはメールを利用して連絡すること。メールの宛先は、tsutsumi_at_yamaguchi-u.ac.jp (_at_は、@に変えて送信すること)です。また、こちらからの各種連絡も、修学支援システムを利用するので、大学から付与されたメールを毎日必ず確認すること。
オフィスアワー
特に指定しないが、事前にメールなどで問い合わせしてください。(基本的には、水曜日の午後を予定しています。)

ページの先頭へ