開講年度
開講学部等
2025
工学部
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期
木5~10
実験・実習
10.0
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
1061330890
応用化学実験Ⅲ[Applied Chemistry Laboratory Ⅲ]
日本語
2
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
山吹 一大[YAMABUKI Kazuhiro]
ー
担当教員[ローマ字表記]
山吹 一大 [YAMABUKI Kazuhiro], 鬼村 謙二郎 [ONIMURA Kenjiro], 岡本 浩明 [OKAMOTO Hiroaki], 西形 孝司 [NISHIKATA Takashi], 川本 拓治 [KAWAMOTO Takuji], (未 定)
特定科目区分
対象学生
対象年次
3~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
有機化学および高分子化学を専門とした教員による化学実験を通して、有機合成・解析および高分子合成・解析に関連した基本操作を修得し、講義などで習った有機化学および高分子化学の理解を深めることを目的とする。
授業の到達目標
①それぞれの実験内容に対する理解、起こっている反応、実験操作の持つ意味などをきちんと理解できる。
②有機実験における危険性についても理解し、正しい実験操作を身に付けることができる。
③実験器具の取り扱いなど実験操作に対して、その操作の持つ意味を理解し、実験操作などに対して適切な判断ができる。
④有機実験での危険性を自らが察知し対応する能力を養うことができる。
⑤実験の内容などに対して興味や疑問を持ち積極的に実験に取り組むことができるようになる。
⑥実験操作や実験結果の記録など、実験中の作業に対して、積極的かつ適性に行うことができる。
⑦安全に配慮した実験(実験時の服装、実験操作などが適切)ができる。
⑧実験操作が適切にできる。
⑨実験結果の発表および説明が論理的に行うことができる。
授業計画
【全体】
・本実験は複数の教員が担当し、各担当の有機化学に関する実験を行います。
・前半の週では有機化学実験において必要な基本操作を実施します。
・後半の週では、有機化学関連の講義でで習った有機反応(重合反応)を実際に実施し、知識と技術のすり合わせ(総合理解)を行ってもらいます。
・実験は全ての班が同時に同じ実験を行わないので、実験のテーマは必ずしもシラバスの順番で実施されません。事前に自分が担当する実験の日程を確認しておいてください。
・班分け、実施テーマの順番などは、最初のガイダンスの時間または後日連絡します。
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
有機合成化学および高分子合成化学に関連した実験における注意事項及び,実験室の安全事項の確認などのガイダンス
実験の概要説明,レポート作成と提出における注意点,安全上の注意点などを説明するので必ず出席すること。
【Key Word】実験室における安全の心得,試薬の取り扱い,各実験のガイダンス
参考図書「実験・実習における安全の手引」の化学薬品の取扱いと応用化学科の項を理解してくる。(学習時間4時間)
第2回
有機合成における基本操作(1)
有機化学実験における基本操作:抽出,蒸留,薄層クロマトグラフィー
抽出,蒸留,薄層クロマトグラフィーを行う際のポイントをレポートにまとめておく。グループにより行う実験が異なるので掲示に注意する。(学習時間4時間)
第3回
有機合成における基本操作(2)
有機化学実験における基本操作:ろ過,再結晶,融点測定
ろ過,再結晶,融点測定を行う際のポイントをレポートにまとめておく。グループにより行う実験が異なるので掲示に注意する。(学習時間4時間)
第4回
有機合成における基本操作(3)
薄層クロマトグラフィー
薄層クロマトグラフィーを行う際のポイントをレポートにまとめておく。(学習時間4時間)
第5回
Thiamine catalyzed Benzoin Condensation
アルデヒドのベンゾイン縮合によりベンジルを合成する。合成したベンジルは次週の反応に用いる。またTLC(薄層クロマト)の使い方を学ぶ。
英語テキストの操作を良く読み,実験ノートを作成・そのコピーを前日までに提出すること。実験後のレポートをきちんと作成すること。(学習時間4時間)
第6回
1. Nitric Acid Oxidation of Benzoin Derivatives yielding Benzil 2.Borohydride Reduction of Benzil derivatives
合成したベンゾインを酸化し、ベンジルを合成する。合成したベンジルは次に還元を行う。2週にわたって連続反応を学ぶ。
英語テキストの操作を良く読み,実験ノートを作成・そのコピーを前日までに提出すること。実験後のレポートをきちんと作成すること。(学習時間4時間)
第7回
1. Griess Reaction 2. Suzuki-Miyaura Cross-Coupling Reaction
2段階反応を学ぶ。アニリン誘導体からヨウ化物を合成し、続いて合成したヨウ化物をPd触媒クロスカップリングに用いる。
英語テキストの操作を良く読み,実験ノートを作成・そのコピーを前日までに提出すること。実験後のレポートをきちんと作成すること。(学習時間4時間)
第8回
アルドール縮合によるジベンザルアセトンの合成
アルドール縮合によりジベンザルアセトンを合成する際に必要な一般的実験操作方法,濾過および融点測定に関する操作方法,および用いる試薬の危険性について習得する。さらに,ベンズアルデヒドとアセトンとのアルドール縮合により,ジベンザルアセトンを合成し、再結晶による精製を行う。
テキストの内容と実験操作法を理解しておくこと。実験操作の順番は覚えておくこと。
中間体のジアゾニウム塩の性扱う有機化合物の化学物質安全性データシート(MSDS)と目的物の融点,色,形状について調べておくこと。(学習時間4時間)
第9回
アセチルサリチル酸(アスピリン)の合成
アスピリン合成に必要な一般的実験操作方法および用いる試薬の危険性について習得する。サリチル酸と無水酢酸との反応によりアスピリンの粗生成物を合成し、再結晶による精製を行う。得られた生成物の融点を測定する。
テキストの内容と実験操作法を理解しておくこと。実験操作の順番は覚えておくこと。
中間体のジアゾニウム塩の性扱う有機化合物の化学物質安全性データシート(MSDS)と目的物の融点,色,形状について調べておくこと。(学習時間4時間)
第10回
化学反応の検索・調査
原著論文の調査法や化学データベース(SciFinder)の利用法 について習得する。またそれらを用いて合成計画を立案する。
予習・レポート作成((学習時間;4時間)
第11回
Diels-Alder反応
Diels-Alder反応を用いて複雑な骨格の化合
物を合成する。
英語テキストの和訳および実験操作を良く理解して,実験ノート
を作成し前日までに提出すること。実験後のレポートをきちんと作成すること。
また、扱う有機化合物の性質を化学物質安全性データシート(MSDS)にて調べておくこと。(学習時間4時間)
第12回
スチレンとメタクリル酸メチルの共重合
汎用ビニルモノマーであるスチレンとメタクリル酸メチルを用いたラジカル共重合による高分子の合成
テキストの内容と実験操作法を理解しておくこと。テキストの注意事項に従い,スチレンとメタクリル酸メチルの仕込量を計算してくること。(学習時間4時間)
第13回
酢酸ビニルの乳化重合
ラウリル硫酸ナトリウムを乳化剤,ラジカル
開始剤としてアゾイソブチロニトリル(AIBN)を用いた酢酸ビニルの乳化重合を行う。またポリマーの精製方法を習得する。
テキストの内容と実験操作法を理解しておくこと。実験操作の順番は覚えておくこと。ガラス細工の項も熟読しておくこと。(学習時間4時間)
第14回
ガスクロマトグラフィーについて
ガスクロマトグラフィーについて 有機合成や分析化学で利用される種々のクロマトグラフィーの原理,操作方法を学び,有機化合物の定量分析を行うために必要な検量線の作成方法を理解する。
テキスト及び参考図書のガスクロマトグラフィーの項を読んでおくこと。(学習時間4時間)
第15回
レポート提出
返却されたレポートの見直しや再修正を行う。
レポートの見直し・修正(学習時間4時間)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: 30% B: 10% C: 60% D: --%
成績評価法
各実験のレポートで評価します。(レポート100%)
教科書にかかわる情報
備考
基礎有機化学・高分子化学実験:堤 宏守,鬼村謙二郎,西形孝司,岡本浩明,川本拓治,山吹一大,大和志帆共著;児玉印刷;2025年
参考書にかかわる情報
備考
実験・実習における安全の手引,山口大学工学部安全・衛生委員会,
参考書備考:上記参考書は購入必須ではありませんが、実験やレポート作成時に参考になります。図書館などにある有機化学や高分子化学の教科書なども参考にしてください。
メッセージ
有機試薬には,危険なものも多いので,白衣,保護眼鏡を必ず持参,実験室内では必ず着用のこと。長髪の者は,くくるなどして危険の無いように身支度してくること。その他,安全に実験を行える支度をしてくること(サンダル,下駄,安定性の悪い靴などは,厳禁)。実験室では,飲食厳禁。
安全に実験を行うことのできる服装などが準備できていない状態で出席した場合には,実験の実施を禁止します。
キーワード
有機化学,高分子化学,合成実験,有機薬品,安全,実験操作,求核置換反応,求電子付加反応,ジアゾ化反応,Sandmeyer反応,アルドール反応,還元反応,ラジカル重合,乳化重合,共重合, ベンゾイン縮合, クロスカップリング
持続可能な開発目標(SDGs)
(水・衛生)すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。
(エネルギー)すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する。
(持続可能な生産と消費)持続可能な生産消費形態を確保する。
(気候変動)気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる。
(海洋資源)持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。
(陸上資源)陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する。
関連科目
有機化学,高分子化学に関連した科目
履修条件
連絡先
各教員に問い合わせること
(応化実験Ⅲマネージャー;山吹一大 yamabuki@yamaguchi-u.ac.jp)
オフィスアワー
各教員に問い合わせること
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