タイトル

開講年度 開講学部等
2025 工学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期 木3~4 講義 1.5
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1061720050 環境分析化学[Environmental Analytical Chemistry] 日本語 2
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
遠藤 宣隆[ENDO Nobutaka]
担当教員[ローマ字表記]
遠藤 宣隆 [ENDO Nobutaka]
特定科目区分   対象学生   対象年次 2~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
我々の周囲に起きている環境問題を把握するためには、環境試料の化学分析は不可欠である。本講では、正確な化学物質の分析・計測を行うために必要な分析化学の基礎として、溶液内の様々な現象の理論的取り扱いを、平衡論を中心に講義する。さらにそれらを利用した種々の分析法やデータの取り扱いについても説明する。
授業の到達目標
・化学平衡(質量作用の法則、濃度バランス、電荷バランス)を理解する。
・酸塩基、錯形成、酸化還元、溶解平衡を理解し、溶液濃度を導くことができる。
・データの取扱い方を理解する。 ・物質がどのようにして媒質中に溶解してゆくか、そして、どのような状態で存在するかをイメージできる。
・速度論および熱力学的アプローチから化学平衡のようすを描くことができる。
・酸塩基、錯形成、酸化還元、溶解平衡を一貫して理解する。 ・実験で観察される種々の現象と化学平衡および溶液中の物質の形態との関係について関心を持つ。
・周囲にあふれる「濃度」表示に関心を向け、その影響の大きさについて考察できる。 ・講義を静粛に聴講し、その理解に努める。
・必要に応じて意見交換や調査を自発的に行い、自分の意見を発展させることができる。
・質問等に対して、これまでに学んだ知識を用いて、容易な言葉で説明・表現できる。
・必要なときに、適切な方法を用いて調査・報告できる(文献・webなどで)。
授業計画
【全体】
溶液濃度の表し方を演習形式で学ぶ。続いて、物質の溶解、溶液の性質、化学平衡のすがた、酸塩基平衡について詳しく講義する。中間試験を実施した後、中和滴定、溶解平衡、錯形成平衡、酸化還元平衡について説明する。最後に分析結果の評価について講義する。
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 イントロダクション 講義の目標と進め方、成績評価の方法について説明を行う。 関数電卓を準備しておくこと。
授業計画に沿って、十分に準備学習を行うこと。
(学修時間の目安:4時間以上)
第2回 溶液の濃度
環境分析化学の概要
溶液濃度の算出法について学ぶ。
本講義の学問的位置づけについて説明し、分析の基礎概念について講義する。
濃度の定義について高校のテキスト・問題集などで復習しておくこと。
配布した講義資料や参考書を参照し準備学習 2 時間と復習2 時間を行う。
第3回 物質の溶解と溶液の性質 物質の溶解,水の特異性,電解質,活量などについて講義する。 配布した講義資料や参考書を参照し準備学習 2 時間と復習2 時間を行う。
第4回 溶液内化学平衡 化学平衡の概念について講義し、平衡定数の計算を学ぶ。 配布した講義資料や参考書を参照し準備学習 2 時間と復習2 時間を行う。
第5回 酸と塩基 アレニウス、ブレンステッドの酸・塩基の定義および強さについて講義する。 配布した講義資料や参考書を参照し準備学習 2 時間と復習2 時間を行う。
第6回 酸と塩基の平衡 強酸,強塩基,弱酸,弱塩基を含む溶液の化学平衡の扱いについて講義する。 配布した講義資料や参考書を参照し準備学習 2 時間と復習2 時間を行う。
第7回 緩衝液と多価の酸・塩基の平衡 緩衝液、および段階的に解離する酸と塩基を含む溶液の化学平衡の扱いについて講義する。 配布した講義資料や参考書を参照し準備学習 2 時間と復習2 時間を行う。
第8回 酸塩基反応の応用 平衡定数の式を用いた滴定曲線等の図式的表現と、酸塩基滴定について講義する。 配布した講義資料や参考書を参照し準備学習 2 時間と復習2 時間を行う。
第9回 総合演習(中間試験) ここまでの内容に基づいた問題を解くことで、習熟を確認する。 講義内で指定した範囲の講義について復習しておくこと。
(学修時間の目安:4時間以上)
第10回 沈殿平衡(1) 物質の溶解度と溶解度積,溶解平衡について講義する。 配布した講義資料や参考書を参照し準備学習 2 時間と復習2 時間を行う。
第11回 沈殿平衡(2) 物質の溶解に与える種々の影響、および沈殿滴定ついて講義する。 配布した講義資料や参考書を参照し準備学習 2 時間と復習2 時間を行う。
第12回 錯形成平衡 錯形成反応,安定度定数などについて講義する。 配布した講義資料や参考書を参照し準備学習 2 時間と復習2 時間を行う。
第13回 酸化還元平衡 酸化,還元反応やイオン化傾向,標準電極電位について講義する。 配布した講義資料や参考書を参照し準備学習 2 時間と復習2 時間を行う。
第14回 誤差と分析データの処理 実験データの取り扱いや誤差、有効数字などについて講義する。 配布した講義資料や参考書を参照し準備学習 2 時間と復習2 時間を行う。
第15回 演習 ここまでの内容に基づいた講義内容・問題を復習することで、習熟を深める。 講義内で指定した範囲の講義について復習しておくこと。
(学修時間の目安:4時間以上)
第16回 期末試験 ここまでの内容に基づいた問題を解くことで、習熟を確認する。 講義内で指定した範囲の講義について復習しておくこと。
(学修時間の目安:4時間以上)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: 15% D: --%
成績評価法
小テスト10%、中間試験40%、期末試験50%
教科書にかかわる情報
教科書 書名 溶液内イオン平衡と分析化学 ISBN 4621076000
著者名 小倉興太郎 出版社 丸善 出版年 2005
備考
授業はパワーポイントの資料を中心に進める。必要に応じて教科書を参照する。
参考書にかかわる情報
参考書 書名 分析化学の基礎 ISBN 4320042956
著者名 佐竹正忠他 出版社 共立出版 出版年 1994
参考書 書名 分析化学演習 ISBN 9784782702994
著者名 庄野監修 出版社 三共出版 出版年 1993
参考書 書名 分析化学-溶液反応を基礎とする- ISBN 4782702809
著者名 大橋弘三郎、小熊幸一、鎌田薩男、木原壯林 出版社 三共出版 出版年 1992
備考
メッセージ
対数計算を行うので、関数電卓を必ず持ってくること。
講義中はスマートフォンのアプリなどでも構わないが、中間・期末試験では通信機器の持ち込みを認められないので、関数電卓を用意しておくこと。
キーワード
溶液内化学平衡、酸塩基平衡、溶解平衡、錯形成平衡、滴定
持続可能な開発目標(SDGs)

  • 安全な水とトイレをみんなに
  • 海の豊かさを守ろう
(水・衛生)すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。
(海洋資源)持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。
関連科目
無機化学、環境物理化学I
履修条件
連絡先
E-mail:n-endo@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
主に授業後(木曜12:00~)に対応します
その他の時間でも随時質問等に対応しますが、事前にメール等で連絡してください。

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