開講年度
開講学部等
2025
工学部
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期
金7~8
講義
3.0
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
1061720130
移動現象論[Transport Phenomena]
日本語
2
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
佐伯 隆[SAEKI Takashi]
ー
担当教員[ローマ字表記]
佐伯 隆 [SAEKI Takashi]
特定科目区分
対象学生
対象年次
2~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
本授業は、以下の三つができるようになることを目的とする。
1)次元と単位 特にSI単位を理解する。無次元数など単位の換算をできるようにする。
2)移動現象の基礎項目を学習し、その役割と重要性を理解する。
3)移動現象論の専門用語を理解するとともに、一部、その英語を覚える。
移動現象論は我々の身の回りの科学現象や人類の生産活動、また周辺地域の自然現象から地球規模の現象など、様々な分野に関わる運動量の移動、熱の移動、物質の移動を取り扱う学問である。本講義では移動現象の基本的な理解に加え、化学・生物反応を伴う装置や設備、また環境浄化設備における基礎的な移動現象を理解し、その設備を構成する個々の装置の解析や設計のために必要な知識を伝授するものである。講義内演習は、実務経験のある教員が問題を課し、解説する。
授業の到達目標
1)物質・熱収支の概念を理解する。
2)流動、伝熱の基礎を理解する。
1)簡単なプロセスについての物質・熱収支が取れるようになる。
2)流動、伝熱現象をもとなう装置について、簡単な設計が行えるようになる。
身の回りの流体や伝熱を扱う装置に注目し、これらが化学工学的な技術によって設計されていることに気づく。
問題の答えを収集し、これを丸暗記する「作業」になることのないよう、移動現象を理解し、そのうえで実用的な設計の基礎となる問題を解くことによって、力をつける。
授業計画
【全体】
授業の前半は移動現象の概要、物質収支、熱収支について学ぶ。以上の範囲について中間試験を行う。後半は流動、伝熱について学び、この範囲で期末試験を行う。
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
本講義について
物性を表す単位について
移動現象論とは。
国際単位系(SI)について。
濃度計算の演習。
教科書を必ず購入し、授業に忘れずに持ってくること。(目安時間:4時間
第2回
SI単位について。
物質収支(1)
SI単位の演習
物質の出入りを扱う。
授業で配布した単位については確実に理解し、使えるようにすること。(目安時間:4時間)
第3回
物質収支(2)
物質収支のとりかたを学習し簡単なプロセスの物質収支を取る。
授業で解いた問題を再確認し、教科書や補助教材の演習問題を1問以上解き、ノートに書く。(目安時間:4時間)
第4回
物質収支(3)
リサイクルを伴うプロセスの物質収支を学習する。
授業で解いた問題を再確認し、教科書や補助教材の演習問題を2問以上解き、ノートにまとめる。(目安時間:4時間)
第5回
物質収支(4)
化学反応を伴うプロセスの物質収支について学習する。
授業で解いた問題を再確認し、教科書や補助教材の演習問題を1問以上解き、ノートにまとめる。(目安時間:4時間)
第6回
物質収支のまとめ
エネルギー収支のとり方と、その応用。
これまでの講義でわからなかったところを整理し、中間演習に備える。(目安時間:4時間)
第7回
中間演習
1〜6回目までの範囲について、演習をする。
授業で解いた問題を再確認し、教科書や補助教材の演習問題でできなかったところを確実に理解する。(目安時間:4時間)
第8回
流動1
ニュートンの粘性法則と無次元数レイノルズ数を学習する。流れの状態(層流と乱流)を理解する。
授業で解いた問題を再確認し、教科書や補助教材の演習問題を1問以上解き、ノートにまとめる。(目安時間:4時間)
第9回
流動2
流体摩擦係数について学ぶ。
授業で解いた問題を再確認し、教科書や補助教材の演習問題を1問以上解き、ノートにまとめる。(目安時間:4時間)
第10回
流動3
流量と圧力の関係
授業で解いた問題を再確認し、教科書や補助教材の演習問題を1問以上解き、ノートにまとめる。(目安時間:4時間)
第11回
伝熱1
伝熱基礎(フーリエの法則)と伝導伝熱を学習する。
授業で解いた問題を再確認し、教科書や補助教材の演習問題を2問以上解き、ノートにまとめる。(目安時間:4時間)
第12回
伝熱2
対流伝熱と伝熱係数の基礎を学ぶ。
授業で解いた問題を再確認し、教科書や補助教材の演習問題を2問以上解き、ノートにまとめる。(目安時間:4時間)
第13回
伝熱3
熱交換器の原理、種類を学び、設計について学習する。
これまでの講義でわからなかったところを整理し、中間演習に備える。(目安時間:4時間)
第14回
流動・伝熱のまとめ
流動、伝熱に関する問題の演習を行う。
これまでの講義でわからなかったところを整理し、演習2に備える(目安時間:4時間)
第15回
演習2
本講義全体の総括と補足演習を行う
期末試験に備える(目安時間:4時間)
第16回
期末試験
本講義の理解度を図るために試験を行う。
電卓の持ち込みは可。テキストの問題がそのまま出題されるわけではないので、考え方をよく理解しておくこと。(目安時間:4時間)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: 30% D: --%
成績評価法
定期試験は中間と期末の2回で、この両方を合わせ95%とする。
毎回、講義内演習を行うが、これは授業の理解度をチェックするもので、採点対象とはしないが、演習への取り組みを授業態度・授業への参加度として5%の評価とする。
教科書にかかわる情報
教科書
書名
化学工学 解説と演習
ISBN
9784254250336
著者名
多田 豊
出版社
朝倉書店
出版年
2020
備考
教科書は毎回の授業で必ず使うもので、他の必修科目(単位操作Ⅰ)でも使用します。ただし、この教科書は入門書的な内容であり、化学工学の素養を身に付けるには、以下の参考書などの購入も検討してください。
参考書にかかわる情報
参考書
書名
技術者のための化学工学の基礎と実践
ISBN
9784900508569
著者名
化学工学会
出版社
アグネ承風社
出版年
1998
参考書
書名
ベーシック化学工学
ISBN
4759810676
著者名
橋本健治
出版社
化学同人
出版年
2006
備考
化学工学に関する本は図書館に多くあります。この講義に関連する部分は、物質収支、流動、伝熱です。
メッセージ
講義名は難しく感じるかもしれませんが、一般には「化学工学」と呼ばれる領域の一つです。化学反応を伴なう装置の設計に関する学問と理解してください。内容は物理、化学、数学を広く含んでいます。試験管や実験室レベルの発明を工業的に生産し、世に送り出すために重要な役割を担うのが化学工学であり、その理解が省エネルギーや地球に優しい技術の創成に役立ちます。
キーワード
移動現象 輸送現象 化学工学 プロセス 単位操作 流動 伝熱 単位 実務家教員 化学工学技士(基礎)
持続可能な開発目標(SDGs)
(水・衛生)すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。
(エネルギー)すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する。
(インフラ、産業化、イノベーション)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
関連科目
単位操作Ⅰ、環境プロセス設計及び演習
履修条件
連絡先
saeki@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
移動現象論に関わる内容については、当方が空いてるときはいつでもOKです。試験の点が合格基準を満たさないとき、追試験の依頼に来ても対応しません。
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