タイトル

開講年度 開講学部等
2025 工学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期 金7~8 講義  
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1062320970 無機化学Ⅱ[Inorganic ChemistryⅡ] 日本語 2
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
藤森 宏高[FUJIMORI Hirotaka]
担当教員[ローマ字表記]
藤森 宏高 [FUJIMORI Hirotaka]
特定科目区分   対象学生 応化 対象年次 2~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
セラミックスの基礎を理解するために、イオン結合(マーデルングエネルギー)、固体の熱力学と状態図、固体のバンド構造と光と電気伝導性の関係について学ぶ。
(旧科目名:セラミックス化学)
授業の到達目標
物質のナノレベルでの構造と物性(機能)の相関を理解する。それを基に我々の所望とする物性を持つ物質や材料の設計が可能となることを目標とする。具体的にはセラミックスの基礎を理解するために、イオン結合(マーデルングエネルギー)、固体の熱力学と状態図、固体のバンド構造と光と電気伝導性の関係について学ぶ。目標達成のために思考力を重視し、それを問う。よって試験は最終的な答えではなく、それに至った考え方を問う。最終的な答えが間違っていたとしても、それに至る考え方が正しいかどうかを重視する。
授業計画
【全体】
1.イオン結合(マーデルングエネルギー)、2.固体の熱力学と状態図、3.固体のバンド構造-光と電気伝導性の関係、の3項目に渡り、講義を行う。
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 セラミックスとは 原則、遠隔授業(ZOOM)とします。
アクセス先はメールで連絡します。
就学支援システムの「授業支援」-「講義リンク」からも確認できるようにします。
なし
第2回 元素の性質 イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度、イオン結合と共有結合 レポート課題
第3回 イオン結合1 ボルン-ランデの式と格子(マーデルング)エネルギー レポート課題
第4回 イオン結合2 ボルン・ハーバーサイクルによりNaClの格子エネルギーを求める。 レポート課題
第5回 イオン結合3 MgCO3とBaCO3のどちらが分解しやすいか。格子エネルギーを用いて考える。 レポート課題
第6回 イオン結合4 遷移金属の高酸化数はフッ素とヨウ素のどちらにより安定化されるか。格子エネルギーを用いて考える。 レポート課題
第7回 イオン結合5 遷移金属塩化物の酸化数は、原子番号によりどう変化するか。格子エネルギーを用いて考える。 なし
第8回 固体の熱力学と状態図1 ギブスの相律、1成分系の状態図とギブスエネルギーの関係、2成分系状態図の見方、てこの法則、国際温度目盛(ITS90)、超高温 レポート課題
第9回 固体の熱力学と状態図2 ギブスエネルギーと化学ポテンシャルの復習、固溶体のギブスエネルギー(混合エントロピー、理想溶体と正則溶体近似) レポート課題
第10回 固体の熱力学と状態図3 2成分系状態図とギブスエネルギーの関係、準安定平衡状態図(無拡散型相転移、T0線) レポート課題
第11回 固体のバンド構造-光と電気伝導性の関係1 光の波長、光の3原色、色の3原色、放射スペクトル、光の散乱(なぜ空が青いのか、なぜ夕日が赤いのか。実は白い物質は無色透明であること。) レポート課題
第12回 固体のバンド構造-光と電気伝導性の関係2 電気伝導度と色とバンドギャップの関係、n型半導体、p型半導体 なし
第13回 固体のバンド構造-光と電気伝導性の関係3 プラズマ振動。バンドギャップが大きいと、教科書に書いてあるように本当に電気が流れないのか。無色透明な電気伝導体を作るには、どうすればよいか。電子密度、移動度。酸化物セラミックスでp型半導体が見つかっていなかった理由。 レポート課題
第14回 セラミックスのトピックス 学外者による講演、X線回折(リートベルト解析と最大エントロピー法MEM)のいずれか なし
第15回 まとめ 理解の確認 なし
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: --% D: --%
成績評価法
学期末の筆記テスト 90%、レポート 10%、出席 参考資料として利用
教科書にかかわる情報
教科書 書名 シュライバー・アトキンス無機化学(上)( 第6版) ISBN 9784807908981
著者名 M. Weller [ほか] 著 ; 田中勝久 [ほか] 訳 出版社 東京化学同人 出版年 2016
教科書 書名 アトキンス 物理化学(上) 第10版 ISBN 9784807909087
著者名 P. W. Atkins [ほか] 著 ; 中野元裕 [ほか] 訳 出版社 東京化学同人 出版年 2017
備考
プリントを配布します。
参考書にかかわる情報
参考書 書名 フレンドリー無機化学 ISBN 4782704941
著者名 小村照寿 出版社 三共出版 出版年 2008
参考書 書名 無機化学 その熱力学的な取扱い ISBN
著者名 D.A.ジョンソン著、玉虫伶太、橋谷卓成共訳 出版社 培風館 出版年 1970
参考書 書名 透明金属が拓く驚異の世界 ISBN 479733732X
著者名 細野秀雄 出版社 ソフトバンク クリエイティブ 出版年 2006
備考
メッセージ
自然科学を理解するための根幹となる考え方は、学生の時にしか身に着ける機会がないと言えます。
社会人となり、たとえ研究に携わっている職に就いたとしても、そこでは経験値は時間と共に増やせますが、物事の根本となる本質的な考え方を身に着ける機会はほとんどありません。
学生時代を振り返った時に、受講して良かったと思ってもらえる講義を目指して行っています。
キーワード
持続可能な開発目標(SDGs)

  • エネルギーをみんなに そしてクリーンに
(エネルギー)すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する。
関連科目
履修条件
連絡先
fujimori@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
随時、研究室へ。

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