タイトル

開講年度 開講学部等
2025 農学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期集中 卒研・卒論    
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1071727124 卒業論文[Graduation Thesis] 日本語 6
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
執行 正義[SHIGYO Masayoshi]
担当教員[ローマ字表記]
執行 正義 [SHIGYO Masayoshi]
特定科目区分   対象学生   対象年次 4~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
 卒業論文では,教員の指導のもと野菜園芸学の最先端の研究を体験・担当する.授業では,研究テーマを検討するところに始まり,各種野菜を用いた試験計画を設計し,温室、植物工場および研究室での各種実験を実施する.播種に始まり,栽培管理,収穫までの栽培環境の管理を担当しながら,サンプリング調査を通じて,各栽培環境から植物体のデータを収集する.採取したサンプルは,乾物重や葉面積,収量を測定するとともに,化学分析により可溶性炭水化物・アミノ酸含量や分子生物分析により遺伝子発現量のデータ取得に用いる.また,生育期間中,細胞分裂の変化を調査し,作物を観察することで,開花や配偶子形成に関与する遺伝子を決定する.これらデータは,温室・植物工場調査終了後,集計して図や表に結果としてまとめる.さらに,得られた成果に関連する文献を調査し,これまでの研究背景に対して卒業論文研究で得られた成果がどのような位置付けにあるかを考えながら,成果に対し考察を加える.これら成果を文章にまとめることで,卒業論文を完成させる.
授業の到達目標
立案,計画,実施,まとめといった一連の研究の進め方を経験する.
研究成果を文書にて報告することを経験する.
卒論研究で得られた成果を解釈し,文書にて公表する.
研究室の先輩による研究成果を引き継ぎ,新たな知見を加えて後輩へと受け渡す.
担当教員の指導のもとで,自身で研究を立案,計画,実施,まとめて,文書にて報告する.
卒業論文の完成・発表に向けて,コツコツと研究を積み重ねることができる.
授業計画
【全体】
卒業論文では,研究テーマを検討するところに始まり,各種野菜を用いた試験計画を設計し,温室、植物工場および研究室での各種実験を実施する.播種に始まり,栽培管理,収穫までの栽培環境の管理を担当しながら,サンプリング調査を通じて,各栽培環境から作物のデータを収集する.採取したサンプルは,乾物重や葉面積,収量を測定するとともに,化学分析により可溶性炭水化物・アミノ酸含量や分子生物分析により遺伝子発現量のデータ取得に用いる.また,生育期間中,細胞分裂の変化を調査し,植物体を観察することで,開花や配偶子形成に関与する遺伝子を決定する.これらデータは,温室・植物工場調査終了後,集計して図や表に結果としてまとめる.さらに,得られた成果に関連する文献を調査し,これまでの研究背景に対して卒業論文研究で得られた成果がどのような位置付けにあるかを考えながら,成果に対し考察を加える.これら成果はタイトル,要旨,緒言,材料と方法,結果,考察,文献リストの順で卒業論文として記述し公表する.
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 研究テーマの立案 研究テーマとその目的を立案する。 研究室の過去の卒論を読んでみること(4時間)
第2回 研究史の調査 卒論研究に至るまでにどのような関連研究があるのか概観する。 過去の卒論の緒言から研究史を整理してみること(4時間)
第3回 研究方法の検討 温室・植物工場における試験法ならびに成分分析法について検討する 実験書ならびに過去の文献から実験方法を調査する(4時間)
第4回 試験の設計 研究計画法から試験を設計する。 統計のt検定、分散分析、主成分分析を復習する。(4時間)
第5回 温室・植物工場の準備 温室や植物工場内の試験用プロットを実測して、光環境を確認する。ポット栽培や水耕栽培用の液肥を調整するとともに、潅水システムを起動する。 試験設計図を作成し、光量や窒素・リン酸・カリウムの施肥量を計算しておく(4時間)
第6回 播種・試験区の設置 温室・植物工場内で試験区の栽培培地の状況を確認し、発芽床を整備して播種する。 種子を準備し、袋に小分けしておく(4時間)
第7回 施設の管理・整備 試験植物の発芽後、生育良好な実生を育苗床へ移植する。 個体識別のための列植図を作成する(4時間)
第8回 施肥と病害虫・雑草防除 液肥の散布、殺菌剤や殺中剤の散布。 施肥量を窒素成分をもとに計算し、準備しておく。また、薬剤の濃度を調整して散布準備をしておく(4時間)
第9回 細胞分裂の観察・調査 植物体の花器官をサンプリングし、減数分裂の過程を生物顕微鏡を用いて観察記録する。 定期的に植物体をサンプリングして調査する。(4時間)
第10回 植物の葉色調査 SPAD値や色彩値を計測する。 計測のための調査用紙を作成しておく(4時間)
第11回 遺伝子解析用植物材料のサンプリング 温室内で育成中の植物個体より部位別に器官を取得し、凍結乾燥後に粉末化を行う。 サンプリング用チューブを準備し、凍結乾燥サンプルの秤量を行い、RNA抽出に供試する(4時間)
第12回 乾物重の測定 サンプリングした植物試料を70℃。48時間通風乾燥し、密封袋内で冷却後、乾物重を計量する。 乾燥機の運転・管理をしておくこと(4時間)
第13回 官能評価 温室と植物工場から適宜サンプリングを行い、研究室メンバーによる官能評価を実施する。 官能評価用シートを準備し、試験が円滑に進むように準備を進めておく(4時間)
第14回 収量調査 温室や植物工場内で、新鮮重量を計測後、各個体の写真や3-Dフェノタイプモデルを取得後に風乾を行い、各表現型値を計測する。 写真や3Dの撮影準備をしておくこと。さらに乾物試料の作成に使用する機材を確認しておくこと(4時間)
第15回 収穫・試験圃場の片づけ 収穫後の温室・植物工場を片付ける。設置機器・用具をすべて回収し、栽培ポットや棚を清掃する。 片付けた機器については次年度使用できるように整理・保管しておくこと(4時間)
第16回 試料の調整 葉身、根の乾燥試料を化学分析における抽出・分析に供試できるよう、粉砕する。 試料の予備乾燥を行う。フードプロセッサーを整備しておくこと(4時間)
第17回 化学分析(栄養成分) HPLC法により植物試料中の糖、有機酸、色素などの含量を測定する。 実験器具を準備し、試薬を調整しておくこと。(4時間)
第18回 化学分析(アミノ酸) ポストカラム誘導体化法により植物試料中のアミノ酸含量を測定する。 実験器具を準備し、試薬を調整しておくこと。(4時間)
第19回 化学分析(デンプン) 比色定量法により植物試料中のデンプン含量を測定する。 サンプルを粉砕して試料を調整しておくこと(4時間)
第20回 データの集計 集計ソフトExcelを用いて、データを集計する Excelの使用方法を習得しておくこと(4時間)
第21回 図表の作成 Excelの作図・作表機能を利用して、PowerPointを用いて図表を作成する。 Excel、PowerPointの使用方法を習得しておくこと(4時間)
第22回 統計処理 Excel上のデータを変換して統計解析ソフトSPSSに読み込ませ、t検定、分散分析、主成分分析等の統計処理を行う。 SPSSの使用法を学んでおくこと(4時間)
第23回 データの解釈 図表を清書して、そこから読み取れる結果を箇条書きする 過去の卒論の結果を参考にすること(4時間)
第24回 研究成果の中間発表 毎月行う「データ検討会」と12月に実施する中間発表会を通じて発表技術を習得する 中間発表会においては、発表原稿を作成し、発表練習を十分に行うこと(4時間)
第25回 材料および方法,結果の執筆・添削 材料および方法と結果を執筆する。されにこれに対して添削を受ける セミナー理科系の作文技術を復習しておくこと(4時間)
第26回 関連研究の調査 自身の研究成果に関連する文献を検索・収集する。 山口大学図書館、国会図書館等の論文検索ソフトを使えるようにしておくこと(4時間)
第27回 研究リストの作成 自身の研究成果に関連する論文について引用文を作成してリスト化する。 論文を読んで引用文を作成しておくこと(4時間)
第28回 緒言,考察の執筆・添削 作成した引用文リストをもとに、緒言と考察を執筆する。 自身の研究成果について、指導者ならびに友人とよく議論しておくこと(4時間)
第29回 プレゼンテーション 2月に生物資源環境科学科の卒論発表会で発表する。 プレゼンを作成し、原稿を作成して、十分に発表練習をしておくこと(4時間)
第30回 卒業論文の提出 執筆した卒業論文を印刷・製本して提出する。 原稿の最終チェックを複数回行い、ミスのない原稿を作成しておくこと。(4時間)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: --% D: --%
成績評価法
レポート(卒論)で評価します。
レポート100%
教科書にかかわる情報
備考
教科書は使用せず、必要に応じてプリントを作成・配布する
参考書にかかわる情報
参考書 書名 理科系の作文技術 ISBN 9784121006240
著者名 木下是雄著 出版社 中央公論新社 出版年 2002
備考
該当なし
メッセージ
野菜(ネギ類、ホウレンソウ、レタス、カボチャ等)を研究材料とするので、一年を通じて実験をやり遂げることが求められます。
キーワード
野菜、栄養成分、機能性成分、植物工場、ゲノム育種
持続可能な開発目標(SDGs)

  • 飢餓をゼロに
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • つくる責任つかう責任
(飢餓)飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。
(インフラ、産業化、イノベーション)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
(持続可能な生産と消費)持続可能な生産消費形態を確保する。
関連科目
基礎園芸学、遺伝学とバイオテクノロジー、園芸学実験、園芸学
履修条件
連絡先
内線5842,農学部330室,E-mail: shigyo@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
メールにて問い合わせてください。

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