開講年度
開講学部等
2025
農学部
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期集中
卒研・卒論
10.0
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
1071727125
卒業論文[Graduation Thesis]
日本語
6
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
高橋 肇[TAKAHASHI Tadashi]
ー
担当教員[ローマ字表記]
高橋 肇 [TAKAHASHI Tadashi]
特定科目区分
対象学生
対象年次
4~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
卒業論文では,教員の指導のもと作物学の最先端の研究を体験・担当する.授業では,研究テーマを検討するところに始まり,作物試験計画を設計し,圃場での作物試験を実施する.播種に始まり,圃場管理,収穫までの試験圃場の管理を担当しながら,サンプリング調査を通じて,圃場から作物のデータを収集する.採取したサンプルは,乾物重や葉面積,収量,収量構成要素を測定するとともに,化学分析により可溶性炭水化物含量や窒素含有率などを調査する.また,生育期間中,作物の生長点の変化を調査し,作物を観察することで,開花期や成熟期といった生育ステージを決定する.これらデータは,圃場調査終了後,集計して図や表に結果としてまとめる.さらに,得られた成果に関連する文献を調査し,これまでの研究背景に対して卒業論文研究で得られた成果がどのような位置付けにあるかを考えながら,成果に対し考察を加える.これら成果を文章にまとめることで,卒業論文を完成させる.
授業の到達目標
農学専門応用力を高め、課題解決力・自己研鑽能力を身につける。担当教員の指導のもとで,自身で研究を立案,計画,実施,まとめて,文書にて報告することができる。
授業計画
【全体】
卒業論文では,研究テーマを検討するところに始まり,作物試験計画を設計し,圃場での作物試験を実施する.播種に始まり,圃場管理,収穫までの試験圃場の管理を担当しながら,サンプリング調査を通じて,圃場から作物のデータを収集する.採取したサンプルは,乾物重や葉面積,収量,収量構成要素を測定するとともに,化学分析により可溶性炭水化物含量や窒素含有率などを調査する.また,生育期間中,作物の生長点の変化を調査し,作物を観察することで,開花期や成熟期といった生育ステージを決定する.これらデータは,圃場調査終了後,集計して図や表に結果としてまとめる.さらに,得られた成果に関連する文献を調査し,これまでの研究背景に対して卒業論文研究で得られた成果がどのような位置付けにあるかを考えながら,成果に対し考察を加える.これら成果はタイトル,要旨,緒言,材料と方法,結果,考察,文献リストの順で卒業論文として記述し公表する.
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
研究テーマの立案
研究テーマとその目的を立案する。
研究室の過去の卒論を読んでみること(4時間)
第2回
研究史の調査
卒論研究に至るまでにどのような関連研究があるのか概観する。
過去の卒論の緒言から研究史を整理してみること(4時間)
第3回
研究方法の検討
圃場試験法ならびに成分分析法について検討する
実験書ならびに過去の文献から実験方法を調査する(4時間)
第4回
試験の設計
研究計画法から試験を設計する。
統計のt検定、分散分析、完全無作為法、乱塊法を復習する。(4時間)
第5回
試験圃場の準備
試験圃場を実測して、設計を確認する。石灰散布による酸性土の矯正、元肥施肥
試験設計図を作成し、石灰や肥料の散布量を計算しておく(4時間)
第6回
播種・試験区の設置
圃場内で試験区を測量し、播種床を整備して播種する。
種子を準備し、袋に小分けしておく(4時間)
第7回
圃場の管理・整備
試験植物の出芽後、間引きを行い、栽植密度を調整する。同時に雑草の初期除草を行う。
個体識別の輪ゴムを準備しておく(4時間)
第8回
施肥・処理
分げつ肥、穂肥、開花期追肥を行う。
施肥量を窒素成分をもとに計算し、準備しておく。(4時間)
第9回
生長点の観察・調査
植物体をサンプリングし、生長点での幼穂分化の過程を解剖顕微鏡を用いて観察記録する。
定期的に植物体をサンプリングして調査する。(4時間)
第10回
葉数・分げつ数の調査
定位置での全個体について茎数を計測する。
計測のための調査用紙を作成しておく(4時間)
第11回
サンプリング調査
試験圃場内のサンプリング調査区から30個体を採取し、中庸な20個体について部位別に分解する。
サンプリング調査の調査袋、バットを準備し、植物体撮影の準備をする。(4時間)
第12回
乾物重の測定
サンプリングした植物試料を70℃。48時間通風乾燥し、密封袋内で冷却後、乾物重を計量する。
乾燥機の運転・管理をしておくこと(4時間)
第13回
防鳥網の設置
スズメによる食害を防ぐための防鳥網を設置する。
ネット、支柱を準備し、設置用の穴をあけておくこと(4時間)
第14回
収量調査
収量調査区(1.5㎡)の全植物体を刈り取り、ハウス内で風乾後、脱穀して子実収量を計量する。
刈取りの準備をしておくこと。さらに刈り取った試料植物をハウス内で乾燥させるための準備をしておくこと(4時間)
第15回
収穫・試験圃場の片づけ
収穫後の圃場を片付ける。設置機器・用具をすべて回収し、圃場をロータリー耕しておく。
片付けた機器については次年度使用できるように整理・保管しておくこと(4時間)
第16回
試料の調整
茎、葉身、子実の乾燥試料を化学分析における抽出・分析に供試できるよう、粉砕する。
試料の予備乾燥を行う。フードプロセッサーを整備しておくこと(4時間)
第17回
化学分析・アントロン硫酸法
アントロン硫酸法により植物試料中の糖含有率を測定する。
実験器具を準備し、試薬を調整しておくこと。(4時間)
第18回
化学分析・ケルダール法
ケルダール法により植物試料中の窒素含有率を測定する。
実験器具を準備し、試薬を調整しておくこと。(4時間)
第19回
デンプン粒の観察・計測
光学顕微鏡を用いて血球計算盤上のデンプン粒の数をサイズ別に計数する。
子実を粉砕して試料を調整しておくこと(4時間)
第20回
データの集計
集計ソフトExcelを用いて、データを集計する
Excelの使用方法を習得しておくこと(4時間)
第21回
図表の作成
Excelの作図・作表機能を利用して、PowerPointを用いて図表を作成する。
Excel、PowerPointの使用方法を習得しておくこと(4時間)
第22回
統計処理
Excel上のデータに対してt検定、分散分析等の統計処理を行う。
Excel上で統計プログラムを作成しておくこと(4時間)
第23回
データの解釈
図表を清書して、そこから読み取れる結果を箇条書きする
過去の卒論の結果を参考にすること(4時間)
第24回
研究成果の中間発表
毎月行う「データ検討会」と12月に実施する中間発表会を通じて発表技術を習得する
中間発表会においては、発表原稿を作成し、発表練習を十分に行うこと(4時間)
第25回
材料および方法,結果の執筆・添削
材料および方法と結果を執筆する。されにこれに対して添削を受ける
セミナー理科系の作文技術を復習しておくこと(4時間)
第26回
関連研究の調査
自身の研究成果に関連する文献を検索・収集する。
山口大学図書館、国会図書館等の論文検索ソフトを使えるようにしておくこと(4時間)
第27回
研究リストの作成
自身の研究成果に関連する論文について引用文を作成してリスト化する。
論文を読んで引用文を作成しておくこと(4時間)
第28回
緒言,考察の執筆・添削
作成した引用文リストをもとに、緒言と考察を執筆する。
自身の研究成果について、指導者ならびに友人とよく議論しておくこと(4時間)
第29回
プレゼンテーション
2月に生物資源環境科学科の卒論発表会で発表する。
プレゼンを作成し、原稿を作成して、十分に発表練習をしておくこと(4時間)
第30回
卒業論文の提出
執筆した卒業論文を印刷・製本して提出する。
原稿の最終チェックを複数回行い、ミスのない原稿を作成しておくこと。(4時間)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: 10% B: 10% C: 60% D: 20%
成績評価法
日々の積み重ねによりデータを収集して図表にまとめ,文章を執筆したことで卒業論文が完成しているか(80点),卒業論文にまとめたことをプレゼンテーションにより公表できているか(20点),について評価する.
教科書にかかわる情報
備考
教科書は使用せず、必要に応じてプリントを作成・配布する
参考書にかかわる情報
参考書
書名
理科系の作文技術
ISBN
9784121006240
著者名
木下是雄著
出版社
中央公論新社
出版年
2002
備考
該当なし
メッセージ
作物(コムギ、オオムギ)を研究材料とするので、一年を通じて実験をやり遂げることが求められます。
キーワード
コムギ、オオムギ、収量解析、生長解析
持続可能な開発目標(SDGs)
(貧困)あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる。
(飢餓)飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。
(エネルギー)すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する。
(陸上資源)陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する。
関連科目
作物学、作物学実験、作物学汎論
履修条件
連絡先
内線5840,農学部128室,E-mail: tadashit@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
月〜金曜日7:00〜8:00 月・火・木・金曜日12:00〜12:30
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