タイトル

開講年度 開講学部等
2024 共同獣医学部
開講学期 曜日時限 授業区分 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント YFL育成プログラム
2年通年 卒研・卒論   14.0  
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1083040537 卒業論文[Graduation Thesis] 英語 4
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
角川 博哉[KADOKAWA Hiroya]
担当教員[ローマ字表記]
角川 博哉 [KADOKAWA Hiroya]
区分   対象学生   対象年次 5~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
開設科目名(英訳)
卒業論文
概要
乳牛や黒毛和種牛では、生産効率を重視した改良の副産物として、発情不明瞭や低受胎などの繁殖障害や周産期疾病が多発し、発生率も年々増加している。これらの問題解決のために、内分泌、神経内分泌、栄養学、飼養管理などの多様な観点で、研究テーマを設定する。情報収集、仮説の設定、実験の計画・実施、データ解析、プレゼン、卒論執筆を通じて、科学的な思考力を学ぶ。
一般目標
繁殖障害、周産期疾病等に関わる分子・細胞・個体・群れ・環境のレベルでの、情報収集、仮説の設定、実験の計画・実施、データ解析、プレゼン、卒論執筆、科学的な思考力を学ぶ。
授業の到達目標
知識・理解の観点
繁殖障害、周産期疾病、加齢等を、関わる分子・細胞・個体・群れ・環境のレベルでどこまで理解し習得したか
思考・判断の観点
関連する生理調節機構、母体へのダメージ、加齢、ストレス等について思考し理解する
関心・意欲の観点
産業動物に関心をもつこと
態度の観点
分子・細胞・個体レベルの他に、環境ストレスや、群レベルで産業動物に関心をもつこと
技能・表現の観点
分子・細胞・個体レベルの他に、環境ストレスや、群レベルなど多様な観点で卒論研究で取り組み、解明した新規データを、第3三者に理解しやすく説明できるようにする
授業計画
【全体】
 一回に分娩する子供の数が少なく、子供が大人になるまでの時間が長い動物では、ストレス等の問題があると、次の子供を産むための妊娠開始を遅らせて、母体は自分が生き残ることを優先します。この結果、分娩から分娩までの間隔(分娩間隔)が延長します。寿命の長さは変わらないのですから(むしろ乳牛では良質な生産物を生産できる寿命は短縮しています)、一生の間に雌動物が生める子供の数は分娩間隔が延長すると減ります。この現象は、特に乳牛で重要な問題です。
 また日本の和牛生産の現場では、子牛不足が深刻な状況になり、子牛価格の高騰が生じています。一方で、日本からの和牛肉の輸出量は急激に増えています。Made in Japanの高品質で安心安全な牛肉は海外の消費者からも好評だからです。牛肉の需要は増えているのに、子牛が不足しているのです。
 多くの未解明のメカニズムによる難問があります。科学的に答えを発見していくことだけが唯一の道です。動物体内の様々なメカニズムをよく知り、未利用の機能も有効活用し、さらに国内外の様々な資源も有効に利活用することが重要になります。
 動物の研究では材料と方法を選ぶ際のポリシーが重要です。私達の基本姿勢は、人間の言葉を話せない動物から得られる情報を様々な観点から得て応用する事です。私達は、動物を個体としての観点と、群れとしての観点の両方でとらえます。個体としての観点では、分子、細胞、臓器、そして個体のレベルで考えますが、それぞれの考え方は、相互に補完しあう関係です。一方、群れとしての観点では、個体同士が相互に、良い方向にも悪い方向にも、影響し合うという視点でとらえます。そして個体や群れには、環境ストレスや、飼育者の様々な行為など、個体や群れの周囲に存在する要因が強く影響するという視点でとらえます。
 これらの多様な観点を身につけるため、独自の仮説をたて、実験計画の立案をし、実験を遂行し、データを解析し、そして、得られた新規データを第三者に理解しやすく説明できるようにすることが卒論の目的です。
項目 内容 授業外指示 授業記録
A B C D E F
第1回 仮説、実験の計画・遂行、解析、プレゼン 独自の仮説をたて、実験計画の立案をし、実験を遂行し、データを解析し、そして、得られた新規データを第三者に理解しやすく説明する 予習と復習をすること(目安4時間以上)。 【多】(授業時間の50%超) 【多】(授業時間の50%超) 【多】(授業時間の50%超) 【多】(授業時間の50%超) 【あり】 【あり】
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注 
①A〜Fのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
【E:振り返り】、【F:宿題】
②【多】、【中】、【少】は授業時間内におけるALが占める時間の割合を指しています。
【多】:授業時間の50%超、【中】:授業時間の15%〜50%、【少】:授業時間の15%未満。「振り返り」と「宿題」については該当する場合に【あり】と表示されます。
成績評価法
【全体】
授業態度・授業への参加度・受講者の発表・授業内での制作作品
【観点別】
知識・理解思考・判断関心・意欲態度技能・表現その他評価割合(%)JABEE収集資料
定期試験(中間・期末試験) --- --- --- --- --- --- --- ---
小テスト・授業内レポート --- --- --- --- --- --- --- ---
宿題・授業外レポート --- --- --- --- --- --- --- ---
授業態度・授業への参加度 40% ---
受講者の発表(プレゼン)・授業内での制作作品 60% ---
演習 --- --- --- --- --- --- --- ---
出席 欠格条件 ---
その他 --- --- --- --- --- --- --- ---
教科書にかかわる情報
備考
特になし
参考書にかかわる情報
備考
特になし
メッセージ
 人類の先祖がアフリカで誕生し、その住処を世界中に広げる中で、生活を”量”的にも”質”的にも豊かにするために、人類は数種類の科に属する動物を飼育し繁殖させるようになりました。現在では私達の身近な動物となった、イヌやウシなどです。初期の頃は、飢えから逃れるためなどの、原始的で”量”的な要求を満たすためでした。現在では、優秀な動物個体から、高品質な食物や精神的やすらぎ、また盲導犬に代表されるような身障者のための代替機能などを求めるようにもなりました。このことが人間が、なぜ他の種の動物を繁殖させるかという理由です。

 しかし、いつの時代も、人間が必要とするレベルに完全に応えるだけの優秀な動物個体の確保は難しいことです。たとえば分娩は、母子ともに生命の存続がおびやかされ、死にいたる非常に危険性の高いことです。ヒトを含めて、多くの動物がこれまで難産のために、子供、母親、また両方が命を落としてきました。もし無事に生まれたとしても、母体には分娩後の回復の遅れ、いわゆる、”産後のひだちの悪さ”が、健康に悪影響します。

 また一回に分娩する子供の数が少なく、子供が大人になるまでの時間が長い動物では、ストレス等の問題があると、次の子供を産むための妊娠開始を遅らせて、母体は自分が生き残ることを優先します。この結果、分娩から分娩までの間隔(分娩間隔)が延長します。寿命の長さは変わらないのですから(むしろ乳牛では良質な生産物を生産できる寿命は短縮しています)、一生の間に雌動物が生める子供の数は分娩間隔が延長すると減ります。この現象は、特に乳牛で重要な問題です。

 また日本の和牛生産の現場では、子牛不足が深刻な状況になり、子牛価格の高騰が生じています。一方で、日本からの和牛肉の輸出量は急激に増えています。Made in Japanの高品質で安心安全な牛肉は海外の消費者からも好評だからです。牛肉の需要は増えているのに、子牛が不足しているのです。
 多くの未解明のメカニズムによる難問があります。科学的に答えを発見していくことだけが唯一の道です。動物体内の様々なメカニズムをよく知り、未利用の機能も有効活用し、さらに国内外の様々な資源も有効に利活用することが重要になります。
 動物の研究では材料と方法を選ぶ際のポリシーが重要です。私達の基本姿勢は、人間の言葉を話せない動物から得られる情報を様々な観点から得て応用する事です。私達は、動物を個体としての観点と、群れとしての観点の両方でとらえます。個体としての観点では、分子、細胞、臓器、そして個体のレベルで考えますが、それぞれの考え方は、相互に補完しあう関係です。一方、群れとしての観点では、個体同士が相互に、良い方向にも悪い方向にも、影響し合うという視点でとらえます。そして個体や群れには、環境ストレスや、飼育者の様々な行為など、個体や群れの周囲に存在する要因が強く影響するという視点でとらえます。

 さらに、これからの獣医師は、診断、手術、投薬などの診療行為の他にも、”予防”の観点からも、動物に起きる様々な問題を科学的に根本から考えて、農家や飼育者と共同で対策を実行していくことも益々大事になります。現在、獣医学教育を欧米水準にするために様々な準備をしているところですが、このような考え方は、ヨーロッパから視察に来られた先生方から強く指摘を受け求められている点です。
 より良い充実した人生を歩むための準備期間が学生時代です。しかし時間などには限りがあります。

 私達と共に研究活動をする学生には次のような方針で接します。まず興味や熱意をもつ対象動物や手法、どのような社会人になりたいか等の学生側の要因が重要です。また同時にその時々の研究室内外の流れに応じさせる事も重要です。このような方針で、卒業論文や博士論文のテーマを選定していきます。

 学生には自主性や積極性が求められます。また私達の活動のためには、学内外の様々な方の協力が重要ですので、そのような方々と交流し、感謝の気持ちももてる学生である事が大事です。

 私達の研究室には、海外からの留学生や研究者なども多く訪れます。ゼミの時などには、適宜、教官や先輩学生が通訳をして、初学者であっても、ハイレベルなディスカッションに参加できるようにサポートします。しかし学生は異文化との交流に多少でも興味があり、積極的になれる方が良いです。たとえ英語のテストの点数が低い学生でも、外国人と会話をしている内に、最初はしどろもどろであまり話せなかったのに、メキメキ上達をしていき、数ヶ月もすると英会話を楽しめるようになります。20代の若い頭脳の成長力にはいつも驚かされます。慣れない日本での生活をする外国人にとっても、日本人の友達ができる事はとても嬉しいことなのです。そして日本人学生は、英語力が伸びるだけにとどまらずに、グローバル(世界的な)視野をもてるようになり、社会へ巣立っていきます。

 大学の責務は、高度研究の推進、研究成果の社会への還元、そして人材の育成です。ぜひ一緒に、様々なことにチャレンジしましょう。
キーワード
持続可能な開発目標(SDGs)

  • 貧困をなくそう
  • 飢餓をゼロに
  • すべての人に健康と福祉を
(貧困)あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる。
(飢餓)飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。
(保健)あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
関連科目
連絡先
電子メールアドレス:hiroyaに続いてアットマーク、その後は他の先生と同じ
オフィスアワー
常時(ただし会議、出張他をのぞく)

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