タイトル

開講年度 開講学部等
2025 国際総合科学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期前半 月3~4,木3~4   5.0
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1091011031 科学技術論演習Ⅲ(科学技術倫理)[Science and Technology Seminar III] 日本語 2
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
呉羽 真[KUREHA Makoto]
担当教員[ローマ字表記]
呉羽 真 [KUREHA Makoto]
特定科目区分 STEAM関連科目 対象学生   対象年次 3~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
 現代人のライフスタイルは技術に決定的な仕方で依存しており,新しい技術は私たちの人間関係や社会構造,そして人間自身のあり方をも大きく変化させる可能性をもつ。技術が健全な仕方で発展するには倫理学の知見が不可欠である,ということは,技術開発の最先端ではもはや常識となっている。また,新しい技術の導入の是非やその仕方についての判断は,専門家だけに任せるのではなく,社会全体で議論していく必要がある。
 本科目では特に,エンハンスメント技術,遺伝子操作技術,公衆衛生,コミュニケーションメディア,ロボット,食と環境,に関する代表的な倫理的問題を取り上げ,具体的な事例に基づく講義とディスカッションを行う。それを通して,技術の倫理的問題について自分自身で考え,他者と議論できるようになることを目指す。
授業の到達目標
地域社会や国際社会、様々な規模・地域において多様な課題が生じている。これらの社会的な課題対し積極的に関与するには、科学・技術や文化・社会など幅広い知識とそれらを総合的に活用し、情報収集や問題点の整理、更に適切な課題の設定と解決へとつながる実践力が求められる。本科目では、そのための科学技術に関わる基本的な知識や技術の習得と共に、科学技術と社会が関わる諸問題に対する自発的な疑問と思考を育み、課題解決に向けて積極的に関与するための実践的な基盤を育むことを目的とする。
授業計画
【全体】
 本科目は,講義と演習(ディスカッション)を組み合わせたスタイルで行う。講義では,科学・技術とその倫理的問題についての知識,およびそれについて判断するための倫理学の思考法を習得する。演習では,他者とのディスカッションを通じて問題への理解を深めるとともに,それに対して自分なりの意見を形成し,議論を展開する能力を習得する。
 イントロダクションの後,第2~3回(基礎編)は倫理学の基礎を学び,第4回以降(応用編)はエンハンスメント技術,バイオテクノロジー,公衆衛生,コミュニケーションメディア,ロボット,食と環境,の6つのテーマを順に取り上げる。各テーマについて,資料の読解や小レポートの作成を課題として課す。
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 イントロダクション
「なぜ科学・技術に倫理が必要なのか?」
科学・技術に関する倫理学の役割を学ぶ 科学・技術に関する倫理学の役割について復習する(目安時間:4時間)
第2回 講義1
「倫理の問題に正解はあるか?」
倫理学の基礎を学ぶ 倫理学の基礎に関する小レポートを作成する(目安時間:4時間)
第3回 演習1
「倫理の問題に正解はあるか?」
倫理学の基礎を学ぶ 倫理学の基礎について復習する(目安時間:2時間)
エンハンスメント技術の倫理について予習する(目安時間:2時間)
第4回 講義2
「薬で頭を良くしてよいか?」
エンハンスメント技術の倫理を学ぶ エンハンスメント技術の倫理に関する小レポートを作成する(目安時間:4時間)
第5回 演習2
「薬で頭を良くしてよいか?」
エンハンスメント技術の倫理を学ぶ エンハンスメント技術の倫理について復習する(目安時間:2時間)
バイオテクノロジーの倫理について予習する(目安時間:2時間)
第6回 講義3
「人間の遺伝子を操作してよいか?」
バイオテクノロジーの倫理を学ぶ バイオテクノロジーの倫理に関する小レポートを作成する(目安時間:4時間)
第7回 演習3
「人間の遺伝子を操作してよいか?」
バイオテクノロジーの倫理を学ぶ バイオテクノロジーの倫理について復習する(目安時間:2時間)
公衆衛生の倫理について予習する(目安時間:2時間)
第8回 講義4
「パンデミックでどこまで自由を制限できるか?」
公衆衛生の倫理を学ぶ 公衆衛生の倫理に関する小レポートを作成する(目安時間:4時間)
第9回 演習4
「パンデミックでどこまで自由を制限できるか?」
公衆衛生の倫理を学ぶ 公衆衛生の倫理について復習する(目安時間:2時間)
コミュニケーションメディアの倫理について予習する(目安時間:2時間)
第10回 講義5
「テレビ会議は人間関係を貧困にするか?」
コミュニケーションメディアの倫理を学ぶ コミュニケーションメディアの倫理に関する小レポートを作成する(目安時間:4時間)
第11回 演習5
「テレビ会議は人間関係を貧困にするか?」
コミュニケーションメディアの倫理を学ぶ コミュニケーションメディアの倫理について復習する(目安時間:2時間)
ロボットの倫理について予習する(目安時間:2時間)
第12回 講義6
「ロボットは人間の代わりになるか?」
ロボットの倫理を学ぶ ロボットの倫理に関する小レポートを作成する(目安時間:4時間)
第13回 演習6
「ロボットは人間の代わりになるか?」
ロボットの倫理を学ぶ ロボットの倫理について復習する(目安時間:2時間)
宇宙活動の倫理について予習する(目安時間:2時間)
第14回 講義7
「食べることについてどんな責任があるか?」
食と環境の倫理を学ぶ 食と環境の倫理に関する小レポートを作成する(目安時間:4時間)
第15回 演習7
「食べることについてどんな責任があるか?」
食と環境の倫理を学ぶ 食と環境の倫理について復習する(目安時間:2時間)
授業全体の内容について復習する(目安時間:2時間)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: 50% C: --% D: --%
成績評価法
授業態度・授業への参加度と、毎回の授業外レポート、で評価する。
授業態度・授業への参加度 40%、授業外レポート 60%
出席が所定の回数(70%)に満たない者には単位を与えない。
教科書にかかわる情報
備考
使用しない。
参考書にかかわる情報
参考書 書名 100年後の世界 ISBN 9784759816761
著者名 鈴木貴之 出版社 化学同人 出版年 2018
参考書 書名 心とからだの倫理学 ISBN 9784480684066
著者名 佐藤岳詩 出版社 筑摩書房 出版年 2021
参考書 書名 ロボットからの倫理学入門 ISBN 9784815808686
著者名 久木田水生ほか 出版社 名古屋大学出版会 出版年 2017
参考書 書名 技術哲学 = Philosophy of technology ISBN 9784812223208
著者名 金光秀和, 吉永明弘編 出版社 昭和堂 出版年 2024
備考
ここに挙げた参考書の他に,各回のトピックについて理解の助けになる参考文献やニュース記事,フィクション作品等を授業中に適宜紹介する。
メッセージ
キーワード
倫理学,エンハンスメント,バイオテクノロジー,公衆衛生,情報通信技術(ICT),ロボット,食
持続可能な開発目標(SDGs)

  • 貧困をなくそう
  • 飢餓をゼロに
  • すべての人に健康と福祉を
  • 質の高い教育をみんなに
  • ジェンダー平等を実現しよう
  • 安全な水とトイレをみんなに
  • エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 働きがいも経済成長も
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 人や国の不平等をなくそう
  • 住み続けられるまちづくりを
  • つくる責任つかう責任
  • 気候変動に具体的な対策を
  • 海の豊かさを守ろう
  • Life on land
  • パートナーシップで目標を達成しよう
  • パートナーシップで目標を達成しよう
(貧困)あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる。
(飢餓)飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。
(保健)あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
(教育)すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
(ジェンダー)ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う。
(水・衛生)すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。
(エネルギー)すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する。
(経済成長と雇用)包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する。
(インフラ、産業化、イノベーション)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
(不平等)各国内及び各国間の不平等を是正する。
(持続可能な都市)包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する。
(持続可能な生産と消費)持続可能な生産消費形態を確保する。
(気候変動)気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる。
(海洋資源)持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。
(陸上資源)陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する。
(平和)持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する。
(実施手段)持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する。
関連科目
科学技術哲学、科学技術論演習(科学技術思想)、および他の科学技術論科目すべて
履修条件
連絡先
kureha(at)yamaguchi-u.ac.jp
教育学部C棟210号室
オフィスアワー
まず上記アドレス宛てにメールすること。その上で、面談の必要があれば日時・場所を連絡する。

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