タイトル

開講年度 開講学部等
2025 国際総合科学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期後半 月7~8    
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1091011097 グローバル・ヒストリー概論[Introduction to Global History] 日本語 1
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
阿部 新[ABE Arata]
担当教員[ローマ字表記]
川崎 勝 [KAWASAKI Masaru], 阿部 新 [ABE Arata]
特定科目区分   対象学生   対象年次 1~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
 「現代社会はグローバル化している」とよく言われますが、それまでのゆるやかにつながっていた諸地域世界が本格的に一体化し始めたのは16世紀からのことです。この一体化の捉え方には様々なアプローチがあり得ますが、この講義では主に「近代世界システム論」という考え方を紹介したいと思います。「近代世界システム論」とは、例えば、「『イギリスは、工業化されたが、インドはされなかった』ではなく、『イギリスが工業化したために、その影響を受けたインドは容易に工業化できなくなった』」(下記教科書p. 26)というような捉え方をします。
 この授業は内容的に「近代世界システム論入門」であり、われわれが当たり前に思っている「グローバル化」の背景と問題点をさぐっていきたいと思います。
 本科目は、グローバル化に関連する社会、文化に関する知識を修得し、考察力を養うことを目的とします。
授業の到達目標
近現代を中心に、諸地域世界の特質と世界の一体化の過程を理解し、現代の諸課題を歴史的な観点から考察することができる。
授業計画
【全体】
 指定教科書の内容に準拠して、「世界システム」を鍵概念として16〜20世紀の歴史を概観し、現代社会がどのようにして形成されてきたのか、また、どのような問題点を含んでいるのかを理解する。
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 「世界の一体化」とはなんだろうか?〜イントロダクション 〜 授業の概要説明 教科書第1章「世界システムという考え方」を読んで授業に参加すること(目安時間2時間)
第2回 アジアにあこがれたヨーロッパ人 教科書第2章「アジアにあこがれたヨーロッパ人──大航海時代へ」、第3章「キリスト教徒と香料を求めて」の内容を中心に講義を行う。 教科書第2章、第3章を読んで授業に参加すること(目安時間2時間)
第3回 スペイン帝国=世界帝国の野望と挫折 教科書第4章「スペイン帝国の成立と世界システムの確立」の内容を中心に講義を行う。 教科書第4章を読んで授業に参加すること(目安時間2時間)
第4回 「17世紀の危機」とその対応〜ヘゲモニー国家と環大西洋経済圏の誕生〜 教科書第5章「『十七世紀の危機』」、第6章「キリスト教徒と香料を求めて」の内容を中心に講義を行う。 教科書第5章、第6章を読んで授業に参加すること(目安時間2時間)
第5回 イギリス繁栄の舞台裏……〜生活革命・砂糖王とタバコ貴族・奴隷貿易〜 教科書第7章「ヨーロッパの生活革命」、第8章「砂糖王とタバコ貴族」第9章「奴隷貿易の展開」の内容を中心に講義を行う。 教科書第7章〜第9章を読んで授業に参加すること(目安時間3時間)
第6回 「処理場」としてのアメリカ「二重革命」再考 教科書第10章「だれがアメリカをつくったのか」、第11章「『二重革命』の時代」の内容を中心に講義を行う。 教科書第10章、第11章を読んで授業に参加すること(目安時間2時間)
第7回 パクス・ブリタニカ=自由貿易帝国の時代 〜奴隷から移民へ〜 教科書、第12章「奴隷解放と産業革命」第13章「ポテト飢饉と『移民の世紀』」、第14章「パクス・ブリタニカの表裏──帝国の誇示と儀礼」の内容を中心に講義を行う。 教科書第12章〜第14章を読んで授業に参加すること(目安時間3時間)
第8回 近代世界システムの行方 教科書第15章「ヘゲモニー国家の変遷──世界大戦への道」、「結びにかえて」の内容を中心に講義を行う。 教科書第15章と「結びにかえて」を読んで授業に参加すること(目安時間2時間)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: --% D: --%
成績評価法
毎回のコメントシートの記載内容を参考にし(30%)、最終レポートの内容により評価(70%)を行う。なお、出席は欠格条件として扱う。
教科書にかかわる情報
教科書 書名 世界システム論講義──ヨーロッパと近代世界 ISBN 9784480097187
著者名 川北 稔 出版社 筑摩書房(ちくま学芸文庫) 出版年 2016
備考
教科書として指定した書物は、以前放送大学のテキストとして用いられた「ヨーロッパと近代世界」が改題の上で文庫化されたものです。大学の教科書としては比較的読みやすく、関心を抱いた人向けに参考文献も充実しています。
参考書にかかわる情報
備考
できるだけ高校の『歴史総合』の教科書(『世界史探究』を選択した場合はそれも)と資料集と地図帳を持参し、随時参照してください。また、これを機会に世界史の資料集を購入する場合は、帝国書院の『最新世界史図説タペストリー』お薦めします。
メッセージ
歴史は決して「暗記物」ではありません。むしろ「想像力」の学問です。人工的な文系・理系の壁を越えていきましょう。
キーワード
グローバル化、世界の一体化、世界システム論
持続可能な開発目標(SDGs)

  • 貧困をなくそう
  • 飢餓をゼロに
  • すべての人に健康と福祉を
  • 質の高い教育をみんなに
  • 働きがいも経済成長も
  • 人や国の不平等をなくそう
  • つくる責任つかう責任
  • パートナーシップで目標を達成しよう
  • パートナーシップで目標を達成しよう
(貧困)あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる。
(飢餓)飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。
(保健)あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
(教育)すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
(経済成長と雇用)包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する。
(不平等)各国内及び各国間の不平等を是正する。
(持続可能な生産と消費)持続可能な生産消費形態を確保する。
(平和)持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する。
(実施手段)持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する。
関連科目
履修条件
連絡先
kawasaki [at] yamaguchi-u.ac.jp
上の行の [at] の部分を@に書き換えてメールしてください。
オフィスアワー
 授業と会議の時間帯を除き,学生さんの相談には最優先で対応します。何か相談がありましたら、遠慮なく上記アドレスにメールしてください。都合がつく日時を連絡します。

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